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第二章 海へ
第三十二話 服完成
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「10着完成っと」
サンとトラを布屋のおばさんに預けて、俺は着々と服を完成させていく。10着完成したので声を上げて子供の気を引いてみた。
「できたの~?」
「見せて~」
思った通り子供達は食いついてきて近づいてくる。畳んでおいておいた服を広げてみせるとキラキラした目で服を見ていた。俺もこんな目で母さんの服を見ていたのかな。
「ルキアのは~?」
少しサイズが小さいのでルキアは自分のではないとわかったようで疑問に首を傾げている。俺はルキアの頭に手をポンと置いた。
「ルキアのはもうちょっと待っててくれよ。絶対に最高の物を作るからな」
「は~い・・」
少し拗ねたように小石を蹴って離れていくルキア。早くルキアの服も作ってやらないとな。
「みんな仲良く服を見ていてくれよ。ルナさんに服を持っていくからな」
子供達に基本の服を見せておく、どの服がいいのかはっきりとわかるだろうからそれからその気に入った服を基本に作っていこうと計画している。
俺は小屋に入って二階にあがる。布団で体を隠しているルナさんはお粥の食べる手を置いて俺を見つめてきた。
「タツミさん、お粥美味しかったです。初めて食べるものですけど食べやすくて私の好きな味でした」
「お粗末様です。体は大丈夫ですか?」
「はい、お粥を食べたら元気になりました」
ルナさんは元気に微笑んだ。回復の魔法も効いているのかもしれないけどルナさんはとても元気そうだ。
「服を作ってみたんですけど」
「えっ?」
ルナさんの服を包んでいた布をはだけさせる。緑のワンピースを作ってみたんだけど気に入ってくれるかな?
「可愛い・・・私が着てもいいんですか?」
「ルナさんの為に作ったんですよ、着てください。他にも作る予定ですから楽しみにしてください」
「はい!ありがとうございます」
ワンピースを受け取ったルナさんは大事そうにワンピースを抱きしめた。泣いているようにも見えるけど、そんなに抱きしめているとしわになっちゃいますよ。
「じゃあ、僕は子供達の服も作っているので」
「タツミさんはなんでもできるんですね。羨ましいです」
横になっているルナさんに手を振って俺は小屋から外へ出て、服を見ている子供達を遠巻きに見る。みんな手に持って広げてみているんだけど地面に落としてしまったりしている。まあ、基本の物だからいいんだけど、もっと大事にしようね。
「みんな、いいのあった?」
「うん!僕これがいい~」
「私はこれ~!」
子供達はそれぞれ、気に入った服を指さした。俺は頷きながら聞いているとルキアも指さしていたのでそれもメモしておこう。ルキアはスカート系が好きみたいだな。
「じゃあ、一番多いのから作っていくぞ」
俺は腕まくりして服を製作していく、裁縫職人の力は縫う速度だけではなく完成度も高くしてくれている。作った服はどれも元の世界の服のようにきめ細かでこの世界の服よりも上質になっている。
「ありがと~お兄ちゃん」
「大事にしてくれよ」
全員に行き渡るだけの服を作り終わると子供達に渡していく。子供達は服を受け取ると笑顔でお礼を言ってきた。たまらず俺は子供の頭を撫でてあげると喜んで小屋の方へと走っていった。早速みんな着替えるみたいだな。
子供達が着替えて小屋から出てくるとみんなで見せ合いっこしてクルクルと回転していた。
「ルキアの~」
「おお、そうだったな。はい」
「やった~」
子供達を見て、ルキアが羨ましそうに子供達をみて、服をおねだりしてきた。ルキアの服も作っておいたのですぐに手渡すとルキアは喜んでアーミークロコダイルの着ぐるみを脱いで白に赤い線がついているフリフリスカートに着替えた。上下一体でドレスのような服はルキアに凄く似合っている。う~ん我が子、可愛い。
「残りの布持ってきたよ~」
子供達の嬉しそうな姿を見ていると門の方から声が上がった。布屋のおばさんが帰ってきて、サンとトラの背には布の入った風呂敷が載せられている。
「あら~、みんな可愛い服着てるね~」
「いいでしょ~」
「みんな可愛いよ」
子供達もおばさんの元へやってきて、服を褒められると嬉しそうにクルクルと回っていた。あそこまで気に入ってもらえると嬉しいな。
「全員分を作ったんだね。残りのは予備かい?」
「冬用と予備ですね」
「あ~そうだね。冬は短いけど寒くなるからしっかりしたのを作った方がいいよ」
この地域も冬はあるみたいだな。倍以上の布を買って正解だった。実の所、裁縫職人の服のおかげで布地の減りが少なくてあまりそうだった。冬物の服はいくらあってもいいだろうから丁度よかった。
「またよろしくね」
「ありがとうございます」
「ははは、礼を言いたいのはこっちだよ。ルキアちゃんとサンちゃんとトラちゃんもまたね」
「またね~」
「キャン!」「ガウガウ~」
