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番外編
本音が知りたい
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キャンディス、ディアンナ、ユリアーナはアンジェリカから魔族の間で流行っているという、飲んだ人が1番大事な人の事を数時間程忘れるという、薬を渡された。
「フレッドに溺愛されとるのは知っていたが、一刻とはいえ忘れられるのは悲しいが誰よりも大事にされているという証明になる、気が向いたら使ってみるといい」
忘れられるかもだけど、誰よりも大事にされているという証明という言葉には3人とも心惹かれて、婚約者相手にこっそり飲ませてみようと思い、3人はもし忘れられても傷つかないように一緒の時に飲ませようと、それぞれの婚約者と6人でのお茶会をすることにした。
お茶に入れても味も匂いもないと言われていた為に、こっそり婚約者のお茶に薬を盛った。
効果は個人差はあるが数分で現れると言われていた。
誰を忘れるのかと、人目につかないように変に噂にならない様に個室にしていた為、カインがディアンナを膝に乗せ抱きしめていたが、薬の入ったお茶を飲み数分後。
「……何故。私の膝にすわっているんだ?」
カインの冷たい言葉にディアンナは傷つき、薬なんて使わなければ良かったと後悔をしていた。
「お前さ、俺の妹に何言ってんの?お前が離れろよ!」
カインの膝の上で悲しそうなディアンナを抱き下ろし、カインとディアンナの間にグレンは立ちふさがった。
「何故、そんなに怒っているんだグレンは?…そうか、グレンの妹なのか。……グレンの妹なら私の婚約者か?」
「何?お前がディアンナの婚約者なのかよ。妹に冷たくするなよな。それに妹の婚約者なら婚約者の兄を呼び捨てにすんなよな!」
ディアンナはカインに忘れられ傷つき、何も言えずにいた。
「これって…マミーはディアンナ様、グレン様はマミーを忘れたって事?えっー、まさかのマミーに負けた?」
ユリアーナは状況を見て騒いでいた。
そんな様子を黙って見ていたアベルは、キャンディスに笑み向け答えを求めた。
「どういう事かな、僕達に何をしたのかな?」
キャンディスはアベルは何ともないのかと思いながらも説明をした。
「なるほどね…。薬には耐性持っていると思ったんだけど、魔族の薬だからかな?効果はどのくらい?」
キャンディスは個人差あるかもしれないが一刻だと答え、アベルの様子を伺うように見ていた。
「可愛い悪戯だけど、僕の側近候補にこんな悪戯は駄目だよ」
アベルはグレンとカインの間に立ち落ち着かせるように離した。
「グレンは落ち着いて、…君も」
アベルはグレンの肩に手を置き、知っているはずの名前が解らずにカインを見た。
「アベルはコイツ知ってるのか?」
「知ってるよ。僕の婚約者の兄でグレンと同じ僕の側近候補だよ」
「あれ?何かアベル王子も変?知ってるのに名前呼ばない??」
キャンディスは先程の薬の耐性が弱いアベルを見て、アベルもカインを忘れているのだと理解した。
「…キャンディス嬢の考えていて事は理解しているよ。でも、こんな試すような事はして欲しくなかったかな?僕はキャンディス嬢も君の兄も大事なんだよ。君のお兄さんなら、こんな試すような…事はしないよ。大事な人を忘れるなんて、後からその大事な人がした行動といっても、忘れられたら傷つけたって思ったら、悲しくなるよね?」
アベルがキャンディスに説明し、キャンディスはアベルに言われ反省し落ち込んでいた。
そんな、キャンディスとアベルの間にカインは割り込んだ。
「アベルでも、キャシーに悲しい顔をさせるのは許さない。私の大事なキャシーにそんな事を言わないでくれないか?」
カインの行動を見て、グレンは妹の婚約者なのに、妹を大事だと言うカインにキャンディスの兄はシスコンだと言う事は覚えていて、悲しそうなディアンナの手を取り一言いい出ていった。
「お前ふざけんな!ディアンナの婚約者のくせに、婚約者よりも妹が大事とか言うなら、俺はお前にディアンナは渡さない!行くよディアンナ」
