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第七話 美しき猫姫
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「うう」
「グレイスト様、大丈夫ですか?」
「ここは?」
「トキトキの町です。覚えていらっしゃいますか?」
あの死の狭間からグレイストはよみがえった。再度、ベッドに横たわり体を起こすとシスターララが心配そうに顔を覗いていた。グレイストは周りを見渡す。ガーベラがどこにもいない、確かに彼女はグレイストを助けていると言っていたのに、彼女は近くにいない。グレイストは胸を抑えて立ち上がろうとした。
「ガーベラ・・ううっ!」
「グレイスト様、そんな体では動けません。今はゆっくりとしていください」
「シスターララ! ガーベラさんは!」
「ガーベラ? そんな名前の方はこの町にいませんよ・・?」
「!?」
グレイストはシスターララの返答を聞いて首を横に振った。
「私は死に縁で彼女に助けられた。私は彼女と添い遂げると言ったんだ・・」
グレイストは独り言のように呟いた。愕然としているグレイストの膝元にアクアが現れて手に頬をすり寄せてきた。
「慰めてくれるのかアクア・・・」
「にゃ~」
肩を落とすグレイストにアクアは目を細めて一鳴き、心なしかアクアの目にも涙が浮かんでいるようにも見えて、グレイストは大粒の涙を流した。
それから一夜が明けた。何とグレイストは一週間寝込んでいたらしい。早く帰らないと父上に怒られると町長に馬を借りて、すぐにレイシスト王都に駆けていった。
グレイストは遠ざかるトキトキの町を背に涙を零す。
「彼女はあの町の神、離れる事は出来ないか・・」
結婚を想う初めての相手、シスターララは美しく思ったが、ガーベラは違う。ガーベラには美しいではなく、母を感じ、父を感じた。自分の子供を共に守ってほしいと思ったのだ。彼はガーベラを諦めきれないでいる。
グレイストが王都に二日掛けてたどり着くと、そこにはフェオールが怪我をして、玉座の間で王の横に立っていた。グレイストに気付いたフェオールはぎょっとして後退る。
「グレイスト! 生きていたのか、今から兵士を率いて向かう所だったのだぞ」
「父上、心配かけて申し訳ありません。グレイストただいま戻りました」
グレイストは父である、王の手の甲にキスを交わす。立ちあがり王の目を真っ直ぐ見るとフェオールの事を話しだした。
「そうか、第二王子フェオール。何か言いたい事はあるか?」
「父上、兄上は嘘を言っているのです。私は何も」
「そうか、ならば部下に聞こう」
王が指を鳴らすと数人の黒い鎧の男が拘束されて現れた。王も馬鹿ではない、グレイストの失脚で喜ぶものはフェオールしかいないと踏んでいたのだ。監視をして、あらを探すとすぐにこの兵士たちが見つかった。
王もグレイストが死んでいると世継ぎがいなくなる。生きて帰ってこなかったら目を瞑るつもりだったが、グレイストは生きて帰ってきた。それはフェオールの失脚を意味する。
「今からお前は私の世継ぎでも子供でもない。出ていけ」
「父上!」
「私はお前の父ではない。そう言ったであろう」
「そんな・・・」
王の言葉でフェオールは歯噛みしてギリギリと玉座の間に嫌な音を鳴らした。彼はグレイストを睨みつけて剣を握る。
「お前が生きているから~、死んでしまえ!」
フェオールが剣をグレイストに投げた。二度目の風景にグレイストは剣に反応できた。自分の剣を抜きさして投げられた剣をはじこうと振り上げる。しかし、剣は空振り。
「これは何事か!」
フェオールの剣が宙に浮いて止まった。王様や玉座の間にいる全ての人が剣に視線を向けた。
「手助けはいりませんでしたね」
「ガーベラさん!」
グレイストの背後から急に現れた女性、ガーベラ。あの世界と寸分たがわぬ姿にグレイストは嬉しくなって抱き上げる、そのまま、くるくると回るとガーベラを抱き寄せた。
「グレイスト様、恥ずかしい」
「はは、すまない。それよりも何でここに?」
「だって・・・私と添い遂げてくれるのでしょ?」
抱き寄せられて耳元で囁くガーベラ、グレイストはガーベラを離して言葉をかける。
顔を真っ赤にしたガーベラはとても綺麗でグレイストの恋はますます燃え上がる。そんな中、ガーベラから添い遂げてくれるのでしょ? と首を傾げられたらグレイストはいてもたってもいられずに王の前にガーベラを連れて走った。
「父上! 私はこの方と添い遂げたいのです。どうか! お許しを!」
「ふむ、この剣はそなたがやっている事なのか?」
グレイストは高揚する頬のまま、王へと叫んだ。王は顎に手を当てて宙に浮いている剣を小指でつつく。まるで重力が無くなったかのように指の力で回り始める剣、とても不思議な光景だ。
ガーベラは王の問いに頷いて答えた。王はその返答で更に考え込んでいく。魔法のような御業を前に王は困惑するのだった。
「彼女は私を死の縁より蘇らせてくれたのです。フェオールの毒に蝕まれ、あと少しで死んでしまうという所で治してくれたのです」
「いえ、私はそんな・・・、王子の力があってこそです」
グレイストの言葉にガーベラは謙遜して返した。
「ふむ、その話は少し後にしよう。まずは、フェオールの処分からじゃ」
王は振り返りフェオールを睨みつける。玉座の間で剣を抜くなど、本来ならばその場で切り伏せられても可笑しくない。しかし、フェオールは王の子。兵士は動けないでいた。
「私が父上の跡を継ぐのです! 兄上ではなく、私が!」
「お主では無理だった。生まれた時からお前ではない事は分かっておった。なぜなら、グレイストは天才、そして、神に愛されておった。このガーベラを見ればわかるじゃろ」
フェオールの言葉に微笑んでガーベラを見た王。優しい笑顔の王はガーベラを見て頷く。
「フェオール! お主は国への反乱を企てた罪で流刑じゃ。儂の最後のわがままがお主への情けとはな・・」
「そ、そんな・・」
激しく肩を落とすフェオールを兵士が腕を掴み連れていく。王は悲しみで涙を見せるがすぐに拭いグレイストの両肩を掴んだ。
「グレイスト! 儂に孫を見せてくれ」
「父上! では!」
「フォッフォッフォ、結婚を許そう! 王族は王族となどと言う決まりなど、儂が崩す。好きな者は好きな者と結婚した方がいいに決まっておる!」
両肩を掴みグレイストの目を真っ直ぐと見つめる王。顔はにこやかでとても楽しそうにしている。
グレイストも王の言葉で胸を膨らませた。ガーベラと結婚を許してくれたのだ、これ以上嬉しい事はない。
「ガーベラ! 僕の横を歩いてくれるかい?」
「喜んで!」
グレイストとガーベラは優しいキスを交わす。玉座の間に拍手の音が鳴り響き、より一層、レイシスト王国は栄えていく。
「もう、元に戻っても大丈夫だぞアクア」
「えっ?」
ガーベラとグレイストはキスの後、王様達に見送られてグレイストの自室に戻った。グレイストはベッドに座るとガーベラに微笑んでそう言った。何を言っているのかとガーベラは首を傾げている。
「色々と思ったことがあるんだ。シスターララが言っていた、トキトキの町にガーベラと言う名の人はいない、傷が治ってしまう、盗賊を襲う川とかね」
「・・・」
グレイストはそう言ってベッドに横たわる。ガーベラはグレイストの言葉を無言で聞いていく。
「その不思議なことを聞いていて私は少し思う所があったんだよ。アクアという猫と君の目が同じだという事がね」
「それだけで、猫と人が一緒だと?」
「それだけじゃないさ、僕も力に目覚めたのは知っているだろ。君の力と同じように特別な力を持っているんだ。君程、強くなないけれど」