おばさんに手を振って見送る。
とりあえずの服も作り終わったので建物を先に建てていこう。木材置き場の骨組みと屋根があるだけの建物しかできてないからな。
サンとトラを布屋のおばさんに預けて、俺は着々と服を完成させていく。10着完成したので声を上げて子供の気を引いてみた。
「できたの~?」
「見せて~」
思った通り子供達は食いついてきて近づいてくる。畳んでおいておいた服を広げてみせるとキラキラした目で服を見ていた。俺もこんな目で母さんの服を見ていたのかな。
「ルキアのは~?」
少しサイズが小さいのでルキアは自分のではないとわかったようで疑問に首を傾げている。俺はルキアの頭に手をポンと置いた。
「ルキアのはもうちょっと待っててくれよ。絶対に最高の物を作るからな」
「は~い・・」
少し拗ねたように小石を蹴って離れていくルキア。早くルキアの服も作ってやらないとな。
「みんな仲良く服を見ていてくれよ。ルナさんに服を持っていくからな」
子供達に基本の服を見せておく、どの服がいいのかはっきりとわかるだろうからそれからその気に入った服を基本に作っていこうと計画している。
俺は小屋に入って二階にあがる。布団で体を隠しているルナさんはお粥の食べる手を置いて俺を見つめてきた。
「タツミさん、お粥美味しかったです。初めて食べるものですけど食べやすくて私の好きな味でした」
「お粗末様です。体は大丈夫ですか?」
「はい、お粥を食べたら元気になりました」
ルナさんは元気に微笑んだ。回復の魔法も効いているのかもしれないけどルナさんはとても元気そうだ。
「服を作ってみたんですけど」
「えっ?」
ルナさんの服を包んでいた布をはだけさせる。緑のワンピースを作ってみたんだけど気に入ってくれるかな?
「可愛い・・・私が着てもいいんですか?」
「ルナさんの為に作ったんですよ、着てください。他にも作る予定ですから楽しみにしてください」
「はい!ありがとうございます」
ワンピースを受け取ったルナさんは大事そうにワンピースを抱きしめた。泣いているようにも見えるけど、そんなに抱きしめているとしわになっちゃいますよ。
「じゃあ、僕は子供達の服も作っているので」
「タツミさんはなんでもできるんですね。羨ましいです」
横になっているルナさんに手を振って俺は小屋から外へ出て、服を見ている子供達を遠巻きに見る。みんな手に持って広げてみているんだけど地面に落としてしまったりしている。まあ、基本の物だからいいんだけど、もっと大事にしようね。
「みんな、いいのあった?」
「うん!僕これがいい~」
「私はこれ~!」
子供達はそれぞれ、気に入った服を指さした。俺は頷きながら聞いているとルキアも指さしていたのでそれもメモしておこう。ルキアはスカート系が好きみたいだな。
「じゃあ、一番多いのから作っていくぞ」
俺は腕まくりして服を製作していく、裁縫職人の力は縫う速度だけではなく完成度も高くしてくれている。作った服はどれも元の世界の服のようにきめ細かでこの世界の服よりも上質になっている。
「ありがと~お兄ちゃん」
「大事にしてくれよ」
全員に行き渡るだけの服を作り終わると子供達に渡していく。子供達は服を受け取ると笑顔でお礼を言ってきた。たまらず俺は子供の頭を撫でてあげると喜んで小屋の方へと走っていった。早速みんな着替えるみたいだな。
子供達が着替えて小屋から出てくるとみんなで見せ合いっこしてクルクルと回転していた。
「ルキアの~」
「おお、そうだったな。はい」
「やった~」
子供達を見て、ルキアが羨ましそうに子供達をみて、服をおねだりしてきた。ルキアの服も作っておいたのですぐに手渡すとルキアは喜んでアーミークロコダイルの着ぐるみを脱いで白に赤い線がついているフリフリスカートに着替えた。上下一体でドレスのような服はルキアに凄く似合っている。う~ん我が子、可愛い。
「残りの布持ってきたよ~」
子供達の嬉しそうな姿を見ていると門の方から声が上がった。布屋のおばさんが帰ってきて、サンとトラの背には布の入った風呂敷が載せられている。
「あら~、みんな可愛い服着てるね~」
「いいでしょ~」
「みんな可愛いよ」
子供達もおばさんの元へやってきて、服を褒められると嬉しそうにクルクルと回っていた。あそこまで気に入ってもらえると嬉しいな。
「全員分を作ったんだね。残りのは予備かい?」
「冬用と予備ですね」
「あ~そうだね。冬は短いけど寒くなるからしっかりしたのを作った方がいいよ」
この地域も冬はあるみたいだな。倍以上の布を買って正解だった。実の所、裁縫職人の服のおかげで布地の減りが少なくてあまりそうだった。冬物の服はいくらあってもいいだろうから丁度よかった。
「またよろしくね」
「ありがとうございます」
「ははは、礼を言いたいのはこっちだよ。ルキアちゃんとサンちゃんとトラちゃんもまたね」
「またね~」
「キャン!」「ガウガウ~」
おばさんに手を振って見送る。
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