イケメンは観賞用！

第１章

11. 親

どっどういうこと⁉︎今まで普通に育ってきたけどそんな節、全然なかったんだけど！

衝撃の事実に言葉を失う。

「…お前も我々と容姿が違うことを気にしておっただろう。それは我々と血が繋がっていないからなんだ。」

「でっでも、それはお祖父様に似ているだけだってお父様も言って…！」

「そう言わなければ説明がつかなかったんだ…すまない。」

そう言って説明が途切れたことに焦りを感じる。

「では、僕は一体誰の子なんですか…？」

平民の子ならこんな好待遇に育ててもらった恩を返さなければならない。覚悟を決めジッと言い澱むお父様を見つめていると彼は渋々と口を開いた。

「…陛下の妹君の子だ。」

「はっ⁉︎」

なっなにそれ⁉︎陛下の妹！そんな人いたっけ？てか陛下ってジャック様のお父様じゃないか！そんな大層な人と僕が少しでも血が繋がってるだって⁉︎信じられない！

「そんなの信じられません！陛下の妹君がいることさえ知られていないじゃないですか！」

どんな授業にだって陛下に妹がいるなんて習わなかった。

「忘れ去られたお方…いや意図的に皆の記憶から消されたお方だからだ。陛下の妹君…オリビア様は当時許されない相手と恋に落ち、お前を身篭った。その事実に当時の国王であるオリビア様のお父様が激怒し彼女を勘当…、そして彼女は相手の男と駆け落ちしお前を産んだんだ。しかしお前を産んだ後、産後の肥立ちが悪く発熱と出血により2週間後に亡くなった。それから相手の男は残されたお前を1人では育てきれないと判断したのか私の元に預けに来た。」

えっ、えっ？話がうまく飲み込めない…。じゃあ僕はこの家の誰とも血が繋がってないのか…？

「そ…んな、では僕の本当のお父様は誰なんですか…？」

「…ジェイコブ、私の旧友だった男だ。何故、私に預けに来たかも理由も告げずに侍従にお前を託して姿を消したそうだ。」

えぇ…転生しただけならまだしも…こんな展開だなんて…！

僕はグッと奥歯を噛み締めた。

「…お父様、申し訳ございません。」

僕の言葉にお父様は不思議そうに首をかしげる。

「…何故、お前が謝る？お前はなにも悪いことはしていないだろう？」

「…血の繋がりのない僕をここまで育てて下さったのに今までのうのうと生きてきた自分が恨めしいのです…。」

なんて僕は親不孝者なんだ…。実の親ではない僕をここまで育ててもらったにも関わらず推しの為に過ごそうとしていたなんて…！あぁ…さっきまでの自分を殴りたい…！

僕はお父様の側に詰め寄ると「お父様！僕を殴って下さい！」と叫んだ。