44 / 45
愛しい人は突然やってくる。
しおりを挟む
「え………?クリス?本物………?」
「俺の偽物なんて居るわけないだろう。それよりなんで俺は帰ってきて早々罵倒されているんだ。」
「うっ………うわぁんクリスのバカぁぁぁ!!」
ぐはっ!クリスがダメージを喰らったようだけど気にしない。私はクリスに思いっきり抱きついて押し倒した。
「クリス!!なんで居なくなったの!?急に消えるなんて酷い!!」
「わっ…悪い……。いや、急に呼び戻されてな…。俺も焦ったというか……。」
「ずっと……ずっと待ってたんだからぁ!!もう戻って来ないかと………。」
「まどか………お前は…俺を待っていてくれてたのか…?」
「当たり前でしょ!?毎日毎日待ってたんだからぁ!!」
良かった………そう言ってクリスは私をぎゅっと抱きしめた。
「俺……不安だったんだ…。この世界では俺はお荷物だったんじゃないかって…居なくなって良かったって思われてたんじゃないかって…。だから……戻らない方がいいと思ったんだ。………でもどうしても諦められなくて……まどかを忘れられなくて…だから俺は聞いたんだ…俺を日本に飛ばしたジュディムにその方法を。」
「クリス………バカ!!クリスをお荷物だなんて思うわけないじゃない………。」
「まどか………悪かった泣かないでくれ…。」
クリスが切なそうな顔で見てくる。うう…クリスだ。私の大好きなクリスだ………。
「まどか……俺、あの時言えなかったから…今ちゃんと言いたい。」
「……クリス?」
「まどか……好きだ。……大好きだ。俺とずっと一緒にいてくれ。」
!! うわぁ急に言われると心臓が…………!!
「まどかの気持ちも教えてくれ。拒否権は無いが気持ちは知りたい。」
ええ!?拒否権は無いって何!?
「まどか。」
「うっ!あっはい……私も……私もクリスが大好き…ってわぁ!?」
クリスは私を強く抱きしめた。
「痛い痛い!!クリス痛い!!」
「あっ悪いつい……まどかに会えて嬉しくてな。……ずっと会いたかった……。」
「クリス………ってちょっと何してるの!?」
「何ってまどかの香りを嗅いでいる。シャンプーの香り久しぶりだな…向こうの世界は香水がきつくてちょっとな……。」
「香りって……ひゃっ!?舐めた!!首筋舐めた!!」
「うるさいな…まどかにはムードとか無いのか?ずっと会えなかったんだ…このぐらい許せ。」
「ムードなんて、わわ私にはぁー!!」
「まどか……キスしよう。大丈夫だまどかには拒否権は無い。」
大丈夫って何ぃー!!ああ、キスされるぅと思った瞬間。
「佐々木さん大丈夫ー!?天変地異が!!」
と激しく扉が開いた。
「あれ?佐々木さんどこ?」
「大丈夫ですぅ……生きてますぅぅぅ……。」
「えっ全然大丈夫じゃない……ってアレクくん!?こんな所で何してるの!?………佐々木さんを押し倒してるように見えるけど。」
「いや、違うな。まどかに魔物が憑いていたから退治していた!!」
家でやれ!と私達は廊下に捨てられた。
「ちょ…ちょっと!!クリスのせいで激しい勘違いされたじゃない!!」
「勘違い?事実だろ。」
「事実って何!?図書室行けなくなるじゃない!!」
「気にしないで行けばいい。気にしたら負けだ。」
それに俺達は両思いだし噂が立っても平気だろ。と言われた。全然平気じゃないし!!……まぁ噂を立てるような先輩じゃないからいいけど。
「それよりクリス…その格好はまずいよ!厨二病全開だよぉ!」
「おい、俺は厨二病じゃない。」
「格好は厨二病だよ!とりあえずその剣しまって!!」
私はクリスを体操着に着替えさせて帰ることにした。……クリスの体操着ロッカーにあって良かった。
「クリス……ちゃん!?」
「ただいま戻りました。……お父さん、お母さん。」