カインは婚約者の事よりもグレンの突き放す様に言い捨てられた言葉に傷つき、キャンディスを抱きしめた。
「…アベルも私を忘れているんだろ?私はキャシーさえいてくれたら、それでいい。キャシーの幸せが私の幸せだから、キャシーを、悲しませるならアベルでもキャシーは渡さない!」
ユリアーナはグレンがディアンナを連れ出て行き、カインまでもキャンディスとアベルの婚約を認めないと言う言動に狼狽えた。
「ユリアーナ王女、キャンディス嬢はどうして、こんな試すような事をしたのかな?彼が婚約者と妹のキャンディス嬢を大事にしているのはわかっていたはずだけど?僕とグレンの事を知りたければ直接聞けば答えたんだよ?僕はキャンディス嬢の事はどの令嬢よりも大事にしているんだよ」
アベルの言葉を聞いて、ユリアーナもキャンディスも反省し頭を下げ謝った。
「……キャンディス嬢のお兄さんも少しは理解したよね?君は妹キャンディス嬢と同じ…それ以上に大事な婚約者を忘れているんだよ?グレンは…薬の作用切れたら軽く怒っておくから、落ち着いて欲しいんだけど。大丈夫かな?」
「…アベルはグレンよりも私を忘れていないのか?…………すまない、キャシーを任せてもいいか?アベルはキャシーを忘れてないんだよな?」
カインは寂しげにアベルとグレンの名を呼び、アベルが少しでも覚えていてくれる事に嬉しさ込み上げていると、抱きしめていたはずのキャンディスをアベルの胸元へと押しやった。
「そうだね。キャンディス嬢の事は忘れてないよ。君の事も…名前がわからないだけで、誰かは覚えているよ」
「それなら、キャシーを頼む。私は行かなくては行けないから……」
カインはそう答えると、何故行かなくてはいけないのか解らないが、意識を集中し何かを察知し部屋を出て行った。
「マミーは慌てて、どこ行ったの?」
「ユリアーナ王女。僕は貴女にも怒っているからね?グレンは貴女を大切にはしていたのに、それだけでは足りなかったのかな?ユリアーナ王女はわかっているのかな?王族からの婚約の打診はほとんどの貴族は断れないって事を?ウィリアムに伝えて僕が婚約破棄の申し立てしてもいいんだよ?」
アベルはキャンディスを胸元に預けられ抱きとめ頭撫でながらもユリアーナに告げた。
「ごめんなさい。でも、グレン様との婚約破棄は嫌です。お兄様にも言わないで下さい、お兄様に知られるとマミー以上に怖いんです。もう、しませんわ!だから、許してください」
ユリアーナは土下座する勢いで頭は下げずに謝った。
「…そう。本当にわかってるなら、グレンと…キャンディス嬢の兄が戻るまでそこにいるんだよ?」
アベルはユリアーナにそう告げると、抱きとめ撫でいたキャンディスを抱きしめ、顎に片手添え顎を上向きにした。
「…キャンディスにはグレンとお兄さんが戻るまで、僕の相手をしてもらうよ?ユリアーナ王女の見てる前でね?」
アベルはユリアーナのいる部屋でキャンディスに口づけた。
その頃
部屋を出て行ったカインは、行かなくてはいけないと思う場所へとたどり着いていた。
たどり着いた場所には、窓から身を投げるように、というよりも窓枠に僅かに足の甲で、落ちそうなのを堪えているグレンを見つけていた。
「グレン!?」
カインが名を呼び駆けつけるも、グレンは必死で答えることも出来ずにいた。
カインはグレンなら、この程度問題なく回避出来るのにと思いながらも何故か焦る気持ちは抑えれずに近づいて、グレンの手の先にいるグレンの妹に気づいた。
カインはグレンを、グレンの妹を助けなくてはとグレンが堪え支えている窓枠の隣の窓を開け飛び降り階下の窓を割り階下に降り立ち、グレンの支える妹がいる窓を開け身を乗り出した。
「グレン!私が妹を抱きとめるから、手を離していい。グレン一人なら大丈夫だろう?……ディアンナ、私を信じろ!私はグレンの妹の貴女を落としはしない。グレンの大事な妹で…私の婚約者なら、私を信じて欲しい!受けとめる!!」
グレンがカインを忘れ信じられなく手を離せないが、グレンはディアンナからカインを信じて、手を離して!という言葉に…信じてみようと手を離した。もし、何かあればカインを叩き潰してディアンナから離してやろうと思いながらも妹ディアンナの手を離した。
