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3章 不識と無情
2話
陛下と話して次の日から兄弟の行なっている仕事に同伴することとなった。まずは弟のルディアンのところに赴くことにした。今は戦争などはなく、彼ら国家所属の騎士団が赴くようなことは魔物討伐や盗賊などのギルドの負えない問題、国として看過できない問題の時に彼らは動く。今はそんなことは一切ないので基本的に今は訓練をしている。
目の前で行われていることに驚いて腰を抜かしそうになる。音は聞こえるが剣の筋が見えないのだ。たまたま到着した時にルディアンが決闘をするときでそれはもう凄すぎて固まってしまった。
「、、、」
彼は自分と同い年だというのにこれほどまでに強いのか、戦闘スキルのセンスが高すぎる。彼の戦いはまじかで見ることはなかったがこれほどまでとは思わなかった。
そして最後の最後でルディアンが相手の剣を跳ね、首に剣を添えたことで決着がついた。
「そこまで勝者、ルディアン!」
「かぁ!負けちまった!」
「はっ!これで102敗105連勝、また俺の勝ち越しだな!」
「見てろよ!次は俺が勝つからな!!」
言い合う彼らはまさしく友のようだ。ただルディアンの相手をしていた男性がどこか見たことがある気がするのだがどうにも思い出せない。確かに見覚えがある気がするんだが、彼は誰だったか、、、。
「叔父様」
「ん?どうしました?」
他の人がいるということで口調は丁寧だが何というか顔が緩くなっている。
デレデレとした顔にはもう慣れたがどうにもすぐにそばを離れたくなるこの感覚は一体なんなんだろうか。
「あの、ルディアンと戦っていたのって、、、」
「あぁ、彼ですか?彼は強いですよ。フランたちよりも歳は2つほど上ですがルディアン様に負けず劣らずといったところですね、確か名前は、、、あぁ、そう、カロルです。平民なので苗字はありませんが」
「!」
カロル、それはいずれ『勇者』の称号を得るはずの男の名前だった。生まれた頃より神に愛され潜在能力を秘めていた彼は、覚醒した後誰よりも強く何多くの脅威である魔獣を倒した男だ。詳しいことは知らせれなかったため知らないことになっているがフラン自身魔王軍に情報を流してしまったという罪があるため多少詳しくはあるのだ。
「あの人が、、、」
あの地下牢で、少しだけ憧れたのが彼だった。アスセーナを倒した後も凶悪な魔物を相手に怯むことなく挑み倒しており、国全体が彼を讃えていた。自分のところに来る者たちがこぞって語る彼はまさに勇者そのもので身の程知らずといえど憧れるには十分なほどだった。それに彼が活躍する時は必ずといっていいほど拷問がなくなるのだ。祝いだからだとその日の祝辞が少しだが豪華になる時もあったほどに、そんな彼に憧れるなというほうがおかしいだろう。
「、、、フラン?」
「あ?おまっ、なんでここに」
そこでようやくフランらがここにきたことに気づいたのか驚いたようにしていた。陛下から話を聞いていなかったのだろうか。
「あれが、、、」
「あぁ、髪の色も黒いし」
「あぁ」
ヒソヒソと怪しむようにられるが仕方のないことだ気にしてもダメだろう。
「なんでお前が訓練場に来るんだよ」
「?父上から話を聞いてない?」
「話?、、、なんか聞いた気がするが、、、忘れた!」
「え」
陛下である父の言葉をそんなあっさりと忘れてもいいのだろうか、、、。
「見学をしにきた。これからのために」
「、、、あっそう。見るのは勝手だけど邪魔はすんなよ」
「うん」
「、、、っち。おい、誰か椅子持ってこい!」
「は、はい!!」
「?」
あれよあれよというまに安全地帯にはフラン専用の見学場所が出来上がっていた。フランは柔らかい椅子に座り、膝の上にはレイがいて横にはピエールがいる。こんな至れり尽くせりでいいのだろうか、一応フラン自身はこれからのことを決めるためにここにいるというのに。
「、、、」
「気にしなくても大丈夫だと思いますよ。ルディアン様は不器用な子ですから、兄君が初めて訓練を見にきてくれて嬉しいのでしょう」
