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宙を飛ぶ
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テントの外に飛び出すと、周囲の者は皆、祠の方を向いていた。
「どうした!?」
大佐の副官が声を張り上げると、近くの兵が直立して答える。
「は!祠の方向から爆音らしき音が聞こえましたが、詳細は不明であります!」
「不審者はいなかったのか!?」
「は!報告にはありませんでした!」
テントを囲むようにして反対を唱えていた市民団体も祠の方を見て突っ立っており、テントからじゃ何も見えない。
かき分けて行こうとしたが、
「他国の軍隊を入れるな!」
という声がしたと思ったら、急に彼らはこちらを向き、スクラムを組んで邪魔をし出す。
「正気かよ!?」
カイが舌打ちして、ジャンプして祠を見ようとするが、見えるものではない。
と、叫ぶような声が前の方から伝わって来た。
「アトラ原理主義者だあ!」
「警備の中に潜んでいやがった!」
「逃げろ!」
それで今度は前の方から逃げ出して来る人並みが押し寄せて来る。
「え!?ちょ、ちょ、ちょ!」
ユーリはカイの腕を掴んで、そこにあったプラカードに上に立たせると、その板に浮遊の魔術をかける。
「カイ、着地は任せる」
「は!?」
そして、プラカードを頭より上まで浮かせると、それに下から魔銃剣を向け、水を放射する。
「ぎゃ!!」
カイを乗せたプラカードは水の柱に押されて祠の前まで空を飛んで行った。
「うわああああ!!」
それを、全員が目で追った。
カイはいきなり板の上に立たされたかと思うと、それが浮き、驚く間もなく宙を滑っていた。
驚いたような顔が、いくつも足の下からカイを見上げている。
転倒せずに祠の前まで到達できたのも、カイのバランス感覚の良さによるものだろう。
祠の前まで来ると、犯人と思われる男が剣を片手に、口をポカンと開けて見上げているのがわかった。なのでカイはそこで、プラカードから飛び降り、その勢いのまま男に斬りつけた。
アトラ原理主義者のその犯人は、反射的にカイの剣を受け、それで我に返った。
「何だ、お前は!?」
「銀月だ!」
言って、カイは男を押して一旦距離を取り、改めて斬りかかった。
その男は魔術師ではなかったが、仲間に魔術師がおり、カイに杖を向ける。
だが、それを放つ前にその魔術師の女の腕に矢が刺さり、女は杖を取り落とす。
もう1人の剣士は、剣を振り上げようとしたところで剣に落雷があり、感電してその場に転がって痙攣し始めた。
ジンとユーリの攻撃だ。
カイは視界の端でそれを捉えながら、相手が崩れるように打ち込み、流し、避ける。そして、イラついて大きく突き込んで来たところで、その腕を斬り、背中に剣の柄を叩き込んで犯人を沈めた。
「ヘッ!」
殺到して来た軍と警察が犯人達を拘束し、ほかに隠れた犯人はいないかチェックする。
その間にユーリは祠を見た。
男達はまず警官と探索者に向けて爆薬と魔術攻撃を行い、無力化。それから祠の封印を解く事に取り掛かっていた。
だが、祠の封印を解く前にカイが到達し、封印は無事だった。
「セーフだな」
結界の仕掛けを調べてユーリがホッとした声を上げると、関係者の間に安堵の溜め息が流れる。
その反対に、拘束された犯人は、悔しそうに顔を歪めた。
「アトラ様の復活は妨げる事はできない!」
「この腐った世界は、一度滅んで作り変えるべきだ!」
「アトラ様!!」
そう言って女が舌を噛む。
が、ユーリが治癒の魔術を叩きこむ。
「う、あ、何で――」
「死んで楽になれると思うなよ。生きて責任を取ってもらわないとな。まずは知っている事を洗いざらい吐いてもらおうか」
「誰が――!」
女は睨むが、その血まみれの口に布を入れられ、ほかの同様にされた犯人達と一緒に警察に連れて行かれた。
「カイ、お手柄」
「いやあ、いきなり宙を飛んだ時には驚いたぜ」
「流石のバランス感覚だね。今度ボクもやってみたいな」
「ん?そう言えばあのプラカードはどこに行った?」
ユーリが思い出して、カイ、ジンとキョロキョロとする。
「あ。あったぜ」
プラカードは広場に植えてあった木を6本ほどなぎ倒し、噴水にめり込んで止まっていた。
「……怒られるんじゃねえか?」
「大事の前の小事だろ」
