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第1章 成長
第60話 陰謀
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「ス~ス~」
「ふふ、寝てくれた……」
レイナちゃんにカテジナが本を読んであげるとすぐに眠りつく。とても優しい表情で彼女の頭を撫でるカテジナ。さっきまでの彼女からは想像もできない、とても優しい表情。なんでそれをブルース様とメリナに分けることができないんだろう。
カテジナはレイナちゃんが眠ったのを確認すると部屋を後にする。私もついていこうと思ったら声がかけられる。
「妖精さん」
眠っていたと思っていたレイナちゃんが体を起こす。眠ったふりをしていたみたい。私達と話をしたいのかしら?
「返事はしなくていいよ。妖精さんは私達、人間が嫌いなんでしょ? 絵本で言ってたもの」
レイナちゃんは本を指さして声を上げる。小さなため息をつくと話し始める。
「お母さんは悪いことをしているみたいなの。私のために。毎日、眠ってると耳元で教えてくれていたの。『あと少ししたら幸せになれるからね』って。でも、私はもう幸せなの。お母さんと一緒にいられるだけで。このお城が私とお母さんのものにならなくても。どこにいてもお母さんと一緒なら幸せなの」
悲しい表情になっていくレイナちゃん。今にも泣きだしてしまいそうになってる。子供は親が思っているよりも敏感。親が何をしようとしているのかわかっちゃうんだよね。
「だからお願い。お母さんを止めて。メリナお姉ちゃんと仲良くなって欲しいの」
レイナちゃんのお願いを聞いて私は大きくうなずいて見せる。彼女はしっかりと私を見つめてほほ笑んでくれる。彼女は魔法の才能があるのかな。ユマ君と一緒でステータスが魔法に全振りされているんでしょうね。
「これをメリナに飲ませれば。レイナと私の国になる」
私もレイナちゃんの部屋を出てカテジナを追いかける。
彼女は自分にしか聞こえないような声で野望を語る。あの瓶に入っている液体は何なんだろう。ブルース様は既に飲んでしまっている。メリナに飲ませるのは妨害しないと。
「カテジナ様? こんな夜更けにどうされたのですか?」
「レナリス!?」
瓶を眺めながら階段を下りていくカテジナ。レナリスさんに見つかってランタンの火が大きく揺れる。大きな動揺が見える。
レナリスさんは私達に気が付いていない。それよりもこんな夜更けに城を歩いているカテジナを警戒している。
「私が何をしていようとあなたには関係ないでしょ」
「は、はい。ですが警備の観点から言わせていただきますと。夜はしっかりと寝室でお眠りになっていただかないと」
「うるさいわね。あの出来損ないを可愛がっているあなたにはわからないことよ!」
カテジナの声にレナリスさんが声を上げる。すると彼女は憤りを露わにして声を荒らげた。
出来損ない? それってメリナのこと? 王妃……メリナの実の母なの? 中世ヨーロッパではよくある腹違いの姉妹だと思っていたけど、実の姉妹だったなんて。
実の娘に毒かもしれないものを飲ませようとしてる。この人はとても危険な人だということが分かった。
「カテジナ様。メリナ様は魔法の才能はありませんでしたが、剣の才能があるかもしれません。この間、剣の稽古をしたのですが」
「うるさい! 私は忙しいのよ。魔法が使えない出来損ないの話なんて聞きたくもない」
レナリスさんが嬉しそうに報告すると、話を遮って早歩きで去っていくカテジナ。とても親とは思えない行為。私はとても腹が立つ。
「メリナ様はあなたのことを愛しているのに……」
カテジナを追いかけようとレナリスさんを横切る。すると彼女は悲しそうにそう呟いた。一方通行の愛、メリナは母への愛を私に感じていたのかな。
「はぁはぁ」
カテジナは息を切らせてお城の地下にたどり着く。誰もいない牢屋に入ると祈りをささげる。
「ブルースに飲ませたわ。メリナにも飲ませる予定よ」
天窓から差し込む月の光に呟くカテジナ。その声が消えるころ。月の光でできた影が人の形に変わっていく。
「よくやった。ブルースだけでも十分だ。決行しよう」
「で、でも。メリナにも飲ませないと」
「大丈夫だ。王さえ抑えてしまえばこちらのもの。あとは【レイドレッド帝国】の使者が来るまで待つがいい。そうすればこの国はお前のものだ」
人の形になった影の口元が動いて声が聞こえてくる。【レイドレッド帝国】、確かオルブス王国の隣の国だったはず。
カテジナはそんな国の思惑通りに動いてる? なんでそんなことを。
「……気配を感じるな」
影がそんな声をもらす。私とイーターに気が付いた?
