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第一章 ジーニアスベル
第10話 褒美
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「本当に入っていいのか?」
「はい! 王様がどうしても会いたいと言われましたので!」
赤い騎士の鎧を着たローズさんに案内されて王都ジュスペンスの城へとやってきた。お父さんとお母さんと僕の三人。流石の威厳のある城にたじろぐ僕らにローズさんは可愛く微笑んでる。
「いや~、しかしジーク様は素晴らしいですね。あのような剣技と魔法を両立しているのですから」
「……は、はあ」
城へと入ってローズさんは話しながら案内してくれる。どうやら、色々と誤解してるみたい。
僕が魔法を使ってるなんてことが分かったら大問題になるからお父さんは否定しないでいてくれてる。
「ぜひ我々第二騎士団にもご指南願いたいものです」
「……」
はははと笑うローズさんにたまらず黙り込んでしまうお父さん。
「すみません。どうも私は空気が読めないようで。部下にもよく言われるんですよね。ご気分を害してしまったようで」
「あ、いえいえ」
「お気になさらず……」
ローズさんがペコペコと謝るとお父さんとお母さんが恐縮してしまった。僕は思わず笑ってしまう。
「ふふ、可愛らしいお子さんですね。お名前は?」
「ダブ!」
「ジーニアスです。気軽にジーニって呼んでください。息子も喜びます」
ローズさんがほっぺをツンツンしてくる。僕は声をあげて答えるとお母さんが紹介してくれた。
「ローズ! 平民と話すでない。穢れるぞ!」
「……ブレイン」
急に現れて声を荒らげるブレイン。怪訝な表情でローズさんが睨みつけるとフンッとそっぽを向いて、大きな扉に入って行った。玉座の間かな? 赤い大きな絨毯が見えた。
「英雄様になんということを……。すみません、あのものは差別意識の強いもので、恥ずかしくも第一騎士団の団長なのです」
「知っています。難民ですから」
「そ、うですよね。本当に今回の作戦のことはすみませんでした。反対したのですが王もそれしかないと賛同してしまい……。正直、騎士団の力不足で、勝てる策があれしか」
ローズさんは歯噛みして謝ってくれる。お父さんは頭垂れる彼女よりも低く腰を落として微笑む。
「我々は何とも思っていません。難民のみんなは無事でしたからね」
「すみません。そしてありがとうございます」
お父さんの言葉に謝り涙を流してお礼を言ってくれる。僕とお母さんは顔を見合って笑っちゃった。素直に謝ってくれる人がいるならまだ大丈夫かな?
「で、では。玉座の間へ」
涙を拭って振り返るローズさん。ブレインの入って行った扉へと入って行く。僕らも続いてはいると大きな赤い絨毯が真っすぐ引かれていた。玉座を見るとそこには赤いマントを羽織った王冠を被るおじさんが輝く瞳で僕らを見据えていた。
「その方らがあの大群を退けた英雄か!」
「はっ! ジーク様とその家族にございます」
王様の問いに答えるローズさん。
「ローズ。よくぞお連れした。もうよいぞ」
「はっ! ブランド様」
王様、ブランド様の声に答えて左右の騎士達の列へと入って行くローズさん。よく見るとブレインも立っていてローズさんへと睨みを効かせていた。彼女は無視してるな。
「この度は真に嬉しく思った。ジーク殿のような英雄が生まれたことに。いや、いたということにと言ったほうが好ましいか」
「いや、英雄など心苦しく」
「貴様! 王が間違っているというのか!」
ブランド様が微笑んでお父さんへと声をかける。お父さんが頭を掻いて答えるとブレインが声を荒らげた。
「……はぁ、ブレイン。良いのだ。儂はジーク殿と友になりたいと思っておるのだ。友ならば、否定も許す」
「王!? そのようなことを平民にしてはいけません」
大きくため息をつくブランド様。ブレインはそれでも声を荒らげる。
「ブレイン。前王の作った習わしなど古いのだ。忠実に守っているお前を攻めることは儂にはできんがな」
「王……」
「気を悪くさせてすまないな。ジーク殿」
なだめる王に唇を噛みしめるブレイン。忠誠を誓っている王に謝らせるなんて、本当に騎士団長なのかな?
