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ナジムの恨み節
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丘の上に陣取っている反乱軍は、近付くと攻撃する。
その攻撃は、魔術もあるが、弓が多い。魔力は温存しているようだと、ユーリ達は判断した。決して、いない訳でも、少ないわけもない。これは、見え隠れしているローブ姿の人間と、雇ったと分かっている魔術師のリストからわかっている事だ。
「さあて、行くか。どこにナジムと元ローランド侯爵がいるのかを特定して、一気に身柄を抑えるぞ」
「わくわくするぜ!」
「頼むから、夢中になって突出しないでよ、カイ」
ユーリの言葉にカイがウキウキと応え、ジンは苦笑した。
「おう!」
「じゃあ、気を付けろよ。
ユーリ、お前だぞ」
「わかってるよ、キリー」
「いいや、怪しい。絶対に、この丘を谷に変えるなよ」
それで周囲の者はギョッとユーリを見たので、ユーリは気まずそうに口を尖らせた。
「大丈夫だって。あの時は、新しく思い付いた術式を試してみたかっただけなんだって。今度は大丈夫。更地で止める」
冗談を言ったユーリの頭をキリーははたき、それで全員、持ち場に散った。
ユーリ達は、藪に隠れながら登って行く。樹の枝を挿してカモフラージュした姿は、息を殺して動かないようにすれば、何とかバレない。それで、目を離したすきに進むのだ。
茂みの位置が変わった事に、見張りが気付かない事を願って。
いくらか進んで行くと、巡回で見張りをする兵士の顔まで見えるようになって来た。
するとキリーが合図を出し、反対側の侯爵軍が攻撃をかけて、反乱軍の兵士達はそちらへ向かって行った。
それでユーリ達は一気に丘を駆け上り、ナジムと元ローランド侯爵の居所を探る。
が、大して探すまでもなく、すぐにわかった。頂上の開けた場所に一際大きなテントを立て、その前に折り畳みのイスを出し、ナジムとスレードとモルドと元ローランド侯爵が優雅に紅茶を啜っていたからだ。
高等学校では、一応、模擬戦闘の授業もあった。貴族は指揮できないと困るからだ。
しかし、そこでこんな事はしてはいなかった。
思わず唖然としてユーリ達は凝視してしまい、私兵に見つかった。
「何者!」
「ああ、お前らは!!」
ユーリ達を指さし、ナジムとスレードが喚いた。
そして彼らを守るように、その前に私兵が立ち、こちらへ武器を向ける。こちらも彼らに武器を向け、そうして睨み合った。
「久しぶりだな。まさかティータイムを屋外で楽しんでるとは思わなかったぜ」
カイが言うと、元ローランド侯爵がフンと鼻を鳴らした。
「これだから下賤の者は。いかなる時も、将は慌てず、余裕を見せるのものだ。我がトゥヤルザ帝国は、戦場でも余裕を見せ、敵を恐怖させてきたのだ」
ユーリ達は、
(授業で確かに、昔はそうしたって挿絵が出てたな)
と思った。元ローランド侯爵が雇った私兵ですらそう思った。
「で、何をしに来たのかね。詫びでも入れに来たかね」
「反乱を止めに来ました」
それに、元ローランド侯爵が大笑いした。
「次期皇帝はこのナジムだ。それを、廃嫡だと?許さん。わしは、皇帝の祖父になるのだ!間違った判断は正さねばならない!」
「それはただのあなたの欲でしょう」
言うと、ナジムが怒って前に飛び出して来た。
「わたしは確かにドラゴンの卵を持ち帰ろうとした!だから何だ!皇都は無事だったではないか!」
「そりゃあ結果論だろうが。あの時、何も手伝いもせずに荷車で震えてたな」
カイが言うと、ナジムは激高し、スレードが怒鳴った。
「殿下は、危険な前線には立たないのだ!万が一のことがあったらどうするんだ!お前らとは違うんだぞ!」
「ああ?アホかお前」
カイがスレードを面倒臭そうに睨む。
「わたしは高等学校へ行くまで、天才と呼ばれていたのに!いつもいつも、お前は涼しい顔でわたしの上を行く!平民のクセに生意気な!」
それにジンが首を傾げた。
「それって、井の中の蛙だっただけじゃないかなあ」
「んな!?失礼な事を!!」
ユーリ達の言い合いに、私兵達は警戒をしながらも微妙な顔付きをしていた。
しかしナジムは激昂しており、スレードはギャンギャン吠えたてる。
「貴様ら、殿下に対してなんて態度だ!不敬罪で死刑にしてやる!」
それにカイは、アッカンベーでもしそうな口調で返す。
「残念でした。そっちは国家反乱罪で確実に有罪だけど、こっちは陛下の依頼を受けて来てるんだぜ」
「なぜ貴様らが陛下の!くそおおお!」
ナジムは地団駄を踏み、それでボケッとやり取りを聞いていたかたちになっていた元ローランド侯爵や私兵達は我に返った。
