転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

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第二章 海へ

第三十三話 アルフレドに頼んでみた

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 子供達が新品に服を着て遊んでいる中、俺は教会を建てていく。ルキアもクルクル回ってスカートをヒラヒラさせている。

「お父さん見てみて~」

「ははは、見てるよ。あんまり汚すんじゃないぞ」

「は~い。サンちゃん!トラちゃん可愛い?」

「キャン」「ガウ~」

 俺の注意を聞いて、ルキアはサンとトラの前でクルクルと回って嬉しそうにしている。サンとトラもルキアの周りでピョンピョン跳ねて嬉しそうだ。作った甲斐があったな。

「さて、俺は作っていきますかね」

 ルキア達を見てほっこりしたので俺は一つ大きく息を吸って木材置き場へと向き直る。

「柱は完璧だ。あとはこの木の板を張り付けていくだけだ」

 そんな簡単な話でもないんだよな。

 冬があるという話を聞いて、暖炉も作らないといけないと思ったから玄関の横に薪ストーブのような物を作ろうと思ったんだ。玄関を吹き抜けのようにして家全体を温かくするようなイメージ、そう言う家に憧れた事があったけどまさか作ることになるとは思わなかったな。

「鉄はいくらでもあるから簡単に作れそうだな。鍛冶屋の服に着替えて加工していこう」

 鍛冶屋の服に着替えて薪ストーブを作る。この世界にも普通に存在するはずだからあっても大丈夫なはず、見たことはないけどな。

 薪ストーブの煙の出る配管を外に通してそこだけくりぬいた板を張り付けていく。石膏なんかも使いたいのだが、とりあえずは住めるものができればいいかといった感じだ。壁を作ってからでもそう言った事はできるからな。
 外壁をペタペタ張り付けていくと子供達も興味津々といった様子で指を咥えながら見ていた。子供らしい仕草にほっこりする。

「みんな~タツミさんの邪魔しちゃだめよ」

「は~い」

 小屋の方からルナさんが声をかけた。すっかり元気になったルナさんはさっき渡した服に着替えて、汗で汚れてしまった服を洗濯している。堂々と下着も干しているので目のやり場に困る。それだけ信頼されていると思えば、何とかなるが、これでも男なんだけどな。

「タツミさん」

「ん?」

 そんなしょうもないことを考えているとアルフレドが声をかけてきた。シーラインの米どころのダイロに泊まらないと行った時にアルフレドがいなかったからダイロに伝言を頼んでおいたんだよな。孤児院で寝泊まりすると伝えただけだけど、何かあったのかな?

「アルフレドどうしたんだ?」

「孤児院で泊まるって聞いてどうなっているのかなって」

「ああ、心配してくれたのか。ありがとう」

 どうやら、サゲスの話もあって孤児院に泊まると聞いたことで心配してくれたようだ。アルフレドはいい子だな。

「借金取りに迫られていたから助けたんだけど、元々この孤児院の所有権は俺になってたから色々建て直してるんだよ」

「ええ!孤児院の所有権がタツミさんなんですか?」

「ああ、サゲスに頼まれてね。あいつも色々あるんだよな」

 ルナさんに任せっきりなのは看過できないがそれも理由があるんだろう、仕方ないよな。俺の返答にアルフレドは戸惑っているけどすぐに気を取り直してキリッと美人顔に戻った。本当にこの世界の人達は美人ばかりだな。羨ましい・・って今は俺も美人か。

「でも、なんで自分で建てているんですか?大工さんに頼めば」

「いや~金かかるし、自分で作った方が愛着も沸くだろ」

 金もないし、自分で作れるならそっちの方がいいもんな。

「そう言うもんですか?」

「そう言うもんだよ。金がないなら自分で作らないとな」

 カミソリも作ったし、ハサミも自作した、ないなら作っちゃえばいいのだ。流石に金を作ったら怒られそうだがな。

「しばらく、孤児院に泊まるんですか?」

「そうなるな。安定的に孤児院が暮らせるようにして、俺はまた旅に出る。無責任に放っておくわけにもいかないよ。所有者だからな」

 サゲスには無理やりと言っていい形で所有権を受け取ったが困っている人がいるならなるべく助けてあげたい。結局は偽善かもしれないけど、やらないよりはましだよな。

「あ~そうだ。牛って買えないかな?」

「牛ですか?」

「あの小屋があるだろ?そこで飼って、収入にするんだよ。あとは畑かな」

 畑なら農業の服チートがあるから簡単にできるのだが、安定的な収入で子供達を養える収入を得るには畑だけではできないと思うんだよな。あとルナさんだけで養えるとは思えないので人員も必要だ。人員の問題はちょっと案があるのだが、それは冒険者ギルドで話が出ている。

「豚や牛を飼うって事ですか。いい案ですね」

「だろ」

「それじゃ、僕の伝手で話してみますよ」

「ありがとう、助かるよ」

「いえいえ、タツミさんのお役に立ててうれしいです」

 アルフレドはそう言って孤児院の門をくぐっていった。心なしか、凄くうれしそうにしていて、スキップのように弾んでいた。何か良いことでもあったのか?
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