字が書けない侯爵の長男は捨てられ、王の騎士を目指す

Allen

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   そして、今ノルサさんと一緒に部屋に向かっている。

「ルークさんでしたね、もう身体は大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫です…す、すみません、この目酷いので隠そうとしたんですが…」
「いえいえ。私も医師の経験もありまして、色々と話を聞いていて心配に…。辛かったでしょう、これからは無理せずに困ったことがあれば是非話してくださいね」
「はい!」

   俺はいきよいよく、ノルサさんに言った。と言ってもまだ部屋まで距離がある。沈黙にならないように、俺は呟くように言った。

「本当にここにいる人達はいい人ばかりですね…。優しくて、凄く配慮をしてくれて…俺にははじめ理解できませんでした。陛下も俺のこと助けてくれて…嬉しい反面、どうして?って。だって、普通王様って自ら病人に贈り物なんて送らないでしょ…俺、ここの人が優しくするのが正直よく分からなくて…」
「…信じられませんか…?話を聞けば、それも当然の事です」
「いえ!ここの人は信じてます…。心から優しい人達だって。ずっと、ここは悪い場所で陛下もなにか過去のことを引きずっていて、政策がデタラメだとか散々なこと聞いていましたから。あんな噂なんてないってここにずっといさせてもらってたので分かります。陛下も、お会いしたことはまだ無いですが、いい人だと」
「そのように思っていただけで嬉しく思います。ルークさんは何歳なのかお聞きしてもよろしいですか?」
「俺は十歳です。もうすぐ十一です」
「とてもお若いですね。食事は足りていますか?成長期ならば沢山食べたいでしょう」
「大丈夫です。ここの食事は本当に美味しくて…」
「それは良かったです」

   ノルサさんはにっこり笑って言った。多分、俺の成長が遅かった故に言ったんだろう。まだ背もほとんど伸びていない。食べ物も食べてなかったからお陰様で体重は軽い方。でも、ここに来てから急に身長も伸びて、身体も良くなった。本当にいい場所だ。

   そして、ついに部屋が見えた。俺は深深とノルサさんにお辞儀をして、帰るノルサさんを見送った。
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