カインは少しでも落下に怖がらないように風魔法で落下速度を軽減させて抱きとめた。
抱きとめ、窓から廊下へと戻り窓から離す様に座らせると再び窓へと身を乗り出しグレンの様子を見た。
グレンはディアンナが無事に受けとめられた事に安心し、窓枠に足の甲で引っかけていたが、安心と2人分の重さに耐えていた足には上手く力が入らず片足を滑らた、何とか片足で体を支えよじ登ろうとしていた。
「グレン!?落ち着け!」
カインはその様子に慌てて手を差し伸べようとしたが、グレンはカインを拒絶した。
「うるさい。気が散るから黙って……」
グレンがカインに拒絶の言葉を発した事でバランスを崩して窓枠から足が外れ落下しそうになり、咄嗟に少し遠いが窓から離れた木に飛び移ろうと校舎の壁を足場にして蹴り飛んだ。
カインはグレンの足が外れ、グレンの咄嗟の行動にいつものグレンなら飛べるだろうとは思ったが、足に負担かけていた直後は無理だろうと判断した。
カインの予想通りにグレンは木に一歩届かずに落下した。カインは窓枠を蹴り勢いよく飛び降りて、グレンを掴まえた。
「大人しくしていろ!」
掴まえられ暴れそうなグレンに告げると、下から吹き上げる様な風で落下速度を緩ませると頭からの落下状態を吹き上げる風を使い地面に足を向け落下状態にし、風を上手く使い落下の衝撃を軽減させて、何事もなく地面に降り立った。
「グレンは怪我していないか?」
心配そうにグレンは問われ、知らない相手に助けられ、礼だけはと思い告げた。
「大丈夫なら、アベルの所に戻ろう。私が婚約者を忘れ、グレンが私を忘れている理由をアベルは知っているようだったから」
グレンは知らないと思うカインに頷き、窓から心配そうに見下ろすディアンナを見上げた。
「ディアンナ、アベルのいるさっきの部屋に行っていて。俺もすぐに向かうから。怖い思いさせてごめんな」
ディアンナは頷き窓から離れ先程の部屋へと戻っていった。
グレンは知らないと思うカインだが、信用は出来ると思い心配そうにしていた為、落ちそうになった理由を話しながら戻る事にした。
落ちそうになった理由は、部屋からディアンナを連れ出たが、ディアンナはカインの元に戻ろうとしてもめてグレンから離れようとした時に勢い余り開いていた窓から落ちてしまい、グレンがそれを支えようとしたが、突き飛ばすように離れた為手を伸ばすのが遅れて、あの状態だったと話した。
カインとグレンが部屋に戻ると、ディアンナは既に戻っていて、何故かディアンナとユリアーナの目の前で見られ恥ずかしさ全開のキャンディスがアベルにキスされていた。
「アベル何してるの?」
グレンは驚き声を上げていた。
カインはショックを受けているのか放心状態だった。
「お帰り、グレン…カイン。うん、もう僕は大丈夫だね」
アベルは、この忘れている状態がキャンディス、ディアンナ、ユリアーナのしたことだと説明をした。
「俺が…コイツを大事にしている?……信頼はしているとは思えるけど、必死に俺とディアンナを助けてくれたの信頼出来るけど…大事な人??」
「大事な人を忘れる……だから、これが危険を知らせて行かなければいけないと知らせたのか?……作ったのは私だが、大事な人…グレンの妹で婚約者が、グレンが大事だから妹も大事なだけなんじゃないのか?」
グレンとカインは、思考の整理をと1人で頭を悩ませ、言葉を発し確認するように呟いていた。
「カインとグレンの薬の効果が切れるまでもう少しかかりそうだから。ディアンナ嬢とユリアーナ王女には二度としないように、君たちの婚約者にされたら嫌な事は何かな?参考までに聞かせて貰うよ?」
「えっ?どういう事?おしおきって事…嫌だ、グレン様との婚約破棄は絶対に嫌だ!!」
「えっ?…あの、私もカイン様が私以外の人と婚約は嫌です。カイン様に先程の様に冷たい言葉かけられたくありません」
「そんな風に思っているのに、どうしてこんな事をしたんだろうね?僕が婚約破棄させるなんて事はないから安心していいよ。決めるのはカインとグレンだから。ねえ、信頼してないから聞けば済むことを薬なんて使ったんだよね?傷つくと思わなかったのかな?」
