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五冊目 恋愛相談には危険がいっぱい!? ~えっちな先生いかがですか
……⑧ ♡
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気付けば、晴樹が保と電話している声が聴こえる。今から迎えに来るらしい。晴樹は病院のロビーにいることを伝えつつ、嬉しそうに受話器越しの会話を続けている。その間、光の意識は半分以上薄れていた。
(ダメだ……眠い……)
学校にいれば、だいたいこの時間は机に突っ伏して寝ている時間だ。
午後の陽射しがほどよく注がれる大きな窓辺。となりには布団のように暖かい人肌があって、光の身体を優しく包み込んでくれる。すっかり秋めいて半袖一枚では厳しい気候になったせいか、この若干暑いくらいの温もりがちょうどいい。睡魔に逆らえないまま、光は重い瞼を落とした。
「あーあ。無防備な上に、物欲しげな顔しちゃって。これは保が過保護になるのもわかる。マジで美味そうな子」
そんな声が耳元で聴こえてきたが、思考の停止した夢うつつの光には毎日聞き慣れた大好きな声色へと変化していく。
――うまそう……?
うん、食べていいよ。俺も……作ったご飯も……ぜんぶ、お前の……だから――。
「じゃあ遠慮なく」
その唇が他人に奪われていることにも気づかないまま、光はしばらく夢の世界に潜り込んでいた。
**
覚醒した時、光の身体には本物の布団がかけられていた。いや、正確にいうとシーツの上に転がっているだけで、掛布団は足元に追いやられている。
上から覆いかぶさり、Tシャツを捲りあげながら己の乳首を舐める男を見た瞬間、光は驚き身を捩った。
「――っ⁉」
「あ、起きた? おはよう、美少年。可愛い寝顔とえっちなお汁、ごちそう様」
「……え……何、が……?」
寝ころがる自分を上から見下ろす男――晴樹は、布一枚纏わぬ上半身の綺麗な筋肉を見せつけながらにっこり笑った。その口元からは、確かに香る青臭い男の匂い。
「この前のお詫びにご奉仕するって言っただろ? 君、抱いてほしそうな顔してたから」
「……っそ……そんな顔、してないっ」
まさかもう、寝ている間に?
恐る恐る自分の下半身に手をやると、履いていたはずのジーンズも下着もなにもない。生まれたての姿で、おまけに雄の象徴はしっかり上向きにひん剥かれていた。その身は異様に濡れている。
「ここは正直で可愛いのに、上のお口はツンデレだね? 保に似てるなあ」
「ふあ……っ⁉ は、はなせ……っ、んんっ……!」
ふにふに、と剥き出しの竿先を指で押しながら根元を擦られ、反対側の手で乳首を捩じられると、意に反して声が溢れ出てしまう。
ここは一体どこだろう。なぜ今、自分はこの男に襲われているのだ。
「おまっ……お前、保のコイビトなんだろ……っ、……なんでおれを」
「えー、可愛いからつい」
「ついってなんだよ! やめろ、はなせ……っ、んぁあっ」
本気で嫌がっているのに全く動じない相手は、離すどころか光の弱い箇所を的確については無邪気に笑う。ところが次の瞬間、バコンと小気味のいい打撃音が響いた。間髪入れずに晴樹の首が持ち上げられ、後ろから第三者の腕がぐいと入る。
「ぐ、ぐえええ、え、く、くる、ぐるしっ、」
「このクソバカ犬め! うちの可愛い子に手を出すなって言ってんだろーが!」
「お、おく、おぐちがあ、ああ、わ、わるい、だもづっ」
「どの口が悪いってええ?」
目の前で晴樹の首に綺麗に決まったのは置鮎保の得意技、スリーパー・ホールド。思わず敵ながら「ご愁傷様」と呟いてしまった。あれは光も食らったことがあるが、本気で死ぬかと思うほどに苦しい締め技だ。晴樹はすっかり白目を剥きながら降参の旗を振っている。
