43 / 126
LUCK
2-1 critical hit
しおりを挟む
翌日──枝依中央ターミナル駅一階 南改札口。
置き手紙で、秘書にはいつもの掃除を命じてきた俺──柳田良二は、始発でターミナル駅にやってきてからこの柱に寄りかかっている。足元に、事務所から持ってきたいつもの缶コーヒーを二本用意し、改札を出入りする学生……まぁ主に高校生を捜している。
人波が少ないタイミングで、スマホを確認。A4紙を撮してきた画像を拡大し、その嫌味が滲むほどの小綺麗な文字羅列を何度も読み返す。
・白いセーラー服(スカート丈膝上)
・黒い縁取り
・赤いリボン
・左胸にポケットある(ラインとか印はない)
・クローバーのチャーム付きのシャーペン
枝依市内に高校が何校あるのかなんざ、正直なところ「知らない」が俺の解答だ。だが、制服なんてのは学校の顔。書き記された特徴さえ押さえちまえば、簡単に見つけられる。
午前七時二〇分。
改札へ入っていく学生に、それらしい制服を見つけた。顔は写さないように、スマホのカメラで数枚撮る。
被写体にした『それらしい制服を着た高校生』にも、周りを早足で行き交う誰にも、このことは気付かれていない。当然だな。俺様の手さばきは、マジックで鍛え上げられているんでね。
すぐさま撮ったそれのうち一番映りのいいものを、無料通話アプリのメッセージ欄から依頼主に送りつける。
『制服これか』
八分後、字面がうるさい返信がくる。
『おはよー良二!
あったりー!
よろしく☆』
既読だけを付けて、返事はしない。スマホは、画面をオフにして、左胸ポケットへストンと落とした。
「おし」
もたれかかっていた柱から背中を離し、足元の空き缶二本をゴミ箱へ滑らせる俺。ターミナル駅を出る。
「秋晴れってやつか」
駅を出たすぐに朝陽が射し込んできて、視界を焼く。眩しさで更に目が細まる。まったく、前が見えにくいっつんだよ。
これからの流れはこうだ。
まずは、朝飯をどっかでテキトーに食う。その後に別件依頼の調査をしつつ、その辺の制服受注業者に寄って、この制服の学校名なんかを訊く。んで、昼過ぎにはまたターミナル駅に戻れば、そっから高校まで向かえるだろうってハラよ。向かった高校の前で、それらしい女を見つけりゃいい。んで、昨日依頼主から渡された『紙』を一枚くれてやるだけだ。
「フッ、チョロいな」
組み立てた予定を、鼻でフンと笑う。言葉どおり、俺様には朝飯前だったわけだ。
♧
学院大付属高校──それが、対象の通う高校らしい。
制服受注業者から、対象の制服の学校名を簡単に教えてもらえた。これは、俺が過去に何度か似たような案件で世話になってることもあるから、という地道な積み重ねの賜物だ。なかなか真似出来ねぇだろ?
