39 / 42
衛星軌道上の楽園
しおりを挟む
そのニュースは瞬く間に基地中を駆け巡った。
「聞いたか、停戦会談だってよ」
「流石に、貴種を立て続けに落とされて、隷民にごっそりと逃げられちゃあな」
「ああ。一般市民も、戦争のせいで税金や物の値段が上がったりエネルギー供給が絶たれたりしたら、反対派に回るもんな」
「隷民がごっそりといなくなったら、次に最下層扱いされるのは自分達だってわかってるんだろ、流石に」
隷民が革命軍にたくさん逃げて来たのは最近の事だ。戦時下だからと、給料を下げ、物価は上がり、隷民は生活すらままならない程になっているようだ。その上過酷な労働に従事させられ、一般人も含め、フレイラに反旗を翻す人間が多発しているらしい。
そんな中、政府内にも政策の見直しを口にする者が出始め、体の調子の悪い王に代わって、アル王子とレイ王女が、革命軍、地球人と、会談の機会を持つ事になったのである。
「いいか、お前ら。しっかり警備するんだぞ。カニなんか焼いて食うなよ」
隊長が釘を刺すのに、俺達は視線を外しながら、
「はあーい」
と返事した。
「しかし、停戦か。上手く行けばいいな」
明彦が言う。
「地球にも無関係の姿勢でいてくれたらなあ」
「だけど、まだ多数派のお偉いさんはやる気だろ?まだどうなるかわからないぞ」
「次の王があのレイって王女になったら都合がいいけど、貴種からクーデターが起きたりしてな」
「うわあ。だったらどうしよう?」
「貴種を全員倒しておく?」
物騒な事を言っている俺達に、ヒデは苦笑した。
「滅茶苦茶大変だし、日本は、攻撃されるまで攻撃しません」
「わかってるよう。冗談だぜ!」
「だったらいいけど。頼むよ、本当に」
「はあーい」
俺達は、警備での持ち場について、説明を受けた。
会談の場所というのを決めるだけでも、面倒臭いものだ。何か仕掛けられていないだろうかと疑心暗鬼になり、すんなりといかない。そこでようやく決まったのが、王家の別荘だった。
衛星軌道上にある小さなコロニーで、中は自然に溢れているそうだ。
そこに、レイ王女とアル王子や正規軍の数人が乗って来たクルーザー、武尊首相一行が乗って来た小型艇、ラドさん達革命軍数人が乗って来た小型艇が着き、それを少し離れた所から、皆がピリピリしながら見ているのだ。
その間には、武尊首相一行を送り出したあすか、ラドさん達を送り出した革命軍の艦、レイ王女とアル王子を送り出した正規軍の艦が入り、俺達はコクピットで待機していた。
『どんなところだったのかなあ。見たかったなあ』
真理が残念そうに言う。
『でも、個人所有の別荘がコロニーって、凄エよな』
「俺達の考えるセレブの、ずっと上だな」
言っていると、ドエルも入って来て、
『一般人や隷民を踏みつけにしてる象徴だ』
と吐き捨てた。
『でも、レイ王女は話がわかるんじゃない?』
『周りがいいようにして、通さないよ。上にいる今優遇されてるやつらは、このままがいいんだからな』
「難しいなあ」
溜め息をついて、見えないそのコロニー内部に、思いをはせた。
人口の晴れ渡った空、葉を茂らせた木、揺れる草花。この自然を維持するのにかかる経費で、どのくらいの隷民が何食食べられるだろう。
そんな贅沢な景色を望む部屋に置かれたテーブルを、出席者達は囲んでいた。
革命軍は遺伝子による区分の撤廃を、地球は不干渉を掲げ、それに対し、フレイラの役人は伝統と侮蔑をもって却下。レイ王女は革命軍と地球の立場に理解を示し、アル王子は理解を示しつつも、それが新たな混乱と不平等を招くと主張。
会議は、まとまらないでいた。
内容は聞こえないながらも、控室ではそれぞれの護衛官が待機しており、雰囲気だけは把握している。
「生意気だよな、一般人と隷民が。家畜は所詮家畜なのに。そう思わないか?」
サリ・バルクはカーク・トゥラに言った。2人共貴種で、また、野心家でもある。
「確かにな。同じテーブルにつくだけでも腹立たしい」
カークは腕組みをして、フンッと鼻を鳴らした。
サリは絵画を眺めながら、そんなカークを横目で観察していた。
「でも、ルスに続いてノウラ兄妹までやられたからな。王家も弱気になってるんじゃないかって噂だよ」
「むうう・・・!」
「ここで、残った僕らは存在感を示さないとまずいよね」
「まあな」
カークが内心で何を考えているか、サリは簡単に想像がついた。
「今のうちに、逃げた隷民の子孫の中にいる貴種をやっておいた方がいいんだろうけどさ」
「それは・・・そうだ。しかし、今はまずい」
「うん、そうだね。でも、向こうからかかって来たら、仕方ないよね」