光はその辺にあったシーツを握り締め、急いで晴樹の下から逃げ出すと、壁際の羽根枕をもぎ取って前方をガードした。ベッドの宮棚にはラベンダー色の花飾りが置いてあり、見覚えのあるタブレットが隣のスタンドに立てられていた。
「保がいる……ってことは、ここは保の家?」
「そうよ。あんたねえ……いくら眠いからって、知らない男の懐ですやすや寝ちゃだめよ! 全くもう……ほんとに危機管理能力ゼロなんだから」
そういえば、寝不足が祟ってとにかく眠かったのは確かだ。どうやって保の家に来たのか覚えていない。きっと寝落ちた自分を二人が運んできたのだろう。改めて、そこに居たのが知っている人間でよかった、と胸を撫でおろした。
だがあまりよろしくない状況には違いない。
「……人が寝てる間に襲うとか、サイテーのクズ人間じゃねえの」
「あっ痛い所突かれた」
ようやく腕を外してもらい、ゲホゴホと咳き込んで息を整えながら、晴樹は申し訳なさそうにおどけて額を叩いた。
「でも食べていいよって言ったのは君だよ」
「そんなこと……」
「可愛い顔して俺に縋りついて、ごろんって猫みたいに寝ころがってさ。食べて♡っておねだりされたら、普通の男は食っちゃうよ。君の彼氏は相当甘やかすのが上手なお兄さんなのかな?」
ぺろり舌なめずりすると、晴樹は「相手が俺だったからこそ、君の処女穴はギリ守れたんだよ」と偉そうに告げる。可愛いちん〇は食べちゃったけどね、とウインクした途端、また保から物理的なツッコミを食らい、キャンキャン啼いている。だが保もその意見に関しては否定しなかった。
「勝行と晴樹を間違えたんだって? あんたたちが仲いいのは知ってるし、腐女子受けするチーム売りしてるのも俺だけど、現実ここまで恋仲になられると、さすがに仕事にもプライベートにも支障をきたすのよね、ちょっと指導が必要かしら」
「ちょ、ちょっと待て。どういうことだよ、勝行と俺って……別に……」
「とりあえず、これはちょっと芸能人としての自覚が足りなさすぎる光へのお仕置きということで」
晴樹を押しのけ、光の抱える羽根枕を奪い返すと、保は妖艶な笑みを浮かべて襟首を掴んだ。
「性欲の止まらない男に食われたら、どんな目に遭うのか。ちょっとは学習しなさい。――これが本当の『性教育』ってやつよ」
(ダメだ……眠い……)
学校にいれば、だいたいこの時間は机に突っ伏して寝ている時間だ。
午後の陽射しがほどよく注がれる大きな窓辺。となりには布団のように暖かい人肌があって、光の身体を優しく包み込んでくれる。すっかり秋めいて半袖一枚では厳しい気候になったせいか、この若干暑いくらいの温もりがちょうどいい。睡魔に逆らえないまま、光は重い瞼を落とした。
「あーあ。無防備な上に、物欲しげな顔しちゃって。これは保が過保護になるのもわかる。マジで美味そうな子」
そんな声が耳元で聴こえてきたが、思考の停止した夢うつつの光には毎日聞き慣れた大好きな声色へと変化していく。
――うまそう……?
うん、食べていいよ。俺も……作ったご飯も……ぜんぶ、お前の……だから――。
「じゃあ遠慮なく」
その唇が他人に奪われていることにも気づかないまま、光はしばらく夢の世界に潜り込んでいた。
**
覚醒した時、光の身体には本物の布団がかけられていた。いや、正確にいうとシーツの上に転がっているだけで、掛布団は足元に追いやられている。
上から覆いかぶさり、Tシャツを捲りあげながら己の乳首を舐める男を見た瞬間、光は驚き身を捩った。
「――っ⁉」
「あ、起きた? おはよう、美少年。可愛い寝顔とえっちなお汁、ごちそう様」
「……え……何、が……?」
寝ころがる自分を上から見下ろす男――晴樹は、布一枚纏わぬ上半身の綺麗な筋肉を見せつけながらにっこり笑った。その口元からは、確かに香る青臭い男の匂い。
「この前のお詫びにご奉仕するって言っただろ? 君、抱いてほしそうな顔してたから」
「……っそ……そんな顔、してないっ」
まさかもう、寝ている間に?
