ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
63 / 81
第2章 国

第63話 報告

「ということがあったからみんなに来てもらったってわけ」

 カテジナさんの事件を終えて、お城から宿屋に帰ってきた。
 早速シャーリー達とラッセル達を呼んで作戦会議を開いた。早朝から集まってくれてありがたい。

「リドナにも聞いたが本当だったんだな。たまにあいつは嘘をつくからな」

「リドナさんはラッセルさんが好きですからね。振り向いてほしいんですよ」

「適当なこというなよビル。妻になってからもそれじゃ身が持たねえよ」

 ラッセルとビルさんが楽しそうに話してる。リドナさんの報告をしっかり聞いてなかったってことだよね。それじゃ、これからが困るんだけどな~。

「ファム様の手を煩わせるとはレイドレッド帝国は馬鹿だな」

「教会をすべて撤退させましょう。シャイン様もそういっていますからね」

 シャーリーとビードがそう言って頷いてる。ほんとに仲がいい二人。同じタイミングで頷きあって見つめあってる。

「教会を撤退するとどうなるんだ?」

「端的に言いますと、ポーションでの回復しかできない状態になります。ポーションの回復では限界があります。上級ポーションでやっと欠損の治るポーションになるのですが。それを作るにはドラゴンの涙が必要になります。回復魔法ですと、ファム様のような高位魔法使いの【ヒール】で治ってしまう、というわけです」

 ラッドの声にシャーリーが自慢げに話す。話を聞いてラッドは『なるほどな』といって頷く。

「ファム~。遊びに来たよ~。ってなんかいっぱい人がいる~!」

 会議をしているとメリナが遊びに来て驚きの声を上げる。

「カテジナさんの起こしたことを話していたの。レイドレッド帝国が許せなくてね」

「ファム……ありがと。でも、迷惑じゃないの?」

 私の説明を聞いてメリナは申し訳なさそうに聞いてくる。
 カテジナさんと仲直りした彼女は少し大人になったのかな。私のことを考えるようになってくれた。
 私は彼女の頭を撫でてほほ笑む。

「迷惑じゃないよ。守りたいと思ったから守ろうと思ってるだけ」

「ファム……」

 私の言葉を聞いてメリナが涙を流して抱きしめてくる。ずっと頭を撫でていると扉が勢いよく開く。

「はぁはぁ、メリナは来ているか?」

 扉を開いた人物を見ると、大きな体を隠すようにローブを着ている。明らかに怪しい人物だけど、あの体の大きさは一目見れば覚えちゃうよ。

「お父様!?」

「「ブルース様!?」」

 メリナが驚いて声を上げるとネネさんとトトさんが驚愕の声を上げる。

「ブルース様! メリナ様! なんでお二人ともそんなに簡単に城を抜け出せるんですか!」

 ブルース様に遅れてレナリスさんも入ってくる。
 これだけお城の人が来る宿屋はここくらいだろうな。

「はっはっは。儂が抜け穴を教えているからな~。儂でも通れる穴があるんだ」

「……そんな穴が。調べさせて塞ぎますからね」

「はっはっは。無駄だ無駄だ。儂とメリナしかわからん」

 豪快に笑うブルース様が自慢げに抜け穴のことを話す。レナリスさんがジト目で閉じるというけれど、余裕しゃくしゃくのブルース様は口角を上げる。

「……どうしたんですかブルース様?」

「ははは……礼が言いたくてな。しかし、城に呼びつけて礼を言うのも上から物を言っているようで恥ずかしかったのでな」

「礼?」

 私の問いかけにブルース様は恥ずかしそうに頬を掻いて答える。彼の答えに首を傾げているとブルース様は膝をついて頭を下げてくる。
 王様が頭を下げる姿にみんな驚いて顔を青ざめさせる。

「儂の命を救い。レイドレッド帝国の企てを阻止してくれた。ファム殿、ありがとう!」

「え!?」

 ブルース様がそう言って頭を床に叩きつける。いわゆる土下座というやつだ。この世界じゃそんなものないと思うから一番頭を下げる方法を考えたんだろと思う。
 私は姿を見られていなかったはず、それなのになんでバレちゃったんだろう?

「ファム。しらばっくれなくていい。あんなことができるのはあなたくらいしかいないでしょ?」

「レナリスさん」

 困惑しているとレナリスさんがそう言って肩に手を置いてくれる。

「目立ちたくないといって隠すことは、あなたにとってはいいことかもしれない。それが一番いいのかもしれない。だけど、助けられた人はあなたに感謝したいと思う。お礼をしたいと思うの。言葉だけでも受け取って欲しいの」

 レナリスさんはそう言って私の両手を握る。とても温かい手、彼女の私の感謝してくれてる?

「カテジナお母さまと仲直り出来て一番喜んでくれたのはレナリスなの。私達はファムに返せないほどの恩を感じてるんだ」

「メリナまで……」

 メリナもそう言って抱きしめてくる。王族や貴族だっていうのに平民の私に優しくしてくれる。だから私はこの人達を助けたいと思ったんだよね。良かった、助けられて。

「ブルース様。お礼なんていいんです。頭を上げてください」

「だ、だが」

「私は”友達”を助けただけです。友達なら助け合うのは当たり前でしょ? ブルース様もメリナもレナリスさんも友達。もちろん、カテジナさんもレイナちゃんもね」

「……ありがとう」

 私の答えを聞いてブルース様はお礼を言って号泣する。
 とても大きな体の彼が泣くとみんなももらい泣きしてしまう。
 困ったな~、私も嬉し泣きしちゃう。
感想 6

あなたにおすすめの小説

無能令嬢、『雑役係』として辺境送りされたけど、世界樹の加護を受けて規格外に成長する

タマ マコト
ファンタジー
名門エルフォルト家の長女クレアは、生まれつきの“虚弱体質”と誤解され、家族から無能扱いされ続けてきた。 社交界デビュー目前、突然「役立たず」と決めつけられ、王都で雑役係として働く名目で辺境へ追放される。 孤独と諦めを抱えたまま向かった辺境の村フィルナで、クレアは自分の体調がなぜか安定し、壊れた道具や荒れた土地が彼女の手に触れるだけで少しずつ息を吹き返す“奇妙な変化”に気づく。 そしてある夜、瘴気に満ちた森の奥から呼び寄せられるように、一人で足を踏み入れた彼女は、朽ちた“世界樹の分枝”と出会い、自分が世界樹の血を引く“末裔”であることを知る——。 追放されたはずの少女が、世界を動かす存在へ覚醒する始まりの物語。

追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす

遊鷹太
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。

バナナマヨネーズ
恋愛
香澄静弥は、幼馴染で従姉妹の千歌子に嵌められて、異世界召喚されてすぐに魔の森に捨てられてしまった。しかし、静弥は森に捨てられたことを逆に人生をやり直すチャンスだと考え直した。誰も自分を知らない場所で気ままに生きると決めた静弥は、異世界召喚の際に与えられた力をフル活用して異世界生活を楽しみだした。そんなある日のことだ、魔の森に来訪者がやってきた。それから、静弥の異世界ライフはちょっとだけ騒がしくて、楽しいものへと変わっていくのだった。 全123話 ※小説家になろう様にも掲載しています。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。

西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ? なぜです、お父様? 彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。 「じゃあ、家を出ていきます」