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白うさぎと黒うさぎの物語
お勉強は苦手なオメガの黒うさぎ
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かわりにヒカルは、勉強をしたことがなかった。
せめて文字が読めるようにならなくちゃね。
ぼくは毎日自分の勉強時間にヒカルを連れて行った。
家庭教師の先生が、毎日厳しい目でヒカルを睨むけれど、ヒカルは全然勉強に興味を示さなかった。
小難しいことばかり言う先生の言うことなんてちっとも聞かないで、寝てばかり。起きてきても、暇になったら机をどんどん叩いて、「お茶するか?」と聞いてくる始末。
これにはちょっと困ったけれど、まあ……誰だって苦手なものはあるわけだし、仕方ないよね。
「国の情勢の懸案事項について、王子の論文を読み上げてください」
ぼくが論文を読み上げていたら、寝落ちていた黒い耳がひくひく動くのが見えた。可愛いなあ。
「ヒカルさん、起きてください、授業中ですよ」
そっと後ろからじいやがヒカルを起こすと、ヒカルは欠伸しながら起きてきた。
論文を読んでる最中に「お茶しよう!」って話しかけられたらどうしよう。そう思いながら振り返ると、ヒカルはすごく悲しそうな顔をした。
「なんでやめるの」
「え……?」
「カツユキの声、聴いてて気持ちよかったのに」
ぼくの声は子守歌なのか?
慌てて先生の方に向き直り、論文を一生懸命読んでいると、ヒカルはまた夢の世界に誘われていた。困った子だね。
先生もじいやも苦笑するばかり。
でもぼくは、声を褒められたことが嬉しくて、少しだけ頬が赤くなった。
「そういえば先生、ヒカルは歌が好きなんです」
「ほう、歌ですか」
「はい、国歌でも童謡でもなんでもいいので、歌を教えたらきっと寝ないですよ。ぼく、毎日歌ってあげるんです」
「寝る前の子守歌ですか?」
くすくすと笑う意地悪な先生の冗談は無視して、ぼくは楽譜をたくさん挟んだ分厚い書物を机に出した。それは、歴代の天才音楽家たちが作り出した素晴らしい楽曲ばかりが記載されたものだ。
「王子、今は政治理論の時間ですよ」
「でもぼくも、音楽の方が好きなんです」
「王子は好き嫌いで勉学を選んではいけないのですよ。やらねばならぬことをすべてこなさなければ」
「……わかってるけど」
「では、音楽はまた次の機会に」
ヒカルが喜んでくれること、もっとしたかったのになあ。
どうしてぼくは、王様の勉強をしなくちゃいけないんだろう。やらねばならぬことっていうのは、運命の番と仲良く暮らしていくことだけじゃいけないのかな。
時々、自由に寝ても勉強しなくても平気なヒカルが羨ましくて、ぼくの胸は苦しかった。
せめて文字が読めるようにならなくちゃね。
ぼくは毎日自分の勉強時間にヒカルを連れて行った。
家庭教師の先生が、毎日厳しい目でヒカルを睨むけれど、ヒカルは全然勉強に興味を示さなかった。
小難しいことばかり言う先生の言うことなんてちっとも聞かないで、寝てばかり。起きてきても、暇になったら机をどんどん叩いて、「お茶するか?」と聞いてくる始末。
これにはちょっと困ったけれど、まあ……誰だって苦手なものはあるわけだし、仕方ないよね。
「国の情勢の懸案事項について、王子の論文を読み上げてください」
ぼくが論文を読み上げていたら、寝落ちていた黒い耳がひくひく動くのが見えた。可愛いなあ。
「ヒカルさん、起きてください、授業中ですよ」
そっと後ろからじいやがヒカルを起こすと、ヒカルは欠伸しながら起きてきた。
論文を読んでる最中に「お茶しよう!」って話しかけられたらどうしよう。そう思いながら振り返ると、ヒカルはすごく悲しそうな顔をした。
「なんでやめるの」
「え……?」
「カツユキの声、聴いてて気持ちよかったのに」
ぼくの声は子守歌なのか?
慌てて先生の方に向き直り、論文を一生懸命読んでいると、ヒカルはまた夢の世界に誘われていた。困った子だね。
先生もじいやも苦笑するばかり。
でもぼくは、声を褒められたことが嬉しくて、少しだけ頬が赤くなった。
「そういえば先生、ヒカルは歌が好きなんです」
「ほう、歌ですか」
「はい、国歌でも童謡でもなんでもいいので、歌を教えたらきっと寝ないですよ。ぼく、毎日歌ってあげるんです」
「寝る前の子守歌ですか?」
くすくすと笑う意地悪な先生の冗談は無視して、ぼくは楽譜をたくさん挟んだ分厚い書物を机に出した。それは、歴代の天才音楽家たちが作り出した素晴らしい楽曲ばかりが記載されたものだ。
「王子、今は政治理論の時間ですよ」
「でもぼくも、音楽の方が好きなんです」
「王子は好き嫌いで勉学を選んではいけないのですよ。やらねばならぬことをすべてこなさなければ」
「……わかってるけど」
「では、音楽はまた次の機会に」
ヒカルが喜んでくれること、もっとしたかったのになあ。
どうしてぼくは、王様の勉強をしなくちゃいけないんだろう。やらねばならぬことっていうのは、運命の番と仲良く暮らしていくことだけじゃいけないのかな。
時々、自由に寝ても勉強しなくても平気なヒカルが羨ましくて、ぼくの胸は苦しかった。
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