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しおりを挟む「ルークさん、もう今日はやめましょう…。足が傷だらけになってしまいます」
「だ、大丈夫です…もう一回─」
《バタッ》
「…クソっ、これはなんの為の足なんだ…!クソッ」
「焦らずにゆっくり立ってください。そんなに急がなくても大丈夫ですよ」
「あ…すみません」
あれからしばらくして俺は早速歩行の練習を始めるところからのスタートになった。二年以上も檻の中にいたせいで、足が全く使い物にならない。まるでがっしりと重たい足枷をつけられて、足自体が重い石のようだ。丸三日、ずっとエメリアさんに手伝ってもらって歩行の練習をするがピクリとも反応してくれないのにイライラが募る。片目も使えないのに足も使えないとは…。これじゃ、カイル様には申し訳ない。
カイル様は俺に言ってくれた。これからの事を考え悩んでいる時、「僕の家に来ないか?」と。既に陛下には了承を貰っているらしい。それに一人で出てしまうと危ないからと心配なんてしてくれた。そんな人に泣かずにはいられなかった。今度こそ、カイル様の役にたつため、あれから何十冊の本を読み、即暗記し始めた。
俺が外に出ていなかった頃、どんなに変わったのかとても興味深いところでもあり、悲しいこと。それでも、カイル様、そして陛下にも守ってもらっているという実感は重々感じていた。初めはこんな状況に戸惑いこそしたが、エメリアさんに何をしたらいいのかとしつこく問ったおかげでやっと光が見えた。暗記力も以前より格段と上がった。でも、ペンは一切握らなかった。もう、あれだけは触りたくない。
そして、この歩く練習。エメリアさんがいなくなったあとも一人でひたすら歩いた。初めは立つことさえ出来なかったが、今では手すりを使って歩けるようにまでなった。これでも前身したのだが、こんな事じゃまだまだ足りない。
「ルークさん、少し休みましょう。陛下からお届け物が届いておりますので、ご覧になっていただけませんか?」
「へ、陛下からですか…!?ぜ、ぜひ!」
「どうぞ、こちらにお座り下さいね」
俺は部屋のふかふかなソファーに座る。エメリアさんは少し離れて、箱とお皿、それにフォーク等を持ってきて目の前で箱の中身を見せた。
「こちら、いちごを使ったタルトのチーズケーキでございます。陛下がお好きな品でして、甘いものがちょうどいいかとルークさんへと言うことです。どうぞ、お食べ下さいね」
「ほ、ほんとに、ほんとに食べていいんですか?」
「はい!あ、お嫌いでしたら無理しなくても大丈夫が…」
「あ、その、た、食べていいですか!ケーキっていうの本で読んで…その、食べてみたいな、と」
「では、すぐに用意致しますね!」
「ありがとうございます!」
目の前には茶色のカップのようなものに黄色の美しいクリームがかかっていて、それをさらに隠すかのように真っ赤な色の、綺麗に切られたいちごが綺麗に飾ってあった。上にはこの部屋にところどころ入れられている金が光っていて、綺麗。思わず唾が出る。
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