影が隣の影に飛び移り、見回してくる。私達は息を止めて、気配を消す。
「あふれ出る魔力は消せん。お前は誰だ」
影が私の前にやってきて声を上げる。ローブを目深く被ってダモクレスを取り出す。
剣に驚いた影は私から離れようと飛ぶ。だけど、私は逃がさない。
「はっ!」
「ぎゃぁ!?」
影を切り裂く。人とは思えない悲鳴を上げる影。私の思った通り、影は魔石を残して消えていく。魔物だったみたい。
「な、なに!? 何者!?」
何が起こったのかわからずに怯えるカテジナ。彼女には私達は見えていない。
『あなたは間違ってる』
私は声だけを彼女に見せてあげる。
「だ!? 誰!?」
『本当の幸せを見失わないで』
「本当の幸せ?」
怯えながらも声の意味を考えるカテジナ。
『あなたの国はオルブス王国。レイドレッド帝国の思惑通りに動いたらあなたは不幸せになる。あなたは既に本当の幸せを手に入れているの。さっきまで一緒にいたでしょ?』
「……レイナ。レイナ!?」
私の声を聞いて彼女は血相を変えて走り出す。レイナちゃんの元へ走っていったんでしょうね。
私が何かしたとでも思ったのかしら? 今にも泣きだしそうな表情だった。それとも、あの影が暗示みたいな何かを施していたのかも。それにしてもあの顔は親子ね。レイナちゃんと同じ顔をしていた。
……レイドレッド帝国か。なんだかきな臭くなってきたわね。
「ふふ、寝てくれた……」
レイナちゃんにカテジナが本を読んであげるとすぐに眠りつく。とても優しい表情で彼女の頭を撫でるカテジナ。さっきまでの彼女からは想像もできない、とても優しい表情。なんでそれをブルース様とメリナに分けることができないんだろう。
カテジナはレイナちゃんが眠ったのを確認すると部屋を後にする。私もついていこうと思ったら声がかけられる。
「妖精さん」
眠っていたと思っていたレイナちゃんが体を起こす。眠ったふりをしていたみたい。私達と話をしたいのかしら?
「返事はしなくていいよ。妖精さんは私達、人間が嫌いなんでしょ? 絵本で言ってたもの」
レイナちゃんは本を指さして声を上げる。小さなため息をつくと話し始める。
「お母さんは悪いことをしているみたいなの。私のために。毎日、眠ってると耳元で教えてくれていたの。『あと少ししたら幸せになれるからね』って。でも、私はもう幸せなの。お母さんと一緒にいられるだけで。このお城が私とお母さんのものにならなくても。どこにいてもお母さんと一緒なら幸せなの」
悲しい表情になっていくレイナちゃん。今にも泣きだしてしまいそうになってる。子供は親が思っているよりも敏感。親が何をしようとしているのかわかっちゃうんだよね。
「だからお願い。お母さんを止めて。メリナお姉ちゃんと仲良くなって欲しいの」
レイナちゃんのお願いを聞いて私は大きくうなずいて見せる。彼女はしっかりと私を見つめてほほ笑んでくれる。彼女は魔法の才能があるのかな。ユマ君と一緒でステータスが魔法に全振りされているんでしょうね。
「これをメリナに飲ませれば。レイナと私の国になる」
私もレイナちゃんの部屋を出てカテジナを追いかける。
彼女は自分にしか聞こえないような声で野望を語る。あの瓶に入っている液体は何なんだろう。ブルース様は既に飲んでしまっている。メリナに飲ませるのは妨害しないと。
「カテジナ様? こんな夜更けにどうされたのですか?」
「レナリス!?」
瓶を眺めながら階段を下りていくカテジナ。レナリスさんに見つかってランタンの火が大きく揺れる。大きな動揺が見える。
レナリスさんは私達に気が付いていない。それよりもこんな夜更けに城を歩いているカテジナを警戒している。
「私が何をしていようとあなたには関係ないでしょ」