アベルの言葉にディアンナとユリアーナは反省をして黙り込んだ。
「…あの、アベル殿下。私には聞かないのですか?」
キャンディスに問われアベルは楽しそうな笑み浮かべた。
「足りなかったかな?人前で、というよりも友達の前であんなにキスされて乱れるの恥ずかしかったんじゃない?それ以上されたい、僕はかまわないよ?」
アベルはキャンディスの顎に手を添え軽く持ち上げた。キャンディスは顔を真っ赤に染めると俯き首を横に振り拒絶した。
「そう。良かった、僕もこれ以上可愛い姿を他の人には見せたくないからね」
アベルがキャンディスをからかっていると、カインとグレンがアベルの側に立っていた。
忘れた事を考え悩んでいたが、アベルの言葉を聞いていてカインとグレンは思い出していた。
「なあ、ユリアーナ王女。こんな事をしたおしおきは必要だよな?婚約破棄はしないけど俺やカイン、アベルに変な薬を飲ませた事はウィリアムに説明させて貰うからな。ウィリアムには伝えて欲しくないなら、これが1番のおしおきだよね?」
ユリアーナは青ざめるが婚約破棄されないならと渋々受け入れた。
「……ディア。貴女は私の想いを信じていなかったんだな。私がどれほどディアを好きで理性を抑えているのかわからないようだね?婚約中はと思い抑えていたが…貴女が知りたければ話していた。私がディアを冷たく突き放した事は私も傷ついた。……おしおきなら、実践で教えてあげればいいか?そうだなグレン協力をしてもらってもいいか?」
カインは信じて貰えなかった事に傷つきながらも、どれほど大事で理性を抑えていると伝えグレンを引き寄せ協力を頼むとグレンはカインのしようとしている事は理解していた、カインがディアンナ以外の令嬢に出来る訳がなくて、カインのしようとしている事がユリアーナにも多少は嫌だと思われるだろうと思い了承した。
「ディア、私にはディアしかいない。大事だから理性は抑えていたんだ……」
カインはそう告げると、グレンを引き寄せ了承された事で抱きしめグレンに口づけた。今までディアンナにしていた口づけが可愛いらしいと思える程、深く口づけ腰を支え逃げないように抱きしめ後頭部を押さえ深く口づけられる様にしながらも、髪を撫でる様に絡めていた。
口づけをやめた後は閉じられていた瞼に口づけ、髪に口づけた。
「……グレン大丈夫か?」
「…何とかな。少し肩貸せ」
グレンはカインに支えられ何とか立っていた。
「グレンはすまない。…ディア、私は大事だから婚姻までは抑えていたんだが。私はいつでも抱きしめていたいし口づけたい、ディアの瞳も綺麗な髪も触れたい口づけたいとも思う、私の想いを疑うなら閉じ込めてディアを求めれば良かったのか?」
カインはグレンを支えながらも、ディアンナを真っ直ぐに見つめ尋ねた。
「…えっ、あの。お兄様は…その、ご自分で立てない程の口づけなんて…あの、その…カイン様はお兄様と私がお好きなんですか?」
「ディアが好きだ。グレンは大事な友で大事な義兄だな。グレンにだから協力を頼んだんだ、ディアと同じ瞳の色、同じ髪の色でディアと同じ血が流れているグレンだから。私はディアが大事なんだ信じて欲しい」
カインの言葉に、何とか自力で立てる様になったグレンは呆れた様に突っ込んでいた。
「カイン、お前重すぎ。何だよ同じ血とか?…えっ、ちょっと待って!キャンディス嬢が大事なのもそういう理由なのか?お前と同じ血がって…?」
グレンに言われ、カインは少し考えて笑み浮かべ頷いた。
「そうかもしれないな。キャシーも母様、そして父様も私は大事だと思う」
カインの言葉に、周囲は呆れながらもカインだからと受けとめた。
「ねえねえ、マミー!私は?」
「何が言いたいのかは理解するが、ユリアーナ王女とは他人だからな?グレンの嫁になっても血の繋がりはない!」
「マミー冷たい…」
「大人しくしていろ。全く、今回の行動は1番乗り気だったのは貴女だろ?ディアとキャシーを巻き込むな、今後も同じ様な事をしたらウィリアムの元に送り返すから覚えておくんだな」
