異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)

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第三章 建国

第二十一話 魔物に追われて

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 僕が堀と下水を作り終わり一週間がたったある日、アステリアへ帰ってくるときに助けた冒険者の馬車が駆け込んできた。

「門を開けて~」

 助けてからだいぶたっていたので魔物がうろついていたみたい。一度街に戻ってまじないをしてもらう事はしなかったみたい。まじない料っていくらくらいなんだろう?。

 助けるのはいいんだけど、こう何度も周りに迷惑をかける人達だと何だかね。

 ドドン!!

「間に合った~」
「ああ、しかし。もうウィーリーさんの依頼はうけんからな」
「そうね」

 冒険者達が外から街に入る瞬間、門が閉められる。門はとても大きく上に持ち上げるタイプだ。凄く重いはずなんだけどアステリアの住人ならば二人で大丈夫、たぶん一トンはあるはずなんだけどね。

 そして冒険者達はウィーリーさんの文句を口にして馬車からウィーリーさんの荷物を運んでいく。

「やあ、お久しぶり。早速で悪いんだけど、外の魔物はどんな感じですか?」
「あ!、ジーニ様。すいません、ウィーリーさんのせいでこんな事に」
「いえいえ、大丈夫だよ。それで魔物は?」

 ウィーリーさんは商人だ。そういうやりくりをしてこその商人だし、しょうがないよね。まあ人死にが出てたら本気で怒ってたけど。

「魔物はゴブリンとオークの混合部隊です。あいつら人間を見るとすぐに襲ってきて徒党を組むんです」
「だけど変ね。数が多すぎるわ」

 剣と盾を持つルーザと杖を持つエルサが話す。エルサが言うにはこの数をまとめるにはある程度のレベルの魔物がいなくちゃ無理なんだってさ。ゴブリンキングかオークジェネラル位いないと無理とか話してる。

「へ~そうなんだね。じゃあ皆さんは手続きをしていてください。僕は偵察をしてみますので」
「あっ、待ってください。アステリアではお医者さんはいますか?」
「え?誰か怪我したの?」
「ええ...」

 エルサさんは俯いた。そして馬車の方へと視線を向ける。

「今ウスハが看病しているのだけど。どうやら矢に毒を塗られていたみたいで」

 ゴブリンはこの世界ではほぼ最弱。だが中々に賢い、わざと錆びた矢じりを使ったりそこら辺の蟲を潰した物をつけたりして攻撃してくるらしい。そしてアスハさんがそれを肩に受けて今正に生死を彷徨っているみたい。

「そうだったんですね~。じゃあ僕が」
「ええ!?回復魔法を使えるんですか?」
「アイ!」

 僕は子供らしく手を上げて応える。するとエルサさんはまるで子パンダに目を奪われる人の様に目を輝かせた。

「姉さん、どうしたんですか?」
「はっ!、いえ、何でもないわ」
「?、じゃあ行きましょうか」

 ルーザさんに肩を叩かれて我に返ったエルサさん。馬車へと僕たちは行くと薄っすらと苦しむ声が聞こえてきた。

「ううう。苦しい....」
「お姉ちゃん...」

 とても苦しそうに声をもらすアスハさんにウスハさんが手を握って心配している。アスハさんの握る力が強いのかウスハさんの手に血が滲んでいる。

「大丈夫ですか?すぐに楽にしますから。[キュア]」
「え!?」

 ウスハさんは僕が回復魔法を唱えると驚いた。アスハさんはとても穏やかな顔で眠りにつく。僕は更に[ヒール]をかける。

「凄い....加護なしなのに」

 ウスハさんは僕に驚いている。加護なしを蔑む人ではないけどやっぱりどこかで加護なしを下に見ていたんだろうな。

 思わず口にだしてしまったようで口を抑えて俯いて後悔している。

「大丈夫だよ。僕は加護なしだけどみんなよりも強いし器もでっかいんだから。でもアステリアの人達にはあんまり聞かせないでね。彼らも強いけど僕は彼らが差別されるのは見たくないから」

 僕がそういうとウスハさんは俯いたままコクリと頷いた。

「..すみません、ジーニ様。ウスハはそんなつもりじゃなかったんです」

 寝込んでいたアスハさんが言葉を絞り出すように話す。まだ回復したばかりだから頭が回らないようだ。でも彼女はウスハさんを庇う様に言葉をつなぐ。

「私達の親は加護なしだったんです。ですから昔から加護なしの扱われ方を見ていて....ですからジーニ様のような加護なしがいる事にびっくりしただけなんです」

 アスハさんは言葉を紡ぎ終わると悲しそうに俯いた。ウスハさんも同様に俯いている。どうやら僕が不敬罪か何かで罪をおおうとすると思っているみたい。なので安心させる言葉をかける、

「大丈夫だよ。こんな世の中だもの、しょうがないよ。実際に加護なしっているのはとても弱い存在だからね。人間ってどうしても自分よりも弱い存在を蔑むものだからね」

 とても聡い事を僕が話すとその場にいた全員が目を見開き僕を見据える。

「魔物の大群が来たぞ~」

 外からそんな声が聞こえてくる。城壁は完璧だけど堀はまだ水が通っていない。武器も剣槍弓と投石くらいしかないのですぐに行かないと、

「こんなことしている間にも魔物の群れが来たみたい。じゃあアスハさん、お大事にね。開いている家ならどれ使ってもいいから。今の所宿屋もないし」

 僕はアスハさん達にそう声をかけて城壁の方へと飛んでいった。みんなポカンとしていたけど大丈夫かな?



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