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番外編
落ちた、結末2
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カインが目を覚ますと、アベル、グレン、エドワード、アンリ、ディアンナがいた。
アベルとグレンは壁際に立ちカインを蔑む様な視線で見ていた。
心配そうにしているアンリはエドワードに肩を抱き寄せられ、不安そうな様子をエドワードが慰める様に頭撫でていた。
ディアンナは一番近くで、カインの手を握りしめていた。
「カイン様、良かったですわ。鍛練のし過ぎで疲れてしまわれ倒れた時は驚きました。無理はしないで下さい」
「えっ?うん…鍛練って何?何で、君が手握ってるの?」
カインは混乱して、戻れていないのかと思ったが。
髪は短く、眼鏡がないとボヤける視界、慣れ親しんだ体…と思ったら鍛えたのか筋肉がついている事に首を傾げた。
目覚めディアンナへの言葉に、グレンは呆れた様にため息吐いた。
「なあ、アンリを振ってディアンナと婚約したのにディアンナまで突き放すつもりなの?お前は何したいの?ディアンナも両親も婚約を承諾して受け入れたら、ディアンナを見捨てるの?ふざけんな!!カインがそんな奴だとは思わなかったんだけど」
「えっ?ちょっと待って!僕はアンリが好きなんだけど、ディアンナと婚約って何?どういう事?」
グレンは怒り突き放す様に告げ、カインは戻れてると思うのに、おかしい状況に慌てていた。
「カインさん、ふざけないで下さい。僕言いましたよね?アンリを悲しませるなら許せないって、アンリは僕の大事な幼なじみで大事な人です。カインさんとは付き合わせません!」
「えっ?待って、エドワードだったよね?僕はアンリを悲しませていないよ」
エドワードがアンリを抱きしめカインが見えない様にし、落ち着かせる様にアンリの頭を優しく撫でいた。
「階段からアンリを守って落ちた時はアンリが怪我なくて良かったって思ったけど。君は、目覚めた直後からアンリではなくグレンの妹のディアンナ嬢が好きだと婚約者がいないと聞いて婚約を申し込むって言った時は、頭ぶつけて混乱してるのかなって思ったけど…グレンの妹を口説き落として、僕とグレンに剣術で勝負挑んで筋力足りない部分は技術面で補って僕とグレンに文句は言わせないって、僕とグレンに容赦なく挑んできたよね。ディアンナ嬢に好かれる為に鍛えて強くなったって、アンリとの恋人関係は記憶にないってアンリを見捨てる様に振った事は軽蔑してるんだよ?今更、何を言ってるの?」
アベルは冷たい視線と低い声で呆れ突き放す様に告げた。
「えっ?どういう事…。それ僕だけど違う僕だよ!信じて、1週間の間に僕はこことは違う…僕だけど僕じゃない、鍛えられた体型の魔力量おかしい程のカインでディアンナ溺愛してたから、そのカインだと思う。だから、僕じゃないよ。僕はアンリが好きなんだよ」
アベルは更に呆れた表情浮かべた。
「何を言ってるの?1週間?半年間の間に君はディアンナ嬢と婚約してディアンナ嬢に好かれる為に鍛えて強くなるって剣術してたよね?剣術だけ鍛えてるのかと思ったら、魔法も現役魔術師に挑んで勝つ程だったから、階段から落ちた日からアンリとの恋人関係の記憶がないってディアンナ嬢の為に強くなろうと鍛えていたカインはアンリを見捨てたのは軽蔑しているけど、努力は認めていたんだよ?」
カインは告げられた言葉に混乱し、言葉を失い黙り込んだ。
「なあ、カイン。俺はアンリを忘れて見捨てた事は許せないけど、ディアンナと婚約したくて、ディアンナに好かれたくて努力していたのは知ってるから見直していたのに、今更何言ってんの?1週間?そんな期間で俺やアベルに剣術で勝てると思ってんの?…俺、しばらくカインの顔見たくない、ディアンナとの関係は婚約はしてるから認めるけど。俺の前に顔出さないで!」
グレンはそう言い部屋を出ていった。
アベルも「僕の前にもしばらく顔見せないでね」と、言い出ていった。
「カインさん、アンリは僕が大事にします。カインさんもディアンナさんとお幸せに。失礼します」
エドワードも悲しげなアンリの手を引き出ていった。
