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一章 過去の過ち
十一話
ブラン・ニールウェルト
元は隣国のニーウェルト伯爵家の次男であり、若くして王国直属の騎士団の騎士団副団長をつとめるほどに優秀な男だった。しかし、ブランは当時まだ王女であったリンの母親であるフィリアを愛してしまった。初めは身分の違いから諦めていたが、彼の心にある恋慕は日に日に歪んでいった。
彼女が異性だろうが同性であろうが自分以外の人間に笑いかければそのものに憎しみをいだき、ひどい時は隠れて暗殺までした。彼女のいく先々にいき短くて半日長くて一日中追い続けていた。
そんな彼を周りもおかしいと思ってはいたが元々は人柄が良かったこともありそんなに重要視されなかったが、だがフィリアがリンの父親のグレイスと結婚すると聞いた時彼は本格的に壊れてしまった。
グレイスが結婚挨拶をするために国へ来た時にブランはフィリアを襲った。幸いなことにすぐにグレイスが駆けつけたため何もなかったがフィリアには心の傷が出来てしまった。
ブランは牢獄に捕らえられ、王女を襲ったこと、そして計画性のある事件であったため処刑されることになった。だが処刑される日に脱獄をし行方をくらました。
指名手配はされていたが彼は魔法も使えるため使い方によっては容姿も変えられるためあまり意味はないだろう。フィリアは、母国にいては危険があるかもしれないので早急に結婚式を執り行いグレイスに嫁いで行った。
何もなく平和に暮らしていたが結婚して、ブランを忘れ初めていた頃にまた事件は起きた。
平民貴族関係なく女性が襲われる事件が起きた。年齢などは関係なく女性を標的にしていた。襲われた者が20を超えた頃いくつかの共通点があった。
紅の髪、金色の瞳、女性にしては高い背、腰に届くほどの癖のない髪しつ、目元に黒子など、どの特徴もフィリアのものと一緒だった。ゆえに犯人はブラン・ニールウェルトの可能性が高いだろうと言われた。
早急に捜索したが見つかることはなかったが厳重な警備のおかげで事件は収束した。
それから隣国とは同盟国ということもあり、混乱を起こさせないため、国民には犯人が隣国のものということは伏せたが高位貴族にだけは犯人については知らせていた。もともとブランは剣術、魔法において優秀のため、もし見つけた場合、拘束が不可能の場合は殺すことも厭わない、と力のある貴族にお触れを出すためだ。
「俺はブランについてはユーストと婚約する際に聞いたが、まさかアルフォード家にいるとは、、、一体なんのために、、、。いやこんなことをしている場合ではない、すぐにでも捕まえにいかなければ、、、」
「、、、!い、妹が、妹は今、公爵夫人の母国に、隣国に留学していて、今日帰ってくる予定なのです!」
「?それがどうした」
「遠くからしか見たことがありませんが妹は、そっくりなんです!夫人に、、、お母様に!髪色も顔つきも!違うのは瞳の色ぐらいで」
「!お義母さま、お義父様、申し訳ありませんが今日の話し合いはまた後日にしてもよろしいですか?」
「え、えぇことがことだもの仕方ないわ。リンくん」
「は、はぃ」
どうすればいいのかオロオロしていると急にミリアに話しかけられる。
「幼かったことでもあなたがしたことは許されることじゃないわ」
「、、、はい」
「あなたが反省しているのもわかっているし、ユーストがあなたを許し、仲良くしたいというなら私は、私たちには止められないのよ。子供の成長を見守るのも親の勤めですもの。だから家を出る云々はもっと考えて、家族にも相談してから決めなさい」
ね、あなたっと隣のルイスに声をかける。不機嫌そうにあぁとだけ返しているが初めほど怖い印象はなかった。
「、、、あ、ぁりがとうございます」
何か言わないとと思うがうまく出てこなくただお礼を一言言うだけしかできなかった。
「とにかくまずはアルフォード公爵に会いにいかなければお前もこい」
「え、、、こ、公爵様に、、、」
「時間がない急ぐぞ、ユーストは、、、」
「僕もいくからね!だめって言われてもいくから!!」
「、、、わかった。無理だけはしないでくれ」
「うん!いこ!リンくん!!」
「、、、は、はい」
あれから、廊下でばったりあった時から父、公爵様にはあったことがない。遠目にや、窓からなら見たことがあるが、会えないかと聞いてもあの日から断り続けられていた。公爵様は俺の話を聞いてくれるのだろうか、、、。妹の身の危険があるのなら大丈夫かな。
不安な思いもあるが数年ぶりに会えると思うと少しだけ嬉しくも思うのだった。
