異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
85 / 252
第四章 ルインズガル大陸

第二十三話 ジャンヌパワーレベリング中

しおりを挟む
 ジーニ達がギールとのひと騒動を起している頃。ジャンヌはいつものように巨人達と遊んでいた。

 ここは深淵の森、人ならざる者達が住まう土地である。

「ダ~ア~」
「ガウガウ」

 コクエンも最近ジャンヌと一緒にいる事が増えた。フローラちゃんにはコクエンの子供のハクエンがついている為身を引いた形になっている。

 暇になったコクエンはジャンヌがいなくなるところを見ていてそれを守るようにジャンヌを追いかけるのだった。

 だがそれは不要な物であったとコクエンは思っている。

「ギャギャギャ!!」
「あう?」

 ゴブリンの上位のハイゴブリンが現れた。ジャンヌを見て美味しそうな物を見るように涎を垂らす。しかしその顔は一瞬にして消え去るのだった。

 ズシャン!

「わう~、キャッキャ!」

 ジャンヌの守り神、木の巨人である。ハイゴブリンを踏みつぶしハイゴブリンは血だまりになっていった。ジャンヌには如何なるものも害を与えられない。

 その証拠にこの時までにジャンヌの周りは血だまりが多数出来ているのだ。その中にはコクエンの作った物もあるが大半が巨人によるものだ。

 巨人達は次は俺がいやいや次は私よと獲物を取りあっている。深淵の森とは何なのか改めて考えてほしいものである。

 ジャンヌの巨人達はこうして着々とレベルを上げていく。ジャンヌは親も知らぬ間に恐ろしいパワーレベリングを実行しているのだった。






 所変わってアステリア、僕はギールとロクーデが何にもなしに街に入って来れた事を疑問に思って鑑定の水晶と鏡についてウィーリーさんや[薔薇]の人達を問い詰めた。

「いや、前科をつけるのは国ですから。捕まらなくちゃ登録されないんですよ」
「あ~、そうか。でもロクーデは裏帳簿とか作ったから詐欺とかそこらへんで登録されてるんじゃないの?」

「よくはわからんがどうも違うらしい」
「鑑定の水晶がある門に行ってくれていれば分かったかもしれんがな、それも聞かないと」
「そうだね。そこは本人に聞きましょうか」
「そうしようか」

 という事でロクーデの働く鉱山へ。彼はギールの要望通り奴隷として働いているよ。奴隷と言ってもノルマさえ達成すれば街に自由に行き来していいんだ。流石に犯罪者を野放しは他の人達が怖がるからね。

 でもそのおかげか奴隷の人達にも結婚する人が出てきたんだ。それで内緒何だけどその人は奴隷紋の魔法は消しておいた。だってまだ鉱山で働きたいって言うんだもん。その人はちょっとだけ給料は多めだよ、家族が出来たらその分お金かかるもんね。

 鉱山に着くとロクーデは慣れない手つきで石をトロッコから取り出している。ロクーデの担当エリアは入口でトロッコから降ろす作業みたい。

「ああ、お前か。何の用だ?」

 僕を見るとロクーデは作業しながらそう話した。僕はシュミットで何があったのかを聞いていく。

 ロクーデの話ではシュミットで国外通報になってから街を出て暗くなっているのにも関わらず街を離れようとしてしまってゴブリンに食べられそうになったらしい。

 行方不明者はロクーデだったみたい。でもちょっとロクーデの焼かれそうな姿は見たかったな~。

 国外通報を受けたけどベンジャミンは犯罪登録をしてなかったみたい。ベンジャミンは優しいのか忘れてたのか分からないけどたぶん不憫に思ってしまったんじゃないかな?。現にロクーデは奴隷まで落ちちゃったし。

「ふん。儂はこの程度ではへこたれんぞ。ここから這い上がってやるからな」

 僕はその言葉に少しホッとした。あのロクーデがこの程度で生きる希望を失うはずはないと思ってたんだ。僕らにひどい仕打ちをしてきたロクーデだけど一生懸命這い上がろうとしている姿は何故だか応援したくなる。

