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第四章 ルインズガル大陸
第七話 愛の鎖
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「う~まずいまずいぞ」
「ん?そんなにまずかったか?。今日の飯は」
ロクーデはつい自分の今の心情を呟いてしまった。それを聞いてギールが今食べているご飯を咀嚼する。だがいつもと変わらないのでロクーデに再度何のことだと聞くがロクーデは何でもないと答えてギールは首を傾げる。
ロクーデはゴブリンに食われそうになり藁にも縋る思い出金ならいくらでもやるといってしまったのだ。だが現在ロクーデは無一文、とてもじゃないがギールに払える金はないのだ。
「しかし、困ったな」
「え?」
ギールの言葉にロクーデはギョッとした。もしかしてバレたのではないかと体を強張らせたのだ。
「いやなに...。まさか無いとはな」
「無い?...」
ロクーデは息をのんだ。ギールは真剣な目でロクーデを見つめる。そしてギールの口が動くとロクーデは生唾を飲みこんだ。
「無いんだよ酒が....」
「....酒」
ロクーデはホッと胸を撫でおろしたが危機がさったわけではない。
「それでロクーデさんよ。お礼はアステリアにあるんだよな?」
「あふ!、ああ。大丈夫。あそこに私はすべてをおいてきたからな」
食べていたご飯を噴き出したロクーデはありもしない嘘をつく。
しかし二人の目的地は決まっていた。くしくもギールを肥溜めに落としたジーニの街である。
二人にとってこれが吉と出るか凶と出るか。
ロクーデ達は食事をし終わり寝床についた。
彼らがいる所はシュミットからアステリアへの街道である。だがギールは実は追われている身である。なので少し街道から外れて歩いている。
ギールは何故追われているのか、それはエルフだからである。奴隷価値の高いエルフは高く売れるのだ。更に最近だれかに負けたという風評被害で狙う者が増えてしまった事もある。ギールは結構裏の世界で名の知れた者であった。狙うという事は戦うという事である。ギールが実は弱いという噂がながれてしまったのだ。ギールにとってこれはとても屈辱的であったが事実なのだから仕方ない。しかしギールは負けた事を知られてしまったが赤子に負けた事が広まっていない事に安心していた。流石にこれは看過できない。
「野宿とはおさらばしたいが。俺もこんな身だからな。我慢してくれ」
「はい」
ギールはロクーデにとても優しかった。ロクーデは初めて人の温かさを感じたがそれは金の為だと理解してギールと会話していく。ロクーデの心の氷はそう易々と溶けるほどぬるくはない。
彼らはアステリアへと向かい歩いて行く。
だが何とギールは方向音痴であった。ロクーデはそれに気付かずにただギールのあとを歩いて行くのだった。
所変わってアルサレムの冒険者ギルドでは[薔薇]の穴埋めを残りのメンバーで補っていく。キーファに絡んだ[邪犬]もそのメンバーの中いて息を切らせて走り回っている。
「だ~ちきしょう。フッティアと一緒にアステリアに移籍すりゃよかった」
「愚痴言ってもしょうがないっすよ」
「そうっすよ。それにキーファに突っかかってた俺らがそんな簡単に移籍できるわけないっす」
アブサンの呟きは子分達に否定された。アブサンはそんな事わかってんだよ!と言って子分達の頭を小突いた。
しかしどんなに働いても2000人ものメンバーのいた[薔薇]の穴埋めには遠く及ばない。その現状にはギルドマスターのジョシュも頭を抱えている。
本来ギルドマスターと言うのは依頼を受けないものなのだが今現在はマスター直々に依頼を達成していっている。今のギルドの事務作業は受付嬢達に任せられている。彼女らの責任は重大であった。
「レミ先輩、こっち終わりました」
「は~い、じゃあこっちをお願いねファレ」
「え~....帰りたい」
受付カウンターは死屍累々であった。現実の世界であったら一発退場の徹夜勤務を決め込む事になる若い受付嬢ファレさんとお局受付嬢レミであった。
「だれがお局よ!」
「レミ先輩、て~動かしてください」
「・・・・」
天井に叫ぶレミに呆れたファレ。彼女らの明日はもう始まっていた。
こうして彼ら彼女らは[薔薇]の穴埋めをしていた。
「人間達は思ったよりも苛烈な世界に住んでいるんだな」
その様子を見ていたボルケーノが呟いた。彼は見ているだけの傍観者だった。だがジョシュが危ない場面になるとちゃんと助けにくる。とても従順にジーニの言う事をまもるのだった。しかしこれも今日までである。
「ちょっと!ボルケーノ!!あんたも手伝いなさい!!」
「は?何で俺が」
「何でも何もないわよ!!あんたのせいでもあるんだから手伝うのは当たり前でしょ!」
「は~?なんで俺のせいなんだよ!」
「何でもいいから手伝いなさい!明日からご飯抜きにするわよ!!」
「ぐっ!。わかったわかったって....飯抜きだけはやめてくれ」
レミの剣幕にボルケーノは折れた。レミはジーニよりも怖いようでボルケーノはタジタジである。そして最近のギルドでの飯が楽しみでボルケーノは今を満足している。それを取りあげられるなど考えたくもない事であった。
レミの隣で何をすればいいのかを聞いているボルケーノはとてもまじめなイケテルオジサン略してイテオジである。まっすぐな目で机を見つめているボルケーノを見てレミは呆けてしまうのであった。それにボルケーノが気づくのは少し後の事だ。
