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第一章 異世界
第二十九話 依頼終了の報告
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サンとトラを仲間にして俺達は朝を迎えた。早速イソリの村に帰ると驚かれたよ。そりゃそうだよな。サンなんて大きな熊だからな。
驚いた村人が村長を呼びに飛んでいった。村長は俺達を迎えると大きく驚いて口を開いた。
「従魔にされたのですか!」
「そうなんですけど、討伐はできないんですがいいですか?」
少し申し訳なく俯いて俺がそういうと村長は満面の笑みになった。
「そうですかそうですか。無害になるのでしたら大丈夫ですよ。ただ、そのまま従魔の首輪もしないでいると魔物だと間違われてしまいますからこれをどうぞ」
村長は俺達が思っていたようなことで依頼を頼んだわけではないようだ。おまけに従魔の首に着けるバンダナをくれた。本当は従魔の首輪っていうのがあるらしいんだけど、この村にはないみたい。ギルドでもルキアの時に言われなかったから気にならなかったけど、やっぱりそう言うものがあるんだな。
「報酬はギルドに渡してありますのでそちらで受け取ってくだされ」
「わかりました」
村長には報告したから後はルイさんだな。
「ルイさんにも報告に行こう」
「そうだね」
すぐにルイさんの家に向かう。来た時と同じように家の奥の畑で畑仕事をしている。継ぎ接ぎだらけの服がやっぱり痛々しいな。
「ああ、みなさん帰ってきたんですね・・・その熊と鹿はまさか・・・」
「そうです、トライホーンと三眼熊です」
バタッ、ルイさんが俺の返答を聞いて畑に倒れてしまった。そんなに驚くことかと思ったのだが、すぐに家の中に運んで介抱する。よく見るとルイさんは目の下に隈ができていて疲れ切っているのが見受けられた。
「サンとトラの事で村が危ないと思っていたから気を張っていたんだな」
「それで目の前に俺達と一緒にいるサンとトラが現れたから一気に安心しちまったのかな?」
俺とオッズが推測でルイさんの事を話す。確かに村が襲われると思っていたんだから毎日寝ていられなかっただろうな。村の人達は取り合ってくれないし、まったく女の子にこんなに無理させて。
「それにしても目を覚まさないな・・」
「ちょっとオッズ・・寝かせておきましょ」
オッズがルイさんの顔を覗いているとアイサがオッズの肩を掴んで引き戻した。このまま寝ていた方が彼女のためだよね。
「それにしてもぼろい家だな・・」
「本当ですね・・」
家はワンルーム6畳ほどだ。家具がないからサンとトラ以外が入っても大丈夫だが正直窮屈だ。ここは俺の出番かな?
「彼女が寝ている間に色々やっておくか」
「えっ?タツミさん、何すんですか?」
俺は外に出て、服を着替える。ねじり鉢巻きと腹巻、口には何故かくぎを含んでいる。
「ダサイ・・」
「ダサイわ」
「ダサイですね」
「カッコイ~!」
「ガウガウ」
「キャルル」
オッズ達にはダサいと言われルキア達にはグッドをもらった。オッズ達に俺は賛同だが、はっきり言わなくてもいいんじゃね?という事で俺は大工の服に着替えてとんてんかんと家を建てていく。
畑ギリギリまでを家にしていく、今の状態ではかなり土地が勿体ない。家と畑までが約4メートルは空いているんだ。ここを埋めるだけでもかなりの部屋が確保できる。6畳だった部屋がこれだけで約倍の大きさになる。あとは室内の仕切り版だ。寝室がそのまま玄関兼リビングだったわけだがこれからは違うぞ。リビングキッチンと玄関になって、寝室は隣の部屋だ。これで大分ルイさんの為になるだろう。
「よし、あとは畑だな」
俺は農民の服に着替える。農民の凄い人ってどの程度なのか知りたかったからやってみたかったんだよな。
「うおお!」
木の鍬で畑に一発振り下ろした。俺は驚きの声を上げる。
「畑の範囲だけを耕した・・・どんなチートだよ」
俺は呆れにも似た感想をつぶやいた。本当にこんな農民がいるのか?その人にかかればどんな荒地でも耕せそうだな。一人で北海道を開拓できそうだよ。
「種はあれかな?」
家を改造していた時から置いてあった布袋に入っていた種を撒いていこうとするんだが。
「・・・」
なんで俺が無言で驚いているかわかるか?それはな。
「布袋から勝手に種が飛んでいってんだよ!」
なに?なんなの?異世界の種ってドローンみたいな性能を持っているのか?等間隔に種が耕した畑に入っていく。農民の服だけ、すっごいチートなんだけどいいのかこれ?大工の服と偉い違いだな。
大工の服はちょっと木を切るのが早いとかまっすぐ切れるとか素人の俺でも寸法を間違えないとか地味なものだったんだが、農民は明らかにチートだ。魔法のある世界だから物が浮くとかは当たり前なのかもしれないが、流石にやりすぎだ。
「タツミさんってなんでもできるんだね・・」
「大工仕事なんて俺できないぞ」
「すごい・・」
一部始終みていた三人が椅子に座りながら唖然としていた。因みにあの椅子も俺が作った。野営時にも使えるので便利だと思ったからな。木は村の人にちゃんと許可取って切らせてもらっている。畑仕事とかは見られていないと思うので大丈夫だろう。
「じゃあ、ルイさんが起きる前に料理も作っちゃおう」
