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第1章
19. 食堂へ
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「あっ、あの!副会長様、その話、僕初めて聞いたんです…。だから、今すぐお返事が出来ません。今日、両親に確認してみますので明日お返事しても良いですか…?」
と僕は恐る恐る副会長に声を掛けた。これ以上、副会長を刺激すると号泣されそうだ。
「わかりました…。」と副会長は僕の手を静かに離すと、少し距離を取る。
「(どっ…どうしよう…。僕が悪い訳じゃないのに罪悪感半端ない…!この感覚、兄様のときと一緒だ…。)
副会長様、決して嫌というわけじゃないんです!ただ、確認を取りたいだけなので少し時間を下さい。」
「はい、お気遣いありがとうございます…。」
と返事をしてくれたが哀しそうな笑顔のままだった。そのまま副会長と気まずい雰囲気の中、教室の前まで送ってもらう。
「副会長様、ありがとうございました。」
とお礼を言うと、
「いいえ、このくらいお安い御用です。フェンネル様にお仕え出来ることをお待ちしております。」
そうお辞儀をして副会長は去って行く。僕は廊下に立ち尽くし、副会長が去って行くのを眺めていた。
教室に入ると、やはり1番最後だった。
席に座ると既に来ていたマシュー先生が
「では、全員揃いましたので次は授業の説明をします。次の時間行うのは生活魔法についてです。殆どの方が一度は使ったことがあるかと思いますが、1年生の内は実践では生活魔法を、座学では魔法全体の能力について学習していきます。2年生に上がるとそれぞれの能力に特化した授業を行います。その際は各能力別で場所が違うので知っておいて下さい。では、今からだと時間が中途半端なので休み時間とします。20分後にはまた席に着いていて下さい。」
そう言うとマシュー先生は教室から出ていき、僕は先程、副会長に言われたことを思い出した。
「(あんなこと言われて僕どうしたらいいの…?BLウォッチングが出来なくなるのはなんとしても阻止したいけど、あの副会長の顔見てたら断り辛いよ~。てか、タジェット兄様にも従者がいるの!?知らなかったぁ~!是非とも身体の関係があるのか知りたい…!いや、あったらあったでショックだけど…。ディル兄様とロザリーナ姉様にはいるのかな!?もう!皆なんで教えてくれないの!?とにかく帰ったら父様に従者のこと聞いてみないと!)」
と僕がそう考えているとランタナに声を掛けられた。
「フェンネル様、歓迎会はいかがでしたか?」
「うん!凄くよかったよ!ランタナの方は?」
ランタナは火の能力者なので、歓迎会は別会場で行われた。
「こちらもとても盛大にやって下さいました。上級生の炎舞は圧巻でした。…少し暑かったですが…。」と笑っている。
「あっ!私、火竜というのを初めて拝見しました。実は校舎の近くまではその火竜に乗って帰って来たんです。」
「えっ!凄い!!いいなー!僕も見たかった!」
僕がそう言うとランタナは不思議な顔をして、
「タジェット様は普段乗っておられるのでは…?」
「(たしかに…!兄様なら乗ってるかも!)
ホントだね!兄様に頼んでみるよ。」
と僕はワクワクしながら答えた。
「(RPGの画面で見てた火竜が生で見れるかも…!楽しみ~!!)」
その後は自分の能力の歓迎会の話をした。副会長のことを話すべきか迷ったが、まだ確定しているわけではないので決まったら話そうと思う。
それからチャイムが鳴り、次の授業となったのでランタナは席に戻っていった。皆が席に着く頃、教室の扉が開き初めて見る先生が入って来る。
「全員、席に着いてるかー?俺は火の魔法を担当するリンデンだ。1年の内は全員に教えるが、2年に上がったら火の能力者の担任になるからな、火の能力者は覚えとけよ。」
その先生は火の能力者らしく赤髪のウルフカットの髪型に黒目の少し強面の先生だった。年齢は20代後半くらい。
「じゃあ教科書1ページから開け。先ずは序章からだ。」
それから淡々と授業は進み、終了のチャイムが鳴る。
「よし、今日はこれで終わりだ。それじゃあまた明日。」
そう言うと早々に教室を出ていった。
「(ホントに授業だけしていく先生だったな…。)」
僕の授業のイメージは授業をしつつも先生の雑学とか無駄話が入るのがセオリーだったが、この先生はホントに授業しかしなかった。
「(見た目を裏切る授業風景だった…意外に真面目なんだな。)」と感じた。
そして、昼食の時間となり、僕は思い切ってアニスを誘うことにした。このまま行動に移さなかったら僕の熊耳モフモフ計画が遂行されないと思ったからだ。
「アニス、良かったらお昼一緒に食べない?」
そう言うとアニスは、
「あぁ、いいぞ。俺は食堂に行くがフェルはどうするんだ?」
と快く了承してくれた。
「僕も一緒に行くよ!お昼ご飯、持って来て無いし。」と返事をし、食堂へと足を進める。
食堂に入ると生徒だけでなく教員も利用しているようで思いの外広く、カフェテリアもあった。