 体形もだいぶ痩せてきてとても健康そうだ。

「しかし、お前らも差別をなくすと言っておいて奴隷を使っているとはな...お笑いだよ」

 ロクーデの指摘はとてもわかる。だけど絶対的な差別ではない。ここから這い上がれるんだよ。僕は俯いて説明をする。

「ロクーデの言いたいこともわかるよ。でもここにいる人達はみんな犯罪者だったんだ。中には仕方なくやっていた人達もいるし、そうじゃない人もいる。人を殺した事のある人はこの中にもいるよ。でも今は後悔してる。僕は少しでも這い上がろうとしてる人達をサポートしてあげたいんだ。それには普通の人達にもかかわってほしい。でも普通の人達はどうしても犯罪者だと分かると少し壁を作っちゃうんだ。その壁はとてもトゲトゲしくて普通の人じゃ傷ついちゃう。だから奴隷紋で少しでもそのトゲを優しくしてあげたいんだ、安心っていう奴隷紋でね」

 僕はロクーデにわかるように優しく諭す。

 現に数件の結婚する人が現れるほどにこの効果が出てる。その人達は仕方なく盗賊になった人達だったけど、これからもこういう案件が増えてくれればいいと思ってる。

「ふん、ベンジャミンやアルサレム王もそうだが甘々だな。そんな事で犯罪者がつけあがらなけりゃいいが。まあ儂はそれで助かったがな。一つ言っておくぞこの街はザルじゃザル。鑑定の水晶なんて言うのは前科は見えん。儂を知らん者が見ても仕方ない。それを狙って南門からはいった。アイテムが無いのであれば門を減らせばいい。戦で門が多ければ便利だが常時ではいっぱいあっても意味ないだろうが....まったく」

 ロクーデは一つどころか今のアステリアのダメな所を全部言ってきた。そしてそう話すと黙々と作業に戻って行った。とても勉強になる。確かに常時門を全部開放するのは間違ってるかもしれない。そういえばアルサレムもグリンベイルンも門は一つだった。すぐに実行しよう。

「ロクーデありがとう。君はとても頭がいいんだね」
「馬鹿にしておるのか...まあいい、だが覚えておけよ。お前達は偽善者なのだそれを忘れるな」

 そう言うとロクーデは作業に戻って行った。

 僕は偽善者という言葉はとてもいい言葉だと思う。偽物の善者、偽物だけど人の役に立つ人なんだよね。人から見て偽物だけどやってもらった人から見たらそれは善行なんだよね。

 誰に偽物って言われてもいい、僕は僕の信じる善行をしていくんだ。それはこれからも変わらない。

 ロクーデの言葉は忘れない。僕は偽善だと思いながらも善行をしていくんだ。

 結局鑑定の水晶しかない門から入って来ていたし、更にベンジャミンが登録していなかっただけみたいだね。

 ロクーデはこういう事に抜け目はないみたい。
しおりを挟む
感想 179

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
俺はクギミヤ タツミ。 今年で33歳の社畜でございます 俺はとても運がない人間だったがこの日をもって異世界に転生しました しかし、そこは牢屋で見事にくそまみれになってしまう 汚れた囚人服に嫌気がさして、母さんの服を思い出していたのだが、現実を受け止めて抗ってみた。 すると、ステータスウィンドウが開けることに気づく。 そして、チートに気付いて無事にこの世界を気ままに旅することとなる。楽しい旅にしなくちゃな

異世界での異生活

なにがし
ファンタジー
役職定年を迎えた男が事故に巻き込まれケガをする。病院に運ばれ治療をしていたはずなのに、なぜか異世界に。しかも、女性の衣服を身に着け、宿屋の一室に。最低な異世界転移を迎えた男が、異世界で生きるために頑張る物語です。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

処理中です...