異世界転移は拒否っていいよね?

黒狐

文字の大きさ
6 / 11
突然の非日常の始まり

第六話 冒険者になりました

しおりを挟む
誤字や脱字などがあれば報告お願いします!
ついでに面白いのか不安なので感想もあればうれしいです( ・ㅂ・)و
ーーー
冒険者ギルドは木と煉瓦で出来た建物で、なんだか古そうな気配を漂わせていた。

「おーこれがギルドか、古そうだな」


「1000年程前に作られた組織ですからね、古い建物も多いんでしょう」


「取り敢えず入ってみるか」


木製の扉を押すとギィと軋む音をたてながら扉は開いた。
中では武器を装備した男や女、他の種族などの様々な人種が集まっており、酒を飲んだり雑談をしていたりしていたりととても騒がしかった。

俺達が中に入ると数人の冒険者が横目で見てきたがあまり興味は無かったのかすぐに目を逸らした。

視線はすぐに逸らされたから特に気にせずに周りを軽く見渡すと、受付らしき場所をみつけた。そこへ近づいて行くと、そこに立って居た緑髪でショートボブの20歳位の女性に声をかけられる。


「こんにちは、今日は何の御用でしょうか?」


「ああ、冒険者になりたいんだが、ここであってるか?」


「あってますよ、冒険者登録なら一人銅貨五枚ですが…そちらの方もですか?」


受付嬢は見た目が幼くて非力そうなシュースを見てそう言った。


「シュースはどうする?」


「勿論なりますよ、なっておいて損はないでしょうし」


シュースは亜空間から銅貨十枚を取り出し受付嬢へと差し出した。


「亜空間持ち!?…それならクエストには荷物運びなどもありますし冒険者として問題ないでしょう」


一瞬驚いたもののすぐに持ち直すとは、こいつ…できる!


「銅貨十枚、確かに受け取りました。それでは…こちらのカードに血を垂らして下さい」


受付嬢はカウンターの下から取り出した銅のカードと針をこちらに差し出した。
なるほど、異世界モノでよくある方法か、じゃあ針が通る様に能力を一旦解除してっと…


「まあ人差し指でいいか」


針で人差し指を少しだけ刺すと血が出たのでその血をカードに垂らす。
すると、カードに付着した血が光りだし、勝手に文字の様な形へと変化していく。
暫くすると光は消え、カードには赤色の文字が書かれていた。


「えーと…キョウガ=コウヤ様ですね、これでコウヤ様の冒険者登録は終了です」


「ありがとう」


俺が返されたカードを受け取ると、じっと横で眺めていたシュースは俺を真似て針でカードに血を垂らした。カードは俺の時と同じ様に、垂らした血が形を変えていき何事もなくギルドカードは完成した。


「名前はシュース様ですね、これでシュース様の冒険者登録も終了です」


「ありがとうございます」


「冒険者登録が済んだので次は冒険者ギルドの規則についての説明をしていきます。説明が不要な場合はこれで終了ですがどうしますか?」


規則知らなかったらいつ間にか破ってそうだし聞いておくか。罰金とかあったら嫌だしな。

「説明を頼む」


「分かりました。ではまず始めにコウヤ様とシュース様は冒険者ギルドについてどれだけ知っていますか?」


「殆ど知らないな」


「私もです」


「では冒険者ギルドについてですが、このギルドでは主に採取、手伝い、護衛、討伐のクエストを受ける事ができます。そしてこれらのクエストを受注し、達成する事で報酬を得る事が出来きます。あと、クエストを達成するとギルドポイントというものを与えられ、十分に溜まるとランクの昇格試験を受ける事ができますので頑張ってください」


「ランクとは?」


「ランクというのは銅、鉄、銀、金、ミスリル、オリハルコンのギルドカードで分けられています。銅が一番下のランクでオリハルコンが最高ランクですね、銅のランクでは主にゴブリン討伐までしかクエストを受ける事が出来ませんがランクが上がるにつれて高難度のクエストも受ける事が出来る様になります」


「なるほど、大体把握できた」


「なら最後に冒険者ギルドの規則ですが、これに関してはよっぽどの事をしでかしたりギルドの一部を破壊してしまったりなどしない限り特に問題はありません。ただしそういう事をしでかした場合は資格剥奪、または罰金がありますのでご注意を」