僕達が空いている席がないか探していると一際、人だかりが出来ている所がある。なんだろうと思い、野次馬のようにその様子を見ると、その中に副会長を見つけてしまった。さっきの出来事の手前、顔を合わせ辛いな、と思っていると目が合ってしまう。
と僕は恐る恐る副会長に声を掛けた。これ以上、副会長を刺激すると号泣されそうだ。
「わかりました…。」と副会長は僕の手を静かに離すと、少し距離を取る。
「(どっ…どうしよう…。僕が悪い訳じゃないのに罪悪感半端ない…!この感覚、兄様のときと一緒だ…。)
副会長様、決して嫌というわけじゃないんです!ただ、確認を取りたいだけなので少し時間を下さい。」
「はい、お気遣いありがとうございます…。」
と返事をしてくれたが哀しそうな笑顔のままだった。そのまま副会長と気まずい雰囲気の中、教室の前まで送ってもらう。
「副会長様、ありがとうございました。」
とお礼を言うと、
「いいえ、このくらいお安い御用です。フェンネル様にお仕え出来ることをお待ちしております。」
そうお辞儀をして副会長は去って行く。僕は廊下に立ち尽くし、副会長が去って行くのを眺めていた。
教室に入ると、やはり1番最後だった。
席に座ると既に来ていたマシュー先生が
「では、全員揃いましたので次は授業の説明をします。次の時間行うのは生活魔法についてです。殆どの方が一度は使ったことがあるかと思いますが、1年生の内は実践では生活魔法を、座学では魔法全体の能力について学習していきます。2年生に上がるとそれぞれの能力に特化した授業を行います。その際は各能力別で場所が違うので知っておいて下さい。では、今からだと時間が中途半端なので休み時間とします。20分後にはまた席に着いていて下さい。」
そう言うとマシュー先生は教室から出ていき、僕は先程、副会長に言われたことを思い出した。
「(あんなこと言われて僕どうしたらいいの…?BLウォッチングが出来なくなるのはなんとしても阻止したいけど、あの副会長の顔見てたら断り辛いよ~。てか、タジェット兄様にも従者がいるの!?知らなかったぁ~!是非とも身体の関係があるのか知りたい…!いや、あったらあったでショックだけど…。ディル兄様とロザリーナ姉様にはいるのかな!?もう!皆なんで教えてくれないの!?とにかく帰ったら父様に従者のこと聞いてみないと!)」
と僕がそう考えているとランタナに声を掛けられた。
「フェンネル様、歓迎会はいかがでしたか?」
「うん!凄くよかったよ!ランタナの方は?」
ランタナは火の能力者なので、歓迎会は別会場で行われた。
「こちらもとても盛大にやって下さいました。上級生の炎舞は圧巻でした。…少し暑かったですが…。」と笑っている。
「あっ!私、火竜というのを初めて拝見しました。実は校舎の近くまではその火竜に乗って帰って来たんです。」
「えっ!凄い!!いいなー!僕も見たかった!」
僕がそう言うとランタナは不思議な顔をして、
「タジェット様は普段乗っておられるのでは…?」
「(たしかに…!兄様なら乗ってるかも!)
ホントだね!兄様に頼んでみるよ。」
と僕はワクワクしながら答えた。
「(RPGの画面で見てた火竜が生で見れるかも…!楽しみ~!!)」
その後は自分の能力の歓迎会の話をした。副会長のことを話すべきか迷ったが、まだ確定しているわけではないので決まったら話そうと思う。
それからチャイムが鳴り、次の授業となったのでランタナは席に戻っていった。皆が席に着く頃、教室の扉が開き初めて見る先生が入って来る。
「全員、席に着いてるかー?俺は火の魔法を担当するリンデンだ。1年の内は全員に教えるが、2年に上がったら火の能力者の担任になるからな、火の能力者は覚えとけよ。」
その先生は火の能力者らしく赤髪のウルフカットの髪型に黒目の少し強面の先生だった。年齢は20代後半くらい。
「じゃあ教科書1ページから開け。先ずは序章からだ。」
それから淡々と授業は進み、終了のチャイムが鳴る。
「よし、今日はこれで終わりだ。それじゃあまた明日。」
そう言うと早々に教室を出ていった。
「(ホントに授業だけしていく先生だったな…。)」
僕の授業のイメージは授業をしつつも先生の雑学とか無駄話が入るのがセオリーだったが、この先生はホントに授業しかしなかった。
「(見た目を裏切る授業風景だった…意外に真面目なんだな。)」と感じた。
そして、昼食の時間となり、僕は思い切ってアニスを誘うことにした。このまま行動に移さなかったら僕の熊耳モフモフ計画が遂行されないと思ったからだ。
「アニス、良かったらお昼一緒に食べない?」
そう言うとアニスは、
「あぁ、いいぞ。俺は食堂に行くがフェルはどうするんだ?」
と快く了承してくれた。
「僕も一緒に行くよ!お昼ご飯、持って来て無いし。」と返事をし、食堂へと足を進める。
食堂に入ると生徒だけでなく教員も利用しているようで思いの外広く、カフェテリアもあった。
僕達が空いている席がないか探していると一際、人だかりが出来ている所がある。なんだろうと思い、野次馬のようにその様子を見ると、その中に副会長を見つけてしまった。さっきの出来事の手前、顔を合わせ辛いな、と思っていると目が合ってしまう。
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