信じて欲しいとは思うが、知りたいという思いも理解は出来る為、アベル、カイン、グレンは今後は聞くことを約束させた。
大事な人を一刻でも忘れて、傷つけたり、悲しませたりなんて二度とはしたくなかった。
「フレッドに溺愛されとるのは知っていたが、一刻とはいえ忘れられるのは悲しいが誰よりも大事にされているという証明になる、気が向いたら使ってみるといい」
忘れられるかもだけど、誰よりも大事にされているという証明という言葉には3人とも心惹かれて、婚約者相手にこっそり飲ませてみようと思い、3人はもし忘れられても傷つかないように一緒の時に飲ませようと、それぞれの婚約者と6人でのお茶会をすることにした。
お茶に入れても味も匂いもないと言われていた為に、こっそり婚約者のお茶に薬を盛った。
効果は個人差はあるが数分で現れると言われていた。
誰を忘れるのかと、人目につかないように変に噂にならない様に個室にしていた為、カインがディアンナを膝に乗せ抱きしめていたが、薬の入ったお茶を飲み数分後。
「……何故。私の膝にすわっているんだ?」
カインの冷たい言葉にディアンナは傷つき、薬なんて使わなければ良かったと後悔をしていた。
「お前さ、俺の妹に何言ってんの?お前が離れろよ!」
カインの膝の上で悲しそうなディアンナを抱き下ろし、カインとディアンナの間にグレンは立ちふさがった。
「何故、そんなに怒っているんだグレンは?…そうか、グレンの妹なのか。……グレンの妹なら私の婚約者か?」
「何?お前がディアンナの婚約者なのかよ。妹に冷たくするなよな。それに妹の婚約者なら婚約者の兄を呼び捨てにすんなよな!」
ディアンナはカインに忘れられ傷つき、何も言えずにいた。
「これって…マミーはディアンナ様、グレン様はマミーを忘れたって事?えっー、まさかのマミーに負けた?」
ユリアーナは状況を見て騒いでいた。
そんな様子を黙って見ていたアベルは、キャンディスに笑み向け答えを求めた。
「どういう事かな、僕達に何をしたのかな?」
キャンディスはアベルは何ともないのかと思いながらも説明をした。
「なるほどね…。薬には耐性持っていると思ったんだけど、魔族の薬だからかな?効果はどのくらい?」
キャンディスは個人差あるかもしれないが一刻だと答え、アベルの様子を伺うように見ていた。
「可愛い悪戯だけど、僕の側近候補にこんな悪戯は駄目だよ」
アベルはグレンとカインの間に立ち落ち着かせるように離した。
「グレンは落ち着いて、…君も」
アベルはグレンの肩に手を置き、知っているはずの名前が解らずにカインを見た。
「アベルはコイツ知ってるのか?」
「知ってるよ。僕の婚約者の兄でグレンと同じ僕の側近候補だよ」
「あれ?何かアベル王子も変?知ってるのに名前呼ばない??」
キャンディスは先程の薬の耐性が弱いアベルを見て、アベルもカインを忘れているのだと理解した。
「…キャンディス嬢の考えていて事は理解しているよ。でも、こんな試すような事はして欲しくなかったかな?僕はキャンディス嬢も君の兄も大事なんだよ。君のお兄さんなら、こんな試すような…事はしないよ。大事な人を忘れるなんて、後からその大事な人がした行動といっても、忘れられたら傷つけたって思ったら、悲しくなるよね?」
アベルがキャンディスに説明し、キャンディスはアベルに言われ反省し落ち込んでいた。
そんな、キャンディスとアベルの間にカインは割り込んだ。
「アベルでも、キャシーに悲しい顔をさせるのは許さない。私の大事なキャシーにそんな事を言わないでくれないか?」
カインの行動を見て、グレンは妹の婚約者なのに、妹を大事だと言うカインにキャンディスの兄はシスコンだと言う事は覚えていて、悲しそうなディアンナの手を取り一言いい出ていった。
「お前ふざけんな!ディアンナの婚約者のくせに、婚約者よりも妹が大事とか言うなら、俺はお前にディアンナは渡さない!行くよディアンナ」
カインは婚約者の事よりもグレンの突き放す様に言い捨てられた言葉に傷つき、キャンディスを抱きしめた。
「…アベルも私を忘れているんだろ?私はキャシーさえいてくれたら、それでいい。キャシーの幸せが私の幸せだから、キャシーを、悲しませるならアベルでもキャシーは渡さない!」
ユリアーナはグレンがディアンナを連れ出て行き、カインまでもキャンディスとアベルの婚約を認めないと言う言動に狼狽えた。
「ユリアーナ王女、キャンディス嬢はどうして、こんな試すような事をしたのかな?彼が婚約者と妹のキャンディス嬢を大事にしているのはわかっていたはずだけど?僕とグレンの事を知りたければ直接聞けば答えたんだよ?僕はキャンディス嬢の事はどの令嬢よりも大事にしているんだよ」
アベルの言葉を聞いて、ユリアーナもキャンディスも反省し頭を下げ謝った。
「……キャンディス嬢のお兄さんも少しは理解したよね?君は妹キャンディス嬢と同じ…それ以上に大事な婚約者を忘れているんだよ?グレンは…薬の作用切れたら軽く怒っておくから、落ち着いて欲しいんだけど。大丈夫かな?」
「…アベルはグレンよりも私を忘れていないのか?…………すまない、キャシーを任せてもいいか?アベルはキャシーを忘れてないんだよな?」
カインは寂しげにアベルとグレンの名を呼び、アベルが少しでも覚えていてくれる事に嬉しさ込み上げていると、抱きしめていたはずのキャンディスをアベルの胸元へと押しやった。
「そうだね。キャンディス嬢の事は忘れてないよ。君の事も…名前がわからないだけで、誰かは覚えているよ」
「それなら、キャシーを頼む。私は行かなくては行けないから……」
カインはそう答えると、何故行かなくてはいけないのか解らないが、意識を集中し何かを察知し部屋を出て行った。
「マミーは慌てて、どこ行ったの?」
「ユリアーナ王女。僕は貴女にも怒っているからね?グレンは貴女を大切にはしていたのに、それだけでは足りなかったのかな?ユリアーナ王女はわかっているのかな?王族からの婚約の打診はほとんどの貴族は断れないって事を?ウィリアムに伝えて僕が婚約破棄の申し立てしてもいいんだよ?」
アベルはキャンディスを胸元に預けられ抱きとめ頭撫でながらもユリアーナに告げた。
「ごめんなさい。でも、グレン様との婚約破棄は嫌です。お兄様にも言わないで下さい、お兄様に知られるとマミー以上に怖いんです。もう、しませんわ!だから、許してください」
ユリアーナは土下座する勢いで頭は下げずに謝った。
「…そう。本当にわかってるなら、グレンと…キャンディス嬢の兄が戻るまでそこにいるんだよ?」
アベルはユリアーナにそう告げると、抱きとめ撫でいたキャンディスを抱きしめ、顎に片手添え顎を上向きにした。
「…キャンディスにはグレンとお兄さんが戻るまで、僕の相手をしてもらうよ?ユリアーナ王女の見てる前でね?」
アベルはユリアーナのいる部屋でキャンディスに口づけた。
その頃
部屋を出て行ったカインは、行かなくてはいけないと思う場所へとたどり着いていた。
たどり着いた場所には、窓から身を投げるように、というよりも窓枠に僅かに足の甲で、落ちそうなのを堪えているグレンを見つけていた。
「グレン!?」
カインが名を呼び駆けつけるも、グレンは必死で答えることも出来ずにいた。
カインはグレンなら、この程度問題なく回避出来るのにと思いながらも何故か焦る気持ちは抑えれずに近づいて、グレンの手の先にいるグレンの妹に気づいた。
カインはグレンを、グレンの妹を助けなくてはとグレンが堪え支えている窓枠の隣の窓を開け飛び降り階下の窓を割り階下に降り立ち、グレンの支える妹がいる窓を開け身を乗り出した。
「グレン!私が妹を抱きとめるから、手を離していい。グレン一人なら大丈夫だろう?……ディアンナ、私を信じろ!私はグレンの妹の貴女を落としはしない。グレンの大事な妹で…私の婚約者なら、私を信じて欲しい!受けとめる!!」
グレンがカインを忘れ信じられなく手を離せないが、グレンはディアンナからカインを信じて、手を離して!という言葉に…信じてみようと手を離した。もし、何かあればカインを叩き潰してディアンナから離してやろうと思いながらも妹ディアンナの手を離した。
カインは少しでも落下に怖がらないように風魔法で落下速度を軽減させて抱きとめた。
抱きとめ、窓から廊下へと戻り窓から離す様に座らせると再び窓へと身を乗り出しグレンの様子を見た。