俺はそう言ってオッズの用意してくれていた焚火の前に立った。料理人の服に着替えて準備万端。
「まず、薬草とイノシシ肉のカルパッチョだ」
さあ料理を作っていくぞ。素人の俺の料理なのであんまり期待しないでほしいけどな。
驚いた村人が村長を呼びに飛んでいった。村長は俺達を迎えると大きく驚いて口を開いた。
「従魔にされたのですか!」
「そうなんですけど、討伐はできないんですがいいですか?」
少し申し訳なく俯いて俺がそういうと村長は満面の笑みになった。
「そうですかそうですか。無害になるのでしたら大丈夫ですよ。ただ、そのまま従魔の首輪もしないでいると魔物だと間違われてしまいますからこれをどうぞ」
村長は俺達が思っていたようなことで依頼を頼んだわけではないようだ。おまけに従魔の首に着けるバンダナをくれた。本当は従魔の首輪っていうのがあるらしいんだけど、この村にはないみたい。ギルドでもルキアの時に言われなかったから気にならなかったけど、やっぱりそう言うものがあるんだな。
「報酬はギルドに渡してありますのでそちらで受け取ってくだされ」
「わかりました」
村長には報告したから後はルイさんだな。
「ルイさんにも報告に行こう」
「そうだね」
すぐにルイさんの家に向かう。来た時と同じように家の奥の畑で畑仕事をしている。継ぎ接ぎだらけの服がやっぱり痛々しいな。
「ああ、みなさん帰ってきたんですね・・・その熊と鹿はまさか・・・」
「そうです、トライホーンと三眼熊です」
バタッ、ルイさんが俺の返答を聞いて畑に倒れてしまった。そんなに驚くことかと思ったのだが、すぐに家の中に運んで介抱する。よく見るとルイさんは目の下に隈ができていて疲れ切っているのが見受けられた。
「サンとトラの事で村が危ないと思っていたから気を張っていたんだな」
「それで目の前に俺達と一緒にいるサンとトラが現れたから一気に安心しちまったのかな?」
俺とオッズが推測でルイさんの事を話す。確かに村が襲われると思っていたんだから毎日寝ていられなかっただろうな。村の人達は取り合ってくれないし、まったく女の子にこんなに無理させて。
「それにしても目を覚まさないな・・」
「ちょっとオッズ・・寝かせておきましょ」
オッズがルイさんの顔を覗いているとアイサがオッズの肩を掴んで引き戻した。このまま寝ていた方が彼女のためだよね。
「それにしてもぼろい家だな・・」
「本当ですね・・」
家はワンルーム6畳ほどだ。家具がないからサンとトラ以外が入っても大丈夫だが正直窮屈だ。ここは俺の出番かな?
「彼女が寝ている間に色々やっておくか」
「えっ?タツミさん、何すんですか?」
俺は外に出て、服を着替える。ねじり鉢巻きと腹巻、口には何故かくぎを含んでいる。
「ダサイ・・」
「ダサイわ」
「ダサイですね」
「カッコイ~!」
「ガウガウ」
「キャルル」
オッズ達にはダサいと言われルキア達にはグッドをもらった。オッズ達に俺は賛同だが、はっきり言わなくてもいいんじゃね?という事で俺は大工の服に着替えてとんてんかんと家を建てていく。
畑ギリギリまでを家にしていく、今の状態ではかなり土地が勿体ない。家と畑までが約4メートルは空いているんだ。ここを埋めるだけでもかなりの部屋が確保できる。6畳だった部屋がこれだけで約倍の大きさになる。あとは室内の仕切り版だ。寝室がそのまま玄関兼リビングだったわけだがこれからは違うぞ。リビングキッチンと玄関になって、寝室は隣の部屋だ。これで大分ルイさんの為になるだろう。
「よし、あとは畑だな」
俺は農民の服に着替える。農民の凄い人ってどの程度なのか知りたかったからやってみたかったんだよな。
「うおお!」
木の鍬で畑に一発振り下ろした。俺は驚きの声を上げる。
「畑の範囲だけを耕した・・・どんなチートだよ」
俺は呆れにも似た感想をつぶやいた。本当にこんな農民がいるのか?その人にかかればどんな荒地でも耕せそうだな。一人で北海道を開拓できそうだよ。
「種はあれかな?」
家を改造していた時から置いてあった布袋に入っていた種を撒いていこうとするんだが。
「・・・」
なんで俺が無言で驚いているかわかるか?それはな。
「布袋から勝手に種が飛んでいってんだよ!」
なに?なんなの?異世界の種ってドローンみたいな性能を持っているのか?等間隔に種が耕した畑に入っていく。農民の服だけ、すっごいチートなんだけどいいのかこれ?大工の服と偉い違いだな。
大工の服はちょっと木を切るのが早いとかまっすぐ切れるとか素人の俺でも寸法を間違えないとか地味なものだったんだが、農民は明らかにチートだ。魔法のある世界だから物が浮くとかは当たり前なのかもしれないが、流石にやりすぎだ。
「タツミさんってなんでもできるんだね・・」
「大工仕事なんて俺できないぞ」
「すごい・・」
一部始終みていた三人が椅子に座りながら唖然としていた。因みにあの椅子も俺が作った。野営時にも使えるので便利だと思ったからな。木は村の人にちゃんと許可取って切らせてもらっている。畑仕事とかは見られていないと思うので大丈夫だろう。
「じゃあ、ルイさんが起きる前に料理も作っちゃおう」
俺はそう言ってオッズの用意してくれていた焚火の前に立った。料理人の服に着替えて準備万端。
「まず、薬草とイノシシ肉のカルパッチョだ」
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