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4章 惆悵と本懐
7話
数時間後フランはロイドに起こされ、寝ぼけていた頭を必死に覚まさせそそくさと音を立てないように宿を出発した。
「まずはここから一番近い町に向かう。数日かかるから適度に休憩していくが疲れたらすぐに言ってくれ」
「うん」
馬に直で乗るということはなかったから少しドキドキしながらロイドの前に跨った。
基本移動する時は馬車に乗っていたから直に馬に乗るのは初めてだ。
外道は通らず少し道は荒いが森の中から向かった。追手に見つかったとしても身を隠す場所が会った方がいいだろうというロイドの考えだ。まさにその通りで、多少小動物がいるぐらいでまだ、魔物にも人にもあっていない。
国内で起こっていることがまだ広まっていない以上、誰かと会うのではとも思ったがだからこそ皆、整備されている道を通るからばったり会うことはないのだそうだ。
「、、、ラン、少し聞きたいことがあるんだが、、、いいか?」
「?ん?何?」
「、、、本当なら俺でなく陛下方が聞くのが正しいとはわかっているんだが、無事帰れるかわからない以上悩みは無くしたいと思ったんだが、、、」
後ろを見れない以上ロイドの表情はわからないが、何やら緊張しているようで、体が少し強張っているようだった。基本的に微動だにしないロイドがここまで緊張することは一体なんなのだろうか、、、。
「な、なに?」
「、、、あなたは、、、本当にフラン王子なのか?」
「!!」
「私とて、噂は聞いたことある。そしてどれが事実でどれが拡張された噂なのかもわかっているつもりだ。皇太子殿下とは少し交流が会った。その時、あなたのことも少し聞いていた。あなたは変わりすぎた。反省したとしてもそこまで変わるのはおかしい、異常なほど、もしくはあなたはあなたじゃないという可能性も会った。陛下らはそれが恐ろしく聞くに聞けないようだった。見た目そのものはフラン様のようだが、中身が変わっているようだ、、、」
「、、、」
なにも言葉を発さないフランに急に距離を詰めすぎたかと焦るロイドだったが、フランは逆に驚いていた。正体がバレたことにじゃない、バレかけているというのに焦りが恐怖がないことにだ。バレたら、未来の出来事がバレてしまってはもう生きていけないのではないかと恐れていた。でも今、この時、ロイドに聞かれて驚きはあったものの恐怖は湧かなかった。
「、、、夢を、、、みた」
「!、、、夢?」
聞き返された言葉に小さく頷いて手綱を掴むロイドの手にそっと自分の手を重ねた。自分に、この人は大丈夫だと言い聞かせるように、、、。
「辛くて、痛くて、悔しくて、何もかも諦めてしまいたいけどできなくて、、、、最後には死んじゃう、、、そんな夢」
「、、、、」
「でも、最後になにもない俺に、与えてくれた人がいた。生きていくための理由をくれた。だから、、、」
今、生きていいと自分でもそう思えた。
「、、、、」
フランの言葉に何か返すわけでもなく黙って話を聞いて、ロイドは「そうか」とだけつぶやいて黙ってしまった。意味のわからないはずの言葉になにも聞かずただ、町につくまでなにも聞かずいつも通りに、けれどずっとそばで優しく寄り添ってくれた。そんなロイドに心が温かく、満たされていくようだった。
「まずはここから一番近い町に向かう。数日かかるから適度に休憩していくが疲れたらすぐに言ってくれ」
「うん」
馬に直で乗るということはなかったから少しドキドキしながらロイドの前に跨った。
基本移動する時は馬車に乗っていたから直に馬に乗るのは初めてだ。
外道は通らず少し道は荒いが森の中から向かった。追手に見つかったとしても身を隠す場所が会った方がいいだろうというロイドの考えだ。まさにその通りで、多少小動物がいるぐらいでまだ、魔物にも人にもあっていない。
国内で起こっていることがまだ広まっていない以上、誰かと会うのではとも思ったがだからこそ皆、整備されている道を通るからばったり会うことはないのだそうだ。
「、、、ラン、少し聞きたいことがあるんだが、、、いいか?」
「?ん?何?」
「、、、本当なら俺でなく陛下方が聞くのが正しいとはわかっているんだが、無事帰れるかわからない以上悩みは無くしたいと思ったんだが、、、」
後ろを見れない以上ロイドの表情はわからないが、何やら緊張しているようで、体が少し強張っているようだった。基本的に微動だにしないロイドがここまで緊張することは一体なんなのだろうか、、、。
「な、なに?」
「、、、あなたは、、、本当にフラン王子なのか?」
「!!」
「私とて、噂は聞いたことある。そしてどれが事実でどれが拡張された噂なのかもわかっているつもりだ。皇太子殿下とは少し交流が会った。その時、あなたのことも少し聞いていた。あなたは変わりすぎた。反省したとしてもそこまで変わるのはおかしい、異常なほど、もしくはあなたはあなたじゃないという可能性も会った。陛下らはそれが恐ろしく聞くに聞けないようだった。見た目そのものはフラン様のようだが、中身が変わっているようだ、、、」
「、、、」
なにも言葉を発さないフランに急に距離を詰めすぎたかと焦るロイドだったが、フランは逆に驚いていた。正体がバレたことにじゃない、バレかけているというのに焦りが恐怖がないことにだ。バレたら、未来の出来事がバレてしまってはもう生きていけないのではないかと恐れていた。でも今、この時、ロイドに聞かれて驚きはあったものの恐怖は湧かなかった。
「、、、夢を、、、みた」
「!、、、夢?」
聞き返された言葉に小さく頷いて手綱を掴むロイドの手にそっと自分の手を重ねた。自分に、この人は大丈夫だと言い聞かせるように、、、。
「辛くて、痛くて、悔しくて、何もかも諦めてしまいたいけどできなくて、、、、最後には死んじゃう、、、そんな夢」
「、、、、」
「でも、最後になにもない俺に、与えてくれた人がいた。生きていくための理由をくれた。だから、、、」
今、生きていいと自分でもそう思えた。
「、、、、」
フランの言葉に何か返すわけでもなく黙って話を聞いて、ロイドは「そうか」とだけつぶやいて黙ってしまった。意味のわからないはずの言葉になにも聞かずただ、町につくまでなにも聞かずいつも通りに、けれどずっとそばで優しく寄り添ってくれた。そんなロイドに心が温かく、満たされていくようだった。
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