6 / 154
6. ルート様
しおりを挟む
僕はてっきりサンバックが顔を出すと思っていたので驚きで身体を固まらせる。目を見開きながら、その美しい人を見つめた。
「やぁ、君がトルー君かな?」とその人は和かに挨拶してくれる。
「あっ…えっ…あの…?」
と僕がドギマギしていると「ルート様!?」とサンバックが慌てて出てきた。
「兄様…。」と助けを求めるように兄様を見つめると「ああ…トルーか、こちらはこの国の第二王子ルート・バレリアン様だ、自己紹介して。」と告げる。
「(えぇ!?そんな人が家に!?)
あっ…初めまして、トルー・バルサムです。宜しくお願い致します。」
と名前を言うと「こちらこそ、初めまして。ルート・バレリアンです。宜しくね。」と返してくれた。
「トルー、どうしたんだ?ブルーマリーと遊んでたんじゃないのか?」
「…うん…今度は僕が隠れる番…。」
なんだかこの空気で言うことではないが仕方ない…。
するとルート様は「かくれんぼしてるの?」と聞いてくる。それに「はい。」と答えると「じゃあサンバックの部屋に隠れよう!」と提案してきた。
それにサンバックは何を言い出すんだ、というような顔でルート様を見「ルート様、これから大事な話をする予定では…?」と告げる。
しかし、ルート様は「いいよ、いいよ。込み入った話は後で。せっかく可愛い弟君が来てくれたのに無下にはできないよ。」とルート様は笑っていた。
「あの…ルート様…僕、違うところに隠れるので大事なお話をして下さっても構いませんよ…?」
と僕が言うと突然、ルート様が僕を抱き上げた。僕は思わずルート様の首にしがみ付く。
それには、いつも冷静なサンバックも「ルート様!?」と驚いていた。
ルート様は気にした様子もなく「私、弟が欲しかったんだ~。」と呑気に僕を膝に乗せソファーに腰掛ける。僕はどうしたらいいか分からず、取り敢えずルート様を見つめた。
その後、ルート様は機嫌良く僕を膝に乗せたまま僕の口にサンバックが隠し持っていたお菓子を運ぶ。
モグモグ…
「美味しいです、ルート様。」
「そう、それは良かった。じゃあコレも。」
と言って、雛鳥にエサを与えるようにルート様は続ける。サンバックはそれをハラハラとしながら見つめ、結局、それはルート様が満足するまで続いた。
しかし、かくれんぼはというと一向にブルーマリーが探しに来ない…。
先程はルート様の運ぶお菓子に夢中で気付かなかったが、結構な時間が経っている。
やっとお菓子を食べ終え、膝から下ろしてもらった僕は「姉様、遅いなぁ…。」と呟く。
「もしかしたら、ブルーマリーは俺の部屋だと知っているから敢えて避けているのかもしれないぞ?」とサンバックが言ったことで僕はハッとした。
「(そんなことまで考えてなかった~!)
じゃあ僕、探しに行かないと!ルート様、兄様、失礼致します!」
と急いで廊下に飛び出した。
その時遠くから「トルー見つけた!!!」とブルーマリーの声がする。安心して返事をするとブルーマリーが勢いよくこちらに駆けてくる。
「サンバックお兄様の部屋にいたの?それは見つからないわよ~!だって人が来てたら入らないようにしてるんたもん。」と少し不満気に怒っている。
「ゴメンね、姉様。たまたま兄様のお客様と会って(嘘だけど)、中に入れてもらったんだ。」
「…そうなの?なら仕方ないわね~。ところで、そのお客様って?」
と僕がそこで口を開いた時「初めまして。」と声が重なる。ブルーマリーも僕の時と同様、驚きで固まった。
ルート様は先程の様にブルーマリーにも自己紹介をしている。ブルーマリーは顔を赤くしながらもそれに応えていた。
ルート様と別れた僕達は、ブルーマリーの部屋を訪れていた。
「ルート様、凄い素敵な方だったわね…。」
「うん、そうだね。
(あれ…ブルーマリーの様子が…?)」
「…よし、決めた!私、お父様に頼んでルート様の婚約者に推薦してもらうわ!」
「えぇ!?」
僕はブルーマリーの突拍子も無い発言に目を丸くした。
「やぁ、君がトルー君かな?」とその人は和かに挨拶してくれる。
「あっ…えっ…あの…?」
と僕がドギマギしていると「ルート様!?」とサンバックが慌てて出てきた。
「兄様…。」と助けを求めるように兄様を見つめると「ああ…トルーか、こちらはこの国の第二王子ルート・バレリアン様だ、自己紹介して。」と告げる。
「(えぇ!?そんな人が家に!?)