▪️
▫️
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公爵は普段は王城で働いている。領地の管理だけでもいいのだが仕事人間であるので暇な時、とかほとんどを王城で金の管理や王様と話し合いをしたりなど色々としている。今日は父、ベルギアも会議のため王城に行くと言っていた。その会議に公爵がいないことはないだろう。国王陛下である叔父様もいるならちょうどいい。
王城につき、中にするりと入ることができた。
「今日は父様や公爵はもちろん、広大な領地を持つ貴族を集めた定期会議がある。普段なら近づくことはできないが、ことがことだからな申請など出している暇がない。強硬手段で行く」
「強硬手段?」
会議室に向かう途中で衛兵に止められる。
「フレイ様、申しわけありませんがこれより先は行くことはできません」
「そうか、一回の衛兵如きが王位継承者第2位である俺の歩みを止めるというのか?」
「そ、そういうわけではないのですが、しかし」
「俺は叔父様、国王陛下に用があるのだ、邪魔をするな。時間の無駄だ」
「も、申し訳ありません」
威圧的な態度に衛兵は頭を下げ道を通した。強硬手段とはこういうことか、、、。
「ここだな」
ノックを軽くし、中から入っていいと返事か来る。
扉を開けるとそこには数少ない公爵が皆集まり他にも高位貴族が長机を挟んで会議をしていた。急の訪問にするどい目線を向けているものがほとんどだ。
「何ようだ?お前がここにくるなど、やっと私の後を継いでくれる気になったのか?」
ピリピリする空気の中で王様が軽く冗談のようにフレイに声をかける。
「はは、叔父様、前も申しましたが私は王座に興味はありませんよ。それに今日は別のこと、とても重大なことについて話があります」
「重要なことか、、、それは後ろにいるアルフォード公爵の息子が関連しているのか?」
空気に押され震えていると急にこちらに多くの目が向けられ恐怖と緊張で気が遠くなりそうになる。
国王にももちろんユーストの話は届いていて、しかもユーストのことを国王は気に入っていて、いづれはフレイを国王にしユーストを王妃におこうと考えているくらいなのだ。
「ぁ、、、え、、、、」
「関連しているといえばそうですが、国家指名手配されているブラン・ニーウェルトの行方がわかったかもしれません」
「何」
いち早く反応したのは国王ではなくリンの父親であるグレイスだった。冷静でほとんどが無表情でいる公爵がありありと怒りの顔を晒していることに周りのものは若干とまどいが出る。だがブランがどんなものかはここにいるものなら誰でもが知っているのだ。
「どこにいる」
「ブラン・ニーウェルトは現在、アルフォード公爵家に執事としてまぎれているそうです」
そうフレイがいうと余計に周りは驚愕の表情を浮かべる。
それもそうだ外を警戒したとしてもうちにいたなら気づくはずがない。
「フレイ、なぜそう思った?」
「リンによるとブランは本名のままアルフォード家に来たそうです。身の回りの世話をするものを探していたところタイミングよく現れすぐにでも彼の身の回りの世話、家庭教師となり、周りの信頼を着々と得ていたのでしょう。これは私の予測なのですが、彼の目的はシリア・アルフォードだと思っています」
「シリアを?」
「はい、彼がアルフォード家に来たのはシリア・アルフォードが隣国に留学する二、三日前だそうです。ブランは着実にアルフォード家で地位を確立したのです。シリア様が帰ってきたとき周りに邪魔されることのないほどの信頼を」
「そうか、、、リン」
フレイの言葉に納得したのように頷くと公爵は次にリンに目線を向けた。
「は、はぃ、、、」
「、、、」
「、、、」
何も話さない侯爵にさらに何もいえなくなりどうすればいいのかわからずただただきまづい空気だけが流れる。
「はぁ、これだからお前はダメなのだ。仲直りするのはことが終わってからでいいだろう?いつまでもぐずぐずとお前の泣き酒に付き合ってるのも飽きたしな」
「、、、わかりました。できるだけの手だれを集めろ。できるだけすぐにだ。フィリアだけでなくシリアまでも、、、許すことはできない。それとリン」
「は、はい」
「、、、終わった後話がある。それまではユーストくんと王城で待っていなさい」
「、、、はい」
そう言って出て行く公爵になぜか涙が出そうになった。
(俺のことなんて嫌いなはずなのになんでそんな優しい顔をするの、、、お父様)
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