「どういう事だ?」
「何でも起こり得るって、想定しているだけだよ。家畜は、汚いもんだよ。卑怯な手を使うに決まってる。
そういや、やけにこそこそしてる革命軍の家畜がいたな。何をしてたんだろ・・・?」
サリは首を傾け、カークが想像をたくましくする様をそっと額のガラス越しに見ていた。
そして、手の中に握り込んだスイッチを押す。
一拍置いて、隣の部屋で爆発音がした。
「何事だ!?」
「奴らだ!カーク、やつらを叩き潰せ!僕の機体は遠いが、すぐに追いつく!殿下達は護衛官に任せて大丈夫だろう!」
そう言って、2人で廊下へ飛び出した。
格納庫へ急ぐ皆は、混乱していた。テーブルの上に飾られていた花瓶がいきなり爆発し、とりあえず襲撃だと、避難してきたのである。
各々乗って来た小型艇に乗り込もうとしていた時、サリが走り込んで来た。
「お待ちください!クルーザーは一目で誰が乗っているかわかります。申し訳ありませんが、革命軍のものを貸していただきたい」
ラドさんは一瞬躊躇したが、
「わかりました。では、地球の方とご一緒しよう」
と、あすかの小型艇に乗り込む。
「アル殿下は戦艦に移って、出撃に備えて下さい。だから、わたしがお送りします」
「わかった」
「では、急ぎましょう」
アルはサリと共に走り出し、レイは護衛官と共に、革命軍の小型艇に乗る。
突然バタバタと慌ただしくなり、俺達にも出撃命令が下った。
全体が混乱し、各々、相手が暗殺を仕掛けたと殺気立っている。
「暗殺ぅ!?」
疑いながらも出て、「まだ攻撃はするな」という指示に従って、各々殺気だけを募らせていく。
小型艇が出て来た。日の丸が付いている。
続いて、革命軍の小型艇が出て来た。
と、突然ビットを射出した機体が、それを革命軍の小型艇に向ける。
反射で、ビットを割り込ませて、ビットでその攻撃を受ける。
「隊長!ヒデ!攻撃を受けました!交戦に入りますよ!?」
『確認した。許可する』
小型艇は革命軍の戦艦までは遠いとみて、あすかに着艦する気らしい。
僕達はそれどころじゃなく、小型艇とその機体との間に潜り込んだ。
『卑怯者の家畜め!サリの言った通りだな!』
「何の事だ!?」
『根絶やしにしてくれる!この、雑種の貴種もどきめが!』
それで、乱戦の幕が開けた。
「聞いたか、停戦会談だってよ」
「流石に、貴種を立て続けに落とされて、隷民にごっそりと逃げられちゃあな」
「ああ。一般市民も、戦争のせいで税金や物の値段が上がったりエネルギー供給が絶たれたりしたら、反対派に回るもんな」
「隷民がごっそりといなくなったら、次に最下層扱いされるのは自分達だってわかってるんだろ、流石に」
隷民が革命軍にたくさん逃げて来たのは最近の事だ。戦時下だからと、給料を下げ、物価は上がり、隷民は生活すらままならない程になっているようだ。その上過酷な労働に従事させられ、一般人も含め、フレイラに反旗を翻す人間が多発しているらしい。
そんな中、政府内にも政策の見直しを口にする者が出始め、体の調子の悪い王に代わって、アル王子とレイ王女が、革命軍、地球人と、会談の機会を持つ事になったのである。
「いいか、お前ら。しっかり警備するんだぞ。カニなんか焼いて食うなよ」
隊長が釘を刺すのに、俺達は視線を外しながら、
「はあーい」
と返事した。
「しかし、停戦か。上手く行けばいいな」
明彦が言う。
「地球にも無関係の姿勢でいてくれたらなあ」
「だけど、まだ多数派のお偉いさんはやる気だろ?まだどうなるかわからないぞ」
「次の王があのレイって王女になったら都合がいいけど、貴種からクーデターが起きたりしてな」
「うわあ。だったらどうしよう?」
「貴種を全員倒しておく?」
物騒な事を言っている俺達に、ヒデは苦笑した。
「滅茶苦茶大変だし、日本は、攻撃されるまで攻撃しません」
「わかってるよう。冗談だぜ!」
「だったらいいけど。頼むよ、本当に」
「はあーい」
俺達は、警備での持ち場について、説明を受けた。
会談の場所というのを決めるだけでも、面倒臭いものだ。何か仕掛けられていないだろうかと疑心暗鬼になり、すんなりといかない。そこでようやく決まったのが、王家の別荘だった。
衛星軌道上にある小さなコロニーで、中は自然に溢れているそうだ。
そこに、レイ王女とアル王子や正規軍の数人が乗って来たクルーザー、武尊首相一行が乗って来た小型艇、ラドさん達革命軍数人が乗って来た小型艇が着き、それを少し離れた所から、皆がピリピリしながら見ているのだ。
その間には、武尊首相一行を送り出したあすか、ラドさん達を送り出した革命軍の艦、レイ王女とアル王子を送り出した正規軍の艦が入り、俺達はコクピットで待機していた。
