25 / 66
2章 懺悔と喜悦
12話
前とは時間が違うため道も少なからず変わっており、四苦八苦しながらも大神殿の裏までたどり着くことができ、そこからは記憶の中にある通りの道に出る事ができ安心して何とか先へ進んでいった。
「えっと、、、ここ、、、?あ、、、、こっち?、、、、!あった、、、、」
地面を探りながら進んでいく事数十分、ようやく地面にある小さな窪みの下に取手を見つけた。入り口の一つだろう。
一度深呼吸をし、覚悟をきめ中に入った。
中に入れば見慣れた道が広がる。数えるほどでも記憶力は多少いい方なのか自分がどこにいるのかはわかる。この時はまだそんなに仲間はいなかったはずだ。神を長らく捉え実験を繰り返したことで数年後には神の力を引き出すことに成功する。その力欲しさに援助する貴族や仲間が増えていき、おそらく今の何十倍もの規模になっていた。
「!」
人の気配がし、さっと物陰に隠れる。
「、、、だ、、、、よ」
「、、、あぁ、、、、る」
「だが、、、、子がいるだろう?」
「あぁ、だが子供は力が弱すぎてすぐに死んでしまう。三匹いたうちの二匹はもう死んじまった」
「っち、神獣のくせに弱すぎないか?母親なんて数年もしなかっただろう?」
「子を産み落としたあとだったからな。弱ってたんだろう?父親ももうあと数年と持たないだろうな、これ以上研究を遅らせるわけにもいかないし」
「だが全滅したら意味ないだろう?」
「あぁ、、、まぁその時は子をある程度育ててからしかないだろう?」
「それは、、、、」
息をとめ彼らが過ぎるのを待つ。彼らの話を聞く限りロウベリアンとその子はまだ生きている。母と幼い子を救えなかったことに胸がツキリと痛むがそんな沈んでいるわけにもいかない。おそらく彼らが来た先が研究室だろう。そこにロウベリアンたちがいるはずだ。
慎重に進んで、人がこれば積み重なった荷物の陰に隠れ先へと進む。今来れたのはよかった。研究資金があまりないため侵入者の対策が全くできていない。やってることは大それたことだが人がいない分、知っているものも少ない。他にバレるということがないせいでもあるが、、、。
「!」
通路からやっと大広間のような場所に出ることができた。
目の前にある大きな水槽の中には死んでいるかのように見える一体の獣。
本来ならその神々しさに足をつきたくなるはずの神力は一切なく事切れる寸前のようにとても弱々しい。
実験の休憩中なのか中には誰もいない。
「今しか、、、ろ、ロウベリアン様!ロウベリアン様!た、助けに参りました!」
今出せる最大音量で叫ぶと塞がっていた瞳がふるふると揺れゆっくりと開かれる。
「今、今しか、ありません!こ、ここから、ここから出ましょう!」
『、、、』
「い、今そこから出しますから!」
『、、、良い』
機会を弄り中から出そうとした時、とても澄んだ綺麗な音が脳内に広がる。
『我はもう長くはない、、、、どうか、、、我が子を頼む。我らの血を絶やすことは、、、モアナの死を、意味する』
「!で、でも、、、」
『もう、我には歩く力もない、、、子だけならば、、、ここから出られるであろう?子さえ、、、ここから離れれば、、、我は好きにできる。どうか、、、子を』
「!!、、、、っはい」
水槽から離れた檻の中にいるのはまだ神格化される前の幼獣だ。栄養が行き届いていないのかとても弱々しい。
「、、、っ」
なぜ前の自分はこんなことを容認し、一緒になって笑っていたのだろう。今ならこれがどんなに酷いことなのかよくわかる。瞳から何かこぼれ落ちそうになるのをグッと堪えロウベリアンとサイド向き直る。
『兄弟は死に、、、もう、その子だけ、、、どうか、どうかその子を、、、そなたに、任せたい、、、』
「、、、必ず、守ります」
『あぁ、頼む、、、さぁ、いくんだ、、、最後の力でこの場は消し去る、、、巻き添えになる前に、、、でろ』
「っ!?」
深く頭を下げ、来た道を戻る、人が来るかも知れないが慎重にそれでいて素早く元の場所に戻った。
急いで外に出ると結構な時間が経っていたのかもうすでに日がくれていた。
急いでもといた場所に戻らなければ、、、。
もう少しで教会の裏手につきそうになった時後ろから眩い光が噴き出す。
目も開けられないほどの光とそのエネルギーに意識が途切れそうになる時、誰かのありがとうという声が耳元で囁かれた。
「えっと、、、ここ、、、?あ、、、、こっち?、、、、!あった、、、、」
地面を探りながら進んでいく事数十分、ようやく地面にある小さな窪みの下に取手を見つけた。入り口の一つだろう。
一度深呼吸をし、覚悟をきめ中に入った。
中に入れば見慣れた道が広がる。数えるほどでも記憶力は多少いい方なのか自分がどこにいるのかはわかる。この時はまだそんなに仲間はいなかったはずだ。神を長らく捉え実験を繰り返したことで数年後には神の力を引き出すことに成功する。その力欲しさに援助する貴族や仲間が増えていき、おそらく今の何十倍もの規模になっていた。
「!」
人の気配がし、さっと物陰に隠れる。
「、、、だ、、、、よ」
「、、、あぁ、、、、る」
「だが、、、、子がいるだろう?」
「あぁ、だが子供は力が弱すぎてすぐに死んでしまう。三匹いたうちの二匹はもう死んじまった」
「っち、神獣のくせに弱すぎないか?母親なんて数年もしなかっただろう?」
「子を産み落としたあとだったからな。弱ってたんだろう?父親ももうあと数年と持たないだろうな、これ以上研究を遅らせるわけにもいかないし」