グレンはディアンナが無事に受けとめられた事に安心し、窓枠に足の甲で引っかけていたが、安心と2人分の重さに耐えていた足には上手く力が入らず片足を滑らた、何とか片足で体を支えよじ登ろうとしていた。
「グレン!?落ち着け!」
カインはその様子に慌てて手を差し伸べようとしたが、グレンはカインを拒絶した。
「うるさい。気が散るから黙って……」
グレンがカインに拒絶の言葉を発した事でバランスを崩して窓枠から足が外れ落下しそうになり、咄嗟に少し遠いが窓から離れた木に飛び移ろうと校舎の壁を足場にして蹴り飛んだ。
カインはグレンの足が外れ、グレンの咄嗟の行動にいつものグレンなら飛べるだろうとは思ったが、足に負担かけていた直後は無理だろうと判断した。
カインの予想通りにグレンは木に一歩届かずに落下した。カインは窓枠を蹴り勢いよく飛び降りて、グレンを掴まえた。
「大人しくしていろ!」
掴まえられ暴れそうなグレンに告げると、下から吹き上げる様な風で落下速度を緩ませると頭からの落下状態を吹き上げる風を使い地面に足を向け落下状態にし、風を上手く使い落下の衝撃を軽減させて、何事もなく地面に降り立った。
「グレンは怪我していないか?」
心配そうにグレンは問われ、知らない相手に助けられ、礼だけはと思い告げた。
「大丈夫なら、アベルの所に戻ろう。私が婚約者を忘れ、グレンが私を忘れている理由をアベルは知っているようだったから」
グレンは知らないと思うカインに頷き、窓から心配そうに見下ろすディアンナを見上げた。
「ディアンナ、アベルのいるさっきの部屋に行っていて。俺もすぐに向かうから。怖い思いさせてごめんな」
ディアンナは頷き窓から離れ先程の部屋へと戻っていった。
グレンは知らないと思うカインだが、信用は出来ると思い心配そうにしていた為、落ちそうになった理由を話しながら戻る事にした。
落ちそうになった理由は、部屋からディアンナを連れ出たが、ディアンナはカインの元に戻ろうとしてもめてグレンから離れようとした時に勢い余り開いていた窓から落ちてしまい、グレンがそれを支えようとしたが、突き飛ばすように離れた為手を伸ばすのが遅れて、あの状態だったと話した。
カインとグレンが部屋に戻ると、ディアンナは既に戻っていて、何故かディアンナとユリアーナの目の前で見られ恥ずかしさ全開のキャンディスがアベルにキスされていた。
「アベル何してるの?」
グレンは驚き声を上げていた。
カインはショックを受けているのか放心状態だった。
「お帰り、グレン…カイン。うん、もう僕は大丈夫だね」
アベルは、この忘れている状態がキャンディス、ディアンナ、ユリアーナのしたことだと説明をした。
「俺が…コイツを大事にしている?……信頼はしているとは思えるけど、必死に俺とディアンナを助けてくれたの信頼出来るけど…大事な人??」
「大事な人を忘れる……だから、これが危険を知らせて行かなければいけないと知らせたのか?……作ったのは私だが、大事な人…グレンの妹で婚約者が、グレンが大事だから妹も大事なだけなんじゃないのか?」
グレンとカインは、思考の整理をと1人で頭を悩ませ、言葉を発し確認するように呟いていた。
「カインとグレンの薬の効果が切れるまでもう少しかかりそうだから。ディアンナ嬢とユリアーナ王女には二度としないように、君たちの婚約者にされたら嫌な事は何かな?参考までに聞かせて貰うよ?」
「えっ?どういう事?おしおきって事…嫌だ、グレン様との婚約破棄は絶対に嫌だ!!」
「えっ?…あの、私もカイン様が私以外の人と婚約は嫌です。カイン様に先程の様に冷たい言葉かけられたくありません」
「そんな風に思っているのに、どうしてこんな事をしたんだろうね?僕が婚約破棄させるなんて事はないから安心していいよ。決めるのはカインとグレンだから。ねえ、信頼してないから聞けば済むことを薬なんて使ったんだよね?傷つくと思わなかったのかな?」
アベルの言葉にディアンナとユリアーナは反省をして黙り込んだ。
「…あの、アベル殿下。私には聞かないのですか?」
キャンディスに問われアベルは楽しそうな笑み浮かべた。