『どんなところだったのかなあ。見たかったなあ』
真理が残念そうに言う。
『でも、個人所有の別荘がコロニーって、凄エよな』
「俺達の考えるセレブの、ずっと上だな」
言っていると、ドエルも入って来て、
『一般人や隷民を踏みつけにしてる象徴だ』
と吐き捨てた。
『でも、レイ王女は話がわかるんじゃない?』
『周りがいいようにして、通さないよ。上にいる今優遇されてるやつらは、このままがいいんだからな』
「難しいなあ」
溜め息をついて、見えないそのコロニー内部に、思いをはせた。
人口の晴れ渡った空、葉を茂らせた木、揺れる草花。この自然を維持するのにかかる経費で、どのくらいの隷民が何食食べられるだろう。
そんな贅沢な景色を望む部屋に置かれたテーブルを、出席者達は囲んでいた。
革命軍は遺伝子による区分の撤廃を、地球は不干渉を掲げ、それに対し、フレイラの役人は伝統と侮蔑をもって却下。レイ王女は革命軍と地球の立場に理解を示し、アル王子は理解を示しつつも、それが新たな混乱と不平等を招くと主張。
会議は、まとまらないでいた。
内容は聞こえないながらも、控室ではそれぞれの護衛官が待機しており、雰囲気だけは把握している。
「生意気だよな、一般人と隷民が。家畜は所詮家畜なのに。そう思わないか?」
サリ・バルクはカーク・トゥラに言った。2人共貴種で、また、野心家でもある。
「確かにな。同じテーブルにつくだけでも腹立たしい」
カークは腕組みをして、フンッと鼻を鳴らした。
サリは絵画を眺めながら、そんなカークを横目で観察していた。
「でも、ルスに続いてノウラ兄妹までやられたからな。王家も弱気になってるんじゃないかって噂だよ」
「むうう・・・!」
「ここで、残った僕らは存在感を示さないとまずいよね」
「まあな」
カークが内心で何を考えているか、サリは簡単に想像がついた。
「今のうちに、逃げた隷民の子孫の中にいる貴種をやっておいた方がいいんだろうけどさ」
「それは・・・そうだ。しかし、今はまずい」
「うん、そうだね。でも、向こうからかかって来たら、仕方ないよね」
「どういう事だ?」
「何でも起こり得るって、想定しているだけだよ。家畜は、汚いもんだよ。卑怯な手を使うに決まってる。
そういや、やけにこそこそしてる革命軍の家畜がいたな。何をしてたんだろ・・・?」
サリは首を傾け、カークが想像をたくましくする様をそっと額のガラス越しに見ていた。
そして、手の中に握り込んだスイッチを押す。
一拍置いて、隣の部屋で爆発音がした。
「何事だ!?」
「奴らだ!カーク、やつらを叩き潰せ!僕の機体は遠いが、すぐに追いつく!殿下達は護衛官に任せて大丈夫だろう!」
そう言って、2人で廊下へ飛び出した。
格納庫へ急ぐ皆は、混乱していた。テーブルの上に飾られていた花瓶がいきなり爆発し、とりあえず襲撃だと、避難してきたのである。
各々乗って来た小型艇に乗り込もうとしていた時、サリが走り込んで来た。
「お待ちください!クルーザーは一目で誰が乗っているかわかります。申し訳ありませんが、革命軍のものを貸していただきたい」
ラドさんは一瞬躊躇したが、
「わかりました。では、地球の方とご一緒しよう」
と、あすかの小型艇に乗り込む。
「アル殿下は戦艦に移って、出撃に備えて下さい。だから、わたしがお送りします」
「わかった」
「では、急ぎましょう」
アルはサリと共に走り出し、レイは護衛官と共に、革命軍の小型艇に乗る。
突然バタバタと慌ただしくなり、俺達にも出撃命令が下った。
全体が混乱し、各々、相手が暗殺を仕掛けたと殺気立っている。
「暗殺ぅ!?」
疑いながらも出て、「まだ攻撃はするな」という指示に従って、各々殺気だけを募らせていく。
小型艇が出て来た。日の丸が付いている。
続いて、革命軍の小型艇が出て来た。
と、突然ビットを射出した機体が、それを革命軍の小型艇に向ける。
反射で、ビットを割り込ませて、ビットでその攻撃を受ける。
「隊長!ヒデ!攻撃を受けました!交戦に入りますよ!?」
『確認した。許可する』
小型艇は革命軍の戦艦までは遠いとみて、あすかに着艦する気らしい。
僕達はそれどころじゃなく、小型艇とその機体との間に潜り込んだ。
『卑怯者の家畜め!サリの言った通りだな!』
「何の事だ!?」
『根絶やしにしてくれる!この、雑種の貴種もどきめが!』
それで、乱戦の幕が開けた。
0
あなたにおすすめの小説
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる