トキトキの町のアクア

カムイイムカ(神威異夢華)

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第一話 アクア

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 ここはトキトキの町、大きな川に寄り添うように出来た小さな町。

 この町には一匹の黒猫がおりました。猫は町の人々にたいそう可愛いがられておりました。
 
 町の人々はいつまでも猫さんと言うのも可笑しいと思い、名前を付けました。

「アクアいらっしゃい」

「にゃ~」

 アクアと名付けられた猫さん、黒い体にアクアマリンのような青い眼の猫。町のおばあちゃんに名前を呼ばれて目を細めながら返事を返すアクア。名前を付けられた後はより一層、可愛いがられておりました。

 町の人々はアクアを見ると撫でたいと言う欲求に負けて頭を一撫で、心なしかアクアを撫でると疲れが吹き飛ぶようなきがすると人々は呟く、それは本当かもしれない。アクアにはとても不思議な力がある、この猫さんは魔法使いなのです。トキトキの町を守るアクアは今日もゆったりと屋根で丸くなります。

 そんな平和な町に大事件が起こった。

「町にある金をすべて出せ! さもないとシスターが傷物になっちまうぜ」

 町の中央にある大きな教会、そこに悪い人達が押し掛けてきたのだ。
 でも、町の人々はとても優しい人達、どんなに怖い人達にも優しく接してしまったのだ。
 シスターが傷つけられると知った町の人々は悪い人達の言う通りにお金を集めて教会に届けていく。

「小さな町のくせに結構持ってるじゃねえか」

 悪い人達は大きな声で笑い、集められたお金の入った袋を、一人一人、肩に担いでいく。

 悪い人達は町の人々に「ご苦労さん」と言うと馬に乗って逃げていく。その時、シスターも馬に乗せられていた。彼らは町を離れるまでシスターを人質にしようと企んでいたのでした。

 大きな川に架かる、大きな橋を渡ろうとした悪い人達は橋でシスターを降ろした。

「あなた達には神の天罰が下ります」

 シスターは祈りを捧げる。目は涙が溢れ、次第に頬を流れていった。

「そこは神様助けてくださいだろ」

「にゃ~」

 悪い人達がシスターに嫌味を話して、大きく笑っているとアクアが一鳴きした。

「なんだ? 猫か・・・」

「これが神様か~」

 男たちはアクアを見て更に声を荒らげて笑い出した。

 ゴゴゴゴゴゴ!!

 男たちが笑いすぎて涙を目に溢れさせていると大きな地震が起こり始めました。

「何だこりゃ」

「親分~」

 地震で川が波打ち、大きな橋に川が流れ込んだ。シスターや男たちの持っていた町の荷物は町に流れ戻り、男たちは川へと流されて行った。

「にゃお~~ん」

 アクアは大きく鳴いた。

 シスターは無事で町の荷物は何一つなくならなかった。とても不思議な出来事だった。
 
 そんな様子を見ていたアクアは一つ耳の裏まで毛づくろいをして、町に消えていきました。

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