あっ…初めまして、トルー・バルサムです。宜しくお願い致します。」
と名前を言うと「こちらこそ、初めまして。ルート・バレリアンです。宜しくね。」と返してくれた。
「トルー、どうしたんだ?ブルーマリーと遊んでたんじゃないのか?」
「…うん…今度は僕が隠れる番…。」
なんだかこの空気で言うことではないが仕方ない…。
するとルート様は「かくれんぼしてるの?」と聞いてくる。それに「はい。」と答えると「じゃあサンバックの部屋に隠れよう!」と提案してきた。
それにサンバックは何を言い出すんだ、というような顔でルート様を見「ルート様、これから大事な話をする予定では…?」と告げる。
しかし、ルート様は「いいよ、いいよ。込み入った話は後で。せっかく可愛い弟君が来てくれたのに無下にはできないよ。」とルート様は笑っていた。
「あの…ルート様…僕、違うところに隠れるので大事なお話をして下さっても構いませんよ…?」
と僕が言うと突然、ルート様が僕を抱き上げた。僕は思わずルート様の首にしがみ付く。
それには、いつも冷静なサンバックも「ルート様!?」と驚いていた。
ルート様は気にした様子もなく「私、弟が欲しかったんだ~。」と呑気に僕を膝に乗せソファーに腰掛ける。僕はどうしたらいいか分からず、取り敢えずルート様を見つめた。
その後、ルート様は機嫌良く僕を膝に乗せたまま僕の口にサンバックが隠し持っていたお菓子を運ぶ。
モグモグ…
「美味しいです、ルート様。」
「そう、それは良かった。じゃあコレも。」
と言って、雛鳥にエサを与えるようにルート様は続ける。サンバックはそれをハラハラとしながら見つめ、結局、それはルート様が満足するまで続いた。
しかし、かくれんぼはというと一向にブルーマリーが探しに来ない…。
先程はルート様の運ぶお菓子に夢中で気付かなかったが、結構な時間が経っている。
やっとお菓子を食べ終え、膝から下ろしてもらった僕は「姉様、遅いなぁ…。」と呟く。
「もしかしたら、ブルーマリーは俺の部屋だと知っているから敢えて避けているのかもしれないぞ?」とサンバックが言ったことで僕はハッとした。
「(そんなことまで考えてなかった~!)
じゃあ僕、探しに行かないと!ルート様、兄様、失礼致します!」
と急いで廊下に飛び出した。
その時遠くから「トルー見つけた!!!」とブルーマリーの声がする。安心して返事をするとブルーマリーが勢いよくこちらに駆けてくる。
「サンバックお兄様の部屋にいたの?それは見つからないわよ~!だって人が来てたら入らないようにしてるんたもん。」と少し不満気に怒っている。
「ゴメンね、姉様。たまたま兄様のお客様と会って(嘘だけど)、中に入れてもらったんだ。」
「…そうなの?なら仕方ないわね~。ところで、そのお客様って?」
と僕がそこで口を開いた時「初めまして。」と声が重なる。ブルーマリーも僕の時と同様、驚きで固まった。
ルート様は先程の様にブルーマリーにも自己紹介をしている。ブルーマリーは顔を赤くしながらもそれに応えていた。
ルート様と別れた僕達は、ブルーマリーの部屋を訪れていた。
「ルート様、凄い素敵な方だったわね…。」
「うん、そうだね。
(あれ…ブルーマリーの様子が…?)」
「…よし、決めた!私、お父様に頼んでルート様の婚約者に推薦してもらうわ!」
「えぇ!?」
僕はブルーマリーの突拍子も無い発言に目を丸くした。
62
あなたにおすすめの小説
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる