ビッチな僕が過保護獣人に囲われている件について。

ミイ

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53. 返却

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コトが終わり、お互いに微睡んでいるとふとジョンが呟く。

「ヨウがこんなに淫乱だとは思いませんでした。」

しかし、その表情は穏やかで僕を貶している様子はない。

僕はフフッと微笑むと「ジョン…僕達が出会ったのは娼館だって忘れてない?」と答える。

僕はもうジョンに遠慮することなく敬語を使うのを止めた。

「そうでしたね…畏まっていたヨウも可愛かったですが、今みたいに砕けたヨウも可愛いですよ。」

と僕の額に口付ける。

「ねぇジョンはなんで僕のことが気に入ったの?正直、僕はあの時、娼夫としての仕事をしただけだよ?」

「…そうですね…私も始めは自分が信じられませんでした、何故こんなに貴方のことが気になるのかと。きっと貴方の色香に酔ったせいだ、と自分に言い聞かせていましたが、仕事をしてる時や家にいる時でさえ、私は貴方といた時間を思い出していた…。結局、私は貴方が娼夫であれ、誰であれ色香が好みで身体付きも文句無し、顔も全て私好みであればそれに抗う理由はないという結論に至りました。ヨウ…あんな酷いことをした私が言えたことではありませんが、私の番となってもらえませんか。」とジョンは真剣な表情で見つめてくる。

「(どっ…どうしよう…僕、強姦されたくせに気持ち良かったからもういっかなって思ってる…!でもジョンって騎士団の偉い人だったよね?本当のこと言っても大丈夫かな…?)
ジョン…今から僕の言うこと誰にも言わないって約束できる?約束出来ないと告白の返事も出来ないんだけど…。」

と僕が告げると「勿論です。」と言ってくれた。



僕はまず自分がヒトであること、王家に保護されないように色んな街を転々としていることを告げる。だからそれを知った騎士団のジョンには迷惑かけることも。

ジョンは僕の告白に驚きはしたが、協力してくれると言う。ただ僕の懸念は騎士団の立場で黙っていても大丈夫かということだ。それを伺うとジョンは「騎士団を辞める」と言い出した。

「だからぁ~!なんでそんな結論になるの?騎士団は辞めなくていいって言ってるのに。」

「いいんですよ、騎士団を辞めることはヨウに対して罪滅ぼしになるとは思いましたが、今の話を聞いて余計に辞める気になりました。だって、私が騎士団にいることで迷惑がかかると思っているんでしょう?なら、私が辞めたらその懸念は取り除かれますよね?」

「えっ…いや…まぁそうだけど…いっぱい努力して副団長までなったんでしょう?だったらそんな簡単に辞めたりしたら後悔すると思うし、僕だってまだジョンを選ぶか分からないんだよ?」

「それでもです。元々、騎士団に所属していたのは自分の容姿を女々しいと馬鹿にされ、躍起になって入っていただけですから。それに私は小さい頃から教師になるのが夢だったんです。これを機会にそっちを目指すことにしますよ。」

「えっ…えぇ~…ホントにいいの?」

「はい、大丈夫です。ヨウのことはキッカケではありますが、原因ではありません。むしろ私のことを心配してくれたことに感謝しなくては。」

とジョンは僕の額や頰に口付けだした。だんだんと手付きも怪しくなり先程までしていたにも関わらず僕もその気になる。

「…ジョン…また…する?」

と僕も口付けし返すと、ジョンは自身の腰を擦り付けた。





その後、ジョンが僕をクローブさんのお店まで送ってくれるというので素直に甘えることにした。

お店の前に着くとジョンがこんなことを言う。

「ヨウ、私は近々、騎士団を辞めて故郷へ帰ります。貴方の側にいれないのはとても悔しいですが、私がいても迷惑をかけるだけでしょう。だからもし困ったことがあったら遠慮なく私を頼って下さい、罪深い私を許してくれたヨウのことを私はどんなことがあっても守ります。」

そう言って抱き締めてくる。僕は「ありがとう。」と抱き締め返すとジョンと別れた。

結果的に言うとジョンからの求婚はお断りした。何故なら今の僕は自由を満喫したいし、身を固めるにしてもジョンを選ぶかわからないからだ。

「(はぁ~…いつの間にか夕方になっちゃった…まぁあれだけヤッてたらこれぐらいになるか…。クローブさん心配してるかな…?)」

僕はそんなことを思いながらお店の扉を開ける。

すると扉の前に無表情で仁王立ちするクローブさんがいた。

「うわっ!どうしたんですか!クローブさん?」

とクローブさんを見上げると何故かクローブさんの後ろには僕に「ゴメン。」のジェスチャーをしているアイリスさんがいる。

僕がよく分からず首を傾けるとクローブさんから「さっきの男は誰だ?」と聞かれた。

「(あっ、ジョンのこと見られてたんだ。)
あ~あの人は前の街でお世話になった方ですよ。」

「…そうか。抱き締められていたが…大丈夫なのか?」

「(おぉ…気になるのはそこか…。)
ええ…大丈夫です。あの人には色々助けて頂いたので…。」

クローブさんは僕の返事に「そうか…。」と呟くと厨房に戻ってしまった。
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