「こいつらの首を皇都に送ってやれ!」
元ローランド侯爵が力強くそう命令し、私兵達は各々、武器を構え直した。
その攻撃は、魔術もあるが、弓が多い。魔力は温存しているようだと、ユーリ達は判断した。決して、いない訳でも、少ないわけもない。これは、見え隠れしているローブ姿の人間と、雇ったと分かっている魔術師のリストからわかっている事だ。
「さあて、行くか。どこにナジムと元ローランド侯爵がいるのかを特定して、一気に身柄を抑えるぞ」
「わくわくするぜ!」
「頼むから、夢中になって突出しないでよ、カイ」
ユーリの言葉にカイがウキウキと応え、ジンは苦笑した。
「おう!」
「じゃあ、気を付けろよ。
ユーリ、お前だぞ」
「わかってるよ、キリー」
「いいや、怪しい。絶対に、この丘を谷に変えるなよ」
それで周囲の者はギョッとユーリを見たので、ユーリは気まずそうに口を尖らせた。
「大丈夫だって。あの時は、新しく思い付いた術式を試してみたかっただけなんだって。今度は大丈夫。更地で止める」
冗談を言ったユーリの頭をキリーははたき、それで全員、持ち場に散った。
ユーリ達は、藪に隠れながら登って行く。樹の枝を挿してカモフラージュした姿は、息を殺して動かないようにすれば、何とかバレない。それで、目を離したすきに進むのだ。
茂みの位置が変わった事に、見張りが気付かない事を願って。
いくらか進んで行くと、巡回で見張りをする兵士の顔まで見えるようになって来た。
するとキリーが合図を出し、反対側の侯爵軍が攻撃をかけて、反乱軍の兵士達はそちらへ向かって行った。
それでユーリ達は一気に丘を駆け上り、ナジムと元ローランド侯爵の居所を探る。
が、大して探すまでもなく、すぐにわかった。頂上の開けた場所に一際大きなテントを立て、その前に折り畳みのイスを出し、ナジムとスレードとモルドと元ローランド侯爵が優雅に紅茶を啜っていたからだ。
高等学校では、一応、模擬戦闘の授業もあった。貴族は指揮できないと困るからだ。
しかし、そこでこんな事はしてはいなかった。
思わず唖然としてユーリ達は凝視してしまい、私兵に見つかった。
「何者!」
「ああ、お前らは!!」
ユーリ達を指さし、ナジムとスレードが喚いた。
そして彼らを守るように、その前に私兵が立ち、こちらへ武器を向ける。こちらも彼らに武器を向け、そうして睨み合った。
「久しぶりだな。まさかティータイムを屋外で楽しんでるとは思わなかったぜ」
カイが言うと、元ローランド侯爵がフンと鼻を鳴らした。
「これだから下賤の者は。いかなる時も、将は慌てず、余裕を見せるのものだ。我がトゥヤルザ帝国は、戦場でも余裕を見せ、敵を恐怖させてきたのだ」
ユーリ達は、
(授業で確かに、昔はそうしたって挿絵が出てたな)
と思った。元ローランド侯爵が雇った私兵ですらそう思った。
「で、何をしに来たのかね。詫びでも入れに来たかね」
「反乱を止めに来ました」
それに、元ローランド侯爵が大笑いした。
「次期皇帝はこのナジムだ。それを、廃嫡だと?許さん。わしは、皇帝の祖父になるのだ!間違った判断は正さねばならない!」
「それはただのあなたの欲でしょう」
言うと、ナジムが怒って前に飛び出して来た。
「わたしは確かにドラゴンの卵を持ち帰ろうとした!だから何だ!皇都は無事だったではないか!」
「そりゃあ結果論だろうが。あの時、何も手伝いもせずに荷車で震えてたな」
カイが言うと、ナジムは激高し、スレードが怒鳴った。
「殿下は、危険な前線には立たないのだ!万が一のことがあったらどうするんだ!お前らとは違うんだぞ!」
「ああ?アホかお前」
カイがスレードを面倒臭そうに睨む。
「わたしは高等学校へ行くまで、天才と呼ばれていたのに!いつもいつも、お前は涼しい顔でわたしの上を行く!平民のクセに生意気な!」
それにジンが首を傾げた。
「それって、井の中の蛙だっただけじゃないかなあ」
「んな!?失礼な事を!!」
ユーリ達の言い合いに、私兵達は警戒をしながらも微妙な顔付きをしていた。
しかしナジムは激昂しており、スレードはギャンギャン吠えたてる。
「貴様ら、殿下に対してなんて態度だ!不敬罪で死刑にしてやる!」
それにカイは、アッカンベーでもしそうな口調で返す。
「残念でした。そっちは国家反乱罪で確実に有罪だけど、こっちは陛下の依頼を受けて来てるんだぜ」
「なぜ貴様らが陛下の!くそおおお!」
ナジムは地団駄を踏み、それでボケッとやり取りを聞いていたかたちになっていた元ローランド侯爵や私兵達は我に返った。
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