あのエピローグのつづきから 〜勇者殺しの勇者は如何に勇者を殺すのか〜

shirose

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第三章 恢復の旅路

第18話 嘘の温度

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 ヴェロアと会う。
 それは確定事項だ。それを成すにあたって、ひとつしなきゃいけないことがある。
 それは誰かと会うことだ。
 当然ながら当てずっぽうで部屋を見て回るわけにはいかないので、誰かに案内してもらわければヴェロアのいる場所にはいけない。
 一番理想的なのはシファナかメフィと会うことだけど、そう上手くはいかないだろう。
 まずはこの部屋から出なくちゃだ。ノウトはその部屋の扉を開けて、廊下へと出た。
 灯りは着いているが、誰もいない。夜だからだろう。それでもまだ夜中という訳では無い。誰かいるはずだ。ノウトは廊下を歩いた。しかし、角を曲がろうとした所で誰かとぶつかりそうになってしまった。

「わ、悪い」

 ノウトが軽く頭を下げながら、ぶつかりそうになった人物を見上げる。
 その人物の第一印象は、こんなに美しい人間がいるのか、だった。に対して美しいという形容詞を使うのもなんだかおかしな話だが、そう表現せざるを得なかった。あまりにも顔のパーツが整い過ぎている。眩くもある白皙に、煌めくような若緑色の流麗な髪。そして、長くとんがった耳。性別は違うが、以前会った、スピネと特徴が似ていた。
 森人族エルフだ。一瞬でそれは分かった。
 しかし、ノウトは心中穏やかではなかった。その森人族の男はこちらを汚いものでも見るかのような顔で見ていた。

「貴様………」

 目の前の男が小さな声で何か呟いた。
 や、やばい。明らかに敵意が見て取れる。ノウトを嫌う人物であることは確かだ。この際、記憶がなくなってるのは気にしない。ヴェロアの場所を聞こう。だが、ノウトが口を開くよりも前に、目の前の男が声を挟んだ。

「こうして会うのは初めてだな」

 その言葉が意外すぎて、ノウトは泡を食った顔をした。ノウトと会ったことがないのに、ノウトを嫌っているってことか? まるで意味がわからない。

「きみは、記憶が失くなっているんだろう?」

「あ、ああ。そうだ」

 ノウトが頷くと、森人族の男は片手を胸に当てて、

「私はユークレイス・ファルシ=アルテノン」

 と名乗り上げた。ユークレイス。その名前には聞き覚えがあった。以前ヴェロアの口から聞いたことがあったのだ。確か、ノウトやラウラと同じ魔皇直属の配下だとか何とか。

「俺は、ノウト。ノウト・キルシュタインだ」

 ノウトが同じように名乗ると、

「はっはっはっはっ」

 ユークレイスが突然笑い出した。

「もちろん知ってるとも」

「そりゃ、そうだよな」

 ははは、とノウトは乾いた笑い声を絞り出した。

「して、キルシュタイン。君はこんなところで何をしているんだい?」

 もう、背に腹はかえられない。聞くしかないだろう。

「俺は、……魔皇様を探してるんだ。魔皇様がどこにいるか、教えてくれないか。ユーク」

「なるほど。魔皇様を探していると」

 ユークレイスは顎に手を当てて考える姿勢を取った。

「それならば、この階をひとつ上ったところを突き当たりまで行ったところだ、キルシュタイン」

「そ、そうか。ありがとう。助かったよ」

 ノウトはそう言ってユークレイスの隣を通り過ぎようとした。───だが、それは叶わなかった。

「いっ……」

 ノウトは廊下に転がった。ユークレイスが足をひっかけたのだ。

「おっと、失礼」

 ユークレイスはハンカチをポケットから取り出してノウトに触れた靴を拭き始めた。「場所は教えたが──」そして、腰にぶら下げた細剣レイピアを引き抜いた。

「貴様を魔皇様のところに行かせるわけにはいかないのでな。ここで殺させてもらう」

 一瞬、自分の耳を疑った。
 ……こいつ、殺すって言ったのか……? こんな場所で、こいつ……頭、おかしいんじゃないか? ロストガン以上じゃないか。
 ユークレイスは細剣を構えた。

「立て。座った者を断つほど卑劣な真似はしない」

 ノウトは立ち上がった。そして両手を上げる。

「……ユーク、……俺は君と戦う意思はない。この戦いは不毛だ」

 ユークレイスはノウトをその美しい眼で睨んだ。

「囀るな。卑劣な勇者が。穢れた足で魔皇様の御城を踏み荒らして──。まずはその下賎なる喉笛を搔き切ってやる」

 一切、言葉が通じない。くそ。これは会話じゃ解決しない。
 ユークレイスが構えた細剣を振るった。速い。見えない。細剣がノウトに届くよりも前に殺陣シールドで狙われる場所を護った方が得策だ。ノウトは殺陣シールドで喉を護った。細剣は吸い込まれるように喉に当たった。殺陣シールドで護ったので、ダメージはない。ユークレイスは細剣を引いて、もう一度構えた。

「ほう。それが神技スキルとやらか。姑息な技だ。───だが」

 ユークレイスは片手を細剣に添えた。すると、細剣が緑色に輝いた。

「俺の魔法剣……受けきれるかな」

 輝きを帯びた細剣が一撃、二撃、三撃とノウトに振るわれた。

「……っ!」

 細剣がノウトに当たる度に、ノウトの全身を風の刃が掠めていく。殺陣シールドで受け止める場所を特定するので精一杯だ。何とか護れてはいるが、一秒後、二秒後には護りきれずに切り裂かれてしまうかもしれない。
 細剣は絶え間なくノウトを襲う。避けてもそれを執拗に追い掛けてくる。
 ノウトはキリがないと思い、細剣を横から叩いた。その瞬間に隙が生まれる。ノウトは後ろに跳んで距離を取った。

「……俺は、どうしても魔皇様のところに行きたいんだ。頼む」

「黙れ。貴様はこれから永遠の沈黙を知ることになる。そんな相手に何を教えたところで無駄の極みと言ったところだろう」

 くそ。まるで話が通じないな。ほんとに同じ人間かよ。いや、違うか。相手は森人族エルフだ。オズワルドが森人族は特に他種族に排斥的だと言っているのを思い出した。

「フン、次でその息の根を止めてやる」

 ユークレイスがノウトに肉薄した。ユークレイスの持つ煌めきの細剣がノウトを襲う。速すぎる。目で追えない。殺陣シールドが無ければ確実に死んでいるところだ。でも、ああ。気を抜いたら、ほら。ノウトの身体に傷が生まれた。
 ユークレイス、こいつ、強過ぎる。ロストガンと同等、もしくはそれ以上───

「い゛っ……」

 血が舞った。
 ノウトの横腹を細剣が掠めたのだ。ああ。いてぇ。いてぇ、なんてもんじゃない。痛い。痛い。ノウトは腹を片手で抑えた。

「はっはっはっはっ。どうした。ご自慢の神技スキルが雑になってきたぞ! 護ってばかりではなく反撃したらどうだ」

「………っ」

 ノウトの反撃は、──つまり殺害だ。
 ……それだけはダメだ。やってはいけない。ユークレイスがノウトを嫌うということはつまり、過去のノウトが何か罪を犯したということだ。俺の罪は──

「俺が、贖わなくちゃ……いけないんだ……っ」

「ノウト……?」

 それは透明な、透き通るような声だった。ノウトはこの声を知っている。いや、知っているなんてものじゃない。ノウトはこの声を───
 瞬きをする間もなく、ユークレイスが細剣を腰に戻して膝を着いた。

「魔皇様」

「これは一体……」

 ヴェロアだ。魔皇がそこにいた。でも、様子がいつもとは違う。ヴェロアは───車椅子に乗っていた。それをシファナが押している。

「ノウト、お前、……血が出ているぞ。なんで怪我しているんだ……?」

「ま、魔皇様、こ、これは──」

 ユークレイスが途端に慌てた。

「これはなんでもないよ。そこで転んじゃって」

「転んで、普通そんなところ怪我するか?」

「いやぁ、めちゃくちゃ派手に転んだからさ」

 ノウトがははは、と笑ってみせる。

「ノウトがそう言うなら、信じるが……」ヴェロアはノウトもユークレイスを交互に見た。「ノウトとユークは二人で何をしてたんだ?」

「ヴェロアの場所を教えて貰ってたんだよ。そうだよな、ユーク」

「あ、ああ。もちろん。彼が魔皇様と会いたいと申していたので」

 ユークレイスが言うとヴェロアは顔を明るくした。

「そうか。二人は仲が悪いと思っていたが。それほどでもないのだな」

「まぁね」ノウトが頷いた。

「ノウトきゅん。傷を見せてください」

 シファナがノウトの近くに駆け寄った。

「かなり鋭利なものに裂かれているような傷ですね。転んでどこを打ったらこうなるんでしょうか。あとで医務室に来てください」

「分かった。ありがとう、シファナ」

「いえ。ノウトきゅんは魔皇様の大事なお人です。怪我をさせたまま放ってはおけません」

 その言葉がノウトの胸の内を暖かくした。
 シファナがヴェロアの車椅子を押して、近くに寄った。

「ノウト、おかえり」

「おかえりなさいませ」

 ヴェロアとシファナがノウトに微笑んだ。

「ああ、ただいま」ノウトがそれに答えるように微笑み返した「それで、二人はこれからどこに?」

「ああ、シファナが私の寝室に送ってくれているだけだよ」

「そうか、無粋な質問だったな。悪い」

「ううん。いいんだ」

 ヴェロアはちらりとユークレイスを見た。

「それでは二人ともおやすみ」

「おやすみなさいませ、魔皇様」「おやすみ」

 シファナは黙って会釈をしてから、ヴェロアの乗った車椅子を押していった。
 しばらくしてから、ようやくユークレイスが顔を上げた。そして、わなわなと声を振り絞るように言葉を紡いだ。

「………貴様、一体なんのつもりだ」

「悪い、魔皇様のことヴェロアって言った事だよな」

「違う。──いや、別に違わないが……今はそこでは無い。なぜ、転んだなどと下手な嘘をついた」

「ああ、それか。ごめん、もっとマシな嘘をつくつもりだったんだけど、いい嘘が思い浮かばなくって」

「チッ。分かって言ってるだろう、貴様。嘘をついたこと自体が甚だ疑問なのだ」

「あ、ああ、そっちね」

「なぜ、あんな嘘をついた」

「だって、ユークって魔皇様のこと、好きだろ?」

「はぁぁっ!?」

 ユークレイスが声を張り上げた。

「だから俺と魔皇様を会わせないようにしてたんだろ?」

「ち、ち、ちち違うわ! 貴様、切り刻まれたいのか!」

「じゃあ、魔皇様のこと好きじゃないのか?」

「好きに決まっておるだろう、馬鹿者!」

「な?」

「…………あ」

 ユークレイスは『にゃん』を披露したラウラと同じように顔を赤くした。

「──貴様、嵌めたな……?」

「いやいや、ユーク、……思ったよりお前……」

 馬鹿なんだな、と思ったが言わなかった。本当に切り刻まれる気がしたからだ。

「……思ったより、なんだ?」

「いや、……なんでもないよ」

「フン、そうか。まぁ、至極どうでもいいがな」

 ユークレイスは小さくため息を吐いた。

「気分がすこぶる悪い。二度と俺の前に顔を見せるな」

 そう言って彼は歩いて行ってしまった。結局、本当の意味で彼がなぜノウトを嫌っているのかは分からなかったが、間違った選択はしていないと思う。
 彼には彼の正義があるのだ。それを知らずに鼻から否定してはいけない。例え、彼の悪がノウトだとしても。

「ノウトきゅん、お待たせ致しました」

「うわぁっ!?」

「いかがいたしました?」

「い、いや、気配とか全くなくいきなり現れたから」

「左様ですか」

 シファナは相変わらずのようだ。全てが淡々というか、やる気がないんだかあるんだか分からないというか。

「というか早くないか? ちゃんと魔皇様を送れたの?」

「勿論です。というよりも、魔皇様が、ノウトきゅんの怪我を心配していらしたので、早めにこちらに来たのです」

「あ、そういう……」

 気を遣われた、ということか。
 なんか、……なんだろう。優しくされるのがこんなにも嬉しいなんて思わなかった。
 さっきまで全く話の通じない人といたせいだろうか。温度差がやばすぎて泣きそうだ。

「悪化したら大変です。医務室に行きましょう。着いてきてください」

「わ、分かった」

 ノウトはシファナの小さな背中、それに左右に揺れる尻尾を追い掛けて医務室へと向かった。
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