確信めいた物はないけれど、グレイストは確信している。アクアの目を見た時の感動がガーベラにあった時に似ていたし、目の前にガーベラがいるとアクアのような清らかな匂いがする。気持ちのいい朝を迎えた時のような清々しさがグレイストの心を落ち着かせる。
「・・・誤魔化してもしょうがないみたい。そうよ、私はアクア、あの町の黒猫。」
「やっぱりね」
グレイストはそう言って体を起こす。真っ直ぐとガーベラを見るグレイストは満面の笑み。
「何度も命を救ってくれてありがとう」
グレイストはお辞儀をして、お礼を言った。トキトキの町に初めて行った時や、フェオールにやられたときの事を改めてお礼を告げた。
「では、私はこれで・・・猫と添い遂げるなんてあり得ないものね・・」
「おっと、何処に行くんだアクア・・」
グレイストはガーベラ、アクアの手を取って引き戻し、抱き寄せてキスをした。
「にゃ、にゃにをするにゃ」
「君こそ、私を置いてどこに行くつもりだい。こんなに好きにさせておいて本当に酷い人だな」
急にキスをされて驚くアクアにグレイストは微笑んで告げた。
「だって、王子が私なんかと」
「何を言っているんだ。僕は君が好きなんだよ。君以外なんて考えられない。僕のものになってほしいんだ」
「グレイスト様・・。やっぱり、あなたは凄い人ね」
二人は潤んだ瞳で見つめあい、唇を重ねた。二人の周囲が輝き、光が二人の体へ入っていく。
「これは?」
「神の祝福よ。力を持った者同士が結ばれた事を表しているの。これで私は人のまま暮らせるようになれた」
「では、猫の姿は?」
「そうよ。力を使うと命に係わるの、それを少しでも抑えるために猫になっていたの。本当の姿はこのガーベラの体、あなたはとても清い心で猫だと思った私を愛してくれた。私はもう、あなたの物よ」
この後、グレイストとガーベラはとても優しい王国を築いていった。王国は世継ぎにも恵まれ、長い間、繁栄したと言われている。
「にゃ~」
トキトキの町にも偶に黒猫が現れて奇跡を起こしているらしい。そんなときはグレイストとガーベラがトキトキの町で有意義なひと時を過ごしていたとか。
「グレイスト様、大丈夫ですか?」
「ここは?」
「トキトキの町です。覚えていらっしゃいますか?」
あの死の狭間からグレイストはよみがえった。再度、ベッドに横たわり体を起こすとシスターララが心配そうに顔を覗いていた。グレイストは周りを見渡す。ガーベラがどこにもいない、確かに彼女はグレイストを助けていると言っていたのに、彼女は近くにいない。グレイストは胸を抑えて立ち上がろうとした。
「ガーベラ・・ううっ!」
「グレイスト様、そんな体では動けません。今はゆっくりとしていください」
「シスターララ! ガーベラさんは!」
「ガーベラ? そんな名前の方はこの町にいませんよ・・?」
「!?」
グレイストはシスターララの返答を聞いて首を横に振った。
「私は死に縁で彼女に助けられた。私は彼女と添い遂げると言ったんだ・・」
グレイストは独り言のように呟いた。愕然としているグレイストの膝元にアクアが現れて手に頬をすり寄せてきた。
「慰めてくれるのかアクア・・・」
「にゃ~」
肩を落とすグレイストにアクアは目を細めて一鳴き、心なしかアクアの目にも涙が浮かんでいるようにも見えて、グレイストは大粒の涙を流した。
それから一夜が明けた。何とグレイストは一週間寝込んでいたらしい。早く帰らないと父上に怒られると町長に馬を借りて、すぐにレイシスト王都に駆けていった。
グレイストは遠ざかるトキトキの町を背に涙を零す。
「彼女はあの町の神、離れる事は出来ないか・・」
結婚を想う初めての相手、シスターララは美しく思ったが、ガーベラは違う。ガーベラには美しいではなく、母を感じ、父を感じた。自分の子供を共に守ってほしいと思ったのだ。彼はガーベラを諦めきれないでいる。
グレイストが王都に二日掛けてたどり着くと、そこにはフェオールが怪我をして、玉座の間で王の横に立っていた。グレイストに気付いたフェオールはぎょっとして後退る。
「グレイスト! 生きていたのか、今から兵士を率いて向かう所だったのだぞ」
「父上、心配かけて申し訳ありません。グレイストただいま戻りました」
グレイストは父である、王の手の甲にキスを交わす。立ちあがり王の目を真っ直ぐ見るとフェオールの事を話しだした。
「そうか、第二王子フェオール。何か言いたい事はあるか?」
「父上、兄上は嘘を言っているのです。私は何も」
「そうか、ならば部下に聞こう」
王が指を鳴らすと数人の黒い鎧の男が拘束されて現れた。王も馬鹿ではない、グレイストの失脚で喜ぶものはフェオールしかいないと踏んでいたのだ。監視をして、あらを探すとすぐにこの兵士たちが見つかった。
王もグレイストが死んでいると世継ぎがいなくなる。生きて帰ってこなかったら目を瞑るつもりだったが、グレイストは生きて帰ってきた。それはフェオールの失脚を意味する。
「今からお前は私の世継ぎでも子供でもない。出ていけ」
「父上!」
「私はお前の父ではない。そう言ったであろう」
「そんな・・・」
王の言葉でフェオールは歯噛みしてギリギリと玉座の間に嫌な音を鳴らした。彼はグレイストを睨みつけて剣を握る。
「お前が生きているから~、死んでしまえ!」
フェオールが剣をグレイストに投げた。二度目の風景にグレイストは剣に反応できた。自分の剣を抜きさして投げられた剣をはじこうと振り上げる。しかし、剣は空振り。
「これは何事か!」
フェオールの剣が宙に浮いて止まった。王様や玉座の間にいる全ての人が剣に視線を向けた。
「手助けはいりませんでしたね」
「ガーベラさん!」
グレイストの背後から急に現れた女性、ガーベラ。あの世界と寸分たがわぬ姿にグレイストは嬉しくなって抱き上げる、そのまま、くるくると回るとガーベラを抱き寄せた。
「グレイスト様、恥ずかしい」
「はは、すまない。それよりも何でここに?」
「だって・・・私と添い遂げてくれるのでしょ?」
抱き寄せられて耳元で囁くガーベラ、グレイストはガーベラを離して言葉をかける。
顔を真っ赤にしたガーベラはとても綺麗でグレイストの恋はますます燃え上がる。そんな中、ガーベラから添い遂げてくれるのでしょ? と首を傾げられたらグレイストはいてもたってもいられずに王の前にガーベラを連れて走った。
「父上! 私はこの方と添い遂げたいのです。どうか! お許しを!」
「ふむ、この剣はそなたがやっている事なのか?」
グレイストは高揚する頬のまま、王へと叫んだ。王は顎に手を当てて宙に浮いている剣を小指でつつく。まるで重力が無くなったかのように指の力で回り始める剣、とても不思議な光景だ。
ガーベラは王の問いに頷いて答えた。王はその返答で更に考え込んでいく。魔法のような御業を前に王は困惑するのだった。
「彼女は私を死の縁より蘇らせてくれたのです。フェオールの毒に蝕まれ、あと少しで死んでしまうという所で治してくれたのです」
「いえ、私はそんな・・・、王子の力があってこそです」
グレイストの言葉にガーベラは謙遜して返した。
「ふむ、その話は少し後にしよう。まずは、フェオールの処分からじゃ」
王は振り返りフェオールを睨みつける。玉座の間で剣を抜くなど、本来ならばその場で切り伏せられても可笑しくない。しかし、フェオールは王の子。兵士は動けないでいた。
「私が父上の跡を継ぐのです! 兄上ではなく、私が!」
「お主では無理だった。生まれた時からお前ではない事は分かっておった。なぜなら、グレイストは天才、そして、神に愛されておった。このガーベラを見ればわかるじゃろ」
フェオールの言葉に微笑んでガーベラを見た王。優しい笑顔の王はガーベラを見て頷く。
「フェオール! お主は国への反乱を企てた罪で流刑じゃ。儂の最後のわがままがお主への情けとはな・・」
「そ、そんな・・」