「、、、そういうもの?」
「えぇ、私だったら嬉しすぎて天に召されます」
「、、、それは、、、だめ」
「グッ、マジテンシ、、、」
「?」
うずくまったピエールにはもう慣れてしまってこのような状態になった時は気にしないのが一番なのだと学んだ。心配すればするほど悪化するからだ。陛下は一種の病気と言っていたがそんな病気は聞いたこともなかったのでまさに難病なのだろう。
じっと訓練する彼らを見ているがどの人たちもとても強いことがわかる。ルディアンとカロルだけじゃなく他のものらもとても優秀なのだろう。
「フラン王子」
「!」
横から声をかけられ少し驚きつつも横を見ると身長2mはありそうな大男が立っていた。
「ご挨拶が遅れて申し訳ない。私はこの騎士団の団長であるゲイル・トリアーザと申します。こいつが陛下のお言葉を忘れていなければもっと良い対応ができたのですが、、、」
「、、、いえ、今は勉強のためにここにいる、だから気にしなくていい」
「、、、そうですか。フラン様、あなた様から見ました騎士団はどうでしょう?」
固かった雰囲気が少し柔らかくなった様に感じがするがどうにも背と顔の圧に気押されてしまいそうになる。一定の距離感があるからいいがそれ以上近寄られると体が震えてしまいそうだった。それに加え、訓練していたであろう人たちもちらちらとこっちを見ていてなんとも気まづい。
「、、、えっと、か」
「か?」
「か、かこいいと、思う」
そう伝えた瞬間の二人の惚けたような顔に何か間違えてしまったのかと怖くなる。
「、、、ふっふふあははは!そうですか!かっこいいですか!それはなんともやる気の出るような褒め言葉ですね!」
「たくっ」
「お前ら聞いたか!第三王子であるフラン様がかっこいいと言ってくださったんだ怠けた姿を見せるんじゃねぇぞ!!」
「「「はい!!」」」
「では私たちも訓練に戻ります。ルディアンは俺が相手してやる」
「は!!?なんでこいつがいる時に限って!!」
「忘れた罰だ」
嘆きながら訓練場に戻っていく二人を茫然と見つめつつそっと横にいるピエールに問いかけた。
「俺何か変なこと言った?」
「いいえ?とてもいい激励になったと思います。ちょっと変な虫が来そうで厄介ではありますが」
「?」
目の前で行われていることに驚いて腰を抜かしそうになる。音は聞こえるが剣の筋が見えないのだ。たまたま到着した時にルディアンが決闘をするときでそれはもう凄すぎて固まってしまった。
「、、、」
彼は自分と同い年だというのにこれほどまでに強いのか、戦闘スキルのセンスが高すぎる。彼の戦いはまじかで見ることはなかったがこれほどまでとは思わなかった。
そして最後の最後でルディアンが相手の剣を跳ね、首に剣を添えたことで決着がついた。
「そこまで勝者、ルディアン!」
「かぁ!負けちまった!」
「はっ!これで102敗105連勝、また俺の勝ち越しだな!」
「見てろよ!次は俺が勝つからな!!」
言い合う彼らはまさしく友のようだ。ただルディアンの相手をしていた男性がどこか見たことがある気がするのだがどうにも思い出せない。確かに見覚えがある気がするんだが、彼は誰だったか、、、。
「叔父様」
「ん?どうしました?」
他の人がいるということで口調は丁寧だが何というか顔が緩くなっている。
デレデレとした顔にはもう慣れたがどうにもすぐにそばを離れたくなるこの感覚は一体なんなんだろうか。
「あの、ルディアンと戦っていたのって、、、」
「あぁ、彼ですか?彼は強いですよ。フランたちよりも歳は2つほど上ですがルディアン様に負けず劣らずといったところですね、確か名前は、、、あぁ、そう、カロルです。平民なので苗字はありませんが」
「!」
カロル、それはいずれ『勇者』の称号を得るはずの男の名前だった。生まれた頃より神に愛され潜在能力を秘めていた彼は、覚醒した後誰よりも強く何多くの脅威である魔獣を倒した男だ。詳しいことは知らせれなかったため知らないことになっているがフラン自身魔王軍に情報を流してしまったという罪があるため多少詳しくはあるのだ。
「あの人が、、、」