カインは1人残ったディアンナを横目に見て出て行かない事に話し始めた。
「……ねえ、君は出て行かないの?僕はみんなの信頼を失ったんだよ?」
ディアンナは少し沈黙しカインを見つめていた。
「…………あの。私を好きだと誰よりも大事だと言っていたカイン様と違うのはわかりましたわ。私を慕い鍛えていこうとしたカイン様はいましたわ、鍛えた体に嘘はありません。カイン様がアンリ様と恋人関係だったのはお兄様から聞いて知っています。だから今は私を好いて欲しいとは言いません、婚約者として私はカイン様が鍛え続けるなら剣術でしたらお力になれると思いますから、私はカイン様のお側にいます」
カインはディアンナの言葉に涙が溢れ落ち、見られたくなくて目をゴシゴシと擦った。
「カイン様、いけませんわ目が傷ついてしまいます。私がお側にいて見えない様にします、だからお気になさらず存分に泣いてください」
ディアンナはカインを胸元に抱きよせ顔を隠した。抱きしめながらも背を優しく撫でた。
カインは泣きながらも、ディアンナに抱きついた。
「カイン様、私は貴方が私を好きだと言っても、私ではない人を想っていたのは気づいていました。それでも、私と婚約したいと…私に好かれたいと、言っていたカイン様でした。…1週間と言いましたが私が好きだと婚約したカイン様はアンリ様を階段から無傷で助けて目覚めてから、半年間の間いましたわ。カイン様が言った期間と違いますけど、カイン様は私を慕っていたカイン様と入れ替わっていたのかもしれませんね?…アンリ様との恋人関係は失ったかもですが、私はお側にいますわ。だから、お兄様も殿下も落ち着いたらカイン様との関係性も戻ると思いますから、お兄様を信じていてください」
カインは泣きやみ、ディアンナを抱きしめ。
「…何で、婚約申し込んだ僕じゃないってわかるのに、僕の側にいてくれるの?」
「私はカイン様の婚約者ですから、あのカイン様が何を思い私と婚約したのかはわかりません。でも、カイン様が鍛えた体と魔法は残ってますわ」
「…うん、体が鍛えられてるのはわかる。でも魔法はわからない…覚えてないよ」
ディアンナは優しくカインの背を撫でた。
「大丈夫ですわ。カイン様は魔法の事は部屋に記載して残してるから、何かあっても大丈夫だと言ってましたから…。今思い返すと何かとはあのカイン様が私ではない婚約者の元に帰れた場合の何かだったと思いますわ」
「…そうなんだね。婚約を申し込んだカインは考えていてくれたんだね。そんなカインだから、アベルもグレンも僕がカインじゃないってカインに戻って欲しいって言ったんだって思う。ねえ、僕は…アンリが好きだけど、……アンリと恋人関係になれても婚姻なんて出来ないのは理解してたから、僕の家に貴族として婚約者として望ましいのはディアンナだってわかるんだけど、でも…アンリが好きな僕でも婚約者としてディアンナの側にいてもいい?僕も望まれる婚約者として鍛えるから、僕の側にいて欲しい…僕の事を誰も信じてくれなくてもディアンナだけは信じて欲しいんだけど、駄目かな?」
カインの偽りない言葉にディアンナはカインの頭を撫でた。
「もちろん、カイン様を信じますわ。私と婚約してくださったカイン様はもちろん、今ここにいるカイン様も信じてます。私は強くなろうとする姿勢を好ましく思います。強さは体だけではなく精神的強さもあると思います」
「うん、ありがとう。僕の弱音聞いてくれる?弱音はくのは最後にするから、聞いてくれるだけでいいんだ…」
ディアンナは「はい」と答え、カインの弱音を聞いた。
「…アンリなら僕を好きだと僕を信じてくれるって、アンリなら信じてくれるって思ってアンリの側に戻りたくて頑張ったんだ。アベルやグレンの理解し難い話し聞いて、戻りたくて…信じてくれる人が待つ僕の生きてきた僕の本当の体に戻りたかったんだ。……でも、アンリは信じてくれなかったんだ。戻れた理由もわからないけど、
僕じゃない僕が見た最後の光景は…アンリを抱きしめたら、エドワードが僕からアンリを離すように背後から抱きしめてアンリは大事な人だから渡せないって…。ディアンナは、僕が…本来のカインって言えばいいかな?カインが好きだからカインの姿で中が僕でも他の人に触れないでって…ねえ、ディアンナは僕でいいの?僕を信じてくれるのは嬉しいんだけど、ディアンナが信じたいカインは婚約申し込んだカインじゃないの?」
