皇帝にプロポーズされても断り続ける最強オメガ

手塚エマ

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第六章 暴かれる

第11話 俺だけを

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 その日の夜はアルベルトに執拗に追い立てられて、サリオンは息も絶え絶えになっていた。
 自分の甘ったるいような嬌声と、アルベルトの荒々しい息遣い。
 寝台の敷布がよれる衣擦れの音。
 
「本当に同情しただけなんだな?」
 うつ伏せにされ、高く上げさせられた尻を穿つアルベルトにうなづくしか術がない。

 肉と肉とがぶつかり、こねられる粘液の卑猥な音が広い寝所に響いている。

「あの若くて美しい勇者に心を奪われたのだと言うのなら、その罪だけで俺はあの男を処刑する」
「馬鹿を言うな」

 激しく苦しい息の下、サリオンは懸命に声を絞り出す。
 猛々しく尻の奥を責めたてられて、会話どころか息しかできない。
 アルベルトの汗が粒のように背中にはたはた落ちて、サリオンもまた追い上げられる。

「お前は誰にも渡さない」
 
 アルベルトは唸るように声を低くした。

「あっ…、あっ……」
「誰かに獲られるぐらいなら殺してやる」

 執拗にむけられる嫉妬の炎がサリオンの中に火を灯す。
 わざと返事をしないでいると、自分もそうだと言わせようとするように抽挿が速くなる。

 男を焦らしてあおるすべは、故国で男娼だった過去からの習性になっている。

「あっ、はっ、ああ、アルベルト……!」
「サリオン」

 最後は互いに呼び合うだけになっていた。
 ひと際強く穿たれた時、サリオンはたまらず震えて射精した。
 アルベルトの強直をぎゅっと締め上げ、アルベルトもまたサリオンの奥の奥で吐精した。

 どさりと屈強な肢体に覆いかぶされて、サリオンはガクンと腹ばいになる。
 アルベルトはサリオンの胴に腕を回し、悲壮なまでに抱きしめた。

「サリオン……」

 アルベルトに上向きにされるまま、サリオンは汗濡れた顔を恋人にさらした。
 添い寝されながら乳首がつんと立った胸をなでられ、後戯の余韻に二人でひたる。

「俺だけを見てくれ。サリオン」

 サリオンの濡れた髪を撫で梳きながら、切々と訴えかけられ、サリオンの口が堅くなる。
 愛していると答えたくても、答えられない。
 市政としてアルベルトがキリスト教信者を虐殺し続ける限り、言葉にできない言葉がある。

 
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