こうして新しい恋が生まれ。ボルケーノをギルドに繋ぎ止める鎖が強くなっていくのだった。
「ん?そんなにまずかったか?。今日の飯は」
ロクーデはつい自分の今の心情を呟いてしまった。それを聞いてギールが今食べているご飯を咀嚼する。だがいつもと変わらないのでロクーデに再度何のことだと聞くがロクーデは何でもないと答えてギールは首を傾げる。
ロクーデはゴブリンに食われそうになり藁にも縋る思い出金ならいくらでもやるといってしまったのだ。だが現在ロクーデは無一文、とてもじゃないがギールに払える金はないのだ。
「しかし、困ったな」
「え?」
ギールの言葉にロクーデはギョッとした。もしかしてバレたのではないかと体を強張らせたのだ。
「いやなに...。まさか無いとはな」
「無い?...」
ロクーデは息をのんだ。ギールは真剣な目でロクーデを見つめる。そしてギールの口が動くとロクーデは生唾を飲みこんだ。
「無いんだよ酒が....」
「....酒」
ロクーデはホッと胸を撫でおろしたが危機がさったわけではない。
「それでロクーデさんよ。お礼はアステリアにあるんだよな?」
「あふ!、ああ。大丈夫。あそこに私はすべてをおいてきたからな」
食べていたご飯を噴き出したロクーデはありもしない嘘をつく。
しかし二人の目的地は決まっていた。くしくもギールを肥溜めに落としたジーニの街である。
二人にとってこれが吉と出るか凶と出るか。
ロクーデ達は食事をし終わり寝床についた。
彼らがいる所はシュミットからアステリアへの街道である。だがギールは実は追われている身である。なので少し街道から外れて歩いている。
ギールは何故追われているのか、それはエルフだからである。奴隷価値の高いエルフは高く売れるのだ。更に最近だれかに負けたという風評被害で狙う者が増えてしまった事もある。ギールは結構裏の世界で名の知れた者であった。狙うという事は戦うという事である。ギールが実は弱いという噂がながれてしまったのだ。ギールにとってこれはとても屈辱的であったが事実なのだから仕方ない。しかしギールは負けた事を知られてしまったが赤子に負けた事が広まっていない事に安心していた。流石にこれは看過できない。
「野宿とはおさらばしたいが。俺もこんな身だからな。我慢してくれ」
「はい」
ギールはロクーデにとても優しかった。ロクーデは初めて人の温かさを感じたがそれは金の為だと理解してギールと会話していく。ロクーデの心の氷はそう易々と溶けるほどぬるくはない。
彼らはアステリアへと向かい歩いて行く。
だが何とギールは方向音痴であった。ロクーデはそれに気付かずにただギールのあとを歩いて行くのだった。
所変わってアルサレムの冒険者ギルドでは[薔薇]の穴埋めを残りのメンバーで補っていく。キーファに絡んだ[邪犬]もそのメンバーの中いて息を切らせて走り回っている。
「だ~ちきしょう。フッティアと一緒にアステリアに移籍すりゃよかった」
「愚痴言ってもしょうがないっすよ」
「そうっすよ。それにキーファに突っかかってた俺らがそんな簡単に移籍できるわけないっす」
アブサンの呟きは子分達に否定された。アブサンはそんな事わかってんだよ!と言って子分達の頭を小突いた。
しかしどんなに働いても2000人ものメンバーのいた[薔薇]の穴埋めには遠く及ばない。その現状にはギルドマスターのジョシュも頭を抱えている。
本来ギルドマスターと言うのは依頼を受けないものなのだが今現在はマスター直々に依頼を達成していっている。今のギルドの事務作業は受付嬢達に任せられている。彼女らの責任は重大であった。
「レミ先輩、こっち終わりました」
「は~い、じゃあこっちをお願いねファレ」
「え~....帰りたい」
受付カウンターは死屍累々であった。現実の世界であったら一発退場の徹夜勤務を決め込む事になる若い受付嬢ファレさんとお局受付嬢レミであった。
「だれがお局よ!」
「レミ先輩、て~動かしてください」
「・・・・」
天井に叫ぶレミに呆れたファレ。彼女らの明日はもう始まっていた。
こうして彼ら彼女らは[薔薇]の穴埋めをしていた。
「人間達は思ったよりも苛烈な世界に住んでいるんだな」
その様子を見ていたボルケーノが呟いた。彼は見ているだけの傍観者だった。だがジョシュが危ない場面になるとちゃんと助けにくる。とても従順にジーニの言う事をまもるのだった。しかしこれも今日までである。
「ちょっと!ボルケーノ!!あんたも手伝いなさい!!」
「は?何で俺が」
「何でも何もないわよ!!あんたのせいでもあるんだから手伝うのは当たり前でしょ!」
「は~?なんで俺のせいなんだよ!」
「何でもいいから手伝いなさい!明日からご飯抜きにするわよ!!」
「ぐっ!。わかったわかったって....飯抜きだけはやめてくれ」
レミの剣幕にボルケーノは折れた。レミはジーニよりも怖いようでボルケーノはタジタジである。そして最近のギルドでの飯が楽しみでボルケーノは今を満足している。それを取りあげられるなど考えたくもない事であった。
レミの隣で何をすればいいのかを聞いているボルケーノはとてもまじめなイケテルオジサン略してイテオジである。まっすぐな目で机を見つめているボルケーノを見てレミは呆けてしまうのであった。それにボルケーノが気づくのは少し後の事だ。
こうして新しい恋が生まれ。ボルケーノをギルドに繋ぎ止める鎖が強くなっていくのだった。
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