「だが全滅したら意味ないだろう?」
「あぁ、、、まぁその時は子をある程度育ててからしかないだろう?」
「それは、、、、」
息をとめ彼らが過ぎるのを待つ。彼らの話を聞く限りロウベリアンとその子はまだ生きている。母と幼い子を救えなかったことに胸がツキリと痛むがそんな沈んでいるわけにもいかない。おそらく彼らが来た先が研究室だろう。そこにロウベリアンたちがいるはずだ。
慎重に進んで、人がこれば積み重なった荷物の陰に隠れ先へと進む。今来れたのはよかった。研究資金があまりないため侵入者の対策が全くできていない。やってることは大それたことだが人がいない分、知っているものも少ない。他にバレるということがないせいでもあるが、、、。
「!」
通路からやっと大広間のような場所に出ることができた。
目の前にある大きな水槽の中には死んでいるかのように見える一体の獣。
本来ならその神々しさに足をつきたくなるはずの神力は一切なく事切れる寸前のようにとても弱々しい。
実験の休憩中なのか中には誰もいない。
「今しか、、、ろ、ロウベリアン様!ロウベリアン様!た、助けに参りました!」
今出せる最大音量で叫ぶと塞がっていた瞳がふるふると揺れゆっくりと開かれる。
「今、今しか、ありません!こ、ここから、ここから出ましょう!」
『、、、』
「い、今そこから出しますから!」
『、、、良い』
機会を弄り中から出そうとした時、とても澄んだ綺麗な音が脳内に広がる。
『我はもう長くはない、、、、どうか、、、我が子を頼む。我らの血を絶やすことは、、、モアナの死を、意味する』
「!で、でも、、、」
『もう、我には歩く力もない、、、子だけならば、、、ここから出られるであろう?子さえ、、、ここから離れれば、、、我は好きにできる。どうか、、、子を』
「!!、、、、っはい」
水槽から離れた檻の中にいるのはまだ神格化される前の幼獣だ。栄養が行き届いていないのかとても弱々しい。
「、、、っ」
なぜ前の自分はこんなことを容認し、一緒になって笑っていたのだろう。今ならこれがどんなに酷いことなのかよくわかる。瞳から何かこぼれ落ちそうになるのをグッと堪えロウベリアンとサイド向き直る。
『兄弟は死に、、、もう、その子だけ、、、どうか、どうかその子を、、、そなたに、任せたい、、、』
「、、、必ず、守ります」
『あぁ、頼む、、、さぁ、いくんだ、、、最後の力でこの場は消し去る、、、巻き添えになる前に、、、でろ』
「っ!?」
深く頭を下げ、来た道を戻る、人が来るかも知れないが慎重にそれでいて素早く元の場所に戻った。
急いで外に出ると結構な時間が経っていたのかもうすでに日がくれていた。
急いでもといた場所に戻らなければ、、、。
もう少しで教会の裏手につきそうになった時後ろから眩い光が噴き出す。
目も開けられないほどの光とそのエネルギーに意識が途切れそうになる時、誰かのありがとうという声が耳元で囁かれた。
あなたにおすすめの小説
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。
月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」
幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。
「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」
何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。
「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」
そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。
僕、殿下に嫌われちゃったの?
実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。
当て馬に転生した俺、メインヒーローに懐かれすぎて物語が崩壊しています ~最強の騎士様、俺じゃなくてヒロインを追いかけてください!~
たら昆布
BL
処刑される元貴族に転生していたので婚約破棄して雑用係になった話
不器量令嬢は、婚約破棄の断罪が面倒くさい
あんど もあ
ファンタジー
不器量なマルグリットは、婚約者の美しい第一王子からずっと容姿を貶められる日々。とうとう王立学園の卒業パーティーで王子に婚約破棄を宣言され、「王子から解放される! それいいかも!」となったが、続く断罪が面倒くさくて他の人に丸投げする事にする。
繋ぎの婚約を契約通り解消しようとしたら、王宮に溺愛軟禁されました
こたま
BL
エレンは子爵家のオメガ令息として産まれた。年上のアルファの王子殿下と年齢が釣り合うオメガ令息が少なく、他国との縁組も纏まらないため家格は低いが繋ぎとして一応婚約をしている。王子のことは兄のように慕っており、初恋の人ではあるけれど、契約終了時期か王子に想い人が現れた時には解消されるものと考えていた。ところが婚約解消時期の直前に王子宮に軟禁された。結婚を承諾するまでここから出さないと王子から溢れるほどの愛を与えられる。ハッピーエンドオメガバースBLです。毎日18時50分公開予定です