異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
37 / 252
第三章 建国

第三話 外堀ほりほり

しおりを挟む
 ジーニの働いている姿はもちろんアステリアの住人に見られていた。それでもアステリアの住人はただただ傍観するのみであった。

 壁内の建物は住人の手で作られて行くのだがジーニが大きな音をたてるたんびに一時手が止まりその方向を見ている。

 ある種の尊敬の眼差しで見られるそれにジーニは気付かないでいた。

 元々アステリアの人達はジーニの実力を知っていたのである程度の事には動じなくなっているのだが流石に厚さ3メートル幅3メートルそして高さ15メートルの城壁をいとも簡単に切り揃え運んでいる姿は生唾ものであった。

「俺らの領主様のお子は強すぎるな」
「ええ、私達も強くなったと慢心しそうでしたがあれを見ると私達の強さなどそこらの石と同じでしょうね」

 アステリアの解体班ブーンとカインはため息をついて今まで思っていた自分達の強さを笑った。その心はアステリアの者達全員にあったものだった。

 ちょっと前に盗賊が襲ってきたのを返り討ちにした時に感じた自分達の強さによってしまっていたのだ。

 だが確かにアステリアの人達はかなり強くなっている。それは大人だけに留まらず子供に至るまでだ。

 なので盗賊達は一瞬にして捕縛された。ちなみに盗賊達は鉱山で働いている。

 アステリアの住人がため息で自分達を戒めている間もジーニはせっせと作業を終わらしていった。

「よっしゃ!我らが領主様達の為にも建物を完成させていくぞ!」
「「「お~~!」」」

 ジーニの強さに背中を押されアステリアの住人は結束を更に強くしていった。







「ジーニ!お客様が来ているのだけど?なんだか話がかみ合わなくて」
「お客様?」

 朝起きるとメリアお母様が僕を呼んでいた。どうやら訪問者のようだ。

 エントランスにいくとそこには狼の獣人だろうか、そんな人が跪いていた。

「ジーニ様、お久しぶりです」
「え?誰だっけ?」
「え!?」

 狼の獣人のおじさんは呆気に取られている。どうやら僕の知り合いみたいなんだけど。誰だろ?。

「私です!ニクライの屋敷で助けてもらいました。ガウです」
「え~?。ごめんなさいわからないです」
「そんな....私は恩を返そうとここまできましたのに・・・同胞と一緒に」

 え~って事は結構な大所帯?。

 僕は玄関を開けた。すると屋敷までの庭を100人以上のいろんな獣人達が座っていた。

 わ~!、猫に犬にウサギもちろん狼もいる。もふもふしたい!。

「あの、それで俺達はどうすれば」

 あ~そうでした。ではでは国に参加してもらいましょう。

「ようこそ!お父様の国アステリアへ。あなた達は初めての移住者ですよ」
「お~、ありがとうございます。私の命はジーニ様の為」

 狼のおじさんカッコいい!。

 この狼さんはニクライの屋敷で助けたとか言っていたけど僕は本当に覚えてないんだよね。

 実はガウを助けたのはデシウスだったのだ。ガウは確かにジーニを視認したが会ってはいなかった。そしてガウ達のいた牢を開けたのはデシウスだったのだ。気づかないふりをしてデシウスはジーニを騙していたのだ。そして影でジーニの名声をアゲアゲにしていたのだ。

 ジーニがその事を知るのは近い。というか今ガウから聞いている。

「そうだったんだね。デシウスが・・・。でもよかった。ガウさん達が無事にすんで」
「ありがとうございます。それで?デシウス殿は?」
「えっとデシウスはね~」

 そうです。デシウスはまだシュミットで護衛を頑張っています。






「アウ~、ジーニ様のかほりが薄くなってきちゃいました....」

 デシウスはベンジャミンの護衛をしながらタオルの匂いを嗅いでいる。どうやら使い過ぎて匂いが薄くなっているようである。変態度が上がっているデシウスであった。

 だがデシウスは仕事はちゃんとやっている。

「息子の仇だ!」
「はい!、そこまで」

 ベンジャミンに襲い掛かろうとした男や女を打ち身程度で捕らえる、そして諭すのだ。

「失った命は帰ってこない。だが君達の命もかけがえのないものなのだ。大事にしてほしい。シュミットにいると子供の事を思い出してしまうのならアステリアを目指せ。そこでジーニ様があなたに安らげる土地を与えてくれるはずよ」

 デシウスは抜け目がない。ここでもちゃっかりとジーニの名声を高めていく。だが住人からは思いがけない言葉がかけられるのだ。

「俺は、この街を良くしたいんだ。他の街じゃダメなんだよ」

 思いは一緒なのに何故人間は衝突するのか。デシウスはそう嘆く。

 ベンジャミンもその言葉を聞いて俯いていた。

 だがベンジャミンは着々と街を綺麗にしていっている。

「私は諦めない、今まで泣いていた人達の為にも諦めるわけにはいかないのだ」

 ベンジャミンはデシウスと僧兵3人と一緒に街をまわる。そして過激派の人達を一人一人あぶり出して諭していくのだった。とても危険な任務だがデシウスのおかげで着々と遂行していく。






 さ~って今日も建設頑張ろ~。

 そろそろデシウスが僕を呼びそうだけどまずはアステリアだからどんどんやっていくよ~。

 二重の城壁は出来た。なので次は外堀だ。城壁からすぐに3メートル程の堀をほっていく、この堀によって城壁の反りが際立ってくる。日の光を取りたいだけではないのだよ。あと堀の幅は10メートルは欲しいかな~。

 堀からすぐに城壁なので城壁側は反り以外の小細工なし。外側の堀は緩やかな坂にする。逃げ道を作っておくと人ってすぐに逃げたくなるからね。

 堀には膝まで水を入れたい、できれば川のように流れているとなおいいな~。願望はこのくらいでとりあえず堀を作っていこう。

「[ディグ]」

 魔法の効果はある程度操作できることが分かった。みんなに言ったらありえないと言われたけどね。それで僕は穴を掘る魔法の[ディグ]でさっき言った通りの堀を掘っていった。

 ここら辺の土壌は結構粘土質なので掘りを掘った後炎であぶったらいい感じに光沢を帯びていた。どうやらこれは当たりみたい。

「つるんつるん。まるで陶器みたい」

 炎であぶった所に水を垂らすとツルッと滑っていって炎であぶっていない地面に吸い込まれて行った。

 これで後は川をつなげればいい感じになるんだけどこのあたりじゃ森まで行かないとダメかな~。

 元々アステリアは敵国から国境を守る為の街で住むための街ではないのだ。実際ツヴァイお父様は水を隣町などから定期的に仕入れていてとても高価だったのだ。なので僕は無料の水を手に入れるぞ!。


 
しおりを挟む
感想 179

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
俺はクギミヤ タツミ。 今年で33歳の社畜でございます 俺はとても運がない人間だったがこの日をもって異世界に転生しました しかし、そこは牢屋で見事にくそまみれになってしまう 汚れた囚人服に嫌気がさして、母さんの服を思い出していたのだが、現実を受け止めて抗ってみた。 すると、ステータスウィンドウが開けることに気づく。 そして、チートに気付いて無事にこの世界を気ままに旅することとなる。楽しい旅にしなくちゃな

異世界での異生活

なにがし
ファンタジー
役職定年を迎えた男が事故に巻き込まれケガをする。病院に運ばれ治療をしていたはずなのに、なぜか異世界に。しかも、女性の衣服を身に着け、宿屋の一室に。最低な異世界転移を迎えた男が、異世界で生きるために頑張る物語です。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

処理中です...