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21 王の家族
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『王の家族』
「あ、カイル!ルークも!」
「レ、レイディオ様!?」
夕方、騎士たちが早めに切り上げる日、俺はカイル様と剣の稽古の為にだだっ広い庭園の広場を少し借りて練習していると本宮からレイディオ様が手を振ってこちらに来ていた。
あれから俺は離宮にいるカイル様のいる騎士の寮の同じ部屋で過ごしていた。カイル様も位の高い人だとは知っていたけど、とても広い部屋で、綺麗に片付けられていた。カイル様の時間がある時はこうやって稽古を付けてもらっている。
そういえば、レイディオ様と会うのは陛下が倒れられたあの時以前。今日はとても元気そうで、いつ見ても立派な服を着ている。奥には従者か分からないけど大勢の人達が見えた。しかし、徐々に近づくにつれ、どこか見覚えのある人物が見えてきた。背が高く、綺麗な服を着て大きなマントを羽織っている。あれはまさしく─
「陛下」
「へ、陛下っ!」
驚き止まっていた俺にカイル様の声は俺を呼び覚ました。正しいと習った礼儀作法で、カイル様の隣でその場に跪いた。下を向き、元気よく答えるんだ。
「やぁ、カイルにルーク。頑張っているようだな」
「はい!」
陛下はいかにも王らしい品格にマントに包まれ、あの優しい顔で俺を見た。隣に立ったレイディオはニコニコして、陛下の手を繋ぐ。
「いいな~、僕も剣の練習したいよ」
「もうすぐ出来るじゃないか」
「ハハッ、もうすぐだってさ。レイディオ、もうちょっと我慢だ」
「うぅ~、オディル兄さんだけずるいです!」
聞いた事のない声が陛下とレイディオ様の間に入り、俺は少し顔を上げ、ほんの少しだけ見渡した。陛下の隣に俺と同じくらいのような身長の男の子がいる。陛下と同じ茶色がかった金色の髪に、輝く金の目。肌は白く、あの陛下ほどは痩せてはいなかったが、陛下に似て細い割にどこか強そうに見えるオーラのようなものがあった。レイディオ様とは雰囲気が少し違い、大人っぽい。
「剣の稽古はずっと約束していただろ?お父様から剣を貰ったら一緒にやろうな」
「うん!その時はルークも一緒にやろうね」
「ルーク?はじめて聞く名前だな」
「ディーレと一緒に付けたんだよ!カイルが助けたんだって!ね?」
「は、はい!」
「カイルが?あ、そう言えば前に俺の稽古付けた時約束したよね?」
「はい、オディル様」
「約束?それはなんだ?」
陛下がオディル様を見る。オディル様はイタズラそうな顔をして、陛下を見上げる。オディル様もあんな顔をするんだ…。
「この前、あ、お父様はいなかったけどカイルが剣の稽古をしててそれがかっこいいから教えてって言ってたんだけど、先に三種類の魔法が出来たらって」
「それは頑張らないとな~。カイルもオディルのことありがとう」
「いえ、お力になれて嬉しい所存です」
カイル様は深く礼をする。陛下は少し笑って、レイディオの手を握り返し、オディルを見た。
「じゃ、そろそろ行こうか。二人とも練習頑張ってな」
「「はい!」」
「じゃねー、カイルにルーク!」
レイディオ様はにっこりして、陛下に引かれた。オディル様も陛下の隣にぴったりと着く。オディル様は冷静でお兄さんって感じがする。あのイタズラ顔はレイディオにそっくりだ。陛下も普段冷静だけど、今日は明るいように思えた。
「あ、カイル!ルークも!」
「レ、レイディオ様!?」
夕方、騎士たちが早めに切り上げる日、俺はカイル様と剣の稽古の為にだだっ広い庭園の広場を少し借りて練習していると本宮からレイディオ様が手を振ってこちらに来ていた。
あれから俺は離宮にいるカイル様のいる騎士の寮の同じ部屋で過ごしていた。カイル様も位の高い人だとは知っていたけど、とても広い部屋で、綺麗に片付けられていた。カイル様の時間がある時はこうやって稽古を付けてもらっている。
そういえば、レイディオ様と会うのは陛下が倒れられたあの時以前。今日はとても元気そうで、いつ見ても立派な服を着ている。奥には従者か分からないけど大勢の人達が見えた。しかし、徐々に近づくにつれ、どこか見覚えのある人物が見えてきた。背が高く、綺麗な服を着て大きなマントを羽織っている。あれはまさしく─
「陛下」
「へ、陛下っ!」
驚き止まっていた俺にカイル様の声は俺を呼び覚ました。正しいと習った礼儀作法で、カイル様の隣でその場に跪いた。下を向き、元気よく答えるんだ。
「やぁ、カイルにルーク。頑張っているようだな」
「はい!」
陛下はいかにも王らしい品格にマントに包まれ、あの優しい顔で俺を見た。隣に立ったレイディオはニコニコして、陛下の手を繋ぐ。
「いいな~、僕も剣の練習したいよ」
「もうすぐ出来るじゃないか」
「ハハッ、もうすぐだってさ。レイディオ、もうちょっと我慢だ」
「うぅ~、オディル兄さんだけずるいです!」
聞いた事のない声が陛下とレイディオ様の間に入り、俺は少し顔を上げ、ほんの少しだけ見渡した。陛下の隣に俺と同じくらいのような身長の男の子がいる。陛下と同じ茶色がかった金色の髪に、輝く金の目。肌は白く、あの陛下ほどは痩せてはいなかったが、陛下に似て細い割にどこか強そうに見えるオーラのようなものがあった。レイディオ様とは雰囲気が少し違い、大人っぽい。
「剣の稽古はずっと約束していただろ?お父様から剣を貰ったら一緒にやろうな」
「うん!その時はルークも一緒にやろうね」
「ルーク?はじめて聞く名前だな」
「ディーレと一緒に付けたんだよ!カイルが助けたんだって!ね?」
「は、はい!」
「カイルが?あ、そう言えば前に俺の稽古付けた時約束したよね?」
「はい、オディル様」
「約束?それはなんだ?」
陛下がオディル様を見る。オディル様はイタズラそうな顔をして、陛下を見上げる。オディル様もあんな顔をするんだ…。
「この前、あ、お父様はいなかったけどカイルが剣の稽古をしててそれがかっこいいから教えてって言ってたんだけど、先に三種類の魔法が出来たらって」
「それは頑張らないとな~。カイルもオディルのことありがとう」
「いえ、お力になれて嬉しい所存です」
カイル様は深く礼をする。陛下は少し笑って、レイディオの手を握り返し、オディルを見た。
「じゃ、そろそろ行こうか。二人とも練習頑張ってな」
「「はい!」」
「じゃねー、カイルにルーク!」
レイディオ様はにっこりして、陛下に引かれた。オディル様も陛下の隣にぴったりと着く。オディル様は冷静でお兄さんって感じがする。あのイタズラ顔はレイディオにそっくりだ。陛下も普段冷静だけど、今日は明るいように思えた。
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