「して! ジーク殿はこの後どうされる? ご予定は決まっておるか?」
「は、はい。オーベンに戻り、いつも通りの生活に戻ろうと思っています」
パンッと両脚を叩いて話し始めるブランド様。お父さんの答えに首を傾げる。
「いつも通りとな? それはどういった?」
「そうですね……、日がな一日畑を耕して、時には目撃された魔物を討伐に行ったりですかね」
お父さんが問いに答え始めるとワクワクといった様子で目を輝かせるブランド様。
「特別なことのない毎日です」
「そうか。ではどうだろうか?」
お父さんが恥ずかしそうに話し終わるとブランド様は再度両脚を叩いて立ち上がり騎士達の顔を見て回る。
「王都で暮らし、騎士達の模範となっていただけないだろうか?」
『!?』
王様はブレインの肩に手を置くと驚愕な声をあげた。騎士たちはローズさん以外が声にならない言葉を漏らす。
「ブランド様! それは良い提案です!」
「そうだろうローズ」
ローズさんが感嘆の声をあげるとブランド様と腕をがっちりと結ぶ。あの二人は友達なのかな?
でも、他の騎士の人達がすっごい顔でお父さんを睨んでいるんだけどな。
「……ありがたいお言葉ですが王様、私には荷が重いことです」
「!? 何故断る? 指南役ということは金に困ることはないぞ」
話を断るお父さんにブランド様は驚愕して問いただす。お父さんは大きくため息をついた。
「お金ではありません王様。この際ですから正直に申しあげます。嫌気がさしたのです」
「……」
お父さんの答えに無言になってしまうブランド様。
「自分は城壁の中で安全に見下ろし、あまつさえ民を肉壁として扱う。そのような騎士が存在すること。一度でもあなた達は我々に手を差し伸べましたか? 冒険者が食べ物を配ってくれていたのをしっていますか? 強い難民がいたから仲間にしたい! 友になりたい? 何を言っているのですか!」
「……」
「貴様! 王になんということを!」
お父さんの心の叫びを聞いて王は黙り、ブレインは剣を引き抜いた。
「万死に値する」
「ブレインよせ!」
ブレインの振り上げた両手が振り下ろされる。ブランド様の制止の声も届かずに鮮血が赤い絨毯を点々と色濃くさせた。
「き、貴様!」
「……黙ってやられるものがいるか」
ブレインの片腕を切り落とすお父さん。驚愕する騎士団達だったけど、すぐに僕らを取り囲んでくる。
「やめぬか!」
『!?』
ブランド様の大きな声が玉座の間に響く。玉座の間の扉が開いて兵士達も駆けつけるほどの大きな声。
「先に手を出したのはこちらだ。ブレイン、片腕で済んでよかったではないか。ジーク殿は幾万のゴブリンやオークを倒した英雄だぞ」
「ぐっ!? ……」
ブランド様の嫌みのこもった慰めの言葉に苦虫を嚙み潰したような顔になって行くブレイン。すぐにその顔は憎悪に変わり、お父さんへと睨みを効かせてきた。
「ジーク殿。そなたには褒美をつかわす。金貨百枚。そして、第二騎士団を一隊」
「はっ?」
「ローズの隊をジーク殿に託す。オーベンの村の繁栄に使ってくれ。ではな」
ブランド様はそういって玉座の間の奥の扉へと入って行った。そして、大きな革袋を持ったローズさんがニコニコ笑顔で僕らへと近づいてきた。
「これからよろしくお願いいたしますジーク様、エリアス様、ジーニ様」
革袋を手渡して声をあげるローズさん。他の騎士団の人達は呆気に取られてる。ブレインはそれどころじゃなさそうだけど。
「はい! 王様がどうしても会いたいと言われましたので!」
赤い騎士の鎧を着たローズさんに案内されて王都ジュスペンスの城へとやってきた。お父さんとお母さんと僕の三人。流石の威厳のある城にたじろぐ僕らにローズさんは可愛く微笑んでる。
