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第八章 倍倍
第七話 再会
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「おかえりなさいローズ」
「シリカただいま、ジーニは帰ってきてるか?」
ローズがブラウディアの屋敷に帰ってきた。ローズはジーニがいるのかを真っ先に聞いている。ローズはジーニ成分が枯渇しているのだろう。
「ん、サラさん隠れてないでちゃんとローズと向き合って」
「で、でも...」
そこへララに押されて出てきたサラ、とても不安そうな顔をしている。
ローズはサラを見て誰だろうと思っているがサラと言う名に聞き覚えがあり顎に手を当てて考えこんだ。
「あなたは...誰なんだ?」
「あ、うう」
ローズが顔を近づけて話す。サラは動けずにたじろいている。ローズはサラの周りを回り全身を舐めまわすように見据える。ローズは何か感じたのかスンスンッと匂いを嗅ぎだした。
「あなたからいい匂いがする、何だこの匂いは。ジーニとは違う..何と言うかシスターに感じるような匂いだ」
ローズにスンスン嗅がれて顔を赤くするサラは我慢できなくなりローズを抱きしめた。ローズはびっくりするものの何故か涙している自分に驚きを隠せずにいた。
「何だろう。この気持ちは....あなたはまさか」
ローズは抱きしめられた事で何かを感じ取った。抱きしめられている手を振りほどき壁際までサラから離れた。
「ローズ、私よ」
「・・・」
サラは少しづつ近づいて話しかける。だがローズは怪訝な顔で別の部屋への扉に手を掛けた。
「ローズ、お母さんよ」
「...私の母はシスターだけだ。あなたなど知らない!!」
ローズは隣の部屋へと行ってしまった。サラ以外がため息をつく中、サラは涙して蹲った。
「そうよね。捨てたと思われているのだものね。こうなると分かっていて影から見守っていたのに、私は何て身勝手な淡い期待をしていたのかしら...」
「サラさん、大丈夫ですよ。知っていると思いますけどローズはとても優しい、今も拒絶した自分を攻めているはず。ローズに時間を与えてあげてください」
「ん、サラさんはここに監禁する。絶対にどこにも言っちゃダメ」
シリカとララの優しい言葉にサラは号泣した。その声は屋敷に響きローズの心に突き刺さっていく。
サラは自分の体を無くしてしまった事でローズの所に帰る事をやめた。
「皆さんありがとうございます。...ローズも聞こえているでしょ?、どんなにあなたが優しくてもすぐには許せないと思います。でもこんなチャンスは二度とこないと思うの。ジーニ様に貰ったこの命、今度はちゃんと活かすわ。諦めない」
サラは泣き出しそうな自分に堪えて話しきった。話し終わると同時に更に号泣して泣き喚くとアウローラからハンカチを受け取り涙を拭った。
ローズは確かにその言葉を聞いていた。扉に背中をあずけて体育座りをして聞いていた。ローズも涙を腕に滲ませて声を抑えて泣いていた。
ローズだって母親に会えたことに歓喜している。しかし素直に喜べない別の自分がいるのも確かなのだ。自分は小さい頃蔑まれた。その原因はサラにあったのだ、それだけは間違いなく真実である。サラが逃げた事でローズはいじめられていた、これは紛れもない事実なのだ。
ローズは泣きながら葛藤する。許してすぐにでも抱きついて、抱きしめてしまいたい自分、許せずにこのまま屋敷を出ていきたい自分。
しかしローズは動けずにいる。
「人間とは難しいのだな」
「ヘリア..」
ローズの横にチョコンと座ったヘリアは呟いた。ヘリアもダインズと話してからすぐに戻ってきた。そして魔人達の様子も見て話した。人それぞれ憎しみを持ちまた愛情を持っていてヘリアには理解不能であった。
「何故、人はやりたいことをせずにただ泣いているんだ?やりたいことをやればいいのに」
「...そんなすぐに許せるのならとっくに許している。許せないからできないんだよ」
ローズは腕に顔をうずめながら話した。ローズの顔は涙で腫れていて折角の美人が台無しになっている。
「本来なら私がこの世界を壊してそんな億劫な悩みもろとも壊してやるのだがジーニが許さないだろうな。ローズはそんなに母が嫌いなのか?」
「嫌い..だと思う」
ヘリアの質問に半端な答えを返したローズ。ヘリアは笑った。
「ふ、面白い。そんなにも嫌いなら倒せばいいじゃないか。ローズは強いのだから」
「そんな!...そんなことできるわけないじゃないか」
「ジーニが言っていた。たまにこうやって自分を抱きしめるんだ。そうするとここに自分がいるんだって実感するんだって。我もたまにする事にしたら何だか何でも許せるようになったぞ」
ヘリアはジーニの教えを言って部屋を出ていった。
ローズはヘリアに言われた事を実践して涙を零した。確かに自分はここにいる、何を拒絶する必要があるのだろう。そんな気持ちが込み上げてきた。
「(私は何を頑なに拒んでいたんだ)」
涙してしばらく自分を抱きしめていたローズは顔をあげてすぐに扉を開いた。そしてリビングで椅子に座り俯いていたサラを後ろから強く抱きしめた。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「ローズ、謝るのは私の方よ。ごめんね」
