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第一章 異世界
第三十話 料理
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家も整って畑も耕して、俺は料理を始めていく。
イノシシの肉をつかったカルパッチョを前菜として作る。
イノシシの塊肉を網焼きしていく、強火で焼いて網目状に焼き目がついた。いいころ合いを見極めるのも料理人の服の力でピキーンと来た。俺自体は素人レベルなのに服の力でプロレベルまで引き上げられている。何だか修行している人たちに悪いな。
焼き目がついた肉を薄くスライスしていく、中はまだ薄ピンク色でローストビーフといった感じだ。ポロロちゃんにナイフを出してもらっていたのでそれで切っていくんだが、明らかに切れ味がいい、ただのナイフでこんな塊の肉がスパスパ切れるわけないからな。
木で作った平皿に薬草と山菜、それに香草を敷き詰めていく、更に薄くスライスした肉を敷いていく、チーズとかドレッシングとかないから限界があるがこれだけでも十分旨いんだろうな。料理人の服の力を過信する俺である。
「よし、前菜おまち!」
「じゃあ、アイテムバッグにしまっていきますよ」
作った先からポロロちゃんのアイテムバッグにしまってもらう。全員で食べたいからなとりあえずしまってもらっている。
「次はスープだな」
イノシシの骨で出汁をとる。山菜と野菜と一緒に煮込んでいく。通常3時間以上かかる物だが、スキルのおかげですでに出汁が出かかっている。プロでもわからないと思うんだが、スキルを持っている俺の目には確かに見えるんだ。出汁がお湯に溶け込んでいる。
「スープもこれで大体完成だな」
透明度の高い塩味のスープだ。イノシシの臭さは香草やらなんやらでなくなっているので純粋な肉のうま味が溶け込んでいる。
「あ~、ラーメンが食べたい」
社畜生活が長かったからな。社畜はみんなカレー、ラーメン、牛丼で出来ている。いつかこのすべてを作らなくてはいけない、これは俺の使命だな。牛丼は割と簡単そうだが、小麦粉探してラーメンの麺を作らないとな。西洋文化に近い感じだからあると思うが。
「このスープは多めに作って保存しておくか」
今後の為にも出汁の出たスープは持っておいて損はないだろう。作れるときに作っとかないとな。スキルのおかげで時短できているとはいえ、時間かかってしまうし。
この世界の水物を入れるアイテムは革袋しかない。飲み口がついている革袋で結構高価だ。今、俺が持っているので1.5リットル位入る物を一袋しかもっていない。とりあえずはこれにしまっておくかな。間違って水と思って飲まないように書いておきたいがペンなんてないし、書けるものって普通の人は持ってないので出店にはなかったんだよな。色々生活していると不便なことが多くなってくる。
「よっし、次は肉ばっかじゃだめだから魚だな」
イソリ村から少し森に入ると川があってそこで村の人たちが釣ったものを買ってきたのだ。川魚なので生はやめておく。魚の形は元の世界に似ているけど用途は同じだと思うんだ。
世界の成り立ちは大体同じはずだから川魚を生はやばいよな。寄生虫とかもろもろな。
焼き魚が一番だが折角なので作っただしで煮るかな。めんつゆの元とかあれば最高なんだがそんなものはない。醤油とか味噌とかが本当に恋しい。
「海とかに行ってわかめやら昆布が欲しいな」
「海に行くんですか?いいな~」
俺の独り言をアイサに聞かれてしまった。
「海ってここから結構遠いですよ」
「確か、馬車で一週間、馬で五日とか聞きました」
アイサの大きな声でオッズとポロロちゃんにも聞こえたようだ。二人の反応から海は結構遠いのが伺える。海の物は後回しにするしかないかな。農民の服で小麦を手に入れて麺を作るのを先にしようか。醤油とか味噌とかの方が重要だよな。
「まあ、そのうち行こうかなってね」
「俺達も早く外に行けるようになりたいな」
「ごめんねオッズ、お父さんの借金のせいで・・」
「いや、そういう意味じゃなくて・・ごめん」
俺の言葉にオッズがついつい言葉を滑らしてしまったようだ。アイサが申し訳なさそうにしている。だけど、今回の依頼達成で借金はすべてチャラだ。二人も解放されるはず。
「よ~し。できたぞ~」
メインの魚料理もできたのでルイさんの家に持っていく。彼女は新しく作った寝室に寝ているのでリビングに机を置いてみんなの分の料理を置いていく。サンとトラは入れないので仕方なく外で食べてもらう。
「う、う~ん。いい匂い・・・ってここはどこ!」
