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3.事情
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『事情』
「お前、この…狼と仲が良いのか…?フェンリルだったら滅多に見られないやばいやつぜ……?」
「はぁ、余計なこと聞かないでよ。貴方、私を巻き込んで反省してないの?」
「あ、悪かった」
「それだけ?」
「はいはいすみませんでした、じゃ逆に聞くが何で俺を助けたんだよ」
「目の前でか弱い男性の死に目を見たくは無いわ」
「か弱いって…俺、こう見えてもあの国では剣の達人何だか─うぅ、痛」
「どうかしらね…」
後ろで蹲る彼に思わずため息が零れる。確かに咄嗟の行動力は凄いかもしれない。それにこの子はフェンリルの仲間だったらしいけど、もっと優しい心を持った白い大きな可愛い狼。けど、彼、一体何をして追われていたのかしら。
「ねぇ、貴方、あの国で何をしたの?正直に言わないと下ろすわよ」
「それは怖いな~、可愛らしいお嬢様♪」
「…下ろすよ?」
「ハイハイ、わかりましたー。えぇーと、あの国アストルムはこの豊かそーなルイビルと違って奴隷制度があるのは知って言うのは…ま、知らないよな。裏社会だし」
「それは…知らなかったわ。それで…?」
「俺は奴隷の一人。けど、逃げ出して裏社会を暴くための情報を集めたり、仲間を助けたりしてた。それが見つかって追われてたって訳」
「それでルイビルに?」
「そう」
「それじゃ、みんなルイビルに逃げていきそうだけど…」
「甘いな、お前。奴隷には特別な首輪や手錠でしっかり付けられているんだ。逃げる為には外部の手助けが肝心だよ。ほら、これ」
そういうとレッドは自分の手首と首を簡単に見せた。爛れた痕に、黒い痣、剣傷に私は思わず目を逸らした。咄嗟に見ちゃいけないと言う感情が湧いた。見ていたら嫌な顔をされる。確かに酷い。
「ハハッ、やっぱし一流のおじょー様には見れねだろ。こんな傷付いてる人間だっているんだぜ?はじめてか?」
「…」
レッドは笑って見せた。私はそれに驚いて振り向いた。こんな傷付いているのに笑っているなんて。
「な、なんだよ?」
「いや、私の知っている人と反応が全然違うから…。気を悪くしたならごめんなさい。それでルイビルに逃げてきたのね。なら、城下町の近くにそのお腹の怪我が治るまでいた方がいいわ。毒で身体も弱ってるだろうし。その短剣を売れば多分お金になるでしょ?」
「…お前、変わってるな」
「なによ?」
「普通、怪我人とはいえここまでしないぜ?まして俺は今短剣でお前を刺せるんだぞ?ここまで我が身を守ろうとしないやつなんてはじめてだ。ましてや護身用を持たす程の貴族様だろ?人質に取られたらどうすんだよ」
「あら?じゃ、わざわざ自分が傷付くのにも関わらず火に飛び込んで行ったのは誰かしら?私が魔法を使わなかったら死んでいたわよ」
「…そりゃどーも」
レッドは目を逸らして怒ったように言った。
私は目線をずらすともうそろそろ森を抜け、王都につく。本当はサンドイッチも食べてないし、それに散歩でもしたかった。移動魔法で近くまで行けばもっと遊べたのに。あんな魔法まで使って、これじゃ鋭いお父様には波動でバレているだろう…。なんて誤魔化そうかしら…。
「お前、この…狼と仲が良いのか…?フェンリルだったら滅多に見られないやばいやつぜ……?」
「はぁ、余計なこと聞かないでよ。貴方、私を巻き込んで反省してないの?」
「あ、悪かった」
「それだけ?」
「はいはいすみませんでした、じゃ逆に聞くが何で俺を助けたんだよ」
「目の前でか弱い男性の死に目を見たくは無いわ」
「か弱いって…俺、こう見えてもあの国では剣の達人何だか─うぅ、痛」
「どうかしらね…」
後ろで蹲る彼に思わずため息が零れる。確かに咄嗟の行動力は凄いかもしれない。それにこの子はフェンリルの仲間だったらしいけど、もっと優しい心を持った白い大きな可愛い狼。けど、彼、一体何をして追われていたのかしら。
「ねぇ、貴方、あの国で何をしたの?正直に言わないと下ろすわよ」
「それは怖いな~、可愛らしいお嬢様♪」
「…下ろすよ?」
「ハイハイ、わかりましたー。えぇーと、あの国アストルムはこの豊かそーなルイビルと違って奴隷制度があるのは知って言うのは…ま、知らないよな。裏社会だし」
「それは…知らなかったわ。それで…?」
「俺は奴隷の一人。けど、逃げ出して裏社会を暴くための情報を集めたり、仲間を助けたりしてた。それが見つかって追われてたって訳」
「それでルイビルに?」
「そう」
「それじゃ、みんなルイビルに逃げていきそうだけど…」
「甘いな、お前。奴隷には特別な首輪や手錠でしっかり付けられているんだ。逃げる為には外部の手助けが肝心だよ。ほら、これ」
そういうとレッドは自分の手首と首を簡単に見せた。爛れた痕に、黒い痣、剣傷に私は思わず目を逸らした。咄嗟に見ちゃいけないと言う感情が湧いた。見ていたら嫌な顔をされる。確かに酷い。
「ハハッ、やっぱし一流のおじょー様には見れねだろ。こんな傷付いてる人間だっているんだぜ?はじめてか?」
「…」
レッドは笑って見せた。私はそれに驚いて振り向いた。こんな傷付いているのに笑っているなんて。
「な、なんだよ?」
「いや、私の知っている人と反応が全然違うから…。気を悪くしたならごめんなさい。それでルイビルに逃げてきたのね。なら、城下町の近くにそのお腹の怪我が治るまでいた方がいいわ。毒で身体も弱ってるだろうし。その短剣を売れば多分お金になるでしょ?」
「…お前、変わってるな」
「なによ?」
「普通、怪我人とはいえここまでしないぜ?まして俺は今短剣でお前を刺せるんだぞ?ここまで我が身を守ろうとしないやつなんてはじめてだ。ましてや護身用を持たす程の貴族様だろ?人質に取られたらどうすんだよ」
「あら?じゃ、わざわざ自分が傷付くのにも関わらず火に飛び込んで行ったのは誰かしら?私が魔法を使わなかったら死んでいたわよ」
「…そりゃどーも」
レッドは目を逸らして怒ったように言った。
私は目線をずらすともうそろそろ森を抜け、王都につく。本当はサンドイッチも食べてないし、それに散歩でもしたかった。移動魔法で近くまで行けばもっと遊べたのに。あんな魔法まで使って、これじゃ鋭いお父様には波動でバレているだろう…。なんて誤魔化そうかしら…。
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