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第六章
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次の日。
僕は、やっぱり四時前に公園へ来ていた。
昨日は怒って帰った。
だから今日は、文句を言うつもりだった。
「なんで来なかったんだよ」って。
ブランコに座って、入口を見る。
四時。
来ない。
昨日と同じ風が吹く。
胸の奥が、少しだけざわつく。
「……まさか、今日も?」
言葉にすると、嫌な感じがした。
五時。
やっぱり来ない。
僕は立ち上がった。
公園をぐるっと歩く。
砂場。
鉄棒。
滑り台。
いない。
当たり前なのに、探してしまう。
ベンチに座っていたおばあさんと目が合った。
「どうしたの?」
「……いや。」
少し迷ってから、聞いた。
「白い服の子、知りませんか? よくここに来てたんですが。」
おばあさんは考える。
「ああ、あの細い子?」
心臓が、どくんと鳴る。
「最近、見ないわねぇ。」
「家、どこか知ってます?」
「さあ……でも、あの子、向こうから来てたわよ。」
「向こう?」
おばあさんが指さしたのは、公園の端。
道路を挟んだ先。
そっちを見ると白い建物がある。
高い窓。
「……あそこ?」
「たしか、あの辺りから歩いてきてた気がするわ。」
僕は何も言わずに走り出した。
信号を渡る。
近づくほど、胸がうるさくなっていく。
建物の前で足が止まった。
入口の上に書いてある文字。
病院。
……しばらく動けなかった。
なんで。
りんは、ただ公園に来てただけだ。
少し細くて、少し息が荒くて、すぐベンチに座るだけの子だ。
病院なんて、関係ない。
でも。
“向こうから来てた”
その言葉が離れない。
自動ドアの向こうに、白い廊下が見える。
薬の匂いが、風に混ざる。
りん。
その名前を、胸の中で呼び。
ポケットの中の小さな箱を握って。
僕は、ゆっくりと病院の入口へ歩き出した。
僕は、やっぱり四時前に公園へ来ていた。
昨日は怒って帰った。
だから今日は、文句を言うつもりだった。
「なんで来なかったんだよ」って。
ブランコに座って、入口を見る。
四時。
来ない。
昨日と同じ風が吹く。
胸の奥が、少しだけざわつく。
「……まさか、今日も?」
言葉にすると、嫌な感じがした。
五時。
やっぱり来ない。
僕は立ち上がった。
公園をぐるっと歩く。
砂場。
鉄棒。
滑り台。
いない。
当たり前なのに、探してしまう。
ベンチに座っていたおばあさんと目が合った。
「どうしたの?」
「……いや。」
少し迷ってから、聞いた。
「白い服の子、知りませんか? よくここに来てたんですが。」
おばあさんは考える。
「ああ、あの細い子?」
心臓が、どくんと鳴る。
「最近、見ないわねぇ。」
「家、どこか知ってます?」
「さあ……でも、あの子、向こうから来てたわよ。」
「向こう?」
おばあさんが指さしたのは、公園の端。
道路を挟んだ先。
そっちを見ると白い建物がある。
高い窓。
「……あそこ?」
「たしか、あの辺りから歩いてきてた気がするわ。」
僕は何も言わずに走り出した。
信号を渡る。
近づくほど、胸がうるさくなっていく。
建物の前で足が止まった。
入口の上に書いてある文字。
病院。
……しばらく動けなかった。
なんで。
りんは、ただ公園に来てただけだ。
少し細くて、少し息が荒くて、すぐベンチに座るだけの子だ。
病院なんて、関係ない。
でも。
“向こうから来てた”
その言葉が離れない。
自動ドアの向こうに、白い廊下が見える。
薬の匂いが、風に混ざる。
りん。
その名前を、胸の中で呼び。
ポケットの中の小さな箱を握って。
僕は、ゆっくりと病院の入口へ歩き出した。
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