「足りなかったかな?人前で、というよりも友達の前であんなにキスされて乱れるの恥ずかしかったんじゃない?それ以上されたい、僕はかまわないよ?」
アベルはキャンディスの顎に手を添え軽く持ち上げた。キャンディスは顔を真っ赤に染めると俯き首を横に振り拒絶した。
「そう。良かった、僕もこれ以上可愛い姿を他の人には見せたくないからね」
アベルがキャンディスをからかっていると、カインとグレンがアベルの側に立っていた。
忘れた事を考え悩んでいたが、アベルの言葉を聞いていてカインとグレンは思い出していた。
「なあ、ユリアーナ王女。こんな事をしたおしおきは必要だよな?婚約破棄はしないけど俺やカイン、アベルに変な薬を飲ませた事はウィリアムに説明させて貰うからな。ウィリアムには伝えて欲しくないなら、これが1番のおしおきだよね?」
ユリアーナは青ざめるが婚約破棄されないならと渋々受け入れた。
「……ディア。貴女は私の想いを信じていなかったんだな。私がどれほどディアを好きで理性を抑えているのかわからないようだね?婚約中はと思い抑えていたが…貴女が知りたければ話していた。私がディアを冷たく突き放した事は私も傷ついた。……おしおきなら、実践で教えてあげればいいか?そうだなグレン協力をしてもらってもいいか?」
カインは信じて貰えなかった事に傷つきながらも、どれほど大事で理性を抑えていると伝えグレンを引き寄せ協力を頼むとグレンはカインのしようとしている事は理解していた、カインがディアンナ以外の令嬢に出来る訳がなくて、カインのしようとしている事がユリアーナにも多少は嫌だと思われるだろうと思い了承した。
「ディア、私にはディアしかいない。大事だから理性は抑えていたんだ……」
カインはそう告げると、グレンを引き寄せ了承された事で抱きしめグレンに口づけた。今までディアンナにしていた口づけが可愛いらしいと思える程、深く口づけ腰を支え逃げないように抱きしめ後頭部を押さえ深く口づけられる様にしながらも、髪を撫でる様に絡めていた。
口づけをやめた後は閉じられていた瞼に口づけ、髪に口づけた。
「……グレン大丈夫か?」
「…何とかな。少し肩貸せ」
グレンはカインに支えられ何とか立っていた。
「グレンはすまない。…ディア、私は大事だから婚姻までは抑えていたんだが。私はいつでも抱きしめていたいし口づけたい、ディアの瞳も綺麗な髪も触れたい口づけたいとも思う、私の想いを疑うなら閉じ込めてディアを求めれば良かったのか?」
カインはグレンを支えながらも、ディアンナを真っ直ぐに見つめ尋ねた。
「…えっ、あの。お兄様は…その、ご自分で立てない程の口づけなんて…あの、その…カイン様はお兄様と私がお好きなんですか?」
「ディアが好きだ。グレンは大事な友で大事な義兄だな。グレンにだから協力を頼んだんだ、ディアと同じ瞳の色、同じ髪の色でディアと同じ血が流れているグレンだから。私はディアが大事なんだ信じて欲しい」
カインの言葉に、何とか自力で立てる様になったグレンは呆れた様に突っ込んでいた。
「カイン、お前重すぎ。何だよ同じ血とか?…えっ、ちょっと待って!キャンディス嬢が大事なのもそういう理由なのか?お前と同じ血がって…?」
グレンに言われ、カインは少し考えて笑み浮かべ頷いた。
「そうかもしれないな。キャシーも母様、そして父様も私は大事だと思う」
カインの言葉に、周囲は呆れながらもカインだからと受けとめた。
「ねえねえ、マミー!私は?」
「何が言いたいのかは理解するが、ユリアーナ王女とは他人だからな?グレンの嫁になっても血の繋がりはない!」
「マミー冷たい…」
「大人しくしていろ。全く、今回の行動は1番乗り気だったのは貴女だろ?ディアとキャシーを巻き込むな、今後も同じ様な事をしたらウィリアムの元に送り返すから覚えておくんだな」
信じて欲しいとは思うが、知りたいという思いも理解は出来る為、アベル、カイン、グレンは今後は聞くことを約束させた。
大事な人を一刻でも忘れて、傷つけたり、悲しませたりなんて二度とはしたくなかった。
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