40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)

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第一章 異世界旅行

第21話 異変

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「ミスリル鉱山にとうちゃ~く!」

 エチルちゃんと手を繋いで鉱山に到着いたしました。楽しそうに声を上げるエチルちゃんに一同笑顔になる。

「あれ? 焚火ですかね? 煙が」

 ミスリル鉱山の入り口を見ていると山の麓から上がる煙に気が付く。
 リリスさんの声で気が付いたルッソ君とミラちゃんは首を傾げた。

「いつもの夜に焚く焚火よりも煙が多いな?」

「そ、そうだよね。なんかおかしいんじゃ?」

 二人は不安そうに話しています。

「何か気になることが?」

「あ、はい。あの方向は俺達の村があって」

 ルッソ君の答えを聞いて不安そうにしている理由がわかりました。
 私はリリスさんの顔を一瞥して煙の立つ方向へと歩き出す。

「ど、どうしたんですか?」

「不安なのでしょう。こういう時はすぐに行くべきです。行かなかったら後悔が残りますからね」

 不思議そうに眺めてくるルッソさんに答えながら煙を見上げる。
 私も親の死にめに会えなかったことがありました。あれは本当に後悔しました。そんな思いを人に感じてほしいとは思いません。

「オーガだ! ゴブリンもいるぞ!」

「エイベルグまで逃げろ!」

 煙が上がっている村までやってくると叫び声が聞こえてきます。
 二人の嫌な予感が的中ですね。ミスリルを取るとか考えている場合じゃありません。

「ドマ村長! 加勢します!」

「おお! ルッソ! ミラ! た、助かる。女子供の逃げる時間を稼がんと」

 ルッソ君が剣を持ってゴブリンと戦うおじさん達に駆け寄って声をかける。村長さんはドマさんというようですね。

「やぁ!」

「獣人!?」

 エチルちゃんも戦闘に参加すると村長さん達が驚き戸惑う。
 自分たちの為に戦ってくれていることに驚いているようです。

「エチルちゃんは回復魔法を」

「は~い! 怪我してる人はこっちに来て」

 私はルッソ君達の時のように怪我人をエチルちゃんに任せる。
 怪我を回復魔法で治していく獣人に更に驚愕していく村長さん達。毎回いい反応してくれますね。これは毎回やるべきかもしれませんね。獣人の迫害をなくしていきましょう。

「オーガだ!」

「それは私が!」

 村人の声に私が槍を掲げて声を上げます。洞窟にいた魔物よりも小さいですね。余裕ですよ。

「見えます!」

 オーガが手を振り下ろしてくる。技術のない乱暴な攻撃。スキルの効果で遅くなっていなくても躱せそうな攻撃です。見てから回避余裕ですね。
 振り下ろしてきた手を躱して槍で頭を穿つ。まだまだこの命を取る感触はいたたまれません。ですが、命を取らないと仲間の命が取られてしまう。ワーウルフとの戦いで得た教訓はしっかりと学ばなくてはいけない。

「すごい!? オーガを一撃で」

「それも一番固い頭を貫いてる!?」

 私の一撃を見てルッソ君とミラちゃんが驚いています。少しはかっこいい所を見せておかないと、エチルちゃんだけが凄いおじさんなんて思われたくないですからね。

「シゲルさん! ゴブリンの軍団です!」

 オーガを仕留め終わってカッコつけてみたりしているとリリスさんが声を上げます。
 どうやら、ゴブリンが集まってきて軍を作り出してしまったみたいです。

「なんでこの村に……」

「あのミスリル鉱山が関係してるのかな?」

 ルッソ君の疑問にミラちゃんが声を上げる。
 偶然とは思えないですね。あの鉱山を基地にしてエイベルグを攻める予定でも立てていたのでしょうかね。

「あれだけの数が鉱山を得たら大変なことになる。数を減らして散らしておきましょう」

 リリスさんが声を上げます。私は頷いてエチルちゃんへと視線を向ける。

「了解しました。エチルちゃんも行きましょう!」

「は~い!」

 怪我ややけどをしていた村の方々を治療していたエチルちゃん。彼女も戦いたかったのでしょう。嬉しそうに剣を構えました。

「少し動きずらいけど、ガルドおじちゃんからもらった鎧いい感じ~」

「よかった。でも、エチルちゃんにはもっと可愛い服を着てほしいかな~」

 エチルちゃんの言葉を聞いてリリスさんが残念そうに話す。オーダーした服も明日仕上がるらしいですからね。色々と楽しみですね。

「50といったところね。私が先行します。お二人は溢れたゴブリンを相手にしてください」

「リリスさん。やりなれてますね」

「元冒険者ですから」

 リリスさんの指揮を聞いて感心してしまいました。若い子がハキハキと指揮を執っている姿はとても元気をもらえます。彼女はこういったことにたけているんでしょうね。部長とは大きく違います。

「ハァ!」

「リリスお姉ちゃんカッコいい! 私も!」

 リリスさんを先頭にゴブリンの群れに入っていく。リリスさんが華麗に舞い、ゴブリンを蹴散らしていく。それに追従して私とエチルちゃんが襲い来るゴブリンを倒す。
 しばらくするとゴブリンの数も落ち着いてくる。ゴブリンの隊長と思われる顔に傷のある個体はリリスさんに切り捨てられていました。
 彼女は可愛いだけじゃない。とても強くて頼りになるリーダーですね。憧れます。
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