王子様はΩのうさぎに恋をする

さくら怜音/黒桜

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白うさぎと黒うさぎの物語

未来の番になるために

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ぼくの番になる人だ、とお城のみんなに話したら、みんなヒカルを歓迎してくれた。
ほら、ぼくの言った通り。これでヒカルの生活は安全で大丈夫。

「つがいって、何すんの?」
「いつか僕のお嫁さんになって、一生傍にいてくれたらいいんだよ」
「お前の、お嫁さん?」

ヒカルは分からない言葉を一生懸命反復しながら、それでも「わかった、いいよ」と答えてくれた。けれど番に逢えば、劇的に何かが変わると思ったのに、ぼくの身体には何も変化はなかった。

「きっとカツユキ様は、まだその時期ではないからですよ。生殖器が完成する青年期になれば、ヒートという症状がアルファとオメガにだけ訪れます。その時になれば、身体が熱く滾って獣の性本能が剥き出しになりますので、いやでもわかることでしょう」
「つまり、まだぼくたちは子どもだっていうことですか?」
「そうですね」

ならばこのままヒカルと一緒に過ごしていれば、いつかヒートという症状が出るはずだ。その時のことは勉強したら少し怖くなったけれど、でもきっと、ヒカルがいれば大丈夫。なぜかそんな気がして、ぼくは来る時がくるまでヒカルを使用人として雇うことにした。

「ねえヒカル、ぼくの番になるまで、もう二度と誰にも襲われたりしないでね」
「……うん。わかった」

おでことおでこ、鼻と鼻をくっつけ合うだけでもキモチイイ。
甘い匂いが、ぼくの思考を全部掠め取っていく。
何度も頬を擦り合って、くすくす笑い合いながら、ぼくらはわけもなく口づけを交わした。それは幼稚でも本気で未来の番を誓う、約束のキス。

そしてぼくは、ヒカルの首に黒い首輪をかけた。
それはオメガを悪いアルファから守るための、大事な制御防具。
いつか大人になった時、ぼくと番の儀式を交わすまで、誰にも先取りされたりしないように。


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