激しく肩を落とすフェオールを兵士が腕を掴み連れていく。王は悲しみで涙を見せるがすぐに拭いグレイストの両肩を掴んだ。
「グレイスト! 儂に孫を見せてくれ」
「父上! では!」
「フォッフォッフォ、結婚を許そう! 王族は王族となどと言う決まりなど、儂が崩す。好きな者は好きな者と結婚した方がいいに決まっておる!」
両肩を掴みグレイストの目を真っ直ぐと見つめる王。顔はにこやかでとても楽しそうにしている。
グレイストも王の言葉で胸を膨らませた。ガーベラと結婚を許してくれたのだ、これ以上嬉しい事はない。
「ガーベラ! 僕の横を歩いてくれるかい?」
「喜んで!」
グレイストとガーベラは優しいキスを交わす。玉座の間に拍手の音が鳴り響き、より一層、レイシスト王国は栄えていく。
「もう、元に戻っても大丈夫だぞアクア」
「えっ?」
ガーベラとグレイストはキスの後、王様達に見送られてグレイストの自室に戻った。グレイストはベッドに座るとガーベラに微笑んでそう言った。何を言っているのかとガーベラは首を傾げている。
「色々と思ったことがあるんだ。シスターララが言っていた、トキトキの町にガーベラと言う名の人はいない、傷が治ってしまう、盗賊を襲う川とかね」
「・・・」
グレイストはそう言ってベッドに横たわる。ガーベラはグレイストの言葉を無言で聞いていく。
「その不思議なことを聞いていて私は少し思う所があったんだよ。アクアという猫と君の目が同じだという事がね」
「それだけで、猫と人が一緒だと?」
「それだけじゃないさ、僕も力に目覚めたのは知っているだろ。君の力と同じように特別な力を持っているんだ。君程、強くなないけれど」
確信めいた物はないけれど、グレイストは確信している。アクアの目を見た時の感動がガーベラにあった時に似ていたし、目の前にガーベラがいるとアクアのような清らかな匂いがする。気持ちのいい朝を迎えた時のような清々しさがグレイストの心を落ち着かせる。
「・・・誤魔化してもしょうがないみたい。そうよ、私はアクア、あの町の黒猫。」
「やっぱりね」
グレイストはそう言って体を起こす。真っ直ぐとガーベラを見るグレイストは満面の笑み。
「何度も命を救ってくれてありがとう」
グレイストはお辞儀をして、お礼を言った。トキトキの町に初めて行った時や、フェオールにやられたときの事を改めてお礼を告げた。
「では、私はこれで・・・猫と添い遂げるなんてあり得ないものね・・」
「おっと、何処に行くんだアクア・・」
グレイストはガーベラ、アクアの手を取って引き戻し、抱き寄せてキスをした。
「にゃ、にゃにをするにゃ」
「君こそ、私を置いてどこに行くつもりだい。こんなに好きにさせておいて本当に酷い人だな」
急にキスをされて驚くアクアにグレイストは微笑んで告げた。
「だって、王子が私なんかと」
「何を言っているんだ。僕は君が好きなんだよ。君以外なんて考えられない。僕のものになってほしいんだ」
「グレイスト様・・。やっぱり、あなたは凄い人ね」
二人は潤んだ瞳で見つめあい、唇を重ねた。二人の周囲が輝き、光が二人の体へ入っていく。
「これは?」
「神の祝福よ。力を持った者同士が結ばれた事を表しているの。これで私は人のまま暮らせるようになれた」
「では、猫の姿は?」
「そうよ。力を使うと命に係わるの、それを少しでも抑えるために猫になっていたの。本当の姿はこのガーベラの体、あなたはとても清い心で猫だと思った私を愛してくれた。私はもう、あなたの物よ」
この後、グレイストとガーベラはとても優しい王国を築いていった。王国は世継ぎにも恵まれ、長い間、繁栄したと言われている。
「にゃ~」
トキトキの町にも偶に黒猫が現れて奇跡を起こしているらしい。そんなときはグレイストとガーベラがトキトキの町で有意義なひと時を過ごしていたとか。
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