更に幸いなことに、学院大付属高校はターミナル駅から近い。北東線下り方面へ二駅分だから、下校の波を眺め捜すまでには余裕すぎたくらいだ。校門前で張っていれば、下校生徒を全員確認できるに違いない。
つーことで、今、学院大付属高校の道路を挟んだ向かいの電柱にもたれて、生徒が出てくるのを睨み待っている。万が一取り零しがあれば、明日改めればいいだけの話だ、というくらいの気持ち的余裕もある。
胸元からタバコを一本。マッチを勢いよく擦り、タバコの先端を近づける。
「フー……」
とりあえず、一六二センチの背丈の細身女子を見つけたら、依頼人の宣材写真を見せて、その反応を見る。知ってる風なら除外、すぐに立ち去る。知らない風なら、あっちからボロを出すような質問をして待つのみ。
目測で一六二センチを計ることは、造作もない。特殊能力か何かだと珍しがられることは多いが、持てば重さが、見れば長さがわかるのは、小学生半ば頃から何気なく出来るようになったことで。俺にとっては、マジックと似てる事柄だ。まばたきをすることと同意事項。なんてことはない。
対象がいつ来るかもわからねぇ。陽なんかすっかり落ちきることだってよくある。今だってどんくらい経った? 優に三〇分は超えてるか。
こういう張り込みはいつも、自分の忍耐力が試されているような気がする。もとよりそういうのに耐えられないことはなかったから、今も特別苦には感じないんだが。
「お」
下校生徒がチラチラ出てきた。思ったより早い。
「訊きたいことあんだけど、三〇秒だけいいスか」
『年下だろうが、依頼業務中は誰に対しても敬語を使った方がいい』っつーのは祖父が生きてた頃にすり込まれた教えのひとつ。そうやって、威圧感を与えないように、訊いた側の記憶になるべく残らないように特徴を消すのも、探偵の仕事のうちだ。
「あっ、YOSSY the CLOWN?」
宣材写真を映したスマホ画面を見せれば、九八%がそう言って返してくる。
「知ってんスね?」
「えー? むしろ知らない人いる?」
「雑誌めっちゃ載ってんもんねー!」
「あざっした」
くるり反転、定位置へ戻る俺。
背後で「あ、ちょっと!」「なに今の?」だのと声がするが、気に留めない。俺の必要情報は得られた。
「今の女は対象外」
こうやってひとつずつ潰していく。これが俺のやり方。
結局、放課後になってすぐに帰宅するような、いわゆる『帰宅部』の生徒自体が結構居た。
塊になって校門から出てこられたときが最も厄介で。気配だの直感だのから「アイツらは違うな」とピンときた女には声をかけるのをやめた。これで違えば、改めればいい。まぁ結局はそこへ落ち着く。
部活動に興じている生徒も当然多いだろうから、そこを加味しても二〇時まではここで待機しておくべき、っつーことだろう。
靴の踵部分をプラスした一六二センチに、色白で、細身で、柔らかそうな黒髪の女子生徒。右利きで、黒い合皮の鞄を持っている。それと、猫っぽい形の目。
この情報すべてに合致した女子生徒は、実は俺が今までに声をかけた中には居ない。全員が、ひとつやふたつが未達成。
これはこれで、収穫だ。仕事がまたひとつふたつと前へ進む。なかなかいい傾向だろ?
「ん?」
雨臭い。湿気た匂いが風に混じっている。
「ヤベーな、チクショウ」
このままだと、降るかもしんねぇ。何がマズイって、対象が傘をさしちまうことだ。傘をさされたら顔が見えない。身長目測もたたん。
パツ、パツパツ。
ほらみろ、降ってきた。足元のアスファルトが、黒く丸く濡れていく。まだ我慢できる。まだ傘率は少ない。腕組みをして、指先の暖をとる。
「…………」