あの地下牢で、少しだけ憧れたのが彼だった。アスセーナを倒した後も凶悪な魔物を相手に怯むことなく挑み倒しており、国全体が彼を讃えていた。自分のところに来る者たちがこぞって語る彼はまさに勇者そのもので身の程知らずといえど憧れるには十分なほどだった。それに彼が活躍する時は必ずといっていいほど拷問がなくなるのだ。祝いだからだとその日の祝辞が少しだが豪華になる時もあったほどに、そんな彼に憧れるなというほうがおかしいだろう。
「、、、フラン?」
「あ?おまっ、なんでここに」
そこでようやくフランらがここにきたことに気づいたのか驚いたようにしていた。陛下から話を聞いていなかったのだろうか。
「あれが、、、」
「あぁ、髪の色も黒いし」
「あぁ」
ヒソヒソと怪しむようにられるが仕方のないことだ気にしてもダメだろう。
「なんでお前が訓練場に来るんだよ」
「?父上から話を聞いてない?」
「話?、、、なんか聞いた気がするが、、、忘れた!」
「え」
陛下である父の言葉をそんなあっさりと忘れてもいいのだろうか、、、。
「見学をしにきた。これからのために」
「、、、あっそう。見るのは勝手だけど邪魔はすんなよ」
「うん」
「、、、っち。おい、誰か椅子持ってこい!」
「は、はい!!」
「?」
あれよあれよというまに安全地帯にはフラン専用の見学場所が出来上がっていた。フランは柔らかい椅子に座り、膝の上にはレイがいて横にはピエールがいる。こんな至れり尽くせりでいいのだろうか、一応フラン自身はこれからのことを決めるためにここにいるというのに。
「、、、」
「気にしなくても大丈夫だと思いますよ。ルディアン様は不器用な子ですから、兄君が初めて訓練を見にきてくれて嬉しいのでしょう」
「、、、そういうもの?」
「えぇ、私だったら嬉しすぎて天に召されます」
「、、、それは、、、だめ」
「グッ、マジテンシ、、、」
「?」
うずくまったピエールにはもう慣れてしまってこのような状態になった時は気にしないのが一番なのだと学んだ。心配すればするほど悪化するからだ。陛下は一種の病気と言っていたがそんな病気は聞いたこともなかったのでまさに難病なのだろう。
じっと訓練する彼らを見ているがどの人たちもとても強いことがわかる。ルディアンとカロルだけじゃなく他のものらもとても優秀なのだろう。
「フラン王子」
「!」
横から声をかけられ少し驚きつつも横を見ると身長2mはありそうな大男が立っていた。
「ご挨拶が遅れて申し訳ない。私はこの騎士団の団長であるゲイル・トリアーザと申します。こいつが陛下のお言葉を忘れていなければもっと良い対応ができたのですが、、、」
「、、、いえ、今は勉強のためにここにいる、だから気にしなくていい」
「、、、そうですか。フラン様、あなた様から見ました騎士団はどうでしょう?」
固かった雰囲気が少し柔らかくなった様に感じがするがどうにも背と顔の圧に気押されてしまいそうになる。一定の距離感があるからいいがそれ以上近寄られると体が震えてしまいそうだった。それに加え、訓練していたであろう人たちもちらちらとこっちを見ていてなんとも気まづい。
「、、、えっと、か」
「か?」
「か、かこいいと、思う」
そう伝えた瞬間の二人の惚けたような顔に何か間違えてしまったのかと怖くなる。
「、、、ふっふふあははは!そうですか!かっこいいですか!それはなんともやる気の出るような褒め言葉ですね!」
「たくっ」
「お前ら聞いたか!第三王子であるフラン様がかっこいいと言ってくださったんだ怠けた姿を見せるんじゃねぇぞ!!」
「「「はい!!」」」
「では私たちも訓練に戻ります。ルディアンは俺が相手してやる」
「は!!?なんでこいつがいる時に限って!!」
「忘れた罰だ」
嘆きながら訓練場に戻っていく二人を茫然と見つめつつそっと横にいるピエールに問いかけた。
「俺何か変なこと言った?」
「いいえ?とてもいい激励になったと思います。ちょっと変な虫が来そうで厄介ではありますが」
「?」
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