65 / 165
第二章 黒煙

第二十一話 ないなら作っちゃう

 キウイ村で待ってもらっていた子供達に形見の品を見てもらって、全員に形見が見つかった。余った物もあったけど、それは全部この子達の為に使う予定。みんな悲しんでいたけど慰め合って励まし合っていた。本当にこの子達は強いね、僕だったら悲しみに打ち伏せられちゃったと思うよ。

 10人の子供達と街道を歩いて行く。ワインプールまでの道は歩いて一日の距離だけど7歳の子供には厳しいものである。なので、僕は作っちゃいました。

「ルークって目立ちたくないって言ってる割にやる事は凄く目立つことだよね」
「えっそう?」

 みんなで乗れる乗り物、そう、馬車です。ワーウルフの毛皮で馬車の屋根を作り木材で足回りを作った。丈夫さは僕の作った物だから特別製だけど外見からじゃそんなに目立たないはず。

「ミスリーに引かせてるけど、馬以外が引く馬車って確か竜馬しか聞いた事ないよ」

 魔物の使役って言うのはとても難しいとされてるらしいんです。僕はワーウルフロードのロドフを運よく得たけど世の中には数えるほどしか従魔は存在しません。
 召喚魔法っていうのもあるらしいんだけどそれも英雄クラスの人の話で一般にはどうすれば得られるのかもわかってない。たぶんロドフの魔石は採取スキルが影響したのかもしれない。ほんとにスキル7って凄いんだね。

「ルークお兄ちゃんって凄い人なんだね」
「何て言ってもエリントスの英雄だからね」

 女の子の言葉にイラト君が誇らしそうに胸を張っている。その話はあんまり外でして欲しくないんだけどな~。

「みんな、ルークの話はあんまりワインプールではしないでね」
「え~なんで~」
「ルークが有名になっちゃうと忙しくなってみんなと遊べなくなっちゃうからね。わかった~?」

 モナーナの言葉に否定的だったみんなも最後には納得してしまったようです。まだまだ、子供な彼らは僕と遊びたいみたいだね。しかし、街についたらどうしようかな~。子供達の働き口と衣食住を考えないといけない。勝手に家を作ったら怒られるだろうしな~。

「ルーク、街についてからなやもうよ。みんなを不安にさせちゃダメだよ」

 おっとっと、顔に出ていたかな~。僕は顔を整えて笑顔で子供達を見るとみんな笑顔を返してきた。やっぱり、みんな内心は不安しかないんだと思う、そんな中、僕たちが不安で顔を作ってしまったらダメだよね。

「モナーナ、ありがとう。本当に君がいてくれてよかった」
「えっ、急にどうしたのルーク」
「いや、モナーナって本当に凄いなって思ってさ」

 僕はモナーナにお礼を言うとモナーナは耳まで顔を真っ赤にして俯いちゃった。でも、本当にモナーナがいてくれてよかった。僕だけじゃ子供達の不安を払拭できなかったと思うんだよね。ほんとにありがとうモナーナ。

 僕らは子供達とじゃれ合いながら街道を走っていく。ミスリーも街についたら褒めてあげないとね。




 街の城壁が見えてくると僕らは馬車を降りて歩いて向かう。やっぱり、馬車は早くて便利だね。今度、街を離れる時はちゃんと使っていこう。

 街の入口で子供たちの証明カードを作った、子供達は嬉しそうにカードを眺めてる。もちろん、銀貨何てみんな持ってないから僕が出しました。子供達はいつか返しますって言うけど、そんな事気にしないでほしい。子供は無邪気でいないとダメだよね。
 街に入ると噴水に驚きの声を上げる子供達、僕も最初の時は綺麗で驚いたけどやっぱり子供達も同じ反応をしてた。街自体が初めてだとやっぱり驚くよね。

「私達、今日からこの街に住むんだね」
「何だかワクワクする」

 子供達はとても希望に満ちた話をしてる。子供はこうじゃないと。
 当分、子供達を養うわけだけど嗜む子牛亭に部屋があるかな~。できるだけ近くで見守りたいんだけど。僕らは嗜む子牛亭に向かって歩いて行く。列を成して歩くもんだから僕を知っている人はみんな首を傾げてます。子供を引き連れてるわけだからそうなるよね。