新しい部屋で声が聞こえてきた。ルイさんが起きて驚いているのだろう。隙間だらけの家が新品のようになっているのだから驚くに決まってるよな。
「みなさん・・・ここは?」
呆けた顔でリビングに出てきたルイさんが目をこすりながら話した。
「おはようございますルイさん。ここはあなたの家ですよ」
「ええ、ここが?」
ルイさんの疑問に答えるとそれを聞いてキョロキョロと内装を見て首を傾げた。
「隙間風とかすごかったから勝手に改造したんですけど、ダメでしたか?」
「いえ、ダメとかそういうわけではないのですが・・お金は・・」
ルイさんはお金を請求されると思っているようだ。
「それは大丈夫ですよ。勝手にした事ですから気にしないでください」
大工の服の性能を試したかったからとは言えないからな。こっちが勝手にやったのだからそんなものは不要だ。それに子供たちにルイさんのお金事情は聞いているんだよな。通常、村で集めてギルドに依頼するもんなんだけど、彼女の話を聞いてくれないもんだから、一人で依頼料を払ったんだよな。だから継ぎ接ぎの服で頑張ってたんだよな。全くどの世界でも女性は強いよな。
「そんなことよりも食事にしましょ」
「ルイさんちゃんと食べてないでしょ」
アイサとポロロちゃんが机に料理を並べていってルイさんに木のスプーンを渡した。
「食事まで・・・ありがとうございます」
「そんなにかしこまらないでください。それよりも食べて感想を聞かせてくださいよ」
泣き出しそうな顔で深くお辞儀をしてきた。そんなに畏まらないでいいのにな。
「あんまり食べていなかったからスープからの方がいいかも」
ポロロちゃんがそう言ってスープの入ったお皿を渡した。
「良い匂い・・・・・」
ルイさんは渡されたスープにスプーンをくぐらせると一口口に含んでいく、
「温かくて美味しい・・・」
一口口に含んだルイさんはみるみる顔が高揚して歓喜の声を上げていった。
「タツミさんの料理ってずば抜けて美味しいんだよ」
「アリプソの街でも大盛況だったもんな」
ルイさんを見てほほ笑んだオッズとアイサが俺を自慢している。なんとも気恥ずかしいが嬉しいもんだな。
「じゃあ、私たちも食べよ~」
ルイさんの食べる姿を見て、アイサも我慢の限界だったようだ、前菜のカルパッチョを口に運んでいる。アイサに呆れ顔なオッズだったが彼も勢いよくカルパッチョを口に含んでいく。
ポロロちゃんも食べ始めたので俺とルキアも食べ始める。本当はサンとトラとも食べたいのだが今回はしょうがないよな。
イノシシの肉をつかったカルパッチョを前菜として作る。
イノシシの塊肉を網焼きしていく、強火で焼いて網目状に焼き目がついた。いいころ合いを見極めるのも料理人の服の力でピキーンと来た。俺自体は素人レベルなのに服の力でプロレベルまで引き上げられている。何だか修行している人たちに悪いな。
焼き目がついた肉を薄くスライスしていく、中はまだ薄ピンク色でローストビーフといった感じだ。ポロロちゃんにナイフを出してもらっていたのでそれで切っていくんだが、明らかに切れ味がいい、ただのナイフでこんな塊の肉がスパスパ切れるわけないからな。
木で作った平皿に薬草と山菜、それに香草を敷き詰めていく、更に薄くスライスした肉を敷いていく、チーズとかドレッシングとかないから限界があるがこれだけでも十分旨いんだろうな。料理人の服の力を過信する俺である。
「よし、前菜おまち!」
「じゃあ、アイテムバッグにしまっていきますよ」
作った先からポロロちゃんのアイテムバッグにしまってもらう。全員で食べたいからなとりあえずしまってもらっている。
「次はスープだな」
イノシシの骨で出汁をとる。山菜と野菜と一緒に煮込んでいく。通常3時間以上かかる物だが、スキルのおかげですでに出汁が出かかっている。プロでもわからないと思うんだが、スキルを持っている俺の目には確かに見えるんだ。出汁がお湯に溶け込んでいる。
「スープもこれで大体完成だな」
透明度の高い塩味のスープだ。イノシシの臭さは香草やらなんやらでなくなっているので純粋な肉のうま味が溶け込んでいる。
「あ~、ラーメンが食べたい」
社畜生活が長かったからな。社畜はみんなカレー、ラーメン、牛丼で出来ている。いつかこのすべてを作らなくてはいけない、これは俺の使命だな。牛丼は割と簡単そうだが、小麦粉探してラーメンの麺を作らないとな。西洋文化に近い感じだからあると思うが。
「このスープは多めに作って保存しておくか」
今後の為にも出汁の出たスープは持っておいて損はないだろう。作れるときに作っとかないとな。スキルのおかげで時短できているとはいえ、時間かかってしまうし。