俺が雨に濡れること自体は別にどうでもいいんだが、業務の妨げになることは避けたいとだけ、痛烈に思う。
「あ、駅で張るか」
校門前でなくとも、最寄駅の入り口で張ってればいいじゃねぇか、と落ち着く俺。雨足も強まりそうだ。風が高く早いし、向こうからズンと続く曇天が低く立ち込めてきている。
そうと決まれば。
俺は足先を駅へ向け、道路を渡って校門前へ。そこから左方向へ曲が──。
「あん?」
右腕に何か引っ付いた。左手で引き剥がして、まじまじと眺める。
「傘袋、か?」
縦に長い円柱形。若草色にピンクのラインで縁取ってあるナイロンの袋。統計的に見ても女物だ。風にでも飛ばされたんだろう。
辺りを見渡す。同じ色柄の折り畳み傘を探す。
いた。
校門からこっちに向かって走ってくる女子生徒が一人。
「あのっ! すみ、すみませんっ、それ、わたしので!」
足が遅い。鈍くさそうだ。走っている姿勢からはさすがに身長は計れねぇ。
「あ」
胸元に揺れる、クローバーのチャーム。
マジかよ。もしかして、これって。
俺はゴクリ、生唾を呑んだ。
置き手紙で、秘書にはいつもの掃除を命じてきた俺──柳田良二は、始発でターミナル駅にやってきてからこの柱に寄りかかっている。足元に、事務所から持ってきたいつもの缶コーヒーを二本用意し、改札を出入りする学生……まぁ主に高校生を捜している。
人波が少ないタイミングで、スマホを確認。A4紙を撮してきた画像を拡大し、その嫌味が滲むほどの小綺麗な文字羅列を何度も読み返す。
・白いセーラー服(スカート丈膝上)
・黒い縁取り
・赤いリボン
・左胸にポケットある(ラインとか印はない)
・クローバーのチャーム付きのシャーペン
枝依市内に高校が何校あるのかなんざ、正直なところ「知らない」が俺の解答だ。だが、制服なんてのは学校の顔。書き記された特徴さえ押さえちまえば、簡単に見つけられる。
午前七時二〇分。
改札へ入っていく学生に、それらしい制服を見つけた。顔は写さないように、スマホのカメラで数枚撮る。
被写体にした『それらしい制服を着た高校生』にも、周りを早足で行き交う誰にも、このことは気付かれていない。当然だな。俺様の手さばきは、マジックで鍛え上げられているんでね。
すぐさま撮ったそれのうち一番映りのいいものを、無料通話アプリのメッセージ欄から依頼主に送りつける。
『制服これか』
八分後、字面がうるさい返信がくる。
『おはよー良二!
あったりー!
よろしく☆』
既読だけを付けて、返事はしない。スマホは、画面をオフにして、左胸ポケットへストンと落とした。
「おし」
もたれかかっていた柱から背中を離し、足元の空き缶二本をゴミ箱へ滑らせる俺。ターミナル駅を出る。
「秋晴れってやつか」
駅を出たすぐに朝陽が射し込んできて、視界を焼く。眩しさで更に目が細まる。まったく、前が見えにくいっつんだよ。
これからの流れはこうだ。
まずは、朝飯をどっかでテキトーに食う。その後に別件依頼の調査をしつつ、その辺の制服受注業者に寄って、この制服の学校名なんかを訊く。んで、昼過ぎにはまたターミナル駅に戻れば、そっから高校まで向かえるだろうってハラよ。向かった高校の前で、それらしい女を見つけりゃいい。んで、昨日依頼主から渡された『紙』を一枚くれてやるだけだ。
「フッ、チョロいな」
組み立てた予定を、鼻でフンと笑う。言葉どおり、俺様には朝飯前だったわけだ。
♧
学院大付属高校──それが、対象の通う高校らしい。
制服受注業者から、対象の制服の学校名を簡単に教えてもらえた。これは、俺が過去に何度か似たような案件で世話になってることもあるから、という地道な積み重ねの賜物だ。なかなか真似出来ねぇだろ?
更に幸いなことに、学院大付属高校はターミナル駅から近い。北東線下り方面へ二駅分だから、下校の波を眺め捜すまでには余裕すぎたくらいだ。校門前で張っていれば、下校生徒を全員確認できるに違いない。
つーことで、今、学院大付属高校の道路を挟んだ向かいの電柱にもたれて、生徒が出てくるのを睨み待っている。万が一取り零しがあれば、明日改めればいいだけの話だ、というくらいの気持ち的余裕もある。
胸元からタバコを一本。マッチを勢いよく擦り、タバコの先端を近づける。
「フー……」
とりあえず、一六二センチの背丈の細身女子を見つけたら、依頼人の宣材写真を見せて、その反応を見る。知ってる風なら除外、すぐに立ち去る。知らない風なら、あっちからボロを出すような質問をして待つのみ。
目測で一六二センチを計ることは、造作もない。特殊能力か何かだと珍しがられることは多いが、持てば重さが、見れば長さがわかるのは、小学生半ば頃から何気なく出来るようになったことで。俺にとっては、マジックと似てる事柄だ。まばたきをすることと同意事項。なんてことはない。
対象がいつ来るかもわからねぇ。陽なんかすっかり落ちきることだってよくある。今だってどんくらい経った? 優に三〇分は超えてるか。
こういう張り込みはいつも、自分の忍耐力が試されているような気がする。もとよりそういうのに耐えられないことはなかったから、今も特別苦には感じないんだが。
「お」
下校生徒がチラチラ出てきた。思ったより早い。
「訊きたいことあんだけど、三〇秒だけいいスか」
『年下だろうが、依頼業務中は誰に対しても敬語を使った方がいい』っつーのは祖父が生きてた頃にすり込まれた教えのひとつ。そうやって、威圧感を与えないように、訊いた側の記憶になるべく残らないように特徴を消すのも、探偵の仕事のうちだ。
「あっ、YOSSY the CLOWN?」
宣材写真を映したスマホ画面を見せれば、九八%がそう言って返してくる。
「知ってんスね?」
「えー? むしろ知らない人いる?」
「雑誌めっちゃ載ってんもんねー!」
「あざっした」
くるり反転、定位置へ戻る俺。
背後で「あ、ちょっと!」「なに今の?」だのと声がするが、気に留めない。俺の必要情報は得られた。
「今の女は対象外」
こうやってひとつずつ潰していく。これが俺のやり方。
結局、放課後になってすぐに帰宅するような、いわゆる『帰宅部』の生徒自体が結構居た。
塊になって校門から出てこられたときが最も厄介で。気配だの直感だのから「アイツらは違うな」とピンときた女には声をかけるのをやめた。これで違えば、改めればいい。まぁ結局はそこへ落ち着く。
部活動に興じている生徒も当然多いだろうから、そこを加味しても二〇時まではここで待機しておくべき、っつーことだろう。
靴の踵部分をプラスした一六二センチに、色白で、細身で、柔らかそうな黒髪の女子生徒。右利きで、黒い合皮の鞄を持っている。それと、猫っぽい形の目。
この情報すべてに合致した女子生徒は、実は俺が今までに声をかけた中には居ない。全員が、ひとつやふたつが未達成。
これはこれで、収穫だ。仕事がまたひとつふたつと前へ進む。なかなかいい傾向だろ?
「ん?」
雨臭い。湿気た匂いが風に混じっている。
「ヤベーな、チクショウ」
このままだと、降るかもしんねぇ。何がマズイって、対象が傘をさしちまうことだ。傘をさされたら顔が見えない。身長目測もたたん。
パツ、パツパツ。
ほらみろ、降ってきた。足元のアスファルトが、黒く丸く濡れていく。まだ我慢できる。まだ傘率は少ない。腕組みをして、指先の暖をとる。
「…………」
俺が雨に濡れること自体は別にどうでもいいんだが、業務の妨げになることは避けたいとだけ、痛烈に思う。
「あ、駅で張るか」
校門前でなくとも、最寄駅の入り口で張ってればいいじゃねぇか、と落ち着く俺。雨足も強まりそうだ。風が高く早いし、向こうからズンと続く曇天が低く立ち込めてきている。
そうと決まれば。
俺は足先を駅へ向け、道路を渡って校門前へ。そこから左方向へ曲が──。
「あん?」
右腕に何か引っ付いた。左手で引き剥がして、まじまじと眺める。
「傘袋、か?」
縦に長い円柱形。若草色にピンクのラインで縁取ってあるナイロンの袋。統計的に見ても女物だ。風にでも飛ばされたんだろう。
辺りを見渡す。同じ色柄の折り畳み傘を探す。
いた。
校門からこっちに向かって走ってくる女子生徒が一人。
「あのっ! すみ、すみませんっ、それ、わたしので!」
足が遅い。鈍くさそうだ。走っている姿勢からはさすがに身長は計れねぇ。
「あ」
胸元に揺れる、クローバーのチャーム。
マジかよ。もしかして、これって。
俺はゴクリ、生唾を呑んだ。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる