居候は厨二病。

Musk.

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厨二病、戸惑う。

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冬休みが明けて。クリスが国に帰ったと聞いた女子達は案の定悲鳴をあげた。

「まどかちゃん!!アレクくんは帰ってくるんだよね!?」

「あれでしょ!?婚約者と結婚しに行ったわけじゃないよね!?」

放課後。私はクラスの女子から尋問を受けていた。怖い。

「うっ…うん、クリスは帰ってくるよ…お母さんのお世話で戻っただけだから………。」

私がそう弱々しく言うと女子達は安心して戻って行った。

「………まどか大丈夫?顔色悪いけど…。」

「花梨……。大丈夫だよ、ありがとう。」

「アレクくんのお母さんそんなに危ない状態なんだ?早く良くなるといいけど……。」

ごめんね花梨…本当の事言えなくて。もしかしたら帰ってこないかもしれないって言えなくて―――。

「ふふ、アレクくんというお邪魔虫が居なくなって俺は嬉しいんだけどね……あたっ」

話に入ってきた田中くんが花梨に叩かれた。

「ちょっと!!こんな時に!!本当にデリカシーが無いな田中は!!」

「いやいやだってアレクくん戻ってくるんでしょ?そんな一生の別れとかじゃないんだから………。」

一生の別れ………田中くんの言葉が胸に突き刺さった。もしかしたら一生の別れかもしれない。もう二度と私は……クリスに会えないのかもしれない…………。

「まどかちゃん?」

「あっやばい!私本借りっぱなしだった!!ちょっと返しに行ってくる!!」

私はカバンを握りしめて急いで教室を飛び出した。

「あっまどか!!………ったくもう!!田中のバカ!!」

「あいたっ!!ちょっと花梨ちゃん叩きすぎ!!もー。」


「…………はぁ、あぶな……かった……………。」

涙がポロポロ出てくる。悲しい、やっぱり悲しい……。私はまだおめでとうって言えるほど大人じゃないよ。クリスにはずっとこの世界に居て欲しかった。クリスの世界の人達に恨まれたっていい。私はずっとクリスと一緒にいたかった―――。私は子供のように泣きじゃくっていた。



「こんにちは………ってまどかちゃん!?」

「…………春川先輩お久しぶりです。」

「久しぶり……って目が真っ赤だよ?大丈夫!?」

図書室に来る前に顔洗ったんだけどな……やっぱり赤くなっちゃったか。

「大丈夫です…ちょっとゴミが入って………。」

それより本返しに来ました、とカウンターに本を置こうとすると先輩が私の腕を掴んだ。

「先輩……?」

「…………もしかして…アレクくんの事?」

やめてクリスの名前を出さないで。止まっていた涙がまた……。

「あっごめん……!!その、アレクくん有名だからさ…僕の学年にまで噂が流れて………。」

先輩はカウンターから出てきて私に向き合った。

「お母さんのお世話で国に帰ってるって聞いたけど……嘘でしょ?」

「嘘じゃないです……!本当です!」

「……本当ならどうして、まどかちゃんは泣いているの?」

やめてください…私は小声で言った。どうしてそんな意地悪をするの?どうしてそんな……鋭い目で見るの?眼鏡越しで見る先輩の目は鋭くて怖かった。

「私……帰ります………!」

先輩の手を振りほどこうとした時だった。

「………………先輩……?」

私は先輩に、強く抱きしめられていた。







「ほぅ、流石クリスだな。全く腕が落ちていない。」

団長が俺の剣さばきを見て関心していた。

「ふふん、俺は副団長だからな。腕が落ちないよう毎日シナイで素振りをしていたのだ!」

シナイ?新しい剣か?団長が頭を傾げた。

「ああ、シナイと言うのは……「クリス様!!」

突然明るい声が訓練場に響いた。レイラだ。

「あっ……すみません訓練中に………。」

「いやいやいいんだよ、レイラちゃん!」

俺はレイラちゃんの味方だから、と団長はニヤニヤしながら歩いて行った。味方ってなんだ。争いごとか?

「クリス様……差し入れです!受け取ってください!」

レイラはカゴいっぱいのパンを俺に渡してきた。

「パンか?随分たくさんだな。」

「あっごめんなさい……つい作りすぎちゃって。迷惑でしたか?」

「……いや、ありがとうレイラ。有難くいただく。」

俺がそう笑うとレイラも嬉しそうに笑った。―――しかし本当に凄い量だな。

「おい、まどか!こんなに食べられないから他の団員に分けてもいいか?」

「えっ?まどか?」

「あっ!!悪いなんでもない!!」

俺は慌ててパンを休憩室まで運んで行った。



「………はぁ…。」

俺は訓練後の汗を流すためシャワーを浴びていた。

まどか………今頃何をしているのか。まどかに……会いたい。けどまどかは会いたいと思ってくれてるのだろうか?やっと落ち着いた生活が出来る、と家族で話しているのでは無いのか。帰りたいと言うのは…………俺のわがままでは無いのか―――。

俺は流れる水を見つめながらただ呆然と考えていた。


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