「そこらへんは気をつけよう」


「説明はこれぐらいですね、他に知りたい事などはありますか?」


「特にないな」


「そうですか、ではこれからのお二人の活躍に期待しております」


「なら今日は暇だし早速その期待とやらに応えるか。ゴブリン討伐のクエストを受けたいんだがあるか?」


そういうと受付嬢は俺達の全身を見てから困った様に口を開いた。


「一応ありますが…お二人はまず武器や防具を購入すべきだと思いますよ?」


なるほど、そういうことか。でも武器と防具ねぇ…


「俺にはただの重たいお荷物だから要らないな」


「私も魔法があるので要らないですね」


そんな事を二人で言っていると受付嬢は真面目な顔でこちらを見ていた。


「…自分の力を信じるのは良いですが、過信していては駄目ですよ、そういう人は実戦ですぐに死んでしまうので」


「死ぬ覚悟がない奴は実戦に行かないと思うが?」


「そうではありません!いくら自信があっても新人が武器もなしの丸腰でゴブリンの討伐なんて受付嬢として受注を断ります!」


「受付嬢として冒険者のクエストの受注をしているのに自分の考えだけで受注を拒否するのはどうかと思うが?」


「っ!私は新人である貴方達の事を考えて…!」


揉めていると突然、入り口の扉がバタン!と音を立てて開かれる。ギルドの中へ入って来たのは下劣な顔が似合いそうなムキムキの大柄な男と、鉄の棒のような物を腰につけている痩せた男の組み合わせだった。

他の冒険者はその二人を見て嫌な表情を見せ小声で話し始めた。


「『粉砕者』がきやがったぞ…」

「銀ランクだからって調子のりやがって…」

「あいつら本当に気持ち悪いのよ…前に尻触ってきたし」


様々な反応があるが突然尻触るとか…気持ち悪いな、それに二つ名っぽいのが粉砕者とか、逆にお前らの玉を粉砕してやろうか。


そんな事を考えながら二人組みを見ていると、こちらの方へと視線を向けて近づいて来た。


「邪魔だどけ!」


こちらへ来たかと思うと突然身体を押し飛ばされる。触られたのは針で指を刺した時に能力を解除していてそのままだったからか…
というか力強いな、四メートル位吹き飛ばされたぞ。


「紅夜さん!」


シュースが慌てて近寄ってくるが手で大丈夫だと制して立ち上がる。俺を押し飛ばした男達の方を見ると、先程俺達と話していた受付嬢に向かって話しかけていた。


「ほらよ、レッサーデビルの討伐証明部位だ」


そう言って大柄な男は角の様な物体を20個ほどカウンターへ投げ捨てる。
受付嬢はその男を睨みながら呟いた。

「…また貴方ですか」


「おいレリアよぉ、さっさと俺のオンナにやりやがれ」


「誰が貴方みたいな…っ!」


男はこぶしをドンとカウンターへ叩きつけた。
レリアと呼ばれた受付嬢がビクッとすると、男は続けて脅迫の様な言葉を重ねる。


「だからよぉ、俺が優しい内にさっさと俺のオンナになりやがれってつってんだよ!」


さらにこぶしをドンとカウンターへ叩きつける。


「ひっ」


「俺のオンナになればオンナの悦びをとことん教えてやるよ」


男は下劣な笑みを浮かべ、レリアに向かって手を伸ばしていく。
レリアは恐怖で動けないのか涙を流して震えているだけだ。

そんな光景を見て俺は感想を口にした。


「やっぱり下劣な顔がお似合いだな」


「あん?」


男がこちらを睨みつけてくる。

常時展開している害のある物を拒否する効果を少し強めに再度発動してから男とレリアの方へと近づく。


はぁ…まったくゴブリンの討伐を受けようとしただけでどうしてこんな事になるのやら。


「俺が先に並んでいたからそこをどいてもらおうか」


レッサーデビルの角とやらを床へ全て払い落とし男とレリアの間に割り込む。
あいつ死んだなとか聞こえるがそんなの知らん。

「てめぇ…なにしやがる」


男は低い声でこちらに話しかけてくる。
それに対し俺はあくびをして「邪魔だからどかしただけだが?」と言い返す。


「この銀ランクの俺を邪魔だと?新米がナメやがって」


「ランクが上なだけの格下をナメて何が悪いんだ?」


「この野郎っ!」


顔を真っ赤に染めた男が顔面に向かってこぶしを振り下ろす。
しかし俺はそのこぶしをただ突っ立て待ち構える。
そしてこぶしが顔面へ吸い込まれる様に迫ってきた…がそのこぶしは突如顔面の数ミリ前で停止した。


「は?」


そしてその直後、男は後ろに向かって吹き飛ばされた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

正しい聖女さまのつくりかた

みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。 同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。 一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」 そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた! 果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。 聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜

namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。 かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。 無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。 前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。 アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。 「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」 家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。 立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。 これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...