「は、はい。ですが警備の観点から言わせていただきますと。夜はしっかりと寝室でお眠りになっていただかないと」
「うるさいわね。あの出来損ないを可愛がっているあなたにはわからないことよ!」
カテジナの声にレナリスさんが声を上げる。すると彼女は憤りを露わにして声を荒らげた。
出来損ない? それってメリナのこと? 王妃……メリナの実の母なの? 中世ヨーロッパではよくある腹違いの姉妹だと思っていたけど、実の姉妹だったなんて。
実の娘に毒かもしれないものを飲ませようとしてる。この人はとても危険な人だということが分かった。
「カテジナ様。メリナ様は魔法の才能はありませんでしたが、剣の才能があるかもしれません。この間、剣の稽古をしたのですが」
「うるさい! 私は忙しいのよ。魔法が使えない出来損ないの話なんて聞きたくもない」
レナリスさんが嬉しそうに報告すると、話を遮って早歩きで去っていくカテジナ。とても親とは思えない行為。私はとても腹が立つ。
「メリナ様はあなたのことを愛しているのに……」
カテジナを追いかけようとレナリスさんを横切る。すると彼女は悲しそうにそう呟いた。一方通行の愛、メリナは母への愛を私に感じていたのかな。
「はぁはぁ」
カテジナは息を切らせてお城の地下にたどり着く。誰もいない牢屋に入ると祈りをささげる。
「ブルースに飲ませたわ。メリナにも飲ませる予定よ」
天窓から差し込む月の光に呟くカテジナ。その声が消えるころ。月の光でできた影が人の形に変わっていく。
「よくやった。ブルースだけでも十分だ。決行しよう」
「で、でも。メリナにも飲ませないと」
「大丈夫だ。王さえ抑えてしまえばこちらのもの。あとは【レイドレッド帝国】の使者が来るまで待つがいい。そうすればこの国はお前のものだ」
人の形になった影の口元が動いて声が聞こえてくる。【レイドレッド帝国】、確かオルブス王国の隣の国だったはず。
カテジナはそんな国の思惑通りに動いてる? なんでそんなことを。
「……気配を感じるな」
影がそんな声をもらす。私とイーターに気が付いた?
影が隣の影に飛び移り、見回してくる。私達は息を止めて、気配を消す。
「あふれ出る魔力は消せん。お前は誰だ」
影が私の前にやってきて声を上げる。ローブを目深く被ってダモクレスを取り出す。
剣に驚いた影は私から離れようと飛ぶ。だけど、私は逃がさない。
「はっ!」
「ぎゃぁ!?」
影を切り裂く。人とは思えない悲鳴を上げる影。私の思った通り、影は魔石を残して消えていく。魔物だったみたい。
「な、なに!? 何者!?」
何が起こったのかわからずに怯えるカテジナ。彼女には私達は見えていない。
『あなたは間違ってる』
私は声だけを彼女に見せてあげる。
「だ!? 誰!?」
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「本当の幸せ?」
怯えながらも声の意味を考えるカテジナ。
『あなたの国はオルブス王国。レイドレッド帝国の思惑通りに動いたらあなたは不幸せになる。あなたは既に本当の幸せを手に入れているの。さっきまで一緒にいたでしょ?』
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私の声を聞いて彼女は血相を変えて走り出す。レイナちゃんの元へ走っていったんでしょうね。
私が何かしたとでも思ったのかしら? 今にも泣きだしそうな表情だった。それとも、あの影が暗示みたいな何かを施していたのかも。それにしてもあの顔は親子ね。レイナちゃんと同じ顔をしていた。
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