ディアンナは弱音と聞いて何を言われるのかと思っていたが、問われた弱気な発言に愛しく思い笑み溢した。
「私はカイン様だから信じますわ。カイン様が鍛え婚約申し込んだ事よりも、私が信じると言った言葉を喜んでくれるカイン様だから、お側にいたいと思います」
「うん、ありがとう…。ねえ、ディアンナは髪の長い男は嫌かな?僕が髪伸ばしてもいい?」
「かまいませんわ。カイン様の姿ではなく、カイン様の強くなりたいという前向きな姿勢が好きですから。伸ばしたい理由を聞いてもいいですか?」
カインは照れくさそうに、話し始めた。
入れ替わったカインが長髪で体型も筋肉もあり、それなのに魔術師としても強くて剣術ではグレンにも余裕で勝てる程の力量で、そんなカインは髪にも魔力が宿るから長くして綺麗に手入れしたら魔力も高まるって言っていた事をカインの妹キャンディスから聞いた事を伝えた。
「髪の長いカイン様も見てみたいですわ。伸ばしても伸ばさなくても、私はカイン様のお側にいますわ。カイン様が望む道を決めて鍛えて強くなるなら、私はお側にいますわ」
カインはその言葉に嬉しく安心した。
「ありがとう。僕、頑張る。ディアンナに婚約申し込んだカインが父上も越える程の強さ持ってるって…聞いたから。僕も父上を目指すんじゃなくて、越える為に頑張るからディアンナ側にいて欲しい…」
「はい、いますわ。1つだけお願いしてもよろしいですか?……ディアンナではなく、ディアと呼んで欲しいです」
カインは細やかな可愛いお願いに微笑ましく思い、ディアンナの手をとり手の甲に口づけた。
「…ディアが望むなら。僕が叶えれる限り叶えるよ、だからディアだけは僕を信じて側にいて欲しい」
カインはアンリを想う気持ちがなくなったわけではないが、信じてくれる人がいるそれだけで強くなれると思った。
ディアンナは、例え内面の人物が変わろうと前向きな姿勢で強くなりたいと願う人の側にいて信じて支えていきたいと思った。
カインが、アベルとグレンの信頼を再度掴むのは、もう少し先の事だがカインは強くなりたいと願い信頼も少しずつ過去よりも強く信頼を掴み得る事は明白だった。
アベルとグレンは壁際に立ちカインを蔑む様な視線で見ていた。
心配そうにしているアンリはエドワードに肩を抱き寄せられ、不安そうな様子をエドワードが慰める様に頭撫でていた。
ディアンナは一番近くで、カインの手を握りしめていた。
「カイン様、良かったですわ。鍛練のし過ぎで疲れてしまわれ倒れた時は驚きました。無理はしないで下さい」
「えっ?うん…鍛練って何?何で、君が手握ってるの?」
カインは混乱して、戻れていないのかと思ったが。
髪は短く、眼鏡がないとボヤける視界、慣れ親しんだ体…と思ったら鍛えたのか筋肉がついている事に首を傾げた。
目覚めディアンナへの言葉に、グレンは呆れた様にため息吐いた。
「なあ、アンリを振ってディアンナと婚約したのにディアンナまで突き放すつもりなの?お前は何したいの?ディアンナも両親も婚約を承諾して受け入れたら、ディアンナを見捨てるの?ふざけんな!!カインがそんな奴だとは思わなかったんだけど」
「えっ?ちょっと待って!僕はアンリが好きなんだけど、ディアンナと婚約って何?どういう事?」
グレンは怒り突き放す様に告げ、カインは戻れてると思うのに、おかしい状況に慌てていた。
「カインさん、ふざけないで下さい。僕言いましたよね?アンリを悲しませるなら許せないって、アンリは僕の大事な幼なじみで大事な人です。カインさんとは付き合わせません!」
「えっ?待って、エドワードだったよね?僕はアンリを悲しませていないよ」
エドワードがアンリを抱きしめカインが見えない様にし、落ち着かせる様にアンリの頭を優しく撫でいた。
「階段からアンリを守って落ちた時はアンリが怪我なくて良かったって思ったけど。君は、目覚めた直後からアンリではなくグレンの妹のディアンナ嬢が好きだと婚約者がいないと聞いて婚約を申し込むって言った時は、頭ぶつけて混乱してるのかなって思ったけど…グレンの妹を口説き落として、僕とグレンに剣術で勝負挑んで筋力足りない部分は技術面で補って僕とグレンに文句は言わせないって、僕とグレンに容赦なく挑んできたよね。ディアンナ嬢に好かれる為に鍛えて強くなったって、アンリとの恋人関係は記憶にないってアンリを見捨てる様に振った事は軽蔑してるんだよ?今更、何を言ってるの?」