「クリスちゃんー!!」
お父さんとお母さんは涙目でクリスを抱きしめた。あっクリス嬉しそう。
「戻ってこられたのね!!おかえりなさいクリスちゃん!!」
「ああ、待っていてくれてありがとう……。学校も辞めさせないでいてくれたんだな…。」
「当たり前でしょう?クリスちゃんは何も言わないで帰る子じゃないって信じてたんだから!」
お母さんがそう言うとクリスは照れたように笑った。
「…しかしいきなり飛ばされていきなり呼び戻されるとは…クリスくんも災難だねぇ。」
「ああ、まさか呼び戻されるとは思わなかった……レイラがそこまで俺を思っているとは……。」
そうか…呼び戻したのはレイラさんだったのか…本当に好きだったんだな…クリスのこと。
「レイラ?ってお母さんかしら?」
「いや、俺の婚約者だ。」
お父さんとお母さんはええー!!と驚いた。
「婚約者!?婚約者置いてきていいの!?」
「親が勝手に決めた婚約者だ。正式ではない。」
「でも………。」
「レイラには悪いが俺は結婚する気が起きなかったんだ。……同情で結婚してもレイラを傷付けるだけだ。」
確かに……同情で結婚なんて嫌だ。
「大丈夫だ、全部話してきたから。レイラは泣き喚いたが…団長がどうにかしてくれるだろう。」
ええ!?団長任せ!?
「団長がお前は気にせずニホンに行け、後のことは俺に任せておけばいいんだよ、と言ってくれたんだ。」
かなり心配だけど……あいつは出来る男だから大丈夫だろとクリスは言っていた。いや、なんで上から目線?
「ご両親や…王様とかは大丈夫だったの?クリスちゃん…。」
「親は今まで放任してきた負い目があるみたいでな。クリスのやりたいようにやればいいと言ってくれた。王様も……かなり落ち込ませてしまったが…最後は認めてくださった。皆戻りたくなったら戻ってこい、と言ってくれた。お前の居場所はいつまでもここにあると言ってくれたんだ。」
「………クリス、愛されてるんだね。」
「そうだな……俺も気付かなかったな…。」
クリスはそう静かに呟いた。
「俺の偽物なんて居るわけないだろう。それよりなんで俺は帰ってきて早々罵倒されているんだ。」
「うっ………うわぁんクリスのバカぁぁぁ!!」
ぐはっ!クリスがダメージを喰らったようだけど気にしない。私はクリスに思いっきり抱きついて押し倒した。
「クリス!!なんで居なくなったの!?急に消えるなんて酷い!!」
「わっ…悪い……。いや、急に呼び戻されてな…。俺も焦ったというか……。」
「ずっと……ずっと待ってたんだからぁ!!もう戻って来ないかと………。」
「まどか………お前は…俺を待っていてくれてたのか…?」
「当たり前でしょ!?毎日毎日待ってたんだからぁ!!」
良かった………そう言ってクリスは私をぎゅっと抱きしめた。
「俺……不安だったんだ…。この世界では俺はお荷物だったんじゃないかって…居なくなって良かったって思われてたんじゃないかって…。だから……戻らない方がいいと思ったんだ。………でもどうしても諦められなくて……まどかを忘れられなくて…だから俺は聞いたんだ…俺を日本に飛ばしたジュディムにその方法を。」
「クリス………バカ!!クリスをお荷物だなんて思うわけないじゃない………。」
「まどか………悪かった泣かないでくれ…。」
クリスが切なそうな顔で見てくる。うう…クリスだ。私の大好きなクリスだ………。
「まどか……俺、あの時言えなかったから…今ちゃんと言いたい。」
「……クリス?」
「まどか……好きだ。……大好きだ。俺とずっと一緒にいてくれ。」
!! うわぁ急に言われると心臓が…………!!
「まどかの気持ちも教えてくれ。拒否権は無いが気持ちは知りたい。」
ええ!?拒否権は無いって何!?