 嗜む子牛亭に入ってダリルさんもカルロ君も驚いている。これだけ子供を連れていると誰でも驚くよね。
 
 食事をする席に子供達を座らせて、僕はダリルさんに事情を話していく。





「ゴブリンに親を殺されたか・・・」
「はい」

 事情を聞いたダリルさんはやるせない表情で顔を抑えた。涙が頬を伝い地面に落ちていく、ダリルさんはその涙の訳を話さなかったけど子供達を空いている部屋に泊めてくれるそうです。僕は甘えるわけにはいかないので全員分の料金の金貨を10枚取り出して出すと一枚だけとって他は受け取ってくれませんでした。ダリルさんは顔に似合わず優しいのだった。

「じゃあ、みんなここで待っていてね」

 ギルドに今回の依頼の報告を告げる為に行きます。アレイストさんにはめられた感が凄かったけど本当の所はどうなんだろうか。

 僕とモナーナはギルドに着くと辺りを見渡す、アレイストさんはいませんか~って。と思ったら二階にいました。笑顔でこっちに手を振っています。

「ははは、二人共ご苦労さん」
「ちょっとアレイストさん、ただのゴブリンの集落じゃなかったですよ。キングですよキング」

 僕はアレイストさんの耳元でゴブリンがキングだった事を告げる。アレイストさんはニヤッと口角を上げた。あくどい顔だけど何を考えているんだろう。

「キングを倒した証拠は持っているかい?」
「そんなの持ってくるわけないでしょ、ただでさえ千匹はゴブリンを倒しているんだから、これ以上目立ちたくないよ」
「またそれかい?全く・・・まあ、あんたが嫌なら無理やりそれを見せろとは言わないけどね。とりあえず、今回の依頼達成という事であんたとモナーナはDランクに格上げだよ。よかったね」
「やったねルーク」

 アレイストさんの昇格の言葉を聞いて、僕とモナーナはハイタッチで喜びを表した。これで新人冒険者のニックと同じになれた。先輩としての威厳が少しは保たれました、よかったよかった。

「それでアレイストさん」
「なんだい?」
「ゴブリンに村が襲われてそこの子供達が孤児になってしまったんですけど」
「知らせが来た時すでに襲われていたんだね。それなら教会で孤児院をしているはずだよ」
「教会で?教会の孤児院っていうのはちゃんとしたものなんですか?」
「・・・ワインプールの孤児院はあまり褒められたもんじゃないね。正直」
「へ?」

 アレイストさんの話ではワインプールの教会の司祭は私腹を肥やす男らしい、教会と言う施設は神に祈りを捧げる施設だ。人族の街に多いのがノルディック様を称えるノルディック教。実りを得て、実りを分け与え合おうと言う助け合いを勧める宗教なのだけど、人とは多くの物を得るとどうしても堕落してしまうわけで。

「どうしても気になるんだったら一度見ておいた方がいい、人の上に立つという事がどういう事かと言うのがよくわかるかもね」

 僕が考えているとアレイストさんはそう言って一度教会に行くのを勧めてきた。それがどういう意味なのか分からないけど子供達の為にも見ておいた方がいいのかなと思う。

 僕とモナーナはアレイストさんにお礼を言ってギルドカードを新しくしてもらいギルドを後にした。前回、絡んできた人が誰もいなかったことに気が付いたんだけどいないならいないでいいので気にしないようにしました。


感想 296

あなたにおすすめの小説

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はジーニアス 優しい両親のもとで生まれた僕は小さな村で暮らすこととなりました お父さんは村の村長みたいな立場みたい お母さんは病弱で家から出れないほど 二人を助けるとともに僕は異世界を楽しんでいきます ーーーーー この作品は大変楽しく書けていましたが 49話で終わりとすることにいたしました 完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい そんな欲求に屈してしまいましたすみません

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!

TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。 その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。 競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。 俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。 その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。 意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。 相変わらずの豪華客船の中だった。 しかし、そこは地球では無かった。 魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。 船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。 ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ…… 果たして、地球と東の運命はどうなるの?

異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。 まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。 ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。 転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。 それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!