この世界の水物を入れるアイテムは革袋しかない。飲み口がついている革袋で結構高価だ。今、俺が持っているので1.5リットル位入る物を一袋しかもっていない。とりあえずはこれにしまっておくかな。間違って水と思って飲まないように書いておきたいがペンなんてないし、書けるものって普通の人は持ってないので出店にはなかったんだよな。色々生活していると不便なことが多くなってくる。
「よっし、次は肉ばっかじゃだめだから魚だな」
イソリ村から少し森に入ると川があってそこで村の人たちが釣ったものを買ってきたのだ。川魚なので生はやめておく。魚の形は元の世界に似ているけど用途は同じだと思うんだ。
世界の成り立ちは大体同じはずだから川魚を生はやばいよな。寄生虫とかもろもろな。
焼き魚が一番だが折角なので作っただしで煮るかな。めんつゆの元とかあれば最高なんだがそんなものはない。醤油とか味噌とかが本当に恋しい。
「海とかに行ってわかめやら昆布が欲しいな」
「海に行くんですか?いいな~」
俺の独り言をアイサに聞かれてしまった。
「海ってここから結構遠いですよ」
「確か、馬車で一週間、馬で五日とか聞きました」
アイサの大きな声でオッズとポロロちゃんにも聞こえたようだ。二人の反応から海は結構遠いのが伺える。海の物は後回しにするしかないかな。農民の服で小麦を手に入れて麺を作るのを先にしようか。醤油とか味噌とかの方が重要だよな。
「まあ、そのうち行こうかなってね」
「俺達も早く外に行けるようになりたいな」
「ごめんねオッズ、お父さんの借金のせいで・・」
「いや、そういう意味じゃなくて・・ごめん」
俺の言葉にオッズがついつい言葉を滑らしてしまったようだ。アイサが申し訳なさそうにしている。だけど、今回の依頼達成で借金はすべてチャラだ。二人も解放されるはず。
「よ~し。できたぞ~」
メインの魚料理もできたのでルイさんの家に持っていく。彼女は新しく作った寝室に寝ているのでリビングに机を置いてみんなの分の料理を置いていく。サンとトラは入れないので仕方なく外で食べてもらう。
「う、う~ん。いい匂い・・・ってここはどこ!」
新しい部屋で声が聞こえてきた。ルイさんが起きて驚いているのだろう。隙間だらけの家が新品のようになっているのだから驚くに決まってるよな。
「みなさん・・・ここは?」
呆けた顔でリビングに出てきたルイさんが目をこすりながら話した。
「おはようございますルイさん。ここはあなたの家ですよ」
「ええ、ここが?」
ルイさんの疑問に答えるとそれを聞いてキョロキョロと内装を見て首を傾げた。
「隙間風とかすごかったから勝手に改造したんですけど、ダメでしたか?」
「いえ、ダメとかそういうわけではないのですが・・お金は・・」
ルイさんはお金を請求されると思っているようだ。
「それは大丈夫ですよ。勝手にした事ですから気にしないでください」
大工の服の性能を試したかったからとは言えないからな。こっちが勝手にやったのだからそんなものは不要だ。それに子供たちにルイさんのお金事情は聞いているんだよな。通常、村で集めてギルドに依頼するもんなんだけど、彼女の話を聞いてくれないもんだから、一人で依頼料を払ったんだよな。だから継ぎ接ぎの服で頑張ってたんだよな。全くどの世界でも女性は強いよな。
「そんなことよりも食事にしましょ」
「ルイさんちゃんと食べてないでしょ」
アイサとポロロちゃんが机に料理を並べていってルイさんに木のスプーンを渡した。
「食事まで・・・ありがとうございます」
「そんなにかしこまらないでください。それよりも食べて感想を聞かせてくださいよ」
泣き出しそうな顔で深くお辞儀をしてきた。そんなに畏まらないでいいのにな。
「あんまり食べていなかったからスープからの方がいいかも」
ポロロちゃんがそう言ってスープの入ったお皿を渡した。
「良い匂い・・・・・」
ルイさんは渡されたスープにスプーンをくぐらせると一口口に含んでいく、
「温かくて美味しい・・・」
一口口に含んだルイさんはみるみる顔が高揚して歓喜の声を上げていった。
「タツミさんの料理ってずば抜けて美味しいんだよ」
「アリプソの街でも大盛況だったもんな」
ルイさんを見てほほ笑んだオッズとアイサが俺を自慢している。なんとも気恥ずかしいが嬉しいもんだな。
「じゃあ、私たちも食べよ~」
ルイさんの食べる姿を見て、アイサも我慢の限界だったようだ、前菜のカルパッチョを口に運んでいる。アイサに呆れ顔なオッズだったが彼も勢いよくカルパッチョを口に含んでいく。
ポロロちゃんも食べ始めたので俺とルキアも食べ始める。本当はサンとトラとも食べたいのだが今回はしょうがないよな。
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