「まどか。」
「うっ!あっはい……私も……私もクリスが大好き…ってわぁ!?」
クリスは私を強く抱きしめた。
「痛い痛い!!クリス痛い!!」
「あっ悪いつい……まどかに会えて嬉しくてな。……ずっと会いたかった……。」
「クリス………ってちょっと何してるの!?」
「何ってまどかの香りを嗅いでいる。シャンプーの香り久しぶりだな…向こうの世界は香水がきつくてちょっとな……。」
「香りって……ひゃっ!?舐めた!!首筋舐めた!!」
「うるさいな…まどかにはムードとか無いのか?ずっと会えなかったんだ…このぐらい許せ。」
「ムードなんて、わわ私にはぁー!!」
「まどか……キスしよう。大丈夫だまどかには拒否権は無い。」
大丈夫って何ぃー!!ああ、キスされるぅと思った瞬間。
「佐々木さん大丈夫ー!?天変地異が!!」
と激しく扉が開いた。
「あれ?佐々木さんどこ?」
「大丈夫ですぅ……生きてますぅぅぅ……。」
「えっ全然大丈夫じゃない……ってアレクくん!?こんな所で何してるの!?………佐々木さんを押し倒してるように見えるけど。」
「いや、違うな。まどかに魔物が憑いていたから退治していた!!」
家でやれ!と私達は廊下に捨てられた。
「ちょ…ちょっと!!クリスのせいで激しい勘違いされたじゃない!!」
「勘違い?事実だろ。」
「事実って何!?図書室行けなくなるじゃない!!」
「気にしないで行けばいい。気にしたら負けだ。」
それに俺達は両思いだし噂が立っても平気だろ。と言われた。全然平気じゃないし!!……まぁ噂を立てるような先輩じゃないからいいけど。
「それよりクリス…その格好はまずいよ!厨二病全開だよぉ!」
「おい、俺は厨二病じゃない。」
「格好は厨二病だよ!とりあえずその剣しまって!!」
私はクリスを体操着に着替えさせて帰ることにした。……クリスの体操着ロッカーにあって良かった。
「クリス……ちゃん!?」
「ただいま戻りました。……お父さん、お母さん。」
「クリスちゃんー!!」
お父さんとお母さんは涙目でクリスを抱きしめた。あっクリス嬉しそう。
「戻ってこられたのね!!おかえりなさいクリスちゃん!!」
「ああ、待っていてくれてありがとう……。学校も辞めさせないでいてくれたんだな…。」
「当たり前でしょう?クリスちゃんは何も言わないで帰る子じゃないって信じてたんだから!」
お母さんがそう言うとクリスは照れたように笑った。
「…しかしいきなり飛ばされていきなり呼び戻されるとは…クリスくんも災難だねぇ。」
「ああ、まさか呼び戻されるとは思わなかった……レイラがそこまで俺を思っているとは……。」
そうか…呼び戻したのはレイラさんだったのか…本当に好きだったんだな…クリスのこと。
「レイラ?ってお母さんかしら?」
「いや、俺の婚約者だ。」
お父さんとお母さんはええー!!と驚いた。
「婚約者!?婚約者置いてきていいの!?」
「親が勝手に決めた婚約者だ。正式ではない。」
「でも………。」
「レイラには悪いが俺は結婚する気が起きなかったんだ。……同情で結婚してもレイラを傷付けるだけだ。」
確かに……同情で結婚なんて嫌だ。
「大丈夫だ、全部話してきたから。レイラは泣き喚いたが…団長がどうにかしてくれるだろう。」
ええ!?団長任せ!?
「団長がお前は気にせずニホンに行け、後のことは俺に任せておけばいいんだよ、と言ってくれたんだ。」
かなり心配だけど……あいつは出来る男だから大丈夫だろとクリスは言っていた。いや、なんで上から目線?
「ご両親や…王様とかは大丈夫だったの?クリスちゃん…。」
「親は今まで放任してきた負い目があるみたいでな。クリスのやりたいようにやればいいと言ってくれた。王様も……かなり落ち込ませてしまったが…最後は認めてくださった。皆戻りたくなったら戻ってこい、と言ってくれた。お前の居場所はいつまでもここにあると言ってくれたんだ。」
「………クリス、愛されてるんだね。」
「そうだな……俺も気付かなかったな…。」
クリスはそう静かに呟いた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる