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《コンコン》
「は、はい…!」
「失礼致します。エメリアでございます。先程、レイディオ様とディーレ様が入られていたようで、お知らせ出来ていなかったこと申し訳ございません」
「い、いえいえ…!そ、その…だ、楽しかったですし!」
「そ、それはありがとうございます…!それとこちら薬と同じような効果のある食べ物をブレンドした飲みものをお持ち致しました。身体に良いので口に合えばですが是非、お飲み下さいね」
「あ、ありがとうございます!」
「どうされましたか?では、他に何か不自由等ありますでしょうか?」
「あ、あの…い、今って何年ですか?」
俺は恐る恐る聞く。俺の人生が大きく変わってからから何年たったのだろうか。ずっと気になっていたことの一つ。エメリアさんは何も聞かずにはっきりと答えた。
それは俺の予想と大体は一緒だった…。それは嬉しくも悲しくも…なんとも言えない。俺はもうすぐ十一歳になる。二、三年あそこで潰された訳だ…。それに、エメリアさんの優しさに、ほかのこともついつい聞いてしまった。
レイディオ様とディーレ様は双子で四歳であられるよう。長男オディル様はもうすぐ八歳、アイナ様は六歳だそう。オディル様とでも三歳しか変わらないんだ。会ったことはないが、賢そう。レイディオ様やディーレ様で違う言語の光という意味を知っておられるんだから。
「大丈夫ですか?」
「は、はい…ありがとうございます。あ!さ、最後に一つだけ聞いてもいいですか?」
「どうぞ?」
「ネフェルティー家はどうなってますか?あ、ラヌークって言う人です」
「ラヌークさん…あぁ、昔はよくここに来られていましたが、とある事件で侯爵という身分は無くなり、ルイビルの一般国民かと。ですので、あれからはここには来ていないかと思います。家の方も詳しくまでは…」
「そ、そうですか」
「…ネフェルティー家と何かあったんですね?」
「俺が……俺が、ネフェルティー家の長男だと言えばどうなりますか…?」
「…それは、陛下にも少なからずの何かを与えるでしょう。ルイビルや陛下に対して何か事件を起こそうとしていたとか。それはあくまで噂です。本当の事は私には分かりません。それに長男様は原因不明の病で、亡くなられたと。噂では、たった六歳で一冊の本を暗記していたが、生まれつき精神に異常があったらしく、奇行に走って弟様を傷付けることもあったとか」
「……」
「しかし、全て真実だと決まった訳ではありません。生きていれば、少なからず真実は見えてくるはずです。ネフェルティー家は今何処に住んでるのかは分かりませんが、気になられるのならここの図書館に、少しはその時の話も書いてあるものもあるはずです」
「そ、そうですか、ありがとうございます…。色々為になりました…!本当に…」
「…また何かあればお話下さいね。では、失礼致します」
そう言うと、また俺になんか礼をして去っていく。エメリアさんも今の話で大分察することはできたんじゃないかな…。それに、俺はあの両親にここまで必要とされてない人間だったんだな……。何も言葉が出ない。もう、感情なんて捨ててやったはずなのに、ズキズキと酷く胸が痛んだ。自然と涙が頬を濡らす。もう今日で泣くのは最後だ。今日だけ……。
問題はこれからなんだ。ここにずっとこの城にいることなんてないて出来ない。取り敢えず、怪我が治るまで、せめて、せめて動けるようになるまでここに、生きれる所にいたい…。食事も部屋も、こんな豪華じゃなくていい。どこか隅っこの、食べ物は残飯でもなんでも食べれたらもうなんでもいい。奴らに見返す為にも今は生きなくちゃ。こんな俺を…助けて、貰ったんだ…。
もう、俺に家なんて、帰る場所なんてない。助けて貰ったんだから、何か少しでもこの大きな恩を返したい。ただ、今の状態じゃ歩くことも、読むこともできない、俺を必要としてる人なんて、この世界中探しても何処にもいない。むしろ、無力で邪魔な存在のヒトモドキだ……。だから、何かの実験体のサンプルの為に三年も生かされていただけ。そう思うとまた悲しくなる…ここは優しい。優しすぎるんだ。俺には全く似合わない。左目から溢れた俺の涙が大事な服と布団を濡らしてしまった。
「は、はい…!」
「失礼致します。エメリアでございます。先程、レイディオ様とディーレ様が入られていたようで、お知らせ出来ていなかったこと申し訳ございません」
「い、いえいえ…!そ、その…だ、楽しかったですし!」
「そ、それはありがとうございます…!それとこちら薬と同じような効果のある食べ物をブレンドした飲みものをお持ち致しました。身体に良いので口に合えばですが是非、お飲み下さいね」
「あ、ありがとうございます!」
「どうされましたか?では、他に何か不自由等ありますでしょうか?」
「あ、あの…い、今って何年ですか?」
俺は恐る恐る聞く。俺の人生が大きく変わってからから何年たったのだろうか。ずっと気になっていたことの一つ。エメリアさんは何も聞かずにはっきりと答えた。
それは俺の予想と大体は一緒だった…。それは嬉しくも悲しくも…なんとも言えない。俺はもうすぐ十一歳になる。二、三年あそこで潰された訳だ…。それに、エメリアさんの優しさに、ほかのこともついつい聞いてしまった。
レイディオ様とディーレ様は双子で四歳であられるよう。長男オディル様はもうすぐ八歳、アイナ様は六歳だそう。オディル様とでも三歳しか変わらないんだ。会ったことはないが、賢そう。レイディオ様やディーレ様で違う言語の光という意味を知っておられるんだから。
「大丈夫ですか?」
「は、はい…ありがとうございます。あ!さ、最後に一つだけ聞いてもいいですか?」
「どうぞ?」
「ネフェルティー家はどうなってますか?あ、ラヌークって言う人です」
「ラヌークさん…あぁ、昔はよくここに来られていましたが、とある事件で侯爵という身分は無くなり、ルイビルの一般国民かと。ですので、あれからはここには来ていないかと思います。家の方も詳しくまでは…」
「そ、そうですか」
「…ネフェルティー家と何かあったんですね?」
「俺が……俺が、ネフェルティー家の長男だと言えばどうなりますか…?」
「…それは、陛下にも少なからずの何かを与えるでしょう。ルイビルや陛下に対して何か事件を起こそうとしていたとか。それはあくまで噂です。本当の事は私には分かりません。それに長男様は原因不明の病で、亡くなられたと。噂では、たった六歳で一冊の本を暗記していたが、生まれつき精神に異常があったらしく、奇行に走って弟様を傷付けることもあったとか」
「……」
「しかし、全て真実だと決まった訳ではありません。生きていれば、少なからず真実は見えてくるはずです。ネフェルティー家は今何処に住んでるのかは分かりませんが、気になられるのならここの図書館に、少しはその時の話も書いてあるものもあるはずです」
「そ、そうですか、ありがとうございます…。色々為になりました…!本当に…」
「…また何かあればお話下さいね。では、失礼致します」
そう言うと、また俺になんか礼をして去っていく。エメリアさんも今の話で大分察することはできたんじゃないかな…。それに、俺はあの両親にここまで必要とされてない人間だったんだな……。何も言葉が出ない。もう、感情なんて捨ててやったはずなのに、ズキズキと酷く胸が痛んだ。自然と涙が頬を濡らす。もう今日で泣くのは最後だ。今日だけ……。
問題はこれからなんだ。ここにずっとこの城にいることなんてないて出来ない。取り敢えず、怪我が治るまで、せめて、せめて動けるようになるまでここに、生きれる所にいたい…。食事も部屋も、こんな豪華じゃなくていい。どこか隅っこの、食べ物は残飯でもなんでも食べれたらもうなんでもいい。奴らに見返す為にも今は生きなくちゃ。こんな俺を…助けて、貰ったんだ…。
もう、俺に家なんて、帰る場所なんてない。助けて貰ったんだから、何か少しでもこの大きな恩を返したい。ただ、今の状態じゃ歩くことも、読むこともできない、俺を必要としてる人なんて、この世界中探しても何処にもいない。むしろ、無力で邪魔な存在のヒトモドキだ……。だから、何かの実験体のサンプルの為に三年も生かされていただけ。そう思うとまた悲しくなる…ここは優しい。優しすぎるんだ。俺には全く似合わない。左目から溢れた俺の涙が大事な服と布団を濡らしてしまった。
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