アベルは冷たい視線と低い声で呆れ突き放す様に告げた。
「えっ?どういう事…。それ僕だけど違う僕だよ!信じて、1週間の間に僕はこことは違う…僕だけど僕じゃない、鍛えられた体型の魔力量おかしい程のカインでディアンナ溺愛してたから、そのカインだと思う。だから、僕じゃないよ。僕はアンリが好きなんだよ」
アベルは更に呆れた表情浮かべた。
「何を言ってるの?1週間?半年間の間に君はディアンナ嬢と婚約してディアンナ嬢に好かれる為に鍛えて強くなるって剣術してたよね?剣術だけ鍛えてるのかと思ったら、魔法も現役魔術師に挑んで勝つ程だったから、階段から落ちた日からアンリとの恋人関係の記憶がないってディアンナ嬢の為に強くなろうと鍛えていたカインはアンリを見捨てたのは軽蔑しているけど、努力は認めていたんだよ?」
カインは告げられた言葉に混乱し、言葉を失い黙り込んだ。
「なあ、カイン。俺はアンリを忘れて見捨てた事は許せないけど、ディアンナと婚約したくて、ディアンナに好かれたくて努力していたのは知ってるから見直していたのに、今更何言ってんの?1週間?そんな期間で俺やアベルに剣術で勝てると思ってんの?…俺、しばらくカインの顔見たくない、ディアンナとの関係は婚約はしてるから認めるけど。俺の前に顔出さないで!」
グレンはそう言い部屋を出ていった。
アベルも「僕の前にもしばらく顔見せないでね」と、言い出ていった。
「カインさん、アンリは僕が大事にします。カインさんもディアンナさんとお幸せに。失礼します」
エドワードも悲しげなアンリの手を引き出ていった。
カインは1人残ったディアンナを横目に見て出て行かない事に話し始めた。
「……ねえ、君は出て行かないの?僕はみんなの信頼を失ったんだよ?」
ディアンナは少し沈黙しカインを見つめていた。
「…………あの。私を好きだと誰よりも大事だと言っていたカイン様と違うのはわかりましたわ。私を慕い鍛えていこうとしたカイン様はいましたわ、鍛えた体に嘘はありません。カイン様がアンリ様と恋人関係だったのはお兄様から聞いて知っています。だから今は私を好いて欲しいとは言いません、婚約者として私はカイン様が鍛え続けるなら剣術でしたらお力になれると思いますから、私はカイン様のお側にいます」
カインはディアンナの言葉に涙が溢れ落ち、見られたくなくて目をゴシゴシと擦った。
「カイン様、いけませんわ目が傷ついてしまいます。私がお側にいて見えない様にします、だからお気になさらず存分に泣いてください」
ディアンナはカインを胸元に抱きよせ顔を隠した。抱きしめながらも背を優しく撫でた。
カインは泣きながらも、ディアンナに抱きついた。
「カイン様、私は貴方が私を好きだと言っても、私ではない人を想っていたのは気づいていました。それでも、私と婚約したいと…私に好かれたいと、言っていたカイン様でした。…1週間と言いましたが私が好きだと婚約したカイン様はアンリ様を階段から無傷で助けて目覚めてから、半年間の間いましたわ。カイン様が言った期間と違いますけど、カイン様は私を慕っていたカイン様と入れ替わっていたのかもしれませんね?…アンリ様との恋人関係は失ったかもですが、私はお側にいますわ。だから、お兄様も殿下も落ち着いたらカイン様との関係性も戻ると思いますから、お兄様を信じていてください」
カインは泣きやみ、ディアンナを抱きしめ。
「…何で、婚約申し込んだ僕じゃないってわかるのに、僕の側にいてくれるの?」
「私はカイン様の婚約者ですから、あのカイン様が何を思い私と婚約したのかはわかりません。でも、カイン様が鍛えた体と魔法は残ってますわ」
「…うん、体が鍛えられてるのはわかる。でも魔法はわからない…覚えてないよ」
ディアンナは優しくカインの背を撫でた。
「大丈夫ですわ。カイン様は魔法の事は部屋に記載して残してるから、何かあっても大丈夫だと言ってましたから…。今思い返すと何かとはあのカイン様が私ではない婚約者の元に帰れた場合の何かだったと思いますわ」
「…そうなんだね。婚約を申し込んだカインは考えていてくれたんだね。そんなカインだから、アベルもグレンも僕がカインじゃないってカインに戻って欲しいって言ったんだって思う。ねえ、僕は…アンリが好きだけど、……アンリと恋人関係になれても婚姻なんて出来ないのは理解してたから、僕の家に貴族として婚約者として望ましいのはディアンナだってわかるんだけど、でも…アンリが好きな僕でも婚約者としてディアンナの側にいてもいい?僕も望まれる婚約者として鍛えるから、僕の側にいて欲しい…僕の事を誰も信じてくれなくてもディアンナだけは信じて欲しいんだけど、駄目かな?」
カインの偽りない言葉にディアンナはカインの頭を撫でた。
「もちろん、カイン様を信じますわ。私と婚約してくださったカイン様はもちろん、今ここにいるカイン様も信じてます。私は強くなろうとする姿勢を好ましく思います。強さは体だけではなく精神的強さもあると思います」
「うん、ありがとう。僕の弱音聞いてくれる?弱音はくのは最後にするから、聞いてくれるだけでいいんだ…」
ディアンナは「はい」と答え、カインの弱音を聞いた。
「…アンリなら僕を好きだと僕を信じてくれるって、アンリなら信じてくれるって思ってアンリの側に戻りたくて頑張ったんだ。アベルやグレンの理解し難い話し聞いて、戻りたくて…信じてくれる人が待つ僕の生きてきた僕の本当の体に戻りたかったんだ。……でも、アンリは信じてくれなかったんだ。戻れた理由もわからないけど、
僕じゃない僕が見た最後の光景は…アンリを抱きしめたら、エドワードが僕からアンリを離すように背後から抱きしめてアンリは大事な人だから渡せないって…。ディアンナは、僕が…本来のカインって言えばいいかな?カインが好きだからカインの姿で中が僕でも他の人に触れないでって…ねえ、ディアンナは僕でいいの?僕を信じてくれるのは嬉しいんだけど、ディアンナが信じたいカインは婚約申し込んだカインじゃないの?」
ディアンナは弱音と聞いて何を言われるのかと思っていたが、問われた弱気な発言に愛しく思い笑み溢した。
「私はカイン様だから信じますわ。カイン様が鍛え婚約申し込んだ事よりも、私が信じると言った言葉を喜んでくれるカイン様だから、お側にいたいと思います」
「うん、ありがとう…。ねえ、ディアンナは髪の長い男は嫌かな?僕が髪伸ばしてもいい?」
「かまいませんわ。カイン様の姿ではなく、カイン様の強くなりたいという前向きな姿勢が好きですから。伸ばしたい理由を聞いてもいいですか?」
カインは照れくさそうに、話し始めた。
入れ替わったカインが長髪で体型も筋肉もあり、それなのに魔術師としても強くて剣術ではグレンにも余裕で勝てる程の力量で、そんなカインは髪にも魔力が宿るから長くして綺麗に手入れしたら魔力も高まるって言っていた事をカインの妹キャンディスから聞いた事を伝えた。
「髪の長いカイン様も見てみたいですわ。伸ばしても伸ばさなくても、私はカイン様のお側にいますわ。カイン様が望む道を決めて鍛えて強くなるなら、私はお側にいますわ」
カインはその言葉に嬉しく安心した。
「ありがとう。僕、頑張る。ディアンナに婚約申し込んだカインが父上も越える程の強さ持ってるって…聞いたから。僕も父上を目指すんじゃなくて、越える為に頑張るからディアンナ側にいて欲しい…」
「はい、いますわ。1つだけお願いしてもよろしいですか?……ディアンナではなく、ディアと呼んで欲しいです」
カインは細やかな可愛いお願いに微笑ましく思い、ディアンナの手をとり手の甲に口づけた。
「…ディアが望むなら。僕が叶えれる限り叶えるよ、だからディアだけは僕を信じて側にいて欲しい」
カインはアンリを想う気持ちがなくなったわけではないが、信じてくれる人がいるそれだけで強くなれると思った。
ディアンナは、例え内面の人物が変わろうと前向きな姿勢で強くなりたいと願う人の側にいて信じて支えていきたいと思った。
カインが、アベルとグレンの信頼を再度掴むのは、もう少し先の事だがカインは強くなりたいと願い信頼も少しずつ過去よりも強く信頼を掴み得る事は明白だった。
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