恐る恐る自分の下半身に手をやると、履いていたはずのジーンズも下着もなにもない。生まれたての姿で、おまけに雄の象徴はしっかり上向きにひん剥かれていた。その身は異様に濡れている。
「ここは正直で可愛いのに、上のお口はツンデレだね? 保に似てるなあ」
「ふあ……っ⁉ は、はなせ……っ、んんっ……!」
ふにふに、と剥き出しの竿先を指で押しながら根元を擦られ、反対側の手で乳首を捩じられると、意に反して声が溢れ出てしまう。
ここは一体どこだろう。なぜ今、自分はこの男に襲われているのだ。
「おまっ……お前、保のコイビトなんだろ……っ、……なんでおれを」
「えー、可愛いからつい」
「ついってなんだよ! やめろ、はなせ……っ、んぁあっ」
本気で嫌がっているのに全く動じない相手は、離すどころか光の弱い箇所を的確については無邪気に笑う。ところが次の瞬間、バコンと小気味のいい打撃音が響いた。間髪入れずに晴樹の首が持ち上げられ、後ろから第三者の腕がぐいと入る。
「ぐ、ぐえええ、え、く、くる、ぐるしっ、」
「このクソバカ犬め! うちの可愛い子に手を出すなって言ってんだろーが!」
「お、おく、おぐちがあ、ああ、わ、わるい、だもづっ」
「どの口が悪いってええ?」
目の前で晴樹の首に綺麗に決まったのは置鮎保の得意技、スリーパー・ホールド。思わず敵ながら「ご愁傷様」と呟いてしまった。あれは光も食らったことがあるが、本気で死ぬかと思うほどに苦しい締め技だ。晴樹はすっかり白目を剥きながら降参の旗を振っている。
光はその辺にあったシーツを握り締め、急いで晴樹の下から逃げ出すと、壁際の羽根枕をもぎ取って前方をガードした。ベッドの宮棚にはラベンダー色の花飾りが置いてあり、見覚えのあるタブレットが隣のスタンドに立てられていた。
「保がいる……ってことは、ここは保の家?」
「そうよ。あんたねえ……いくら眠いからって、知らない男の懐ですやすや寝ちゃだめよ! 全くもう……ほんとに危機管理能力ゼロなんだから」
そういえば、寝不足が祟ってとにかく眠かったのは確かだ。どうやって保の家に来たのか覚えていない。きっと寝落ちた自分を二人が運んできたのだろう。改めて、そこに居たのが知っている人間でよかった、と胸を撫でおろした。
だがあまりよろしくない状況には違いない。
「……人が寝てる間に襲うとか、サイテーのクズ人間じゃねえの」
「あっ痛い所突かれた」
ようやく腕を外してもらい、ゲホゴホと咳き込んで息を整えながら、晴樹は申し訳なさそうにおどけて額を叩いた。
「でも食べていいよって言ったのは君だよ」
「そんなこと……」
「可愛い顔して俺に縋りついて、ごろんって猫みたいに寝ころがってさ。食べて♡っておねだりされたら、普通の男は食っちゃうよ。君の彼氏は相当甘やかすのが上手なお兄さんなのかな?」
ぺろり舌なめずりすると、晴樹は「相手が俺だったからこそ、君の処女穴はギリ守れたんだよ」と偉そうに告げる。可愛いちん〇は食べちゃったけどね、とウインクした途端、また保から物理的なツッコミを食らい、キャンキャン啼いている。だが保もその意見に関しては否定しなかった。
「勝行と晴樹を間違えたんだって? あんたたちが仲いいのは知ってるし、腐女子受けするチーム売りしてるのも俺だけど、現実ここまで恋仲になられると、さすがに仕事にもプライベートにも支障をきたすのよね、ちょっと指導が必要かしら」
「ちょ、ちょっと待て。どういうことだよ、勝行と俺って……別に……」
「とりあえず、これはちょっと芸能人としての自覚が足りなさすぎる光へのお仕置きということで」
晴樹を押しのけ、光の抱える羽根枕を奪い返すと、保は妖艶な笑みを浮かべて襟首を掴んだ。
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