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10. 外出
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『外出』
8年後─
「ルシオお兄様~!」
「うん?ラナ?」
俺を呼ぶ可愛い声の方向にすぐに振り返った。そこには、俺に似てしまった銀色の長い髪と薄らと青い目。明るい髪の色は周りを惹き付けてしまう。それでも、俺の妹はそれを厄介事だと思わず、俺と違い上手く活用している。まだ8歳だと言うのに…。
「あれ…お友達様ですか…?」
「そうだよ」
ラナは俺の後ろにいる友達対してそっと目線を向けた。後ろには俺と同じ16歳のナギとイリス・クリスティーナ。イリスは貴族の令嬢だけれど、ナギは違う。ナギとは以前に森に出かけた時にであった平民の男の子。こんな歳なのに1人で暮らしている凄い人だ。この国では、さほど驚くことでは無いんだとか。
「初めまして。私はラナリアス・グランジェールです」
「か、可愛い~っ!はじめまして、ラナリアス嬢。お兄様から貴方のことを聞いていたけど、聞いていた以上だわ!私はイリス・クリスティーナです。よろしくね」
「よ、よろしくお願いします!イリス嬢!」
「ふふっ、イリスでいいわよ、ラナちゃんと呼んでも大丈夫かしら…?」
「はい!」
「ありがとう、イリスちゃん♪イリスちゃんはおいくつなの?」
「8歳です」
「じゃ、お兄さんとちょうど8歳違うのね」
イリスはすぐにラナを気に入ったようで、まるで面接のように一方的に喋る。彼女はいつもそうだ。一度気になってしまったら、話が長い。いつも明るくて、時に優しく、まるでお母さんみたいなめんどくさい時もある。
「イリス、もうそれぐらいでいいだろ?」
しばらく盛り上がりを見せていた女子2人組に言った。イリスは誰とでもすぐに仲良くなる。けど、妹が誰かと影で会うことでよく思わないやつがここには大勢いる。ましてや、俺の友達と仲良くするなんてリベルテが見たらどうなる事やら。
「あら、ごめんなさい」
「いえ!こちらこそ申し訳ありません。ところであの方は…」
「…」
ラナが俺の後ろに視線を向ける。残っているのは、あいつしかいない。でも珍しくナギは姿を消す魔法を使わなかった。いつもはこんな高難度の技をしれーっと使う。極度の人見知りなのか、人との関わりに本当に興味が無いのか、実際は分からない。多くを語らず、いつも隠れている。過去を語らないのは俺も同じか。
「あ、こいつは─」
「ナギ」
「珍しいわね、貴方が初対面で誰かと話すなんて…ラナちゃん、口数は少ないけど良い人だから安心して?」
「はい♪よろしくお願いします!」
ラナは無口で無表情のナギに対しても無邪気な笑顔を見せていた。ナギの方を見ると案の定視線をずらし、興味無さげの表情。名前が言えただけでも褒めてあげるべきだろうけど。
「では、お兄様、私はこれで失礼しますね。夕食までには帰ってきて下さいよ?」
「分かったよ、じゃ」
「はい!」
そういうとラナは水色のドレスをふわっと揺らしながら帰っていった。イリスとラナはお互い手を振り合い、時々振り返ってくる。俺も軽く手を振り返し、隣で黙って違う方向を見ていた退屈そうなナギの肩を軽く叩いた。
「おい…」
「どうだ?俺の妹可愛かったろ?」
「まぁな、イリスよりは見れる顔だな」
「何それ!ひどーい!」
8年後─
「ルシオお兄様~!」
「うん?ラナ?」
俺を呼ぶ可愛い声の方向にすぐに振り返った。そこには、俺に似てしまった銀色の長い髪と薄らと青い目。明るい髪の色は周りを惹き付けてしまう。それでも、俺の妹はそれを厄介事だと思わず、俺と違い上手く活用している。まだ8歳だと言うのに…。
「あれ…お友達様ですか…?」
「そうだよ」
ラナは俺の後ろにいる友達対してそっと目線を向けた。後ろには俺と同じ16歳のナギとイリス・クリスティーナ。イリスは貴族の令嬢だけれど、ナギは違う。ナギとは以前に森に出かけた時にであった平民の男の子。こんな歳なのに1人で暮らしている凄い人だ。この国では、さほど驚くことでは無いんだとか。
「初めまして。私はラナリアス・グランジェールです」
「か、可愛い~っ!はじめまして、ラナリアス嬢。お兄様から貴方のことを聞いていたけど、聞いていた以上だわ!私はイリス・クリスティーナです。よろしくね」
「よ、よろしくお願いします!イリス嬢!」
「ふふっ、イリスでいいわよ、ラナちゃんと呼んでも大丈夫かしら…?」
「はい!」
「ありがとう、イリスちゃん♪イリスちゃんはおいくつなの?」
「8歳です」
「じゃ、お兄さんとちょうど8歳違うのね」
イリスはすぐにラナを気に入ったようで、まるで面接のように一方的に喋る。彼女はいつもそうだ。一度気になってしまったら、話が長い。いつも明るくて、時に優しく、まるでお母さんみたいなめんどくさい時もある。
「イリス、もうそれぐらいでいいだろ?」
しばらく盛り上がりを見せていた女子2人組に言った。イリスは誰とでもすぐに仲良くなる。けど、妹が誰かと影で会うことでよく思わないやつがここには大勢いる。ましてや、俺の友達と仲良くするなんてリベルテが見たらどうなる事やら。
「あら、ごめんなさい」
「いえ!こちらこそ申し訳ありません。ところであの方は…」
「…」
ラナが俺の後ろに視線を向ける。残っているのは、あいつしかいない。でも珍しくナギは姿を消す魔法を使わなかった。いつもはこんな高難度の技をしれーっと使う。極度の人見知りなのか、人との関わりに本当に興味が無いのか、実際は分からない。多くを語らず、いつも隠れている。過去を語らないのは俺も同じか。
「あ、こいつは─」
「ナギ」
「珍しいわね、貴方が初対面で誰かと話すなんて…ラナちゃん、口数は少ないけど良い人だから安心して?」
「はい♪よろしくお願いします!」
ラナは無口で無表情のナギに対しても無邪気な笑顔を見せていた。ナギの方を見ると案の定視線をずらし、興味無さげの表情。名前が言えただけでも褒めてあげるべきだろうけど。
「では、お兄様、私はこれで失礼しますね。夕食までには帰ってきて下さいよ?」
「分かったよ、じゃ」
「はい!」
そういうとラナは水色のドレスをふわっと揺らしながら帰っていった。イリスとラナはお互い手を振り合い、時々振り返ってくる。俺も軽く手を振り返し、隣で黙って違う方向を見ていた退屈そうなナギの肩を軽く叩いた。
「おい…」
「どうだ?俺の妹可愛かったろ?」
「まぁな、イリスよりは見れる顔だな」
「何それ!ひどーい!」
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