シリカ達はリビングを後にして微笑んだ。親子で募る話もあるだろうと遠慮したのだ。
ヘリアのおかげで親子は仲を取り戻した。これから長い時を共に歩んでいけるだろう。
「シリカただいま、ジーニは帰ってきてるか?」
ローズがブラウディアの屋敷に帰ってきた。ローズはジーニがいるのかを真っ先に聞いている。ローズはジーニ成分が枯渇しているのだろう。
「ん、サラさん隠れてないでちゃんとローズと向き合って」
「で、でも...」
そこへララに押されて出てきたサラ、とても不安そうな顔をしている。
ローズはサラを見て誰だろうと思っているがサラと言う名に聞き覚えがあり顎に手を当てて考えこんだ。
「あなたは...誰なんだ?」
「あ、うう」
ローズが顔を近づけて話す。サラは動けずにたじろいている。ローズはサラの周りを回り全身を舐めまわすように見据える。ローズは何か感じたのかスンスンッと匂いを嗅ぎだした。
「あなたからいい匂いがする、何だこの匂いは。ジーニとは違う..何と言うかシスターに感じるような匂いだ」
ローズにスンスン嗅がれて顔を赤くするサラは我慢できなくなりローズを抱きしめた。ローズはびっくりするものの何故か涙している自分に驚きを隠せずにいた。
「何だろう。この気持ちは....あなたはまさか」
ローズは抱きしめられた事で何かを感じ取った。抱きしめられている手を振りほどき壁際までサラから離れた。
「ローズ、私よ」
「・・・」
サラは少しづつ近づいて話しかける。だがローズは怪訝な顔で別の部屋への扉に手を掛けた。
「ローズ、お母さんよ」
「...私の母はシスターだけだ。あなたなど知らない!!」
ローズは隣の部屋へと行ってしまった。サラ以外がため息をつく中、サラは涙して蹲った。
「そうよね。捨てたと思われているのだものね。こうなると分かっていて影から見守っていたのに、私は何て身勝手な淡い期待をしていたのかしら...」
「サラさん、大丈夫ですよ。知っていると思いますけどローズはとても優しい、今も拒絶した自分を攻めているはず。ローズに時間を与えてあげてください」
「ん、サラさんはここに監禁する。絶対にどこにも言っちゃダメ」
シリカとララの優しい言葉にサラは号泣した。その声は屋敷に響きローズの心に突き刺さっていく。
サラは自分の体を無くしてしまった事でローズの所に帰る事をやめた。
「皆さんありがとうございます。...ローズも聞こえているでしょ?、どんなにあなたが優しくてもすぐには許せないと思います。でもこんなチャンスは二度とこないと思うの。ジーニ様に貰ったこの命、今度はちゃんと活かすわ。諦めない」
サラは泣き出しそうな自分に堪えて話しきった。話し終わると同時に更に号泣して泣き喚くとアウローラからハンカチを受け取り涙を拭った。
ローズは確かにその言葉を聞いていた。扉に背中をあずけて体育座りをして聞いていた。ローズも涙を腕に滲ませて声を抑えて泣いていた。
ローズだって母親に会えたことに歓喜している。しかし素直に喜べない別の自分がいるのも確かなのだ。自分は小さい頃蔑まれた。その原因はサラにあったのだ、それだけは間違いなく真実である。サラが逃げた事でローズはいじめられていた、これは紛れもない事実なのだ。
ローズは泣きながら葛藤する。許してすぐにでも抱きついて、抱きしめてしまいたい自分、許せずにこのまま屋敷を出ていきたい自分。
しかしローズは動けずにいる。
「人間とは難しいのだな」
「ヘリア..」
ローズの横にチョコンと座ったヘリアは呟いた。ヘリアもダインズと話してからすぐに戻ってきた。そして魔人達の様子も見て話した。人それぞれ憎しみを持ちまた愛情を持っていてヘリアには理解不能であった。
「何故、人はやりたいことをせずにただ泣いているんだ?やりたいことをやればいいのに」
「...そんなすぐに許せるのならとっくに許している。許せないからできないんだよ」
ローズは腕に顔をうずめながら話した。ローズの顔は涙で腫れていて折角の美人が台無しになっている。
「本来なら私がこの世界を壊してそんな億劫な悩みもろとも壊してやるのだがジーニが許さないだろうな。ローズはそんなに母が嫌いなのか?」
「嫌い..だと思う」
ヘリアの質問に半端な答えを返したローズ。ヘリアは笑った。
「ふ、面白い。そんなにも嫌いなら倒せばいいじゃないか。ローズは強いのだから」
「そんな!...そんなことできるわけないじゃないか」
「ジーニが言っていた。たまにこうやって自分を抱きしめるんだ。そうするとここに自分がいるんだって実感するんだって。我もたまにする事にしたら何だか何でも許せるようになったぞ」
ヘリアはジーニの教えを言って部屋を出ていった。
ローズはヘリアに言われた事を実践して涙を零した。確かに自分はここにいる、何を拒絶する必要があるのだろう。そんな気持ちが込み上げてきた。
「(私は何を頑なに拒んでいたんだ)」
涙してしばらく自分を抱きしめていたローズは顔をあげてすぐに扉を開いた。そしてリビングで椅子に座り俯いていたサラを後ろから強く抱きしめた。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「ローズ、謝るのは私の方よ。ごめんね」
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