最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)

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第2章 天界と魔界

第42話 ウルドの熱

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「エンジェルドールの魔石が120個。【ノーブルエンジェル】の魔石が1個」

 司祭を倒して魔石を拾い集めた。これを使えばウルドとプラナを更に強化できる。僕はいつもの村の裏手の森の中、ウィドと戦った湖にやってきた。ここならだれも来ないから進化させられる。

「マスター! 準備出来ました!」

「とうとう我々も天使と悪魔に! これで更にマスターの役に立つことが出来る!」

 ウルドとプラナが大喜びで魔石を抱える。エンジェルドールの魔石を沢山抱える二人。二人を魔石に戻してすべての魔石を重ねていく。ウルドとプラナだった魔石がエンジェルドールの魔石と重なるとどんどん輝きを増す。どうせならばとこの輝きがどこまで行くのか追求したくなる。
 光の強さが変わらなくなるまで魔石を重ね、限界までいったら二人を召喚する。

「「マスター」」

「おめでとう。ウルド、プラナ」

 魔石から黒い空間が現れ、黒い空間から二人が現れる。プラナが白金のゴーレムの姿に変わり、頭の上に天使の輪が出来ている。前の姿もカッコよかったけれど、今の姿は最強にカッコイイ。
 ウルドは黒い片翼の翼をもつ、黒髪の女性に変わってる。ワーウルフの要素はどこへ? と思っていたら犬耳がついてる。控えめに言っても綺麗な女性だな。
 二人ともカッコ綺麗になり過ぎて、赤ん坊の僕が更に目立たなくなってしまった。いや、決して目立ちたいというわけじゃないよ。貴族や教会に目をつけられるのは嫌だから。
 でも、主人としてこのままじゃ……。なんだか負けている気分だ。

「マスター! これであなた様の子を!」

「あぶ!? な、何言ってるのウルド!?」

 色々と考えているとウルドが抱きしめてくる。大きめのお胸を顔に押し付けてきて凄い事を言ってくる。僕はまだ一歳にもならないくらいの子供だ。教育に悪いことをするんじゃない!

「マスターはまだお子は作れん。少し落ち着け」

「ふふふ、やって見なければわからんぞ。なんせ、マスターは前世の記憶を持っておいでなのだからな」

 プラナがウルドの肩に手を置いて説得してくれる。だけど、ウルドは本気の様子で僕の服に手をかける。記憶があってもそう言う事をいた記憶はございません。僕は彼女の腕から力強く逃げる。まだ僕の方が強いみたいだ。

「プラナ! ウルドを止めて!」

「マスター。任務了解!」

 シュタッと地面に華麗に着地するとプラナに指示を飛ばす。プラナは目を輝かせるとウルドに掴みかかる。体格はプラナに分がある。簡単に抑えてくれるだろう。

「プラナ~! お前にかまっている場合じゃない! マスターの子を見たいと思わないのか!」

「ご子息を見るのは楽しみだが、お子を作るお年ではない。ウルドは落ち着け」

 2倍はある体格のプラナから抑えられているウルド。片翼を羽ばたかせて踏ん張っている彼女は少しずつプラナと一緒に地面から浮き出す。凄い力だな。まるでヘリコプターのホバリングをしてるみたいに周りに風を生んでる。
 しかし、ウルドは僕への忠誠心が変な所に行ってしまっているな。少し教育をしないといけないかもしれない。

「プラナ! それ以上暴れるならもう召喚しないよ!」

 僕は腕を組んで声をあげる。胸を張る赤ん坊、普通に見たら滑稽だよな。

「マスター! 申し訳ありません。もう致しませんから許してください!」

 プラナに掴まれていたはずのウルドは、高速で僕の前で膝をつく。いわゆる土下座と言う奴をしてきて許しを請う。僕は腕を組んだまま無言で見下ろす。赤ん坊だからそんなに高さはないけれど、ウルドには効いてるみたいだ。捨てられた子犬みたいにウルウルと瞳に涙を溜めてる。

 プラナは【セラフィムゴーレム】に進化したみたい。ウルドは【ワーウルフヴィーナス【ウルド】】に進化って言ってる。どうやら、ウルドは女神ウルドを元にしたワーウルフの亜種になったみたいだ。
 この世界の魔物にそんなものがいるとは思えない。僕は前世の記憶が影響したのかもしれない。僕は大変なものを作ってしまった。

「天使が増えているな……」

 ウルドの様子を見ていると声が聞こえてくる。湖の反対側から黒い角を生やしたおじさんが歩いてくる。プラナを視線に納めながら近づいてくるおじさん。僕は何だか嫌な予感を感じた。この感じはグダスのような?

「私は魔国、サダラーンの王。サターン。グダスが世話になった」

「え!? 魔王?」

 おじさんは深くお辞儀をして自己紹介をしてくる。サターンと名乗ってきたことに驚くと、再度サターンはプラナを見つめた。

「天使、懐かしいな……」

 プラナの足に触れながら感慨深く呟くサターン。悲しいような表情だけど、少し嬉しそうな様子でもある。

「天界への扉を開くつもりか?」

「……うん、僕の願いを叶えるために必要なんだ」

「願いか、それを聞いても?」

 サターンは黒く輝く瞳を僕に向けてくる。威圧のつもりみたいだけど、僕は怖気づくつもりはない。素直に答えると再度質問してくる。魔国の王なら、前世の世界、別の世界に行く方法を知っているかもしれない。素直に話してみるか。

「僕は前世の記憶を持ってる。その世界に戻りたいんだ」

 両親にも言っていないことを簡単に話すのは少し抵抗があった。だけど、どうしても戻る方法が知りたい。僕は隠さずに理由を口にした。
 サターンは顎に手を当てて考え込む、しばらくすると口を開く。

「別の世界か。確かに天界には幾百、幾千もの世界へと続く橋があるという話だ。私でも見たことはないがな」

「ほんと!」

「ああ、私の知り合いに聞いた。しかし、喜んでいる所悪いが。諦めてもらう」

 サターンの情報に僕は大喜び。彼はそんな僕を見て一瞬笑みを浮かべるとすぐに殺意を向けて来た。殺意は黒い世界を生み。湖全体を覆う。結界のような、そんな魔法のような空間か?

「天界への扉を開こうと馬鹿な考えを持てないようにしてやろう」

 サターンはそう言って剣と斧を黒い空間から生み出す。黒い空間って言う事は魔石を使ってるってことだよね。生きている武器か? イビルウェポンとかそう言った魔物かもな。
 僕らは警戒して構えた。
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