巻き戻った王子は幸せを掴む【三章完結】

そろふぃ

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4章 惆悵と本懐

2話 

「なぜ?簡単だ。俺もお前と同じ、、、未来から戻ったものだからだ」

「、、、」

彼の言ったことが全く頭に入ってこない。彼も自分と同じで未来から戻ってきた?それなら確かに神様と話したということは信じられる話だ。だがそれは、つまり未来の戦いをすでに彼らは知っているといことだ。そんなのこちらに勝ち目はあるのだろうか。
彼の言葉に青くなっているとそれを見た彼はフッと微笑を漏らした。

「お前はすぐに顔に出るな。お前の危惧していることはない。未来のことは誰にも話していない。私は最近思い出したのだ」

「、、、それと、、、お、俺を連れてきた関係は何」

「お前の弟に殺されたあと、私の魂は神の元へと送られた。その際に魂は浄化され元の意識を戻すことができた」

「、、、元の意識?」

「あぁ、俺は元々人間を滅ぼしたいなど思っていない。する理由もない。あったこともない父親のためになぜそんなめんどくさいことをしなければいけない」

そうため息をつきながら漏らす表情に嘘はなさそうだ。

「だ、だけどじゃあ、なんでこの国を、、、」

「言っただろう最近思い出したと、思い出した時にはすでにこの国を落としていたのだ。記憶よりも早かったが、例の神獣が手に入らなかったなら納得する」

「神獣?それって、、、」

「あぁ、お前が助け出した神獣だ。未来ではあれの力を私が吸収する予定だった。全て吸収するのに数年かかっていた。それがなくなったんだ。侵攻が早まってもおかしくはないだろう」

未来での出来事でそんなことになっていたとは全く知らなかった。詳しい話は聞かせてもらえなかった。まさか、ここにつながっていたとは思わなかった。それに、神獣の力を吸収に数年使っていたということは、、、。

「神獣の力、、、!、、、」

「もしかして、自分のせいだとか思っていないか」

「!」

「確かにお前が神獣を救わずにいれば我々がここにいることはなかった。しかし、どのみちこの国へ侵攻をするのに変わりはない。神獣の力がない今、未来より力は半減いやそれ以上に弱い、ならば神獣の力を持たない今の魔族と戦う方がよりいいだろう。今の時期だと、勇者もあの小うるさいガキも覚醒はしていないだろう」

確かに彼の言うことも一理あるだろうがそれでもフランには自分の行動がこう言う事態を及ぼしてしまったと言うことには暗い気持ちになるしかない。確かに前のかれの力はとても強かった。今となっては神獣の力を持っていると言われれば納得するが、前は勇者と第四王子であるルディアン、そしてアレリア国兵士や同盟国の兵士らと多くの隊士が戦い、また多くの犠牲を彼らによってもたらされたのだ。

「、、、」

「まぁ、未来の記憶など今はどうでもいい。ここまできて仕舞えば当てにもならんしな。本題に入ろう」

「、、、本題?」

「あぁ、先ほども言ったが私は人間に対して憎しみを持ったことはない、そして滅ぼしたいともな」

「!、、、信じ、られない。前、あんなにも殺して、おいて、、、」

「私とて、やりたくてやっていたわけじゃない。私は基本めんどくさいことは嫌いなんだ。私の後ろには更なる黒幕がいる」

「黒幕?」

「あぁ、前魔王の側近にして今は、魔界の最高幹部の一人であるアバドン・トレイターだ。彼の呪術によって人間に対する憎しみを植え付けられ、日に日に憎しみが増すように呪いをかけられていた」

「!?」

呪術 、呪い、確かに存在する。だがそれは呪いをかける術者に大きな負荷をかかるもので誰も使いこなそうとする前にその危険性から使うのをやめてしまうという、ある意味で禁忌魔法に等しいものだ。魔法とは違う別次元の力。今の人間にそれを使えるものはいないだろう。だけど魔族であればその力を使いこなせるのも無理ではないかもしれない。元々呪いという力は魔族から人間側に伝えられたものなのだから、、、。

「ど、どうしてそんな、、、」

「あいつは欲深い魔族なんだろう。王の側近でありながら王を妬み堕としたのに関わらず、自分がその地位につけないとわかるとその原因となった人族を滅ぼそうと考えているのだからな」

「!」

前の魔王の側近であった頃から裏切っていた。高い地位にいるだろうにそれでは我慢できないのかと思わなくもないがフランも昔は地位、権力に溺れていたのだからわからなくもない。今となってはそんな気さらさらないが、、、。

「力はそう強くない。純粋な戦いであれば私は負けないがあいつはどうにも呪い方面の力が強すぎる。人間界で暮らしていた私には抗えぬ力だ」

「そ、そんな、、、」

「いつまたやつの呪いに精神が乗っ取られるかわからない。今かもしれない明日かもまだ1週間はある可能性もある。不確かなことだ。その前にお前には今の状況を国に伝え戦いに向けて備えてほしい」

「戦い、、、」

「あぁ、この国はほぼ制圧したようなものだ。次の標的はお前たちの国だからな」

「!?」

「魔界の連絡手段ぐらい持ってるんだろう?魔王を呼び出してどうにかアバドンを抑えて欲しい。あいつさえ滅ぼせば俺は止まる。ここにいる魔族たちのほとんどは俺の服従のもとここにいる、俺が命令をすれば嫌でも俺のいうことを聞くはずだ」

「、、、」

そんな大役を自分なんかができるのか不安になる。自分の話を聞いてくれるとは思うがそれと真実かどうかは別じゃないだろうか。

「こんな不毛な争いは終わらせたいだろう?」

「っ!」

そうだ、不毛な争い、両者共に望んでいない戦いを一人の魔族によってもたらされてしまった争い。

「、、、俺にできることがあるなら、、、」


「あぁ、お前にしかできないことだ」

逃げない。逃げたくない。ここで臆病になってしまったらせっかくのチャンスが台無しのなってしまう。

絶対にやり遂げて、こんな争いを終わらせなくては。

「では私はまだやることがある。お前たちを逃すにしても色々とタイミングがある。その時になったら伝える」

「あ、、、」

「なんだ?」

「その、、、、名前」

「、、、あぁ、そういえば名乗ったことなかったな。アスセーナだ。これからよろしく頼む」
 
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