赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました

カムイイムカ(神威異夢華)

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第一章 ジーニアスベル

第4話 司祭

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 ジーニアス 0歳 

 LV13

【体力】99
【魔力】131


【筋力】105

【生命力】49

【命中性】48

【敏捷性】50

【知力】80

【精神力】80

スキル

【試練受注】【試練変更】

 力の秘薬を飲んでみてから一週間程が経った。レベルも上がって赤ん坊とは思えないステータスになってきた。

「ジーク、司祭様が来てくれたぞ」

「お? そうか。じゃあ、早速見てもらうかジーニアス」

「バブ?」

 グッツさんが家にやってきて声をあげるとお父さんが僕を抱き上げる。司祭様って教会の人かな?

「子供が生まれると教会の司祭様に祝福してもらう。寄付をすればよりよい祝福をしてくれるんだが、そんな余計な金はないからな」

「ははは、俺もそうだ。気にするなよジーク」

 申し訳なさそうに僕に言うお父さん。グッツさんが慰めてくれる。僕も首を横に振って答えるとグッツさんが首を傾げてた。

「ん? ジークのとこの子供は聡いな~。もう話してることが分かるのか? それに、全然泣かないし」

「ふふ、ジーニは天才なのよ」

 グッツさんの疑問に微笑んで答えるお母さん。前までは外に出ることもできなかった、それにもグッツさんは驚いてる。

「エリアスさんも元気になりましたね。この子のおかげかな~?」

 お母さんを見ながら、デレ~ッと鼻の下を伸ばすグッツさん。褒められてるけど、素直に喜べないな~。

「まったくグッツは……お前にもいい子いるだろ」

「ははは、エリアスさんほどじゃねえけどな。可愛い嫁がいるよ」

「そんなこと言っていいの? グレースさんが怒るわよ」

 小さな村なだけあってみんな顔見知りみたい。呆れるお父さんとお母さんにせめられるグッツさん。話ながら歩いていると村の入口の簡素な門の前に司祭様が立っていた。老齢なおじいちゃんだ。

「ジークとエリアスの子ジーニアスに祝福を【ブレッシング】」

 司祭様の前で跪くお父さんとお母さん。すぐに司祭様は僕らに向かって祝福の魔法を唱えてくれる。

「ん? その子は聖属性の魔法への理解があるようですね」

「あっ、そうですか?」

「ブレッシングの輝きが増しています。大きくなったら教会に勤めることをお勧めしますよ。では次の村に向かいますので」

『ありがとうございます』

 司祭様は微笑んでくれて村を出ていく。子供が生まれた村にああやって回っていくのか。大変な仕事だな~。それにしても聖属性の魔法の才能のある子を集めてるのかな? 無理強いはさせない感じだけど、気になるな~。
 さて、ブレッシングの魔法の効果はどのくらいなのかな?

 ジーニアス 0歳 【祝福】

 LV13

【体力】99+150
【魔力】131


【筋力】105

【生命力】49+20

【命中性】48

【敏捷性】50

【知力】80

【精神力】80+20

スキル

【試練受注】【試練変更】

 ん~、体力と生命力と精神力? もしかして防御力かな? ゲームだと体力はHPのこと、生命力は物理防御力で精神力は魔法防御力だと思う。祝福は加護みたいなものだから守ってくれる感じなんだな。

「まだ魔法が使えることはああいった団体には言わない方がいいな」

「うん、分かってる。神童なんて言われて連れて行かれちゃうかもしれないものね」

 お父さんとお母さんがそういって頷いてる。やっぱりそういうこともあるのか。迂闊に魔法を使うのは控えたほうがいいかもな~。お父さんたちの前だけにしよう。

「ダブダブ……【ダブッバブ】」

「ははは、ありがとうジーニアス」

「体が軽くなったわジーニ」

 司祭様から祝福してもらった次の日の朝。僕は二人にブレッシングを使う。すっごい喜んでくれて頭を撫でてくれる二人。

「じゃあ、行ってくる」

「行ってらっしゃい」

 軽いキスをしてお父さんを見送るお母さん。剣と盾を持っていったけど今日は畑仕事じゃないのかな?

「……魔物がいなくなってくれればな~」

「バブ?」

 お母さんが呟いてる。ってことはお父さんは魔物退治にいったのかな? 心配だな~。ってお母さんはもっと心配みたい。椅子に座って頬杖をついてため息をついてる。

「ダブダブ!」

「どうしたのジーニ?」

「アイアイ!」

「え? もしかしていきたいの?」

「アイ~!」

 お母さんのスカートを掴んで声をあげる。すると僕が言いたいことを言ってくれる。実はお母さんも行きたかったんじゃないかな?

「そうね。心配して待つなんて私らしくないわ。私も元気になったんだから一緒に!」

「ダブダブ!」

「あっ! ごめんねジーニ。もちろん、あなたも連れて行くわ」

 服を着替えて杖を持つとすぐに外へと出ていこうとしてしまうお母さん。僕は頬を膨らませて声をあげると謝って抱き上げてくれた。
 僕を忘れるなんて、本当にお父さんが大好きなんだな。
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