巻き戻った王子は幸せを掴む【三章完結】

そろふぃ

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2章 懺悔と喜悦

12話 

前とは時間が違うため道も少なからず変わっており、四苦八苦しながらも大神殿の裏までたどり着くことができ、そこからは記憶の中にある通りの道に出る事ができ安心して何とか先へ進んでいった。

「えっと、、、ここ、、、?あ、、、、こっち?、、、、!あった、、、、」

地面を探りながら進んでいく事数十分、ようやく地面にある小さな窪みの下に取手を見つけた。入り口の一つだろう。
一度深呼吸をし、覚悟をきめ中に入った。

中に入れば見慣れた道が広がる。数えるほどでも記憶力は多少いい方なのか自分がどこにいるのかはわかる。この時はまだそんなに仲間はいなかったはずだ。神を長らく捉え実験を繰り返したことで数年後には神の力を引き出すことに成功する。その力欲しさに援助する貴族や仲間が増えていき、おそらく今の何十倍もの規模になっていた。

「!」

人の気配がし、さっと物陰に隠れる。

「、、、だ、、、、よ」

「、、、あぁ、、、、る」

「だが、、、、子がいるだろう?」

「あぁ、だが子供は力が弱すぎてすぐに死んでしまう。三匹いたうちの二匹はもう死んじまった」

「っち、神獣のくせに弱すぎないか?母親なんて数年もしなかっただろう?」

「子を産み落としたあとだったからな。弱ってたんだろう?父親ももうあと数年と持たないだろうな、これ以上研究を遅らせるわけにもいかないし」

「だが全滅したら意味ないだろう?」

「あぁ、、、まぁその時は子をある程度育ててからしかないだろう?」

「それは、、、、」

息をとめ彼らが過ぎるのを待つ。彼らの話を聞く限りロウベリアンとその子はまだ生きている。母と幼い子を救えなかったことに胸がツキリと痛むがそんな沈んでいるわけにもいかない。おそらく彼らが来た先が研究室だろう。そこにロウベリアンたちがいるはずだ。

慎重に進んで、人がこれば積み重なった荷物の陰に隠れ先へと進む。今来れたのはよかった。研究資金があまりないため侵入者の対策が全くできていない。やってることは大それたことだが人がいない分、知っているものも少ない。他にバレるということがないせいでもあるが、、、。

「!」

通路からやっと大広間のような場所に出ることができた。
目の前にある大きな水槽の中には死んでいるかのように見える一体の獣。
本来ならその神々しさに足をつきたくなるはずの神力は一切なく事切れる寸前のようにとても弱々しい。

実験の休憩中なのか中には誰もいない。

「今しか、、、ろ、ロウベリアン様!ロウベリアン様!た、助けに参りました!」

今出せる最大音量で叫ぶと塞がっていた瞳がふるふると揺れゆっくりと開かれる。

「今、今しか、ありません!こ、ここから、ここから出ましょう!」

『、、、』

「い、今そこから出しますから!」

『、、、良い』

機会を弄り中から出そうとした時、とても澄んだ綺麗な音が脳内に広がる。

『我はもう長くはない、、、、どうか、、、我が子を頼む。我らの血を絶やすことは、、、モアナの死を、意味する』

「!で、でも、、、」

『もう、我には歩く力もない、、、子だけならば、、、ここから出られるであろう?子さえ、、、ここから離れれば、、、我は好きにできる。どうか、、、子を』

「!!、、、、っはい」

水槽から離れた檻の中にいるのはまだ神格化される前の幼獣だ。栄養が行き届いていないのかとても弱々しい。

「、、、っ」

なぜ前の自分はこんなことを容認し、一緒になって笑っていたのだろう。今ならこれがどんなに酷いことなのかよくわかる。瞳から何かこぼれ落ちそうになるのをグッと堪えロウベリアンとサイド向き直る。

『兄弟は死に、、、もう、その子だけ、、、どうか、どうかその子を、、、そなたに、任せたい、、、』

「、、、必ず、守ります」

『あぁ、頼む、、、さぁ、いくんだ、、、最後の力でこの場は消し去る、、、巻き添えになる前に、、、でろ』

「っ!?」

深く頭を下げ、来た道を戻る、人が来るかも知れないが慎重にそれでいて素早く元の場所に戻った。
急いで外に出ると結構な時間が経っていたのかもうすでに日がくれていた。

急いでもといた場所に戻らなければ、、、。
もう少しで教会の裏手につきそうになった時後ろから眩い光が噴き出す。

目も開けられないほどの光とそのエネルギーに意識が途切れそうになる時、誰かのありがとうという声が耳元で囁かれた。
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