転生したら性別までも変わっていて、可愛い妹までいて幸せだけど。まさかの妹が悪役令嬢！？

第２幕

気づかい合う関係

カインは、目元はアイマスクで覆い瞳ない事で周囲への不快感を軽減になればとアイマスク装着し部屋を出た。

グレンがいそうな場所をいくつか予測し、近い所から探し回った。

カインの目が見えなくなったという事は、学園内でも知れ渡っていたが、いつもと変わりなく歩きグレンを探す姿に目撃者達は首を傾げていた。


カインはよく３人でいる教室に入ると、よく見知ったグレンの魔力を感じとり、グレンに真っ直ぐ近づいた。

「ここにいたんだな、グレン」

グレンは、声を発していないのに真っ直ぐ近づかれ名を呼ばれ驚いた。

「えっ？えっ？見えてないよな、何で？」

「グレンが気にする事はないと言っても、気にするだろ？細かい説明は省くが見えなくても魔力で補えば大丈夫だ。だから、気にすることはない」

見えていないのか無視されているのか、解らないがウィリアムもその場に居て声をかけた。

「後先考えないからですよ。私の事を無視しないでくださいね？」

カインは声のする方を向き、声から相手を理解した。

「誰かいるなとは思っていたが、ウィリアムか？」

「そうです。何で判別しているのか予想は出来ますが、私も認識していて欲しかったです」

ウィリアムはそれだけ告げると、グレンとカインを２人にし、部屋を出て行った。


「グレン？いるのはわかるんだが。見えないと表情での判断しにくいから、話して貰えると嬉しいんだが？」

見えないといいつつも、位置の把握は出来ている為、グレンと真っ直ぐ向い合っていた。


「本当に、馬鹿だよな。俺の事よりも自分自身を大事にしろよな」

「泣きながら話すな。見えなくてもそれくらいはわかる」

グレンはバレない様に極力、泣いている事が解らない様にしていたが泣きながら話すと流石に気づかれた。

「うるさい、そこは言うな。そうだ！お前、本当にディアンナに婚約解消の要求してたけど、ディアンナの事を手離したくないんじゃないか？」

「そうだな。だが、今の私では…だから気にする事はない。婚約解消の要求はしたが、その返事が届いていないから、家に手紙を書いたんだが？グレンに聞くほうが早いな、ディア…ディアンナは何か言っていたか？」

グレンは手紙を書いたという言葉も気にはなったが、それよりも妹ディアンナの事を優先した。


「お前さ、暴走するの駄目って言ったよな？婚約解消は受け入れないって、保留中。カインが落ち着いてから両家で話すって事になってる」

カインは何か言いたげにするも、何も言わず。

「お前は、もしディアンナの目が見えなくなったら婚約解消するのか？」

「するわけないだろ！逆なら私が生涯支え守るに決まってる」

呆れた口調で尋ねたグレンに即答し否定するカインにグレンは笑み浮かべ頷いた。

「だよな。それにディアンナの愛称で呼ばないのかよ？ディアンナが聞いたら悲しむだろ？」

「いいのか、私がディアの側にいても？」

グレンは軽く拳でトンとカインの胸元を叩き。


「惚れさせて見捨てるなよ？それに、切欠は俺何だから、理不尽に妹に責められる兄の立場わかってんの？」

「責められたのか？」

「カインの心配と婚約解消にショックを受けてたからな。俺ももっと鍛えないとな、前みたいに剣術の鍛錬しような？」

「そうか。ディアに会いたいな…。剣術はいつでも相手になる、私も強くならないと守りたい者も守れないから」

カインはそう言うと、ディアンナに会いに行ってくると教室を出て行こうとした。

「ちょっと待って、どこにいるかわかってるの？」

カインは扉前に立ち止まり振り返り告げると、急ぎ出ていった。

「食堂だ」

「俺も行く！」

グレンはカインの後を追った。