「いや~、しかしジーク様は素晴らしいですね。あのような剣技と魔法を両立しているのですから」
「……は、はあ」
城へと入ってローズさんは話しながら案内してくれる。どうやら、色々と誤解してるみたい。
僕が魔法を使ってるなんてことが分かったら大問題になるからお父さんは否定しないでいてくれてる。
「ぜひ我々第二騎士団にもご指南願いたいものです」
「……」
はははと笑うローズさんにたまらず黙り込んでしまうお父さん。
「すみません。どうも私は空気が読めないようで。部下にもよく言われるんですよね。ご気分を害してしまったようで」
「あ、いえいえ」
「お気になさらず……」
ローズさんがペコペコと謝るとお父さんとお母さんが恐縮してしまった。僕は思わず笑ってしまう。
「ふふ、可愛らしいお子さんですね。お名前は?」
「ダブ!」
「ジーニアスです。気軽にジーニって呼んでください。息子も喜びます」
ローズさんがほっぺをツンツンしてくる。僕は声をあげて答えるとお母さんが紹介してくれた。
「ローズ! 平民と話すでない。穢れるぞ!」
「……ブレイン」
急に現れて声を荒らげるブレイン。怪訝な表情でローズさんが睨みつけるとフンッとそっぽを向いて、大きな扉に入って行った。玉座の間かな? 赤い大きな絨毯が見えた。
「英雄様になんということを……。すみません、あのものは差別意識の強いもので、恥ずかしくも第一騎士団の団長なのです」
「知っています。難民ですから」
「そ、うですよね。本当に今回の作戦のことはすみませんでした。反対したのですが王もそれしかないと賛同してしまい……。正直、騎士団の力不足で、勝てる策があれしか」
ローズさんは歯噛みして謝ってくれる。お父さんは頭垂れる彼女よりも低く腰を落として微笑む。
「我々は何とも思っていません。難民のみんなは無事でしたからね」
「すみません。そしてありがとうございます」
お父さんの言葉に謝り涙を流してお礼を言ってくれる。僕とお母さんは顔を見合って笑っちゃった。素直に謝ってくれる人がいるならまだ大丈夫かな?
「で、では。玉座の間へ」
涙を拭って振り返るローズさん。ブレインの入って行った扉へと入って行く。僕らも続いてはいると大きな赤い絨毯が真っすぐ引かれていた。玉座を見るとそこには赤いマントを羽織った王冠を被るおじさんが輝く瞳で僕らを見据えていた。
「その方らがあの大群を退けた英雄か!」
「はっ! ジーク様とその家族にございます」
王様の問いに答えるローズさん。
「ローズ。よくぞお連れした。もうよいぞ」
「はっ! ブランド様」
王様、ブランド様の声に答えて左右の騎士達の列へと入って行くローズさん。よく見るとブレインも立っていてローズさんへと睨みを効かせていた。彼女は無視してるな。
「この度は真に嬉しく思った。ジーク殿のような英雄が生まれたことに。いや、いたということにと言ったほうが好ましいか」
「いや、英雄など心苦しく」
「貴様! 王が間違っているというのか!」
ブランド様が微笑んでお父さんへと声をかける。お父さんが頭を掻いて答えるとブレインが声を荒らげた。
「……はぁ、ブレイン。良いのだ。儂はジーク殿と友になりたいと思っておるのだ。友ならば、否定も許す」
「王!? そのようなことを平民にしてはいけません」
大きくため息をつくブランド様。ブレインはそれでも声を荒らげる。
「ブレイン。前王の作った習わしなど古いのだ。忠実に守っているお前を攻めることは儂にはできんがな」
「王……」
「気を悪くさせてすまないな。ジーク殿」
なだめる王に唇を噛みしめるブレイン。忠誠を誓っている王に謝らせるなんて、本当に騎士団長なのかな?
