異世界転移は拒否っていいよね?

黒狐

文字の大きさ
7 / 11
突然の非日常の始まり

第七話 ゴブリン退治の受注

しおりを挟む
2日連続で寝落ちしてしまった…そして手抜きっぽい気もする…
ーーーー

「がっ!」


大柄な男は他の冒険者達がいたテーブルや椅子を巻き込みながら俺を押し飛ばした時の倍以上の距離を吹き飛んだ。


「こんなもんか?」


テーブルやその上にあった酒や料理が散乱して出来た道を、真っ直ぐに歩いて倒れている男へと近づく。


「くそっ、一体何が…」


「大丈夫っすか!?」


大柄な男が起き上がると、呆然としていた痩せた男が正気に戻り男へ近づく。
痩せた男は大柄な男の安否を確認するとこちらをキッと睨みつけてきた。


「お前、ザッコさんに一体なにしやがった!」


「何をしたって殴られただけだが?」


「殴った方が吹っ飛ぶ訳ないだろが!」


「ハッ、目の前で吹き飛んだんだから現実見ろよ馬鹿が」

まあ、俺が殴られるのを拒否したからザッコとやらに衝撃が跳ね返ったんだけどな。そんな事を思いつつ煽る様に鼻で軽く笑いながらそう言うと痩せた男は顔を真っ赤にした。



「そんなに言うって事は覚悟出来てんだろうな?」


「覚悟?なんのだ?」


「決闘に決まってんだろ、勝負しやがれ!」


二人は怒りでこちらを睨みつけながら勝負を挑んできた。
こんなの答えは決まっているだろう。

「こちらに良い事が一切ない決闘なんか受けるとでも思ってんのか?」


「なっ、ふざけんな!」


「おいおい、そっちが挑んで来てるんだろ?なら俺には拒否する権利はあるだろが」


「てめぇ、逃げる気か!」


「負け犬の遠吠えは聞かない主義なんでな」


所々で冒険者達の笑いを堪えている声が聞こえる。
顔が真っ赤なザッコと言われた男が背後で叫んでいるが軽くあしらい俺は受付へと戻って行く。

レリアはザッコ達の方を見て呆然としていたが俺が近づくとハッと正気に戻ったので何事も無かったかの様にもう一度話しかける。


「ゴブリンのクエストを受けたいんだが?」


「一体何を…」


「そんな事はいいだろ、早く受注させてくれ」


「…どうやったかは分からないですが銀ランクである彼を退けた貴方なら別にいいでしょう」


そう言ってレリアは壁に貼ってある紙の一枚を取るとこちらに差し出してきた。
見てみるとこちらの世界の言葉で読めなかったのでシュースに見せる。


「読めるか?」


「読めますよ。えーと、クエスト名はゴブリン退治、内容はゴブリン20体の討伐ですね、報酬は3銀貨ってあります」


「ふむ、じゃあこれを」


「了解しました、ではクエスト期限は2日なのでご注意下さい」


「ゴブリンはどの辺りで出るんだ?」


「この街から出てすぐのベアードの森によく出没します」


「なら早速行ってくる、じゃあな」


俺達が冒険者ギルドから出ようとすると先程の二人組が道を阻んでくる。


「邪魔なんだよ、どけ」


「どいて欲しいなら俺達と戦いやがれ」


「今から用事があるんでな」


「そんなもん知るかよ」


「はぁ…」


異世界の人間の自分勝手さに思わずため息を吐く。
とにかく、こういう奴は大抵後から要らないことをしてくる奴だから今の内にさっさと沈めとくか…

手の届く範囲まで近づく。そして手をザッコの装備している鎧に触れる。鎧だけを対象して…よし。


「消えろ」


その言葉を口にした瞬間、ザッコの肉体を覆っていた鎧は俺の拒否の言葉を現実に反映したかの様に消滅した。

「何言って…は?」


突然、鎧が無くなった事に気付いたザッコは間抜けな顔をして身軽になった自身の身体を見つめた。
痩せた男も何が起こったのか理解が出来ずにただこちらを呆然としてみていた。

俺はその横を通り過ぎてドアを開く。
そして外へ出る前に二人へ一言告げる。


「次、余計な事をしたらどうなっても知らんぞ」


外へ出て歩き始めてすぐに、後ろで正気に戻った二人の叫び声が聞こえた。


「「エンチャントアーマーがぁぁ!?」」


ーーーーー


「あ、ベアードの森はここですね」


「おぉ、外見は大体予想通りの森だな」


ベアードの森の場所はシュースが大体覚えていると言っていたので案内して貰った結果、迷う事もなく森へ辿り着く事が出来た。
よく考えたらシュースがこの世界に来て初めて金以外で役にたったな。


「なんですか、そのあまり使えないメイドを見る目は」


「微妙な表現の仕方すんな」


「なっ、ドジっ子メイド良くないですか!」


「お前メイド好きかよ!?」


「だっていいじゃないですメイド!あ、執事でも行けますよ?」


こいつの事を知る度にどういう奴なのかよく分からなくなってくる…
まぁ、こんな事してたらいつまで経っても森へ入れなさそうだしスルーしとくか。


「さて、入るか」


「えっ、ちょっ!スルーですかぁ!?」


見事なスルーをした俺が森へ脚を踏み入れたのを見てシュースは慌てる様に俺について来た。


そして俺達のゴブリン退治は始まった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

正しい聖女さまのつくりかた

みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。 同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。 一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」 そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた! 果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。 聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜

namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。 かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。 無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。 前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。 アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。 「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」 家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。 立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。 これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...