「キリーは取り敢えず怒ると思うよ」
3人は恐る恐る、近付いて来たキリーを見た。
「どうした!?」
大佐の副官が声を張り上げると、近くの兵が直立して答える。
「は!祠の方向から爆音らしき音が聞こえましたが、詳細は不明であります!」
「不審者はいなかったのか!?」
「は!報告にはありませんでした!」
テントを囲むようにして反対を唱えていた市民団体も祠の方を見て突っ立っており、テントからじゃ何も見えない。
かき分けて行こうとしたが、
「他国の軍隊を入れるな!」
という声がしたと思ったら、急に彼らはこちらを向き、スクラムを組んで邪魔をし出す。
「正気かよ!?」
カイが舌打ちして、ジャンプして祠を見ようとするが、見えるものではない。
と、叫ぶような声が前の方から伝わって来た。
「アトラ原理主義者だあ!」
「警備の中に潜んでいやがった!」
「逃げろ!」
それで今度は前の方から逃げ出して来る人並みが押し寄せて来る。
「え!?ちょ、ちょ、ちょ!」
ユーリはカイの腕を掴んで、そこにあったプラカードに上に立たせると、その板に浮遊の魔術をかける。
「カイ、着地は任せる」
「は!?」
そして、プラカードを頭より上まで浮かせると、それに下から魔銃剣を向け、水を放射する。
「ぎゃ!!」
カイを乗せたプラカードは水の柱に押されて祠の前まで空を飛んで行った。
「うわああああ!!」
それを、全員が目で追った。
カイはいきなり板の上に立たされたかと思うと、それが浮き、驚く間もなく宙を滑っていた。
驚いたような顔が、いくつも足の下からカイを見上げている。
転倒せずに祠の前まで到達できたのも、カイのバランス感覚の良さによるものだろう。
祠の前まで来ると、犯人と思われる男が剣を片手に、口をポカンと開けて見上げているのがわかった。なのでカイはそこで、プラカードから飛び降り、その勢いのまま男に斬りつけた。
アトラ原理主義者のその犯人は、反射的にカイの剣を受け、それで我に返った。
「何だ、お前は!?」
「銀月だ!」
言って、カイは男を押して一旦距離を取り、改めて斬りかかった。
その男は魔術師ではなかったが、仲間に魔術師がおり、カイに杖を向ける。
だが、それを放つ前にその魔術師の女の腕に矢が刺さり、女は杖を取り落とす。
もう1人の剣士は、剣を振り上げようとしたところで剣に落雷があり、感電してその場に転がって痙攣し始めた。
ジンとユーリの攻撃だ。
カイは視界の端でそれを捉えながら、相手が崩れるように打ち込み、流し、避ける。そして、イラついて大きく突き込んで来たところで、その腕を斬り、背中に剣の柄を叩き込んで犯人を沈めた。
「ヘッ!」
殺到して来た軍と警察が犯人達を拘束し、ほかに隠れた犯人はいないかチェックする。
その間にユーリは祠を見た。
男達はまず警官と探索者に向けて爆薬と魔術攻撃を行い、無力化。それから祠の封印を解く事に取り掛かっていた。
だが、祠の封印を解く前にカイが到達し、封印は無事だった。
「セーフだな」
結界の仕掛けを調べてユーリがホッとした声を上げると、関係者の間に安堵の溜め息が流れる。
その反対に、拘束された犯人は、悔しそうに顔を歪めた。
「アトラ様の復活は妨げる事はできない!」
「この腐った世界は、一度滅んで作り変えるべきだ!」
「アトラ様!!」
そう言って女が舌を噛む。
が、ユーリが治癒の魔術を叩きこむ。
「う、あ、何で――」
「死んで楽になれると思うなよ。生きて責任を取ってもらわないとな。まずは知っている事を洗いざらい吐いてもらおうか」
「誰が――!」
女は睨むが、その血まみれの口に布を入れられ、ほかの同様にされた犯人達と一緒に警察に連れて行かれた。
「カイ、お手柄」
「いやあ、いきなり宙を飛んだ時には驚いたぜ」
「流石のバランス感覚だね。今度ボクもやってみたいな」
「ん?そう言えばあのプラカードはどこに行った?」
ユーリが思い出して、カイ、ジンとキョロキョロとする。
「あ。あったぜ」
プラカードは広場に植えてあった木を6本ほどなぎ倒し、噴水にめり込んで止まっていた。
「……怒られるんじゃねえか?」
「大事の前の小事だろ」
「キリーは取り敢えず怒ると思うよ」
3人は恐る恐る、近付いて来たキリーを見た。
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