「して! ジーク殿はこの後どうされる? ご予定は決まっておるか?」
「は、はい。オーベンに戻り、いつも通りの生活に戻ろうと思っています」
パンッと両脚を叩いて話し始めるブランド様。お父さんの答えに首を傾げる。
「いつも通りとな? それはどういった?」
「そうですね……、日がな一日畑を耕して、時には目撃された魔物を討伐に行ったりですかね」
お父さんが問いに答え始めるとワクワクといった様子で目を輝かせるブランド様。
「特別なことのない毎日です」
「そうか。ではどうだろうか?」
お父さんが恥ずかしそうに話し終わるとブランド様は再度両脚を叩いて立ち上がり騎士達の顔を見て回る。
「王都で暮らし、騎士達の模範となっていただけないだろうか?」
『!?』
王様はブレインの肩に手を置くと驚愕な声をあげた。騎士たちはローズさん以外が声にならない言葉を漏らす。
「ブランド様! それは良い提案です!」
「そうだろうローズ」
ローズさんが感嘆の声をあげるとブランド様と腕をがっちりと結ぶ。あの二人は友達なのかな?
でも、他の騎士の人達がすっごい顔でお父さんを睨んでいるんだけどな。
「……ありがたいお言葉ですが王様、私には荷が重いことです」
「!? 何故断る? 指南役ということは金に困ることはないぞ」
話を断るお父さんにブランド様は驚愕して問いただす。お父さんは大きくため息をついた。
「お金ではありません王様。この際ですから正直に申しあげます。嫌気がさしたのです」
「……」
お父さんの答えに無言になってしまうブランド様。
「自分は城壁の中で安全に見下ろし、あまつさえ民を肉壁として扱う。そのような騎士が存在すること。一度でもあなた達は我々に手を差し伸べましたか? 冒険者が食べ物を配ってくれていたのをしっていますか? 強い難民がいたから仲間にしたい! 友になりたい? 何を言っているのですか!」
「……」
「貴様! 王になんということを!」
お父さんの心の叫びを聞いて王は黙り、ブレインは剣を引き抜いた。
「万死に値する」
「ブレインよせ!」
ブレインの振り上げた両手が振り下ろされる。ブランド様の制止の声も届かずに鮮血が赤い絨毯を点々と色濃くさせた。
「き、貴様!」
「……黙ってやられるものがいるか」
ブレインの片腕を切り落とすお父さん。驚愕する騎士団達だったけど、すぐに僕らを取り囲んでくる。
「やめぬか!」
『!?』
ブランド様の大きな声が玉座の間に響く。玉座の間の扉が開いて兵士達も駆けつけるほどの大きな声。
「先に手を出したのはこちらだ。ブレイン、片腕で済んでよかったではないか。ジーク殿は幾万のゴブリンやオークを倒した英雄だぞ」
「ぐっ!? ……」
ブランド様の嫌みのこもった慰めの言葉に苦虫を嚙み潰したような顔になって行くブレイン。すぐにその顔は憎悪に変わり、お父さんへと睨みを効かせてきた。
「ジーク殿。そなたには褒美をつかわす。金貨百枚。そして、第二騎士団を一隊」
「はっ?」
「ローズの隊をジーク殿に託す。オーベンの村の繁栄に使ってくれ。ではな」
ブランド様はそういって玉座の間の奥の扉へと入って行った。そして、大きな革袋を持ったローズさんがニコニコ笑顔で僕らへと近づいてきた。
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